DDDRAVENGER −復讐者− 9話
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AVENGER −復讐者− 9話 悪魔への変貌
ハーデス/文


 

ミョルニール山脈…ゲフェンから遠く山を登った地方

一行は修行の為こんな山奥までやってきた

戦いに明け暮れ新たな武器を製造し、更には様々な術を覚えた

 

カトレア「ふぅ…」

ため息を零す…流石に日帰りとは行かないこの山篭りも潮時かもしれない…他でもない食料の肉や塩等がそろそろ寂しくなってきたのだ

カトレア「今日はここら辺で休もう、皆…明日にはゲフェンだ」

ティア「えぇ…この辺りならそれほど凶暴な魔物もいませんしね」

直ぐ近くには竜族が闊歩する危険地帯だがこの辺りは比較的大人しい昆虫族しかいない

ミルフィー「お腹すきましたのぉ〜…ご飯♪ご飯♪」

リリー「……そうね」

此処暫くリリーに元気が無い…戦いとなると其処の知れない魔力を発揮するのに何故か塞ぎこんでいるのだ

理由を聞いても「何でもないわ」の一点張り

カトレア「リリー…何かあったんじゃないのか?」

普段なら「貴女に心配されるほど落ちぶれてない」等と減らず口が来るのに

リリー「何でも…ないわ」

様子はおかしなままだった…

 

パチパチと焚き火が爆ぜていた

カトレアが見張りに立ち他の皆は寝静まった頃だろうか…後ろに立つ人の気配

カトレア「ティアか…どうした?」

ティア「えぇ…ちょっと眠れなくって…ね?」

何か思いつめた様な表情…やはり悪夢を見たか

ティア「御免…なさい」

突然の謝罪…しかし振り向いてみるとティアは自分ではなく何処か遠くを見つめていた

ティア「御免…なさい…御免なさい!御免なさいぃ!!」

泣き崩れるように蹲りひたすら謝り続けるティア

ティア「わ、私…吐いたわ…だって、気持ち悪かった!…助けてくれたのに!…わ、私は、吐いた……うぅぁあああ!!」

悪夢は…何時しか変わっていた

姉と師が腐り落ちながら自分達に向かってくる時に見せたあの濁った視線…忘れようも無い

ティア「だって、私…強く…ない…怖いし…気持ち悪かった…御免…なさい…御免なさい!御免なさい!」

謝罪は…自分に向けられた物ではなかった

カトレア「…ティア」

カトレアとて決して怖くなかった訳でも気持ち悪くなかった訳でもない…ただ、怒りと憎しみが勝っていたに過ぎないのだ

ティア「御免なさい…カトレア…」

カトレア「良いさ…弱音を吐くのは構わない…でも、それでもあたし達は残されたんだ…立ち止まるわけにも行かない」

自分は大して賢くも無い…悪夢の終わりも判らない

だからこそ剣を振るうのだ

それだけがきっと答えに繋がる道の筈だから…

カトレア「悪夢は自分で断ち切るしかない…また、あの悪魔に対峙するときも近い…今は休め」

ティア「えぇ…でも」

カトレア「寝られないなら別に寝なくても良い…目を閉じて横になれ」

我ながら厳しい注文だ…しかし挫ける訳にいかない

リリー「悪いけど…寝られなくなったみたいよ、二人とも」

ティア「リリーさん?」

カトレア「リリー?…どうしたんだ?」

今まで寝ていたはずのリリーがいつの間にか起き出して来た…しかもウィザードスタッフを掲げて

リリー「貴女達…それでも見張りなの?サイト!」

突如森が火の光に照らされた…遠くから迫る敵意…僅かな気配が漂う

リリー「敵よ!其処で呑気に寝てるミルフィーたたき起こして!」

カトレア「あぁ、すまん!」

僅かな気配…しかし急速に…そして確かに近づいてくる!

ティア「ミルフィーさん!起きて!」

ミルフィー「んにぃ?…朝ですのぉ?」

しかし…眠ったままこの気配を感じ取っていたのだろうか…リリーは

カトレア「良く…気が付いたな」

リリー「……たまたまよ」

何となく…それは虚偽に感じられる

ふと見つめたリリーの顔…何かが違う…

カトレア「なっ?」

目を疑う…瞬きして再びよく眺めたが…其処には何時ものリリーの顔

気のせいだったのだろうか…一瞬、目が赤く光った気がしたのは…

リリー「来るわ!サイトラッシャー!」

火球が八方に広がり遠くに飛んでいく

上がる火の手…森が火の光に明るく照らし出された

カトレア「ツーハンドクイッケン!」

ミルフィー「あふぅ…眠ぅ…アドレナリンラッシュ!ですのぉ〜」

ティア「ミルフィーさん!しっかり!行きます!ブレッシ」

リリー「止めて!」

カトレア「なっ?」

ティア「リリー…さん?」

リリー「私には…いらないわ」

血を吐くように言い切る…支援は無用とでも言うのだろうか

カトレア「なっ?ちょ、リリー?!」

リリー「行くわよ!ファイアーウォール!」

問答してる暇は無い…仕方なしにリリー以外に支援をかけて行く

カトレア「チッ…また我侭かよ…いくぜ!ボーリングバッシュ!!」

遂に敵が姿を現す…それは

ティア「何で?こんなところに…」

早い筈だ…相手は竜族!

地を駆けるプティットと空を舞うプティットが押し寄せた!

ミルフィー「はわわ、行きますの!」

漸く目が覚めたミルフィーが火2HAを持つと切りかかる

カトレア「せやぁっ!」

切りつけた…が、早い!

流石に竜族だけあって切りつけた程度では落ちもしない

リリー「ヘブンズドライブ!」

空を舞う竜に石柱が突き出すと百舌の贄のように突き刺す!

空を舞う竜達がバサバサと地に落ちた

カトレア「せあっ!」

止めとばかりに剣を敵ごと地に突き刺す

ミルフィー「ま、まだきますのぉ〜!」

数が…多い!

リリー「大魔法いくわ!」

カトレア「ぁ…ああ!」

ミルフィー「はいですの!」

ティア「あ…あの、サフラは…」

支援を断られ、もたついてしまうティア…一体、リリーがどういうつもりなのかが判らない

しかし、敵が迫る…詠唱動作に入ったリリーにせまる敵を切り落とすだけで問う暇も無い

リリー「ストームガスト!」

吹雪が吹き荒れ敵が凍りついた

嵐の様なストームガスト…逸れは既にセルシウス度250℃を超え絶対零度にすら近い

一瞬で砕け散る敵の骸…リリーの魔力の底が見えずその威力には仲間達ですら戦慄を覚えた

リリー「まだよ…くるわ!」

疾風の様に迫る一つの影…新手だ

カトレア「早い!」

竜族よりも更に高速で迫る影!

あれは…ジョーカー、本来グラストヘイムにしか生息していない筈の魔物

ティア「魔物達が…溢れた?」

リリー「燃えなさい!ファイアーウォール!」

地から吹き上がる炎の壁!あまりの高温に景色が歪む!

ミルフィー「えぇっ?!き、効きませんのぉ?」

そんな灼熱の壁を物ともせずに突き抜けて最前線のカトレアに肉薄した!

リリー「何ですって?!…これでどう?ユピテルサンダー!」

巨大な雷球が迸る!…しかし、敵に直撃する寸前に消えた…否、吸い込まれた様に見える

ティア「まさか…アトリビュートチェンジ?!」

アトリビュートチェンジ…属性変化…その属性は

カトレア「クッ!聖属性か!」

クレイモアを握り切りかかるカトレア

光のような速さで袈裟懸けに繰り出す斬激は…敵を掠めただけだ

カトレア「クソッ!」

余りにも速い…あの悪魔をも凌ぐような速さ

ティア「カトレア!キリエエレイソン!!」

カトレアを包むバリア…敵の繰り出す攻撃をギリギリの線で受け流す

カトレア「速さだけならコイツの方が上か…良いだろう、あたしだって何もしてなかった訳じゃない!」

クレイモアを構えなおしたカトレアがその瞳を…伏せた

余りの速さ…目で追っていては却ってその速さに惑わされてしまう

繰り出される敵の打撃が直撃する…気配だけを頼りにその瞬間を待っていた!

カトレア「くらえ!オートカウンター!」

紙一重で攻撃を交わすとカウンター攻撃を叩き込む!

確かな手応えがあった!しかし、止めを刺すには至らない

カトレア「クソッ!浅いか!」

リリー「カトレアッ!」

リリーが腰の短剣をカトレアに放った!

宙を舞う短剣の柄を握りしめそのまま返す手で抜き放つ!

カトレア「止めだ!」

抜刀の勢いのまま回転力を高めて深々と突き刺さる短剣

カトレア「その躯には応えるだろう…魔剣の味は!」

突き刺さった魔剣、オーガトゥースを握りなおし引き裂いた

血飛沫を上げて倒れこむジョーカー…漸くけりが付いた

敵の骸から転がり出たアイテムを神速で拾い上げるのは…やはりミルフィー

ミルフィー「紫箱ゲットォ!ですのぉ!」

 

 

聞きたいことは山ほどあった…身の危険が迫り仕方無しに町に飛んだ一行だが、聞く間も無く帰るなり戦利品すら捨て置き部屋に引き篭ったリリーを尋ねに行く

カトレア「入るぞ…リリー」

リリー「入ってこないで!」

扉の向こうからの叫び…強い拒絶

流石に此処まで好き勝手されればカトレアとて怒るのは当然だ

カトレア「いい加減にしろ!リリー!」

鍵の掛かったドアを蹴破り怒りに燃えたカトレアが部屋に押し入る

しかし…次の瞬間には仲間の変わり果てた姿に怒りどころか息をすることさえ忘れてしまった

リリー「ぁ…み、見ないで…見ないでぇ!」

其処に居たのは…頭から二本の角を生やし輝く赤い瞳が怯えたように布団の中から自分を見上げていた

カトレア「お前…リ、リリーか?」

寒くも無いのに毛布に包まってガチガチと歯を打ち鳴らしながら震え続けるリリー

僅かに漂う…しかし、これは確かに…瘴気だ

リリー「嫌…わ、私…私…違う…違うの!」

訳の判らない自らの体の変化に怯えて必死にその可能性を打ち消そうとする…

外れることの無い自らの直感が自らの正体を告げる…否それはそもそも直感等ですら無かったのだ

カトレア「何があった?…話してみろ」

流石に動揺は隠せない…しかし涙を流しながら怯えるリリーを捨て置くわけには行かない

リリー「み、見えるの…全部…聞こえるの…何もかも」

全てが見え全てが聞こえる…範囲こそ限られる物の物理的法則を完全に無視し瞼を突きぬけ壁の向こうが見渡せる…耳を塞ごうとも町の話し声が耳に響く

他の支援魔法は兎も角、ブレッシングをされると体中から力が抜け立つことがやっとの有様だ

カトレア「他には?…この角は何時からだ?」

リリー「…もうずっと前からよ…それに、角だけじゃないの…」

カトレア「角だけじゃ…ない?」

リリー「………た、助け…て」

カトレア「…リリー」

リリー「助けて…カトレア」

震えながら伸ばされた手を…躊躇う事無く握り返す

カトレア「…リリー」

震える躯を抱きしめた…が、抱きしめたリリーの躯にも違和感があった

カトレア「リリー…これ…は?」

リリー「嫌っ!」

咄嗟に身を返して振りほどこうとする…が、咄嗟の処で引き止めた

カトレア「大丈夫だから…わかったから…」

抱きしめた躯の違和感…正確にはその下腹部の膨らみ

角が生えたくらいだ…その躯も大きく変わりつつあるのだろう

リリー「変なの…私の体…どんどん変わってくの…」

カトレアに抱きすくめられホンの少しだけ震えが和らぐ…何故か安心できた

カトレア「大丈夫だ…あたしが…何とかするから」

とは言えカトレア自身何が何やら訳がわからないのだ

ただ、あの首飾りが取れた際に見たリリーとこの変化が到底無関係とは思えない

カトレア「リリー…少し調べさせてもらうぞ」

リリーの頭を抱きしめるように抱え込むとその角の生え際を調べる

カトレア「…」

思わず絶句した…それは確かに頭皮から直接生えていたのだ

リリー「ど、どうなってる…の?」

カトレア「…生えてる」

我ながら間抜けな答えだ…判ってる事はマジェスティックゴートと違い脱着不可能だと言うこと…

次いで目を覗き込んだ…赤い瞳…しかし、あの時と違い意思の光は消えておらず思わず見つめてしまった

色素そのものが変化したような見事な赤…猫の目の様に薄暗い部屋の中でも爛々と光り輝いている

リリー「ど、どうなの?」

カトレア「あ、あぁ…綺麗だ」

リリー「そ、そうじゃなくって!」

直りそうなのかどうかを聞きたいのだが帰ってくるのは頓珍漢な答え…しかし、まさかハッキリと色そのものが変わっていて治せない等と言える訳が無い

カトレア「こっちも…なんだな?」

リリー「…ぃゃ」

思わず身を引きそうになるが抱きしめられたままでは逃げられない

カトレア「大丈夫…怖がらなくていいから」

リリーの服を肌蹴ると露になる白い肌を撫で回すようにしながらその膨らんだ下腹部を包む布切れを脱がしていく…

其処には本来あるはずの無いものが生えていた…

リリー「見ない…で」

顔を両手で覆い隠して余りに変わり果てた我が身を恥じ入る

その一物は女性器の直ぐ上…というより女性器の一部、クリトリスが異常に肥大した形で付いてはいたが形そのものは正に男性器に他ならない

ふたなり…カトレアとて見るのは初めてだ…治せるか治せないか…ハッキリ言って無理だ

切り落としたりするわけにも行かない…それは確かに体の一部でありそんなことをすればリリーの躯の受けるダメージは計り知れない

カトレア「ずっと…こうなのか?」

それは今にもはちきれそうなほどに張り詰めていた…少し擦っただけでも射精しそうな勢いだ

リリー「………嫌ぁ」

まさか…ずっと此れを我慢していたのか

カトレア「今…楽にしてやるよ」

一通り見た物の簡単には治せはしない事しかわからない…だが、一時的に楽にしてやることくらいならできるだろう

顔に掛かる赤毛を掻き揚げるとリリーの股間に顔を埋めその陰茎を口に含む…熱い

リリー「ヒィッ?!」

初めて味わう男性器の快感に飛び上がりながらカトレアの頭に抱きついてしまう

ネットリと柔らかい口腔粘膜に包まれる陰茎から脊椎まで突きつけるような快楽が伝わる

舌先が包皮と亀頭の間に滑り込むと恥垢をこそげ落とすように舐めまわしながら指で茎を扱きつつ余る手で陰唇を撫ぜまわす

リリー「あぁぁ?!…何か…変!変なのぉ」

カチコチに勃起すると唇で皮を被ったままの亀頭をゆっくりと剥いていく…

リリー「ひぅっ?!痛っ!」

皮が引き攣れて始めて外気に触れる亀頭の感覚がまだ余りにも敏感すぎる為か、痛みにも近い快感にプルプルと躯を振るわせた

包皮を剥き終えると真っ赤に充血した亀頭から唇を離す

テラテラと唾液に濡れ光りビクビクと脈打つ陰茎の根元から先端まで舌を這わせて嘗め回していく

カトレア「大丈夫だ…痛くしないから、力…抜いて」

再び口に含むと今度は喉奥深くに大きく飲み込む

口内に唾液が溢れ、陰茎にベトベと纏わりつかせると柔らかな喉粘膜で亀頭を軽く締め上げる

更にツプリッと膣内にその細い指が滑り込むと肉襞を撫で回しながら陰茎の根元を裏側から指の腹でコリコリと刺激していく

この場合も童貞というのかは定かではないが始めて味わうディープスロートに一気に陰茎を熱い奔流が駆け上がった!

リリー「嫌ぁ!…な、何か!来る!で、出ちゃう!!」

ドプッっと喉奥に強かに叩きつけられる粘液、陰嚢は見当たらないがちゃんと出るようだ

思わず咽そうになるがグッと堪えて全てを出し切るまで喉奥で受け止めていく…

リリー「嫌ァ…ダメェ…カト…レア、汚い」

喉が蠢いて粘液を嚥下していくのが判る…飲んでいるのだ

カトレア「ぷふぅ…平気だよ…リリーのだしな」

言わば精通したばかりで出された粘液は濃く喉に絡みついたままだったが最後に亀頭に唇を付けて精管内に残った精液をチュルチュルと吸い上げていった

まだ半勃ちではあるがゆっくりと力を失っていく陰茎…絶すれば収まるのは同じらしい

リリー「ご、御免…なさい、カトレア」

捨て猫の様に怯えながら震えるリリーを思わず抱きしめると二人でベットに倒れこむ

カトレア「落ち着いたか?」

リリー「少しだけ…でも、まだ怖いわ…私…どうなるの?」

不安は消えない…このままでは自分は自分でなくなってしまうのではないだろうか…

カトレア「リリー…今は休め…あたしがなんとかしてやるから」

何故だろうか…自分は何時からこんなに甘くなったのか…

しかし、どうしても放っておけないのだ、一度だけ強く抱きしめるとゆっくりと躯を離していく

カトレア「直ぐ戻るよ…ゆっくり休むと良い」

独りは怖いのだろう…震える手を伸ばすリリーの手を握り締めてやりたい…

だが、どうしても行くべき所があった

 

カトレア「ミルフィー!ミルフィー!居るんだろう!」

ドアを蹴破らんほどの勢いでミルフィーの部屋に押し入った…恐らくミルフィーなら知っている筈だ

ミルフィー「カトレア…ちゃん」

何の話かはもう察しが付いているのだろう…何時もの元気は也を潜めていた

カトレア「ミルフィー…お前は何を知っている?リリーの躯の変化はどういうことだ?!」

ミルフィー「…ゴメンなさい…ですの」

カトレア「どういうことだと聞いているんだ!」

それ程気は長い方じゃない…ハッキリしないミルフィーに苛立ちを込めて問い詰める

ミルフィー「……ゴメンなさい…ですの」

カトレア「お前…それでも仲間なのか?!あいつはなぁ…一人で怯えてたんだぞ!自分の変化に!」

ミルフィー「………」

カトレア「手前!いい加減にしろ!」

ミルフィーの胸倉を掴みその躯を揺さぶるように詰問し出す

カトレア「あいつはなぁ…助けてって言ってたんだぞ?!どういうことだ?!あぁ!」

ミルフィー「うくっ…ゴメン…なさい…ですの」

どうあっても口を割るつもりは無いのか…只管に「ゴメンなさい」だけを繰り返す…ミルフィーを放り出す

カトレア「クソッ!じゃぁ…これならどうだ?…あいつの首飾りが外れた事があった…アレはなんだ?」

ミルフィー「は、外れたんですの?!ど、どうなったんですの?!!」

初めてミルフィーの顔に動揺が広がった…やはり知っている

カトレア「あたしの質問には答えずに自分の質問には答えろっていうのか?」

ミルフィー「ぅ……」

流石に返す言葉も無い…押し黙るミルフィーとカトレア…その沈黙を打ち破る声

「そう彼女を責めないであげてください」

カトレア「あ、あんたは…」

ミルフィー「せ、先生…」

魔術師「その質問には…私の方からお答えしましょう」

ミルフィー「…判りましたの」

諦めたように呟き床にへたり込むミルフィーから手を離したカトレアが魔術師と向き合う

カトレア「話してもらおうか」

魔術師「えぇ…少々長くなりますが…私が昔所属していたギルドにウィザードが居りました…当時、まだ駆け出しのマジシャンでしかなかった私は様々な術を彼女から教わり憧れても居りました」

遠い昔を懐かしむ様な語りだった…

ギルドとしての冒険…厳しい修行の日々

しかし、ある掃討作戦時、力及ばぬゆえに町に居残った彼に届いたのは…グラストヘイム古城でのたった一匹の悪魔によってのギルド壊滅の知らせだった

魔術師「私は…信じられませんでしたよ…しかし、後日、それを決定付ける出来事がありました」

途方にくれた彼の前に降り立つ一匹のファルコン…それは確かに仲間のファルコン…遠くから飛び続けたのだろうか…満身創痍のまま降り立つと言うよりも墜落した

魔術師「そのファルコンの口には彼女の杖が…そして…ファルコンが抱きかかえて飛び続け私の元に届けた一人の赤子…それがリリーでした」

直ぐに判った…彼女と同じ濡れるような黒い髪と黒き瞳…しかし、その赤子は…

魔術師「呪われていました」

その片鱗を見せたのはまだ1歳にも満たぬ頃だ…リリーは立つよりも速く

魔術師「ファルコンを…魔力だけで引き裂いたのです」

呪われていた…つまりあの首飾りは…封印か

魔術師「私は私の持てる全ての術を行使し彼女の力を封じ、また、教会の目から彼女を隠し続けてきました…しかし先日、転職試験の折、彼女と手合わせを致しました」

転職試験…試験の名を借りて力を試したのだ…

魔術師「既に彼女の魔力は私の力を超えつつあります…封印が敗れたのではなく過剰分の瘴気が溢れ出しているのですよ…」

カトレア「つまり…リリーの魔力って一体何なんだ?」

そう、人間とは思えない程の魔力…あの力は何処から溢れてきているのだろうか

魔術師「彼女の母は確かに類稀なる魔力の持ち主です…しかし、彼女を食い殺した悪魔…バフォメットはそれを更に上回る魔力を誇っていました…私に届いた壊滅の知らせ…それにはこうありました」

…ギルドは壊滅、殆どの者は食い殺され、女は犯され中には食料として幽閉された者もいる…

魔術師「リリーは、彼女の母親は私の良く知るウィザードです…しかし、その父親等私には心当たりが無かったんですよ…ですが、報告にある様に女は犯され幽閉された…つまり彼女の父親こそ…」

カトレア「まさ…か」

息を呑む…そんな話は聞いたことが無い、前例が無いのだ

魔術師「バフォメットという悪魔なのですよ」

カタンッ

カトレア「誰だっ?」

扉の向こうで響く物音…其処に佇む影

カトレア「…ティア」

ティア「そ…んな」

不味い…自分はまだしもティアは…プリースト…教会側の人間だ

カトレア「ティア!待て!」

逃げるように駆け出すティアを追うカトレア…何処かしらホッとした様な…そして全てが終わってしまったかのようにハラハラと涙を零し力を落としたミルフィーがポツリと呟いた

ミルフィー「きっと…リリーちゃんにも聞こえてしまいましたの」

 

もしかしたら続くかも

 

ハーデス「いぁ…すまん、長くなっちまったぜ」

カナ「うぅ〜ん…一話に詰めすぎだね、尺をもう少し短く出来なかったの?」

マナ「まぁそれは良いとして、ジョーカー紫箱落とさない…ですよね?」

ハーデス「こ、此れは…二次創作だぁ!!!(無理杉」


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