DDDRAVENGER −復讐者− 10話
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AVENGER −復讐者− 10話 ゲフェニアの決戦
ハーデス/文


八方手を尽くした…

古文書を調べ、様々な解呪も試みた…しかし、角も瞳の赤い光も消えることは無かった

リリー「もう…いいわ、ありがとう、カトレア」

カトレア「リリー…すまん」

力及ばずどう足掻いても治らない、治せない

リリー「いいの、気にしないで…それより、今はきっとこの力が役に立つと思うわ」

震える手で煙草を取り出して指先に火を灯し軽く吸い上げる…今はニコチンでさえ気休めにもならない

明日にはゲフェンダンジョンだ…何時までも気落ちして入られない

あの悪魔相手では一瞬の気の緩みは命取りだ

 

リリーと入れ替わりにカトレアの部屋に戻ってきた影

カトレア「ティアか…」

ティア「えぇ…御免なさい」

やはりどうにもリリーとは未だ顔は合わせ難いのか…

カトレア「嫌、教会に通報されても文句は言えないからな…感謝してるよ」

ティア「そんな…通報なんて」

確かに…本来聖職者であれば悪魔の存在を捨て置いては許される筈も無い

しかし…リリーは今まで旅をしてきた仲間だ…

でも、悪魔だ

ティア「御免なさい、やっぱり私…」

カトレア「そうか…それも仕方ないな」

ティア「御免なさい…ドッペルゲンガーを倒すまでは私も着いて参りますが…その後は」

悪魔を倒した後は…流石に悪魔と行動を共にする気には成れないのだ

ゆっくりと近づいてきたティアがカトレアに凭れ掛かる…思えば此処数日、リリーに掛かりっきりでティアは殆ど相手にもしていなかった

ティア「ふふっ…リリーさんの匂いがしますね…」

流石に痛かった…しかし、その口調は以外にも怒っていない

カトレア「すまない…ティア」

ティア「良いんです、判ってますから」

ずっと見ていたのだ…今のカトレアの視線が何処にあるのかはもう判っていた

ティア「だから…此れで最後ですから…お願い」

悪夢も…明日でどちらに転んでもきっと終わるだろう…もう、馴れ合いも必要ない

カトレア「…済まない…」

最後の悪夢の夜が更けて行く…

 

 

ゲフェンダンジョン

一行は依然とは格が違った

数多の戦いを潜り抜けそれぞれが成長していた

毒キノコを熨し、ウィスパーを蹴散らし、グールを焼き尽くす

ティア「ブレッシング!」

カトレア…ミルフィー…ティア、そして自分だけに掛けられないブレッシング

リリー「………」

支援魔法が切れ、掛け直す度に否応にも皆とは違うことを痛感させられる

カトレア「…行こう…もう、奴は目と鼻の先だ」

階段を下りて行くと其処から直ぐに転送不可能領域に入った

これでもう此処を歩くのも三回目だ

ドッペル「やぁ、いらっしゃい!」

相手は…もうとっくに気が付いていたのだろう、4人を待ち構えるように其処に居た

カトレア「ドッペルゲンガー…今度こそ」

ドッペル「ん〜…残念だなぁ、君にはあまり興味ないんだよね…興味があるのは…」

悪魔の目がリリーに向けられる

ドッペル「ねぇ?君、こちら側に来ないかい?」

カトレア「ふざけるな!悪魔が!」

ドッペル「悪魔…悪魔ね…クスッ、君のお仲間だって悪魔じゃないのかい?」

カトレア「違う!…リリーはリリーだ!…人じゃないかもしれない、でも悪魔でもない!」

リリー「良いわ…そちら側に行くわ」

カトレア「なっ?!しょ、正気か?!」

ミルフィー「リ、リリーちゃん?!」

ティア「…そ、んな」

リリー「だって、もう私は人には戻れないもの…此処に私の居場所は無いわ」

ずっと感じていた疎外感…あふれ出す瘴気…もう自分で抑えるのも限界だ

リリー「これが手土産よ、ストームガスト!」

リリーを中心に吹き荒れる吹雪!

カトレア「クソッ!リ、リリー!!」

裏切られた…躯が徐々に凍り付いていく

ティア「…悪魔は…悪魔なのです…ね」

凍りつく躯…消え行く意識の中、絶望の呟き

ミルフィー「違いますの!リリーちゃんは…リリーちゃん…です…の」

そして仲間達は凍りついた…

ドッペル「クスクスッ…そうだよね…君も悪魔だものね」

リリー「えぇ、人間の中にいるのは…少し疲れたわ」

凍りついた仲間に目もくれずに新たな仲魔に近づいていく…

ドッペル「でも、だったら何故何時までもそんな物をつけているのさ」

自らの力を封じる首飾り

リリー「そう…ね」

首飾りに手を掛けると投げ捨てる

一陣の風が吹き抜けるようにして噴出す瘴気と魔力!

ドッペル「ふぅん…どうやら本気みたいだね」

リリー「人間に…未練は無いもの」

悪魔と対峙する…しかし

リリー「でも、だからといって貴方の手下に成り下がるつもりは無いわ」

ドッペル「だろうね、でも今の君ではまだ勝てないと思うよ…クスッ」

確かに…目の前の悪魔の力は強大だ…今のリリーに勝算は無い

リリー「えぇ、だから今だけは貴方の下に付いてあげる、ただし」

ドッペル「ただし?」

リリー「本当に私に勝てたらね!アイスウォール!!」

氷の壁を生み出すと悪魔を閉じ込める

ドッペル「穏やかじゃないね」

悪魔の持つ剣が光ると氷に亀裂が入る

リリー「ストーンカース!」

石化魔法…だが狙いは悪魔ではない

ドッペル「へぇ、こんな使い方をするなんてね」

氷の壁は一瞬で石に変わり悪魔を石が取り囲んだ

リリー「いくわよ!メテオストーム!!」

出し惜しみする気は無い…初っ端から最大威力の大魔法を放つ!

ドッペル「残念だなぁ…殺しちゃうかも」

剣を振るうと石が砕け散る…召還された隕石をも切り裂き辺りに降り注ぐ隕石の欠片が地に穴を穿つ

ドッペル「手加減してあげるよ!」

軽く剣を振るうと…地を蹴って後ろに逃げ飛んだリリーに当たる寸前の処で剣が…弾かれた

ドッペル「何っ?!」

セーフティウォール…ではない…

これは…キリエ、キリエエルレイソン!

カトレア「気付くのが遅いんだよ!」

いつの間にか真後ろに回りこんだカトレアが袈裟懸けに切りつけた!

ミルフィー「でも、流石にちょっと寒かったですの!」

逆側から振り払う斧が悪魔の腕に食い込む!

ティア「私としてはあんまり乗り気じゃなかったんですけど…マグヌスエクソシズム!!」

完全に不意を突いた攻撃を諸に食らう悪魔…

石の壁…あれは壁の強度を上げるためではなく…視界を遮っていたのだ

天使が光臨すると地に十字架を描き光の奔流が迸る!

ドッペル「ぐぁぁぁ!!」

流石に悪魔…これは強烈に効くのだろう…巻き込まれては叶わないと透かさず飛びのくリリーの胸元に光る首飾り

投げ捨てたのも偽物の首飾りでしかなかった

リリー「もういっちょ行くわよ!メテオストーム!!」

身動きの取れない悪魔に更に頭上から降り注ぐ隕石郡

カトレア「騎士道には…反するよなぁ…ボーリングバッシュ!!」

クレイモアを掲げて止めに走る…が

ドッペル「おのれぇぇええ!」

光の奔流を浴び、隕石をまともに食らい、流石にダメージは大きい…

切りかかるカトレアの剣を交わしきれずギリギリ剣で切り返すのがやっとだ

ドッペル「クソッ!来い!わが眷属達!」

空間が歪む

カトレア「何っ?!」

ティア「此れは…召還?!」

響く蹄の音…歪められた空間から無数の馬の首が顔を覗かせる

ミルフィー「はわわ〜、いっぱい来ましたのぉ〜!」

その数、実に10匹以上は軽くいるだろう…ナイトメアの群れが現れた!

リリー「卑怯よ!」

…どの口で言うかその台詞…流石に力が抜けそうになる

ミルフィー「こっちは任せますの!アドレナリンラッシュ!オーバートラスト!ウェポンパーフェクション!マキシマイズパワー!!フルパワーでいきますのぉ!!」

続々と現れるナイトメアに切りかかるミルフィー、炎を巻き上げる斧が縦横無尽に繰り出される

リリー「さっさと決着付けなさいよ!ソウルストライク!ファイアーウォール!」

ミルフィーの援護にリリーが奔った

際限なく現れるナイトメア…今更負けないまでもキリが無い

カトレアがクレイモアを構えると支援をかけていく

ティア「カトレア…決着を、イムポシティオマヌス!アスペルシオ!」

カトレア「行くぜ…!ツーハンドクイッケン!!」

金色に光り出すカトレアの体…聖水に濡れ光るクレイモア

そして毎日振り続けられたカトレアの剣…その速度はドッペルゲンガーに決して引けは取らない!

振り下ろす剣、薙ぎ払う剣!

交錯するたびに火花が散り、お互いの躯を剣に生み出された真空の風が切り裂く

舞い上がる血煙の中…次第に…カトレアの剣速が増して行く!

カトレア「せぁああああ!!」

カトレアの躯が真っ赤に染まっていく…オートバーサークが掛かった!

ドッペル「クソッ!…こんな…人間どもに!」

不意を突かれズタボロに成る程痛めつけられたまま切り結び徐々に斬り付ける数が減っていく…そしてもはや防戦一方になった

カトレア「くらえぇ!ボーリングバッシュ!!」

聖属性を伴う止めの一撃!

振りかぶった剣を真一文字に振り落とした!

ドッペル「人間がぁ!!」

消えた…忽然と

ティア「そんな?!瞬間移動?…使えないはずなのに…」

転送不能領域…にもかかわらず飛んだ

カトレア「クッ!…何処だ?!」

真後ろに…僅かに感じる気配!

咄嗟に横に飛ぶ!

ドッペル「クスッ」

一瞬遅い…剣の切っ先が足の腱を切り裂いた

ティア「ヒール!」

瞬時に塞がる傷口…しかし、痛みに足捌きが鈍る

ドッペル「もう一度行くよ…今度はかわせるかな?」

そして再び掻き消える悪魔の姿

カトレア「クソッ!此処まで来て…負けられない!」

…落ち着け…術中に嵌ったら負けだ…

クレイモアを鞘に収め目を閉じる…僅かに感じる殺気…八方に飛び回っていた殺気が…次第に迫ってきた!

正面!

ドッペル「死ね!」

振り下ろされる剣…紙一重で交わすも風圧で切り裂かれる腕の痛みすら感じない!

カトレア「見切ったぁ!オートカウンター!」

完全に剣を振り下ろした直後の一瞬の隙をついた斬激!

静から動へと転じ、抜刀の勢いを乗せ胴を薙ぎ払った

強靭な悪魔の肉を裂き、鋼鉄のような骨をも砕き突き抜けた剣の切っ先が聖なる光と共に悪魔の躯を両断した

ドッペル「ク…ククク…此れで…終わりではないぞ」

不気味な笑みを残し一振りの剣を残して灰のように消え去っていく悪魔…

カトレア「・・・やった…のか?」

ティア「か、勝った・・・の?」

見れば離れてリリーとミルフィーと交戦を続けていたナイトメア達が

ミルフィー「き、消えますの?!」

リリー「元が…断たれたのね」

悪魔の魔力によって現世に留まっていた眷属たちも主の消滅により消え去っていく

リリー「終わった…のね、おめでとう、カトレア、ティア」

ミルフィー「お疲れ様でしたの、カトレアちゃん、ティアちゃん」

見れば全員もはや疲労困憊だ…でも、今度は生きている…皆無事だ

ティア「はい…有難う御座います…有難う…」

胸に去来する想い…涙が自然と溢れ止まらない…やっと討てたのだ…仇を

カトレア「姉さん…」

自分は…姉を超えられたのだろうか…そんな考えが浮かぶが直ぐに打ち消す

もう、姉は居ない…比べても詮無き事だ

カトレア「さぁ、皆…町に帰ろうか!」

剣を収め戦利品の剣を拾い踵を返した一行の足が…止まった

カトレア「…な、に」

ティア「な、ん…で」

たった今、葬った筈の悪魔が…立っていた

ミルフィー「こ、こっちもですの?!」

右にも左にも…否、いつの間にか悪魔に囲まれていた

ドッペル「クスクスッ…あの位で終わりだと思ったのかい?」

リリー「なら…また倒すだけよ!ユピテルサンダー!」

雷球が奔る!…しかし

カトレア「すり抜けた?!」

ティア「嘘…」

悪夢は…終わらないのだろうか

たった一人の悪魔にあれほど苦戦したというのに…ざっと10人にも近いドッペルゲンガーに囲まれてしまったのだ

ドッペル「ふふっ…そらっ!」

瘴気が奔り4人の躯を打ち抜いた!

カトレア「うぁぁあ!」

ティア「きゃぁあああっ!」

武器が吹き飛び、鎧が、服が切り裂かれる

ドッペル「クスッ…君たちとはもう少し遊んでみたいんだ」

何時しかミルフィーもリリーも武器を奪われ服を切り裂かれ、悪魔に捕われている

カトレア「リ、リリーに触るなぁ!」

武器を奪われても尚も拳で殴りかかる!

しかし、拳は呆気なく受け止められるとカトレアもまた組み伏せられた

ドッペル「クスクスッ味見させてもらうよ」

皆、3人がかりのドッペルに押さえ込まれて碌な愛撫もされずに猛る陰茎が穴と言う穴に押し込まれる

カトレア「むぅぅっ?!」

ティア「嫌ぁ!んぐっ?」

ミルフィー「はぅ…は、離してですのぉ…むうぅ」

リリー「み、皆!…嫌ぁぁ!」

目の前で仲間達が犯されていく…

口腔に押し込まれ唾液を滴らせて喘ぐミルフィー

力ずくで組み伏せられて膣内が引き裂かれそうなほどに押し広げられながら犯されるティア

そして、前後の穴に陰茎を埋め込まれて喘ぐカトレアの姿…正視に耐えない

ドッペル「クスクスッ…目を瞑っても君には見えるだろう…聞こえるだろう、中間達の姿がサ」

リリーの持つ千里眼、奇しくもその為に嫌が応にも目に入る仲間達の痴態

膣と肛門、更に口内を犯される3者3様の姿

ミルフィー「んん〜?んぶふぅっ?!」

口の中に出された精液が溢れ返り咽返りながらも口腔に陰茎を埋め込まれ口と陰茎の隙間からドロドロと白濁した液体を零すミスフィー

ティア「んんん〜!!」

プラチナブロンドの髪にかけられる白濁液が髪を伝い落ち白い肌にポタポタと滴る

カトレア「クッ!!」

陰茎に歯を立て噛付くも鋼鉄のような硬度の前に文字通り歯が立たないカトレアの膣からもボタボタと白濁した精液が溢れかえる

リリー「離してっ!皆が…皆が!」

四肢を押さえつけられながらも嬌声を上げ喘ぐ仲間を助けようともがく

ドッペル「クスッ…今度は君の番だよ、ゆっくり楽しもうじゃないか」

リリー「離せ!ナパームビート!」

念力で吹き飛ばそうとするも魔力は悪魔の体をすり抜け後方の石が砕けるだけ

ドッペル「クスッ無駄さ…ほらっ、皆も楽しんでるじゃないか、君も楽しめば良い」

仲間達の瞳からは既に理性の光は消え去りただ快楽に喘ぐだけの人形に成り下がっていた

ミルフィー「もっと…もっとですのぉ〜」

性経験に乏しいミルフィー等与えられる快楽に抗い様もない

下から陰茎で突き上げられるたびに悪魔に絡めた足がヒクヒクと震えながらお漏らしのように愛液を滴らせて悪魔の陰茎の滑りを更に加速させる

ティア「はぁぁっ!…こ、こんな…こんなの感じすぎ…ちゃう、あぁ!」

あれ程忌み嫌い憎悪を抱いた悪魔に膣壁を擦られ、直腸の粘膜を突き上げられただけで口元に笑みさえ浮かべて涎を滴らせるティア

それはカトレアでさえも

カトレア「あぁっ!凄い…こんな…ふ、太いぃ!」

ギチギチと膣口が広がり銜え込んだ陰茎と膣壁が擦りあって生まれる脳髄を突き上げるほどの快楽に身を躍らせるようにくねらせ、自ら腰を使い出している

リリー「嫌ぁっ!…こ、こんなの…見たくない!」

大切な仲間達が肉の人形の様な醜態を晒し白痴女の様に開きっぱなしの口からザーメン混じりの涎を垂れ流して腰を使う姿…こんな物を見せられるぐらいなら…いっそこの両目を抉り取ってしまいたい!

魔術師(魔術を志すもの、常に冷静でありなさい)

念話?…突如耳に直接響き渡る師の声

リリー(せ、先生!)

遠く地上からの呼びかけ…慣れ親しんだ声…

安心できた…不思議と心が落ち着く

魔術師(目を開けて良く見るのです…目を凝らしその先に何があるのかを!)

リリー(この…先に?)

悪魔の抽送に踊る仲間達の肢体…しかし…何かが変だ

カトレアの…傷だ!傷跡が無い!

リリー(有難う御座います…先生)

漸く判った…これは…幻覚…或いは夢だ!

辺りに漂う瘴気…その瘴気に隠れてこの悪夢を見せている根源を辿る

リリー「其処ね!ヘブンズドライブ!!」

「きゃぁぁぁっ!」

地から突き出す石柱に噴き飛ばされる女の悪魔

サキュバス…この悪夢を見せていた物の正体だ

サキュバス「…童の夢を見破るとはね」

リリー「おあいにく様、仲間の体の事くらい覚えてるわよ!ヘブンズドライブ!」

サキュバス「ふふっ…やるじゃないか…でも、魔術師一人で何が出来るって言うのさ!」

迫るサキュバス…前衛はまだ夢の中だ

リリー「それはどうかしらね、ヘブンズドライブ!」

石柱は大きく外れ悪魔の手が迫る…しかし、寸前の処でその歩みが鈍った

サキュバス「クワグマイアか…こんなもんで何時までも逃げられると思うのかい!ダークストライク!」

リリー「思うわよ!ソウルストライク!」

ぶつかり合う魔力と魔力!

しかし、相手が悪い…何しろ相手はサキュバス…耐久力こそ大したことは無いが魔力ではドッペルゲンガーを超える相手だ…更に魔法は…無効とまでは行かないが非常に効き難い相手…最も魔術師の苦手な相手だ

撃ち負ける!

リリー「きゃぁぁっ!」

吹き飛ばされた…勝ち目は薄い

サキュバス「大人しく夢に食われておれば良かった物を!」

手刀がリリーの首に伸びる!

リリー「セーフティウォール!」

間一髪、結界を張ると寸での処で弾き返した

サキュバス「ほほう、結界かえ?…しかし、それだけでは童には勝てぬぞ!」

リリー「ヘブンズドライブ!!」

馬鹿の一つ覚えのように繰り返されるヘブンズドライブ…しかし、敵からは大きく外れ洞窟を大きく揺るがしたに過ぎない

だが、それらは全て伏線に過ぎなかった

リリー「ふふっ…おばかさん」

サキュバス「何じゃと?」

先ほどから逃げ回りながら距離を稼ぎ繰り返したヘブンズドライブ…幸い仲間からは大分離れることが出来た

リリー「これで終わりよ!ヘブンズドライブ!」

ズンッ!と響く地響き…幾度と無く繰り返される洞窟内での地盤の揺れに遂に落盤が起きた!

サキュバス「きゃぁぁぁぁ!」

落下を始めた岩盤…サキュバス共々生き埋めになっていくリリー

リリー「セーフティウォール!!」

結界を張り唯ひたすらに耐える…しかし、流石にこの落盤は…結界では荷が重い

リリー「まずったわねぇ…これは無理かも…」

幸い悪魔は倒せた、仲間は無事だろう…ポケットから煙草を取り出すと降り続ける落石の中、指先に火を灯して深く吸い上げた

リリー「ん〜、美味し♪」

結界に徐々に亀裂が走る…もう然程持たないかもしれない…

リリー「さてと…そろそろ幕引き…かな」

一際大きな岩盤が頭上に迫る…スローモーションの様に迫る岩盤を見上げながらゆっくりと煙を吐き出した

そして…リリーは闇に包まれた

 

 

ティア「ぅぅ…あ、悪魔が…」

ミルフィー「ぁ…あれ?…私、ど、どうなってるんですの?」

カトレア「ぅ…此処…は…はっ?!」

辺りを見回す…自分達を取り囲んでいた筈のドッペル等姿も見えない…それどころか衣服もそのまま…夢でも見ていたのだろうか

しかし

カトレア「リ、リリー?…リリー?!何処だ!」

仲間の姿も…見えなくなってしまった

ティア「リリーさん」

虚ろな夢の中…誰かの声を聞いた様な気がする…あれは…

ミルフィー「な、なんだかあっちが崩れてますの!」

カトレア「何だと?!」

見れば確かに落盤が起きたのか、洞窟内の一部が崩れ落ちていた

ティア「リリーさんが…戦ってたの?」

駆け出すカトレア…遅れてミルフィーとティアも追っていく

カトレア「此処か?リリー!リリー!」

ミルフィー「カトレアちゃん!そっち持ってですの!」

落石をなんとか退かし始める…だが、たった三人…到底撤去できるような量ではない

一際大きな岩を上げたとき、腕が見える…

カトレア「リリー!」

大きな岩をどかすと其処に居た…悪魔が

カトレア「死んでる…のか?」

ティア「えぇ…生気は感じないわ…そう、サキュバスがあの夢を…」

出てきたのはサキュバスの骸…この悪魔が死んだことで自分達の夢も解かれたのだろう

ミルフィー「うんんんん!よいしょ!ですの」

ひたすらに岩を退かしていく…もうどれ程の時間が過ぎてしまったのだろうか

リザレクションでも…到底手遅れなほどに時間だけが無常にも過ぎていく…

微かに匂う煙のにおい…常日頃からリリーが漂わせているあの煙草の匂いが漂うと次第に石を退かす手に力が篭る

カトレア「……ぁ」

ミルフィー「……リリー…ちゃん」

ティア「リ、リリーさん!リザレクション!!」

血塗られた顔が見えると同時にリザレクションスキルを試みる…しかし、手応えが無い…

カトレア「クソッ!リリー!」

リリーを圧迫していた石を退かすと抱き上げる…血を流しすぎたのか…驚くほど軽い

ミルフィー「まだ…まだ先生なら!きっと何とかしてくれますの!」

ティア「急いで戻りましょう!…此処なら出来るわ!ワープポータル!」

3人が光の中に飛び込むと辺りは再び静寂に包まれた

 

続きましょうね

 

カナ「う〜ん…もう突っ込む気もしなくなってきた…」

マナ「サキュバスとか…WIZじゃどうにもならないですよね…普通」

ハーデス「まぁサキュバスといえば相場は決まってるでしょう、うむ」

カナ「さて、次回から2話ほどはぶっ続けだよね?」

マナ「えぇ、まぁ頑張ってくださいな」

ハーデス「やっと此処までこれたぁ〜…ふふり、次回からはエロ一辺倒だだだ(マテ」

 


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