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監禁 来栖川シスターズ 佐藤雅史編9
井川 正寿/文


       5月5日  01:00

  ヤンキーの力強い腕に抱かれ、琴音は忌まわしい部屋を後にした。恥かしい姿を散々に晒し、羞恥から男達の視線から逃れるようにヤンキーの胸で声を殺して泣いていた。雅史は後ろから股間を隠しておぼつか無い足取りでついて来ている。

  奇妙な浮遊感。まるで現実感がない。夢だと思いたかった。

  だが、桜色から真っ赤に変色した菊穴の苦痛。直腸の中で蠢く精液の感触が、雅史の意識に深く纏わりついていた。

  男にレイプされ、感じてしまった・・・。

  激しい嫌悪感だけが胸の奥でつかえていた。こんな時はどうしたらいいのだろう。どうする事も出来ないまま、男達の後を歩くしかなかった。

  ヤンキーが後ろを向いて雅史の顔を見た。笑っているのか、泣いているのか解らない。人はこんな表情も見せる時があるのかと、悲痛な思いが浮かんだ。頭に軽い頭痛がして、大事な事を思い出しそうな気がした。何か忘れているような?

 監督「どうした?」

 ヤンキー「何でもないすっ。ちょっと立眩みがしただけで・・」

 監督「やりすぎだよ、しゃしゃしゃ」

  男達は下品な笑いを浮かべ合い通路の奥へと消えて行った。

 

  通路の一番奥の扉を開け部屋に入ると、そこはピンクで統一されたファンシーな部屋だった。

 監督「ナンじゃコリャ?」

 ヤンキー「すいません。普通の部屋は空きがココだけだったもんで、へへっ」

  監督は渋い顔をして部屋をウロウロと歩いた。

 監督「こりゃ眠れないな。目がチカチカする」

  ヤンキーは部屋の中央にある。ツインベットに優しく琴音を降ろして、白にピンクの刺繍がしてある毛布をやっぱり優しく被せてやった。

 監督「ベットも一つしかないし・・・・。よっしゃ、さっきの金髪女子高生と貧乳少女の部屋で遊ぶか。今撮影したビデオテープを見せれば断わったりしないだろう」

 ヤンキー「今日はもう粉しか出ないですよ・・」

  男達はレミィや理緒をどうやって責めるかと談笑しながら部屋を後にした。

  扉が閉まって電子ロックの施錠音が二人だけの部屋に響いた。

  男達が自分の同級生を夜の間中、責め抜くとは雅史は思いもしなかった。もっとも知っていたからといって、雅史にはどうすることも出来ない。無力だった・・・。

  人はあまりにも情けないと感じる時、泣くか笑うしかできない。雅史はどっちとも取れない悲痛な顔で立ち尽くしていた。

  強烈な悪意と一方的な欲望で、純真な少年は汚し尽くされた。

  この時、同じ時間で同じ表情をした幼なじみの事をお互いに知らなかった。

  神岸 あかりと、藤田 浩之の事を・・・。

  二人は助けてくれるだろうか? 癒してくれるだろうか? 誰かに救って欲しかった。強く強く願った。

  そばで毛布に包まれた年下の少女は自責の念を浮かべ瞳で雅史を見据えていた。深い後悔。雅史が誰かに頼ろうとしていた時、琴音は深い後悔をしていた。

  佐藤先輩を巻き込んだのは自分だと。実際に巻き込んだのは雅史だ。それでも、琴音は総てを自分の責任にしてしまっていた。

  それは逃避だろうか、それも一つの強さなのか?

  二人の目があった。深く静かな瞳は、雅史の感情を発露させるには充分だった。

  好きな女を不遇に合わせた張本人である自分が、その相手にすがったのだ。

  相手の気持を考えもしないで願ってしまった。自分勝手に助けて欲しいと心の中で叫んでしまったのだ。責められて当然の自分がだ。

 雅史「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

  感情が爆発した。泣く事も笑う事も出来ない雅史は、声を上げる事で感情を表したのだ。

  それが雅史の弱さだった。最低な気分。雅史は琴音にすら、すがろうとしたのだ。

  どうしょうもない嫌悪感の中、雅史は張り裂けるような悲痛な叫びを上げつづけた。

  琴音は思った。雅史は自分と同じ弱い人間だと。

  心の芯にある藤田先輩がくれた勇気を使ってみようと。

 琴音「佐藤先輩・・・」

  琴音は包まっていた毛布を脱いで、声に成らない叫びを上げる雅史を後ろから、ギュッと抱きしめた。

  互いに裸だ。密着した感触に羞恥ともに琴音は震えた。

 雅史「う、う、うっ、ぼ、僕は・・・・」

  意識がぶれてしまった雅史の声からは意味ある言葉として聞き取れない。その様子を見て恥かしさを忘れ、真剣な顔になって、琴音から全身の震えが止まる。

 琴音「先輩、佐藤先輩。佐藤先輩」

  何度も必死で呼びかけ雅史の名を呼ぶ。

  段々、雅史の震えと声が止まっていく。だが、返事がない。

  雅史は誰かに裸で後ろから力強く抱きしめられているのに気づいた。この部屋にはもう一人しかいない。女の子の声。背中に当たる柔らかい肌の感触と二つの硬い突起。お腹の辺りには腕が回って、きつく抱きつかれている。

  姫川さん?

 琴音「先輩。先輩。先輩。先輩。先輩。先輩。先輩。先輩。先輩。先輩。先輩。先輩。先輩。先輩。先輩。先輩。輩。先輩。先輩。先輩。先輩。先輩。先輩。先輩。先輩。先輩。先輩。先輩。先輩。先輩。先輩。先輩」

  はっきりと意識が戻る。

 雅史「もう、大丈夫・・・」

  しぼり出すような苦しげな声。そして深い後悔の表情。

  琴音の声がピッタっと止まった。

  沈黙。

 琴音「先輩。私の顔を見てください」

  腕が緩む。

  雅史はゆっくりと身体の向きを変え、言われたとうり琴音を見る。

  琴音は下から雅史の顔を見上げた。

 琴音「逃げないで下さい。あたしの目を見て・・・」

  泳いでいた視線が見上げている目と合う。

 雅史「姫川さん・・・僕は・・・」

 琴音「何も言わないで・・・・黙って私の目を見てて下さい」

  琴音の目から涙が溢れてきた。すでに半泣き状態で潤ませている。

  声が出ない雅史。

 琴音「あれ・・・何でだろ。藤田先輩みたいにカッコよく・・・ぐす、おかしいな涙が止まらなくなちゃった・・佐藤先輩ずるいです。急に男の人の目になるから・・・」

  まっすぐ見上げた瞳から涙の滴が溢れ、やがって流線を作る。

  雅史は琴音を抱きしめてたりしないで、手首を掴んでベットに導いた。

  今日初めて雅史から琴音に触れた。

  これは、雅史にとっては意識して初めて女の子に触れたのに後で気づく。琴音の勇気に雅史なりに答えたのだ。

  愛する女を男として抱き締めたい。偽らない正直な気持。

  そう思っても、琴音が好きなのは浩之だ。自分では慰める事も出来ない。だが、女の子の涙を見ると強く自分が男だと意識するのが解った。

 琴音「先輩・・・わたしは・・・」

 雅史「いいから、何も気にしなくていいんだ。悪いの僕さ、姫川さんのせいじゃない」

  いつもの笑顔が出来た。

 琴音「聞いてください! そうじゃないとあたしは・・・」

 雅史「黙って聞くよ」

  少し離れて座って、横から毛布をかけてやる。

 琴音「ありがとうございます」

  何から喋ったらいいか思案しながら琴音は少しずつ話した。その間、雅史は口を開かなかった。

  高校の入学式に校長の祝辞の際に、不幸な予知をして同級生から気味悪がられた話から始った。浩之から聞いていた話だ。だが、その後に語られた内容に雅史はこれ以上ない殺意を覚えていた。

  琴音はレイプされたのだ。

  入学式の事件以来、一人に成る事が多かった琴音は校舎の裏で3年生の不良達に乱暴されて、毎日、男達の性欲を満たす道具にされていた。浩之が声をかけるようになってからは男達の命令で、浩之を避け続けた。そんな自分を気にかけてくれる浩之に助けを求める事はできなかった。

  男達は自分たちの道具と急速に仲が良くなって行く二人に暗い情念を燃やし、琴音に浩之を酷い目に合わせると恫喝した。琴音はいいなりになるしかなかった。それ以後、男達の性玩具と成り果てたのだ。浩之から来栖川先輩が好きだと聞いてからは、浩之と芹香の応援をした。

 (作注 上記の琴音ちゃんの話は琴音編で書きます)

 琴音「私は汚されたんです。あいつらに毎日毎日・・・・。だから佐藤先輩は私なんかを気にする事はないんですよ・・・」

  違うのだ。雅史の悲痛な表情は琴音に対して責任もあるが、琴音にすがった事なのだ。

 雅史「僕だって汚れている。琴音ちゃんだって見ただろ・・・」

  自嘲気味に鼻を掻きながら笑顔で言う。

  思い出して琴音は真っ赤になって俯いた。

 琴音「えーっと、えーと・・・」

  雅史はお互いに自分を責めている自分たちを何故だか滑稽に思えた。一番悪いのは自分達ではないのに。

  琴音は総てを話して笑顔でいる雅史に浩之とは違った優しさを覚えた。できれば雅史の胸に抱かれてしまいたかった。

 琴音「いろんな男達に乱暴されて・・・気持良くなって・・・」

  これ以上何か言いそうな琴音の口に温かいものが塞ぐ。

  雅史のキス。

  不器用で稚拙なテクニック。それでも吸いこまれるように琴音と唇を合わせた。

  琴音の手が雅史の首に回って二人はベットに倒れこむ。

  雅史の二本の腕が琴音の華奢な身体を抱く。

  お互いの身体を撫で摩り、愛しく求める。

 琴音「うんん、はああ」

  考えてみれば相手を求めてのセックスは初めてだ。二人は常に乱暴される側にいたのだから。

  二人の身体に荒々しい傷跡が無数にあった。痣や鞭、縄の跡。

 琴音「きもち、いい・・・」

  細い体が身をよじらして雅史を拒む。味わった事の無い激しい快楽にビックリしたのだ。

 雅史「ご、ごめん」

 琴音「・・・つ、続けてください・・・・」

  恥かしそうに呟く。その声に雅史が照れて動きが止まった。

 琴音「いや、先輩、えっちな女の子は嫌いですか?」

  雅史は大きく息を吸って、再び長い口づけをする。

  手は硬く尖った二つの時を指の腹で転がす。摘むのに何だか躊躇いがあった。

  徐々に手は、少女の小さい胸からへそ、わき腹と雅史の手は下に降りて行く。

  だが肝心な部分には触れない。手はフトモモの内側や外側を這う。

 琴音「汚された女は・・駄目ですか・・・」

 雅史「姫川さんは汚くなんかない!」

  指が琴音のスリットを撫でる。恥毛が無い秘部は既にヌルヌルと滑っていた。

 

 

 


解説

  やべー、ヘタな鬼畜話より恥かしいや。

  どうも井川 正寿です。どうしよう明日から無職だ・・・。過労死の心配は無くなったが餓死の危険が。

  まあ、なんとかなりそうなので心配しないで下さい。

  純愛編第2段です。いかがなもんでしょうか?

  特に料理長様は掲示板に智子編の感想で純愛を見たいとリクエストしていただいたので、添えたかなと思っています。

  この後、本番へと続くのですが読者様はどの程度の過激なシーンを期待しているのが解らないので次回へと持ち越しました。さすがに、雅史が獣欲に目覚めて琴音に乱暴したり、琴音のスイッチが入って淫乱モードに突入して激しいフェラチオとかやったら怒るよなやっぱ・・。

  でも、オーソドックスなセックス読んでもつまらないような気がするし・・。

  読者を意識しないと上がるレベルも上がらなくなりそうだし、でもオレ程度の実力で制約を加えて小さくまとめるのも抵抗が・・・。好きなように書いて内臓やらレイプオンリーもなんだか・・。

  最近、袋小路に迷い込んだんです。どうか感想下さい。

  次は雅史編10です。鬼畜かね?

 


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