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螺旋―欲望の孤島― プロローグ〜悪夢と祭典の胎動〜
チェシャ/文


 螺旋―欲望の孤島― ホーム

 

 周囲を暗黒に包まれた世界。そこは夜の海上だった。

 高速艇並みのスピードで海上を駆ける豪華客船が、静かな海面を割るように突き進んでいた。

 「見えました。」

 事務的な何の感情もない男の声が、端的に事実のみを告げる。

 「ふむ…」

 報告を受けた男が更に何の感情もない返事を返す。ただデッキに立ち、海風を一身に受けていた。

 その視線の先には、夜とは思えないような明るさを持つ空間が存在していた。

 「到着まであと30分程度です。」

 「ならば、もうしばらくここにいよう。ご苦労だった。下がってくれ。」

 男の言葉に、報告者は一礼して船内に戻っていった。

 静かに灯りを見つめる男の上空を、何機ものヘリが爆音と風をばら撒きながら通過していった。

 

 

 海上に存在する孤島。そこは本来は荒野と密林、そして砂浜だけの無人島であった。

 しかし一年前、この何もない島に莫大な資金が投資された。

 以来、連日休むことなく大量の物資や労働力が島に運び込まれた。

 結果、現在では島の様子は一変していた。

 原生林だった密林は、一部が開拓され、森の中自体もかなり手が加えられていた。

 荒野には人工的に河が引かれ、林を持つ山まで作られた。

 島の中心には巨大な城塞がそびえ立っていた。

 島に住んでいた動物の多くは捕獲され、危険性のある動物はどこかへと運ばれていった。

 島には本来存在しない食用の動植物が放され、環境の変化に倒れながらも存在させられていた。

 この孤島は、膨大な資金によって、全く異質な人工島へと変化を遂げていた。

 その島にそれまでの孤島では訪れるはずのない豪華客船やヘリが集結していた。

 そんな中、先ほどまで海上を駆け抜けていた豪華客船が港に到着する。

 港に集まった軍服を着用した男たちが船を最敬礼で出迎える。

 国に飼われた兵士よりも、戦闘のプロフェッショナルであることを感じさせる男達が左右に分かれる。

 豪華客船から降り、最敬礼を受けながら無言で進む若い男がいた。

 その男の名前は誰も知らない。

 ただ、こう呼ばれていた…「委員長」と。

 

 

 島の中心、島の全てを見渡すように建てられた城塞の最上階、質素にして美との調和が保たれた広い一室。

 部屋の中央におかれた円卓に12人の中年男性や老人が腰をかけている。

 「委員長、到着をお待ちしておりました。」

 室内にいた一同が立ち上がり、「委員長」の到着を迎え入れる。

 「遅れてすまない。」

 「何の、定刻にはまだ時間があります。」

 「我々小物は時間くらいは守りませんと…」

 「委員長」の言葉に、一同は口々に世辞やおべっかを並べ立てる。

 「…では始めよう。」

 委員長はそんな言葉が耳に入らないように、円卓の上座に腰掛ける。委員長が座っただけで、椅子が玉座のように存在感を増す。

 他の12人も皆、席につくと委員長に向かって拍手を送る。

 「まずは今日、ここに集ってくれた諸君の尽力に感謝する。

 立案から今日まで5年…諸君の努力なくては、こんなに迅速に事を成すことはできなかっただろう。」

 委員長の言葉が始まると、一同は揃って口を閉じた。それほどの威厳をこの男は発していた。

 「すでに準備は整った。あとは、参加者を決定するだけだが…諸君、希望は?」

 何人かの男が好色な笑みを浮かべ、推薦したい人物が載っているあろう書類を手元で確かめる。

 「そのことですが…委員長、私の推薦したい人物は、俗にいう“異世界”の、伝説上の人物なのですが…」

 一人が挙手をして、委員長に向かってすがるような視線を向ける。

 「問題はない。卿の望みを聞き入れるための用意してある。」

 委員長は何の戸惑いも躊躇もなく、男の要求を聞き入れた。

 静かに部屋の扉が開く。扉の隙間から入る空気が何故か男達に冷たさを感じさせる。

 「あなたの望み、僕が叶えて差し上げましょう。」

 扉を開けて室内に入ってきたのは、一人の少年だった。年の頃は15歳くらいだろう。

 「紹介しよう。彼は“不知火”。私の切り札だ。」

 委員長の言葉に、少年が一礼して応える。

 「ただ者ではないことは分かりますが…この少年が、夢物語のような“異世界”とやらを何とかできるのですかね?」

 男の中の一人が、半ば呆れたように少年と委員長を比べ見る。

 「彼に任せておけば問題はない。それと、彼には警備主任、及び監視官の統括を任せる。」

 委員長の言葉に一同がざわめく。

 「異議あり!こんな少年に大役を任せるのは危険です!」

 男の言葉に、“不知火”は眉一つ動かさずに扉を開ける。

 「な…な…!?」

 その扉の向こうは、ほんの数分前、委員長が入ってきたときに見た光景とは全く変わっていた。

 一面が赤い色で飾られ、不思議なオブジェが無数に散らかっていた。

 「あなたの私兵だそうですね。僕が関係者だと信じていただけなくて、邪魔なさったもので…まあ、3分もかかりませんでしたが。」

 一面の赤は男の子飼いの傭兵の血だった。戦場を歴戦し、この雇い主を守りつづけてきた精鋭であった彼らは、

 一同が二度と動くことはなかった。

 「全滅?12人の精鋭が全滅!?3分もたたずにか?」

 子飼いの精鋭兵士を失った男がワナワナと震えながら立ち上がる。

 「これが彼の実力…いや、かなり加減はしているだろうな…これでもまだ何か異議がある者はいるかな?」

 “不知火”は円卓をぐるりと周り、委員長の傍らに立つ。

 「実力は問題がありませんが、私の望みを叶えるとは…?」

 怪訝そうに質問する男に向かって“不知火”は美しい顔立ちを笑みの形にする。

 「僕はこれでも忍術を体得しておりまして、その中に時空を操作する秘術があります。」

 実に簡単に少年が、突飛な事実を語って聞かせる。

 「儀式が必要な秘術ですので、簡単に実演することはできないのですが、あなたの望みは叶えてみせます。ご安心を。」

 “不知火”の言葉に、男は信じざるを得なかった。男の中で荒唐無稽なこの言葉が現実として受け入れられた。

 「そういう事だ、諸君。気兼ねなく推薦してくれたまえ。」

 新しい可能性を知った一同は、新たに候補者を選定しなおす者まで現れた。

 「今日、決定を出すのは早急か…では、しばらく時間を設けよう。それまでに委員会以外の各方面からの推薦も集まるだろう。」

 委員長はそう言って立ち上がり、“不知火”を伴って円卓を後にした。

 「差し出がましい真似でしたか?」

 “不知火”が委員長に問う。

 「いや…私も事を急ぎすぎていた…」

 委員長は、屍の中を顔色一つ変えずに歩みを進める。

 「安心いたしました。」

 “不知火”はそう言うと指を鳴らした。廊下に散乱した屍が炎に包まれる。

 壁や床を一切燃やすことなく、屍だけが燃えつづけた。

 「私としたことが…これほどまでに胸を躍らせるとは…」

 炎を背に、委員長はかすかに笑みを作っていた。

 二人が長い廊下の先に消えた時には、屍は灰も残らずに燃え尽きて消えていた。

 

 

 


解説

 これは、私チェシャが企画するインタラクティブ企画の予告です。

 このインタラクティブ企画では、架空の格闘大会を舞台に格闘のできる女性キャラクターが戦いを繰り広げます。

 戦いに負けた参加キャラクターは、陵辱と恥辱が待っています。

 皆様には、希望するキャラクターの推薦と、投票をお願いしたいと思います。

 なおこの企画の最大の目玉は、希望する方は作品に介入することができます。

 ご本人としても、またはだ自分の分身としての代理の登場人物を作品に登場させることが可能です。

 私チェシャが皆様のリクエストをできるだけ尊重し、小説化させていただきたいと思います。

 この大会に参加させたいキャラクターは、格闘ゲームだけに限らず、アニメ、漫画、ゲーム、オリジナルのキャラクターでも構いません。

 条件は「格闘ができること」、そして「巨乳であること」だけです(笑)

 巨乳といっても、キャミィやユリのように見栄えがするなら構いません。ご相談ください。

 

 では、皆様のご協力と参加が得られることを願っております。

 

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