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螺旋―欲望の孤島― 前夜祭2
チェシャ/文


 螺旋―欲望の孤島― ホーム

 

 「あー!…このままじゃ遅刻だぁ…!」

 長い長い廊下を少年が小走りに進んでいる。

 年の頃なら十台半ばくらいの、女性的な顔立ちをした俗に言う美少年である。

 不思議なことにこれだけ急いでいるにも関わらず、足音は全く聞こえない。足元は大理石であるというのに。

 音も無く廊下を走りつづけ、角を曲がると、少年の前に巨大な筋肉の塊のような男が立ちふさがる。

 「待て…この先は立ち入り禁止だ。」

 突然の登場にも動じず、少年は必要と思われる物を用意しようとした。

 その男の他に、その場には11人の男が集まっていた。

 廊下の奥にある、たった一つの扉を守るように、厳重に武装して緊張感を漲らせていた。

 「あぁ…身分証、身分証…」

 少年はゴソゴソとポケットを漁る。

 少年の動作にその場にいた12人全員が携帯している銃を構えようとする。

 「あった…!はい!」

 少年が屈託ない笑顔で身分証を、自分よりも30cmは高い男に差し出す。

 自分への殺気も、緊張感もまるで意に介さないように笑顔を絶やさない。

 「…"不知火"…シラヌイ?」

 巨漢が怪訝そうな顔をする。まるで女―それも美しい部類の―ような顔をした小僧が、こんな場所になんのようだろう?

 男の表情は明らかにそう物語っていた。

 「約束の時間ギリギリなんで、通してもらえます?」

 躊躇する巨漢の背後から、しわがれた声がする。

 「いや、通さん…オマエのような小僧が来るなんて話は聞いてない…」

 巨漢が後ろを振り向く。その先には、全身からある種のオーラを発している中年男の姿。

 他たちがスーツ姿なのに、この男だけは屋内でも、何のつもりか迷彩服を着用していた。

 「僕も、こんなところでチェックを受けるなんて聞いてないんですよね…」

 不知火と呼ばれた少年は、気圧されることもなくにこやかに鋭い皮肉を飛ばす。

 「誰に何の用だ?」

 子供の皮肉など相手にしないように、その男は更に威圧感を増す。

 「委員長さんに…」

 「信じられんね。本当ならリーダーである俺が知らんわけがない。」

 リーダーと名乗った男は不知火の言葉を遮って、取り合おうともしない。

 「あなた方は…?大会警備の方?」

 「委員会のある方に雇われているボディガードだ…『TTCセキュリティ』だ。本業は傭兵だがね。」

 剣と蛇によって象られた『TTC』という3文字が刻まれたプレート。

 「てぃーてぃーしー?」

 不知火が幼児のような口調で読み上げ、小首をかしげる。

 「やっぱりフカシか、迷い込んだ素人のボウヤかのどっちかだな!

 この業界の人間で俺たち『TTC』の名前を知らない奴がいるはずがない…!」

 何が可笑しいのか、男達が弾けるように馬鹿笑いをする。

 「有名なんですか…う〜ん…」

 不知火が困ったように唸る。本気で記憶を巡らせて名前を検索する。

 「そうとも!『狂気の紅い傭兵団』と名づけられた俺たちの活躍を聞けば…」

 「『狂気の紅い傭兵団』!?ああ、そうか!」

 得意そうに語る男の言葉を遮って、不知火の顔が一変して晴れやかになる。

 「リトル・リーグの有名人だったんだ…道理で思い出せないはずだよ…何だぁ、また失礼なこと言ったかと思った…!」

 「リトル…?リーグ?」

 「あ、リトルの人はこんなスラング知らないか…えっと…分かりやすく言えばアマチュア?かな?」

 男たちはようやく意味を理解する。同時に怒りで顔を真っ赤にする。

 「小僧ォォ!!」

 激昂した男が、不知火の顔に鉄拳を打ちこもうとする。

 戦場で粉砕骨折した際に、金属フレームを骨の代りに移植した、文字通りの鉄拳である。

 不知火は、ゴムボールをキャッチするように軽く、剛打を掌で受け止める。

 「海兵隊の猛者でさえ、一発で撲殺する俺の拳を…!?」

 「ま、リトル・リーグじゃ、こんなモンでしょ?大会の警備は、こんな弱い一撃じゃ勤まらないよ!」

 いつの間にか、不知火は臨戦体制の10人の男達に囲まれていた。

 「あらら…輪姦[マワ]されちゃいそう…」

 あながち冗談でもないようなことを口にして、楽しそうな表情を浮かべたままの不知火。

 「…一応、殺すな…『上』の事情もあるからな…」

 輪から離れているリーダーが、腕を組んだまま大仰そうに指示を出す。

 「歯を砕いて…手足をへし折って…小奇麗な顔を変形させるくらいにしておけ!」

 リーダーの顔が口の端を吊り上げて、満面の邪笑を浮かべる。

 「…フン…時間がないから…3分以内に通してもらうよ!」

 リーダーの笑顔に嫌悪感を感じ、不知火が微かに苛立ちを露わにする。

 腕時計にチラッと目をやって時間を確認する。約束の時間はもう過ぎてしまっている。

 「叩きのめせ!!」

 傭兵たちが戦場で磨き上げられた格闘技を、腕時計を見ている少年に向けて振るう。

 不知火の真後ろから背中に蹴りが繰り出される。

 不知火は背を向けたまま、膝を曲げるとそのまま円を描いて脚払いをかける。

 その一撃は軸足を捕え、男はそのまま受身も取れずに横向きに倒れこんで咳き込む。

 姿勢を低くした不知火を踏みつけるように、二人が足を踏み下ろしてくる。

 不知火は、それを避けることもなく、天に向かって脚を突き上げてブレイクダンスのように体を回転させる。

 不知火に向かって全体重をかけて足を振り下ろした二人は、竜巻のように回転する蹴りに吹き飛ばされる。

 その勢いを利用して起き上がった不知火に、例の鉄拳の男が横から殴りかかる。

 小刻みに繰り出される左を手首で捌く。しかし、捌いた右首を、ジャブで繰り出した左手がしっかりと掴む。

 「今だ!やれ!」

 男が手首を掴んだまま仲間に合図を送る。同時に、自分自身も渾身の右ストレートを不知火の顔に向けて放つ。

 不知火は掴まれた左手を逆に掴み返し、右ストレートを体を捻って避ける。

 同時に、渾身の一撃を外してバランスを崩す男の足首を蹴り飛ばすと、男の左手首を握った右腕に力を込める。

 両脚をしっかりと踏みしめ、右腕を大きく回して、掴んだ男の体を振り回す。

 決して小柄ではない男の体が旋回させられ、不知火に向かっていた仲間を薙ぎ払う。

 用がなくなった男をそのまま壁に向けて投げ捨てる。回転と仲間にぶつかった衝撃で男の手はすでに不知火の右手首を放していた。

 一人だけ生き残り、呆然と構えをとったままにんっていた男との距離を一瞬で縮めると、その胴体に蹴りを見舞う。

 男の体は簡単に宙を舞い、後方に吹っ飛ばされて床に叩きつけられる。

 「手加減しているうちに通してくださいよ…本ッ当に急いでるんだからね…」

 不知火は息も乱さずに一同を、そしてリーダーを睨みつける。

 「ぐっ…!殺せ!!」

 リーダーの号令を待たずに、全員が銃を構える。

 さすが一流と言うべきか、あれだけのされた男達は全員が銃を構えていた。

 不知火の右にいた5人の男達が、拳銃で狙いをつけ、引き金を絞ろうと指に力を込めた。

 「火鳥閃[かちょうせん]!」

 自分に向けられる殺意を感じた不知火が腕を振るう。宙を切り裂いた指から、炎の塊が放たれる。

 まるで炎に包まれた燕のような5つの塊が、五人の男に炸裂する。

 命中部に灼熱感を感じ、それ以上に激しい衝撃に吹き飛ばされる男達。

 ある者は即座に事切れ、またある者はのた打ち回った後、静かに力が抜けて行った。

 絶命の瞬間、彼らの内一人が目にしたのは、リーダー以上に狂気を感じさせる不知火の美しい微笑だった。

 歴戦の兵である5人が、少年の腕の一振りで絶命してしまっていた。

 復讐するように生き残る5人が、不知火に向けて5丁のサブマシンガンが乱射する。

 吐き出される無数の弾丸が、不知火の肉を弾け飛ばそうとする。

 不知火は体から力を抜くと体を流し、かすかな残像の軌道を残して、不知火の体は弾丸をすり抜けるように移動する。

 「た、弾があたらねぇ!?」

 「動きが追いきれない…!」

 引き金を引き、不知火の影を追いながら無駄弾を射ち続けるメンバーが驚きの声を上げる。

 「ふがいない!…アタックだ!!」

 リーダーがそう叫んだ瞬間、不知火を囲んだ輪の中から5人が踊り出る。

 一呼吸に満たない移動時間の後、前後左右から五人が不知火の移動先を潰して襲いかかる。

 それぞれが手にしたジャックナイフが、不知火の若々しい肌に吸い込まれ、肉を切り裂こうと輝く。

 「龍円舞!」

 殺到する傭兵たちに迎えるように、不知火が体を360度回転させる。

 同時に回し蹴りの要領で、炎を纏った足が炎の円を描き、傭兵達をなぎ倒す。

 中途半端な形だけのガードをした傭兵の腕が炭化して崩れ落ちる。

 きちんと気合を込めてガードしたはずの傭兵たちでさえ、受けた部分が焼け爛れ、骨を砕かれていた。

 床に崩れ落ちて苦痛にうめく男達。そんな仲間を見て、一人の男が怒りを露わに行動を開始した。

 「小僧がぁ!」

 サブリーダーが床を蹴って跳躍する。その手には曲線を持つ山刀・ククリが握られている。

 不知火の喉を違うことなく切り裂くはずの切っ先だったが、不知火の体重移動で避けられる。

 「この攻撃が避けられるか!!」

 サブリーダーは、着地と同時に床を蹴り、再び不知火に襲い掛かる。

 「…っ…」

 左手でククリを捌き、右手刀を顔目がけてカウンターで繰り出そうとした不知火が、その身を大きく仰け反らせる。

 同時に、それまで頭部があった空間の線上の壁が火花を上げる。

 「ふふ…俺がいることを忘れたか?」

 リーダーが硝煙の昇る銃を構えている。サイレンサーによって不恰好になった銃は不知火の姿を追う。

 「ハハハ!我らは葬った敵の血で結ばれた一心同体!弾を避けて刻まれるか!?刃を避けて射ち抜かれるか!?」

 サブリーダーが壁を蹴り、高速で壁から壁へと跳ねながら不知火に襲い掛かる。

 「どちらを避けても終わりだ!」

 リーダーが照準をきっちりと合わせる。腕前は腐っても一流である。

 不知火は軽くため息をつくように笑う。唇の端が少し吊り上がり、その瞳に楽しげな光が宿る。

 サブリーダーは、突き出したククリが標的に突き刺さる瞬間、その笑みを至近距離で目の当たりにした。

 不知火の姿が、そして突き出した自分の腕を含めた空間がぼやけるように揺らめく。

 そして、それが彼が人生の最後に見た光景となった。

 不知火の姿が、その場にいた誰の目からも消え去る。

 サブリーダーは赤い影が自分の体をすり抜けるのを感じると、視界が真っ赤になるのを感じ、やがて意識を真紅の中に飲み込まれた。

 リーダーは、銃口を構えたまま目の前の光景を見つめていた。視線の先では全てが陽炎がゆらめていた。

 信頼するサブリーダーが赤い影に包まれた瞬間、自分の目の前に何人もの部下が飛び出すのを呆然と眺めていた。

 気がついたときには、自分の眼前に不知火の顔があった。

 整った、美しい中性的な顔が妖しい笑みを貼り付けたまま自分の顔を覗き込んでいる。

 そして、リーダーは全てを知ることとなった。

 サブリーダーが不知火を切り裂こうとした瞬間、死ぬはずの少年は両手に紅蓮の炎を纏い、サブリーダーを引き裂いた。

 炎の残像がかろうじて残るほどのスピードで突進した少年は、そのままリーダーを打ち倒すはずだった。

 龍円舞によって傷ついた5人の部下達が、死力を尽くして自分の前に飛び出し、盾となってくれた。

 少年の両手はそんな部下達を一掃するように吹き飛ばしていた。死線を共に越えてきた仲間は、爆発するように弾け飛ばされ

 飛び散った先で物言わぬ塊になった。

 そして、今、自分は…

 ゴトッ、という重い音の後、リーダーの体が崩れ落ちる。あるはずの首がない自分の体を見ていた。

 自分の頭はここにあるのに、体がない奇妙な感覚。陽炎で全てが歪む。

 リーダーの意識はそこで消えた。

 

 ため息とも嘲笑ともとれる吐息を漏らした不知火が、腕時計に目をやる。

 「2分37秒…『表』の傭兵とは言え、早過ぎるね…」

 余裕の表情で、屍を振り返る。その表情が一変して緊張感に満ちた硬い表情に変わる。

 「って、急がなきゃ〜〜!!」

 不知火はそう言い残すと、委員会メンバーの集う部屋の扉を開けて姿を消した。

 

 

 「…これが、あの時の一部始終だ…」

 無意味に巨大なモニターに、監視カメラと思われるアングルから撮影されたVTRが映し出されていた。

 薄暗い室内は、モニターからの明かりで光源を取っていた。

 その薄明かりに照らし出されるいくつもの影。

 「末恐ろしいですな…」

 老人の声と同時に、くぐもった苦しそうな声がしている。

 「ええい…忌々しいっ!」

 顔を真っ赤にして怒りを露わにした男が怒鳴り散らす。

 「くっ…ぁ…ふぁ…」

 男の下半身から、可愛らしい声がする。

 男の膨らんだ欲望が、白く爆発して肉棒を咥えていた女の顔を汚す。

 室内には、大きな円形のベッドが鎮座しており、室内にいた者は全員がその上にいた。

 ベッドの上には6人の男と、3人の女。

 男達は醜い裸体とギラつく欲望を晒し、女たちはその欲望に晒され、力なく従っていた。

 6人の男は、いずれも「委員会」に属する主要メンバーだった。

 「まぁまぁ…怒りを静めて…」

 射精した怒れる男をなだめる老人。その腰は四つん這いになった胸の大きな少女の腰に密着していた。

 しわくちゃでやせ細った枯れ木のような老人は、態度とは裏腹に腰を強く打ち出してた。

 「はぅ…あうっ…っくぁ…ひぃ…」

 老人に突き上げられる少女は息も絶え絶えに喘ぎ声を上げる。快感に瞳は蕩け、可愛らしい口許から唾液が流れる。

 「怒りを納めるんじゃ…アンジェリナも怖がっておるぞ…」

 「私が高い金を払って雇った傭兵が惨殺されたんですぞ!?」

 怒りの収まらない男は、アンジェリナと呼ばれた少女を突き倒すようにベッドに転がす。

 顔に浴びた白濁を指で引き伸ばしていたアンジェリナが、驚いたように小さく悲鳴を上げる。

 「それをあの小僧め…委員長も委員長だ…!」

 大柄な体でアンジェリナにのしかかると、そのままズブリと挿入する。

 「んひぃ!太い…く、苦しい…」

 アンジェリナが、膣内を満たす感覚に少し苦しそうな声を上げるが、男は躊躇もせずにガンガンと腰を振りたてる。

 「しかし、あの小僧のおかげで、こうして異世界の女を犯すこともできているのじゃ…のう、パッフィ―?」

 「…ふぁい…わたくしたちが、犯していただけているのは、あの少年のおかげですぅ…」

 老人に突き上げられるパッフィ―は、重力に従った大きな乳房をユサユサと揺すりながら同意する。

 その瞳は淫蕩に潤み、枯れ木のような老人の、そこだけが若い剛棒の感触に酔っていた。

 「それは…そうだが…」

 「弱い兵隊など買ったお主が悪いんじゃ…っぬ…!」

 言葉を詰まらせる男に畳み掛けるように老人が言葉を重ねると、体を震わせて射精する。

 「んはぁあ!!奥が…熱いですぅ!だめぇ…!」

 老人とは思えない量と勢いの射精を子宮に浴びて、パッフィ―が絶頂を迎える。

 脳を灼かれるような凄まじい快感に囚われ、ベッドに上半身を押し付けてシーツをギュッと掴んでいた。

 「こうして、この娘らを抵抗されることも無く犯せるのも、あの小僧の力あればこそじゃ。」

 老人は反論を許さずに男をやり込める。そのまましばらく射精の余韻を楽しんでいたが、やがてパッフィ―の蜜壺から

 ズルリと男根を引き抜くと、半勃ちのそれを無理矢理仰向けにさせたパッフィ―の乳房の谷間にセットする。

 「無効のミリアとかいう娘なぞ、ワシらだけでは殺されているところじゃ…」

 「あぁ…おっぱいが…一番感じますぅ…」

 双乳を寄せて深く柔らかい谷間で自分の分身を楽しませるパッフィ―から視線を外し、目を細めた老人がもう一人の少女を見る。

 

 輝くような長い金髪の少女は醜い男に囲まれ、嫌悪感に顔を歪めていた。

 類稀な戦闘力を持つ彼女だったが、自分よりもはるかに弱い男達に蹂躙されている。

 「ヒヒヒ…ミリア!くやしかったらその髪でワシらを刻んでみろ!?」

 「でけえんやろなぁ…オマエの髪は、オマエの体より物分りがエエわ!」

 頭の薄い眼鏡男と、関西弁がミリアの顔に汚い逸物を擦りつける。

 ミリアを囲む4本の男根には、それぞれミリアの髪の毛が絡みついていた。

 「く…汚いモノを近づけないで!私の髪を汚さないで!!」

 ミリアが怒りと屈辱に叫ぶ。しかし、ミリアの武器であるその美しい髪は、男達を退けることが出来ない。

 それどころか、自在に動く髪は、ミリア自信の体を縛り上げていた。

 後ろ手に腕を拘束し、両脚をM字に開脚させ、形の良い乳房を縊り出すように根元から絞り上げている。

 「ミリアのオマンコは…キレイだな…ゲヒヒ!」

 開かれたまま固定された脚の間に顔をおいた男が下品に笑って、秘部を視姦する。

 「見ないで!下種!殺してやる!」

 本来なら、この男を刻むはずの長く艶やかな金色の髪は、白い粘液で白く汚れ、所々がゴワゴワと強張っていた。

 「どうや?オマエのこの髪の毛が、チンポを捕まえて無理矢理顔に擦りつけてるんや!」

 関西弁が、下卑た笑みを浮かべて、先走りと精液の混じる汚液をミリアの顔に塗りこめる。

 「そうそう…ミリアのいやらしい髪が、ワシらのザーメンを浴びたいと言って、放してくれんのだ!」

 眼鏡がミリアの美貌から一物を離す。

 すると、ペニスに絡みついた髪の束が離れた男を求めるように、まるで手でしごくようにペニスを擦り上げる。

 「ほぉら…オマエの大切な髪は正直だなぁ…」

 スベスベとした極上の絹のような感触の髪が敏感な部分を動く感覚に眼鏡男は酔いしれた。

 良く見れば他の4人の男も、同じように髪の毛の奉仕を受けていた。

 ミリアの自慢の髪が、宿主の意思を無視して男に奉仕する。

 亀頭の先から流れた先走りの液を嬉しそうに馴染ませながら、グチャグチャになった髪はがペニスを扱き続ける。

 「それは…お前たちが…変な薬を使ったからよ…」

 ミリアが嫌悪感に引き裂かれそうになる。全ては、男達が自分の髪に降り掛けた「媚薬」とやらのせいだった。

 

 白くドロドロした液体を髪全体に馴染ませるようにして擦り込まれた。その瞬間から、武器でもある髪は自分の意志に逆らった。

 男達を引きちぎろうとしても髪は従わず、男たちの精液を求めるように動き始めた。

 嫌悪感から、素手で男達を殴り殺そうとしたミリアだったが、髪の毛が自分を縛り上げ、今では完全に主導権を奪われている。

 一緒に連れて来られた二人の少女は、すでに男の―というより精液の―虜に成り下がっていた。

 アンジェリナという少女は、膣内に直接流し込まれ、大柄で粗野な男に乱暴に犯されても悦んでいる。

 パッフィ―という少女は、豊かな乳房に大量の「媚薬」を塗りこまれ、乳房を性器のようにして乳奉仕で精を受けていた。

 『この薬の効果は、男の精液を大量に摂取しないと消えない』

 3人とも絶望的な状況説明に唇を噛んだが、二人はすでに「媚薬」に負けてしまっていた。

 そして、ミリア自身は自分の分身とも言える髪の毛が薬に従っている。

 何度となく男の精を受け、歓喜を表すように次々と精を搾り取り、主を裏切りドロドロと穢れていった。

 男達は冷たい感じのするミリアの美貌を汚すことに執着し、顔に汚棒をなすりつけて何度も射精した。

 おかげでミリアの美貌は白く半透明の膜に覆われたように、異臭を放つジェルに塗れていた。

 他の二人と違い、快感に逃げこむこともできない。嫌悪感に心を刻まれながら、汚い男達のなすがままにされるだけだった。

 口内に穢れた液体が侵入するのを防ぐため、また男たちの侵入を防ぐために口を横一文字にきつく結んで耐えていた。

 

 「っぅ…やめなさい…」

 ミリアが微かな吐息を漏らす。髪がまるで刷毛のように毛先を広げて乳房をくすぐりはじめた。

 「優しい髪の毛やなぁ…ご主人様にも楽しんで欲しいんやな?…うっ!」

 関西弁が射精する。髪が肉棒の向きを調整し、乳房に向かってドロドロの飛沫が浴びせられる。

 「ん?胸にザーメン欲しいのか?」

 でっぷりと肥えた男と、痩せすぎの男、そして眼鏡男の精液が次々と胸にブチまけられる。

 ミリアのふっくらとした乳房は、4人分の大量の汚濁を滴らせながら、酷く汚された。

 男達に奉仕しながら、ミリアの髪の何房かが刷毛状の先端を持ち、ミリアの体を撫で始めた。

 「やめなさい…私に構わないで…!やめ…だめ…だ…め…くっ…ふぅ…ん…や…だ…」

 唇を噛んでくすぐったく、それ以上にゾクゾクとする感覚に耐えるミリア。

 その抵抗の声は甘い吐息を含んだものに変化していった。

 胸にかけられた精液が体中に塗り込められていく。

 「おもしろいことをしておるのう…」

 パッフィ―にパイズリさせたままの老人が近づいてくる。

 パッフィ―は乳房の谷間にある存在に、膣内を責められるのと同じような快感を感じて悶え狂っていた。

 「仲間に入れて欲しいな…なあ、アンジェリナ?」

 「は、はいぃぃ…うっ…うふぁ…!」

 アンジェリナをバックから激しく突き上げながら、怒りを納めた男が寄って来る。

 アンジェリナは背後から疲れながら歩かされ、犬のように四つん這いで震える腕を懸命に突っ張りながら這っていた。

 「ああ、かまわへんわ!」

 ミリアをいたぶる眼鏡男が勝手に承諾する。

 「そうですな…何しろ、我々は"反委員長"派ですからな…」

 「同じ女を抱いて、団結を固めましょう。」

 何がおかしいのか男達は楽しげに大笑いする。

 男達はただ単に、賭け事(しかも八百長で)儲けることと、あらゆる女を陵辱することを望んで多額の投資を行い、

 委員会に名を連ねた。委員長とは目的が異なるため、ついにはこんな対立グループを形成していた。

 彼らは、参加選手の名簿に細工をし、参加資格のない女性まで調達させて、こうして隠れて嬲り者にしていた。

 「はぁ…やめ…もうやだ…」

 ミリアが、自分の髪に責められつづけて悶え苦しむ。

 刷毛状の毛先が敏感な乳房、脇腹、腰、首筋、太ももを、そして乳首を撫で上げると、ミリアは強制的に昂ぶっていく。

 意志とは反対に、体が愛撫にヒクヒクと反応する。

 「あ…あぁぁ!!やぁ!そんなとこだめ!!」

 「あひぃ!?乳首が…すごすぎます!!」

 髪の毛は他の二人にまで愛撫を始める。

 「おお!?締まるっ!!」

 「こっちも乳がダプンダプン揺すられて最高じゃ!」

 アンジェリナは剥き出しの淫核をくすぐられ、パッフィ―は乳首に絡みつかれたまま、乳肉を揺さぶられた。

 二人の少女を犯す男たちも、愛撫の結果に満足そうに歓喜の声を上げる。

 「やめてよ…何で私の言うことを聞かないの…!?」

 ミリアは自分の髪の毛に憎しみを感じた。それに怒ったように髪の毛が動く。

 「な…なによ!?んっ!?…んむうっ…!」

 髪の毛が集まり、太い束になるとミリアの口に捻りこまれる。

 ミリアの口内は精液の味のする髪の毛で満たされ、口内を占領した髪の束はまるで快感を貪るように抜き差しを繰り返す。

 「っぐ…んむぅ!!んぐっ!!」

 ミリアは怒りの表情を浮かべて、髪の毛を噛み切ろうとする。しかし、全く切れる気配など無い。

 「んぐぎぎ…んぶぅ!?んぐっ!げふぁっ!」

 そんなミリアを嘲笑うかのように、髪の毛が一瞬膨らむ。するとまるで射精したように精液を吐き出した。

 「ぎゃはは!ミリアの自慢の髪の毛は、まるで触手やな!」

 「本当だ…我々が浴びせた精液を、射精するみたいに吐き出している!」

 ミリアの髪は、散々男達に浴びせられた精液を蓄え、自分で収縮することで搾り出してミリアの口に注ぎ込んだのだった。

 「ゲホッ…ひどい…ひどいよ…っあっ…体が熱い…嘘…いやだぁ…」

 激しく咳き込むミリアは絶望を感じていたが、すぐに体の異変を感じて戸惑う。

 「ほう…髪の毛にかけた薬が、今の射精で口に流し込まれたようだな…」

 髪の毛が、再び優しくミリアに愛撫をを始める。

 「優しさの…つもりだったの…ひどいよ…そんなのいらない…いや…おかしくなりたくない…でも…」

 精液臭い髪の毛が自分の体を撫で回すたび、ミリアの頭に狂おしい感覚が満ちてくる。

 他の二人は、すでにこの感覚に狂わされているのだろう。虚ろになってきた瞳で悶える二人を見る。

 もうミリアの精神の中では嫌悪感や憎しみよりも強い感情が渦巻いていた。『精液が欲しい』と…

 男たちが異変に気がつき、身動きの取れないミリアの処女を奪おうとにじみ寄って来る。

 「あぁ…私…こんな人たちに犯されて…貞操を奪われるの…?いや…いや…」

 ミリアは体の疼きに屈しながらも、自分の純潔をこんな酷いシチュエーションで奪われることに歎き絶望した。

 その瞬間、それまで男に媚びていた髪の毛が大きく広がり、男達を薙ぎ払う。

 「ひ、ひぃ!?」

 「なんや!?薬の効果が切れたんか!?」

 男達は一斉に怯えて退く。威勢良く起立した醜棒が一応に萎縮する。

 「な…なに…?」

 ミリアの髪は、ミリアの体を縛り付けたまま優しくミリアの体を愛撫する。

 「や…はぁ…んく…・いぃ…気持ちイイ…」

 ミリアは髪の意図を理解したように身を任せて官能に漂う。

 乳房を撫で、揉み解し、乳首をくすぐり、ミリアの敏感な場所を丁寧に愛撫しつづける。

 男達は呆然と、その神々しい様子を見つめていた。

 やがて、再び力を取り戻した一物を他の二人の少女に任せながら、ミリアの様子を見つめていた。

 「やぁ…すごいよぉ…感じちゃう…」

 ミリアの髪はついに、秘部に愛撫の手を伸ばしていた。

 ミリアの秘所に食い込みながら、キュッキュッとピンク色の柔肉をこすり上げる。

 「ひぃ…あぁ…そんなことだめよぉ…」

 ミリアは拘束された体で背筋を反らして悶える。M字に開かれた脚は、濡れて髪が食い込む秘所を隠すどころか更に強調していた。

 ミリアの愛液を滴らせた髪が幾つもの房を集める。

 集まった房は螺旋状に捻られ、やがてドリルのような形状になった。

 「あぁ…そんな…」

 ミリアの秘華を、髪が左右から引っ張って開かせる。

 「そう…私の処女が欲しいのね…いいわ…さぁ…」

 ミリアは自分の分身の意志を受け入れた。

 自分の魂の宿る髪はどんなに堕ちても、主の純潔を醜い男達に奪われたくなかったのだ。

 だからこそ他の男達を退けて、こうしてミリアを陥落させていったのだ。

 ミリアの誘いに応じるように、螺旋状の髪がミリアの膣口に触れる。

 「ん…」

 ミリアが小さく声を上げると、ゆっくりと回転しながら膣口を押し広げて内部に押し入っていく。

 「う…うっ…んあ!!入った…私が…私の純潔を…はぁ…」

 ミリアの処女膜が自分の髪に破られ、ミリアは一筋の涙を流した。

 「も、もうがまんできん!」

 パッフィ―の乳首をグリグリと犯していた男が、ミリアに駆け寄ると連結部分の髪の毛に放出する。

 「うあ…ひぃ!?やめ!動かないで!!」

 精液を受けた髪の毛が急激に凶暴化したように激しく動き出す。

 華奢な体をガクガクと揺さぶられるミリアの異変をみて、男達は呆然と立ち尽くすしかなかった。

 「ひぃ!?中で暴れて…きゃああ!おかしくなる…壊れる…だめぇ!」

 ミリアの胎内を嬲り尽くす髪の触手が、形を変える。

 ひだの一枚一枚に浸透するように細い束が幾つも広がり、ミリアの膣内を擦りあげる。

 子宮の中にまで髪は侵入し、異常なまでの快感を宿主に与えつづける。

 「あっ…だめぇ!やめ…あぁあぁあ…!ひぃああ!!」

 ミリアは処女を失ったばかりの苦痛と強烈すぎる人外の快感の中で絶頂を迎える。

 処女肉が、胎内の髪をきつく締め上げると、今まで溜め込んだ全ての精液がミリアの胎内に搾り取られるように放たれる。

 「ひぃあぁ!!奥が熱い!!頭が真っ白になる!いやぁ!」

 ミリアは「薬」の影響で、膣内から溢れ出るほどの精液を注がれたことによって絶頂に登りつめた。

 その様子を見守っていた男達が、つられるように次々と他の二人の少女に精を放つ。

 パッフィ―の膣内、乳房の谷間、乳首に大量の精液が放たれ、パッフィ―は仰け反って絶頂を迎える。

 アンジェリナは、膣内とアナル、口に射精されて全身を強張らせて気を失う。

 やがて、男達はアンジェリナとパッフィ―を捨て、ぐったりと処女喪失と絶頂の快感で脱力したミリアに群がっていった。

 

 その様子を天井の通気孔から覗く影があったことを知る者は、この部屋の中にはいなかった。

 影が回すカメラに映されていたのは、もはや人の所業と思えぬ狂乱の宴だった。

 

 「愚かしいものだ…」

 委員長は、目の前のモニターを見ながら口許を歪める。

 「ふふ…可愛いじゃない…まるで子供ね…」

 かすかに気だるそうなセクシーな声が委員長の耳元をくすぐる。

 委員長の首に腕を回した美女が、委員長の肩に顎を乗せてモニターに微笑む。

 「悪戯がバレていないと思っているのは子供だけ…ですね?」

 委員長の傍らに立った女が薄く笑う。

 「子供と言うには醜悪すぎる…」

 委員長は軽く眉をしかめてみせる。

 「…処分なさいますか?」

 先ほど薄く笑った女とは別の女が冷酷な笑みを浮かべて尋ねる。

 「いや…所詮は小物だ…捨て置こう。大会が終わる頃には破産しているさ。」

 委員長はつまらなそうにモニターを消す。

 「醜いモノを見たせいで後味が悪い…口直しが欲しいな?」

 3人の女は優しく淫らに微笑み、委員用に絡みついた。

 

 

 


解説

 前夜祭第2段です。

 今回も「参加資格なし」の救済を含んでいます。

 

 今回は…長くなりましたね(汗)

 格闘パートの練習をしておきたかったので…

 不知火は強すぎますね。もっとも、意図的にやっているのですが…(笑)

 ちなみに、あれは全力ではないです。半分以下かな…

 

 さて、今回は「ミリアをどうしても…!」というご要望があったので、ミリアをメインにしてみました。

 資格の有無の判断で迷ったキャラですので、救済措置は適応しても良いと思いましたし…

 ただ、今まで2回の救済措置を見て、「このキャラにも!」というのは認めないつもりです。

 基本的に前回の高町美由希と今回ミリアに関しては、結果的に熱心に投資してくださったのに、

 結果的に一つの投資も受け付けなかったことへのお詫びの意味が含まれています。

 それに、対象となったキャラは基準のラインでギリギリでしたので…

 何よりも、覚悟を持って熱意を伝えた勇気を評価しての特別処置です。

 簡単に言えば「気まぐれ」ですね。多分、あと一本書きますが、次はもう決まっていますので、次の特別措置は考えてません。

 

 それにしても、肝心のシーンは支離滅裂…

 パッフィ―とアンジェリナはほとんど添え物程度だし…

 敢えて不完全な作りにしたんですが…予想以上に収集がつきませんでした。

 そもそも、「女3人×男6人」といううちわけでしたが…

 複数の女が登場する輪姦モノって始めてなんですよね…

 未熟さを痛感いたしました。一人相手にすると、他が把握できなくなるとは思わなかったなぁ…無念です…

 

 長い後書きになりましたが…次回もお付き合いいただけたら嬉しいです。

 

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