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螺旋―欲望の孤島― 第2戦(後編) 敗北者・御剣涼子
チェシャ/文
トモヒコ/執筆協力


 何が起こったか分からないような攻防。

 少なくとも、会場にいる半数以上は、展開についていくことすらできなかっただろう。

 残る半数は肌を泡立たせているに違いない。恐怖ではなく、興奮、そして感動によって。

 時間にしてわずか数分。ミネルバと涼子が出会ってから、ほんの数分で決着がついた。

 ただし、その数分の中には、凡百の戦士が一生を終えるまでに培われるほどの濃度の濃いものだった。

 (もっとも、そのような凡百のやからが戦士として生き延びられる時間など、ほんの数年程度だろうが…)

 

 VIPルームにいた者の中、ほとんどの者が立ち上がっていた。無意識のうちに。

 冷や汗とも、興奮による汗とも判別のつかない汗を握った拳に握る。

 『第二戦、御剣涼子選手ミネルバ選手。

 格闘戦において決着。ミネルバ選手の勝利です。』

 アナウンスが結果を告げる。

 VIPルーム内の何名かは、勝敗に一喜一憂しているが、立ち上がった者達は、勝敗になど興味がないようだった。

 「すげぇ…」

 一人の東洋人がようやく口を開いた。

 彼の名前はタナカ。裏の世界では、かなり名の売れた用心棒だった。

 彼の穏やかな仮面すら剥ぎ取り、本来の口調を零してしまうほどの攻防だった。

 『格闘戦による敗北のため、これより御剣選手には24時間のペナルティを受けていただきます。

 身元引受人は、友彦様。』

 「友彦」という名に、室内の数人が反応する。

 『友彦様、御剣選手の準備が整うまで、特別室にてお待ちください。

 なお、30分経ってもお部屋にいらっしゃらない場合は、権利は第二権利者の方に移行いたします。』

 一人の男が、すっとその場を後にしようとする。

 スラッとした体型の若者の肩に軽く手を置く。ガッチリした体格が、若者を圧倒する。

 「お先に…」

 低く、静かにそれだけを呟くと、部屋を後にする。

 

 「くやしいな、秀。私には、半分程度しか追えなかった…」

 「旦那様、無理もございません。しかし、半分も理解できれば素晴らしゅうございます。」

 苦々しい顔をしたVIP森山に、彼の執事が傅いている。

 「あそこにおられる方々は、あの珠玉の一戦の価値すらお気づきではないでしょう。」

 「慰めではないな…俗物と比べられてもな…」

 執事の冗談めいた言葉に、森山がかすかに微笑む。そんな二人に割り込むように親しげな声がかかる。

 「いやいや…半分も見えるなら、立派なものです。」

 先ほど、感嘆の声を漏らした男・タナカが二人の席にやってきていた。

 「…タナカ様…で、いらっしゃいますな?ご高名な用心棒の…」

 「ご老人、私のことをご存知で?」

 タナカが眉を動かす。何かがひっかかる。彼の勘が「何か」に敏感に反応していた。

 「貴方ほどの方ならば、私めのような者でも、お名前くらいは聞き及びます。」

 穏やかに微笑む秀の細められた瞳に、背筋が凍るような感覚を覚えるタナカ。

 「…執事さん…あなた、ただ者じゃあないね?」

 「私めが?ご冗談を…私めは、森山家にお仕えする一介の執事に過ぎません。」

 タナカの勘が、執事の言葉が嘘であることを強烈に伝える。

 不用意に彼と、彼の雇用者の領域に踏み込めば、タダでは済まないことが用意に窺い知れる。

 秀のわずかな息遣い、仕草にタナカが過剰に、だが最小限に反応してしまう。

 「やれやれ…私は、ここでも蚊帳の外か…」

 「これは失礼を…」

 森山の不機嫌そうな声に、秀が慌てて殺気を収める。

 「お近づきになって、用心棒の仕事でも取り付けようかと思いましたが…どうも、用は足りているようですね。」

 タナカが頬を伝う冷や汗を拭いながら笑い、二人から離れていった。

 「さすがは秀…かな?」

 「いえ…彼のような一流相手では、プレッシャーをかけるだけでも一苦労です。」

 秀が胸ポケットから取り出した品の良いハンカチでそっと額を拭う。

 「裏世界は、現在混沌としているでしょう…」

 秀が周囲を見渡す。

 「この部屋で観戦するVIPの中だけでも数人、一流と呼ばれる方々がいらっしゃいます。

 先ほどのタナカ氏、そして、今回の"権利者"である友彦氏も裏ではかなりの有名人でいらっしゃいます。

 そして、委員会直属の警備…中でも開会式にいた4人は、超一流と呼んでも差支えがないでしょう。」

 「なるほど…彼らのような人材がこの大会に集中していては、裏の世界はさぞや不安定だろうな…

 しかし、お前がいれば、我が身は安泰だな…」

 「勿体無いお言葉を…」

 謙遜する秀は、VIPルーム内に満ちる一流の裏世界の住人同士が出す無意識の殺気から森山を守っていた。

 

 

 「ここだ。入れ。」

 仮面をした男二人に両腕を抱えられ、御剣涼子は隔離された部屋の前に立たされた。

 不安と怒りと絶望が混じった表情で、暗い憎悪を瞳に乗せている。

 「どうした?分かっているはずだ。ついさっきも説明したはずだからな。」

 扉の前で頭を垂れたままの涼子から手を離し、男達が姿を消す。涼子を抑える者はもういない。

 しかし、涼子は逃げることなく、扉のノブに手をかけたまま、悔しそうに唇を噛んでいた。

 『お前は負けた。規定通りのペナルティを受けてもらう。抵抗すれば、人質に不利益が生じる。』

 戦いの後、目を覚まし抵抗した涼子を取り押さえた仮面の男が静かに口にした言葉だった。

 同時に、小型のモニターに映し出された人質の姿。親友である少女と、憧れである先輩の姿だった。

 それを知ってしまったために生まれた怒り。逆らうことができない絶望。

 そして、手にしたノブが回された時に訪れる恐怖に、涼子は身を凍らせていた。

 「悔しい…」

 『何で自分が』とは思わない。戦いに負けたことも悔いはない。

 この不本意な状況を自力で打開できない自分に苛立っていた。

 唇から血が滲み、細く赤い筋が顎を伝って流れ落ちる。カタカタとかすかな震えが起きる。

 その瞬間、涼子の体が不思議な浮揚感と、何か硬く暖かい物に包まれる感覚を感じた。

 「…え…!?」

 涼子が顔を上げると、そこは今までいた場所ではなかった。

 「いつまで立っているつもりだ?」

 自分の耳元で低く穏やかな声が聞こえる。

 自分を包む感覚は、がっしりとした男の体だった。

 ドアの前で迷っているうちに、部屋の主が素早くドアを開け、涼子を室内に抱きいれていたのだった。

 「ちょっ!放して!」

 何度も湧いては砕けた覚悟だったが、突然の出来事に完全に打ち砕かれる。

 動く脚だけをジタバタと暴れさせ、ベッドの上から身をよじって逃げようとする。

 「俺より背が高いな。」

 男の言葉に、涼子の動きがピタリと止まる。よほどショックだったらしい。

 男は停止した涼子の体を、軽々とベッドに放り投げる。

 「自分がどうなるか知っているな?」

 男の言葉に、涼子がキッと睨み返し、無言で頷く。

 「そうか…俺の名前は友彦。」

 「へ…?友彦…?それだけなの?」

 一瞬間の抜けた声を出した涼子が、すぐに警戒心と反感に満ちた態度で友彦を睨む。

 「名前なんか、大して必要じゃないだろう?それに、俺は名前でしか呼ばれたくないんだ。」

 いぶかしむ涼子に、ゆっくりと友彦が近づく。

 「君を自由にできるこの時を待ち望んでいた…楽しませてもらうぞ…」

 何とか少しでも抵抗しようとする涼子にジリジリと迫る友彦。

 「こ、こないでよ!こらぁー!」

 涼子がジタバタと脚を振り回し、滲みよる友彦を追い払おうとする。

 素手での格闘は専門ではない涼子だが、鍛えられ、そして体格が恵まれた涼子が振り回す長い脚はかなりの威力がある。

 暴れている時は、精神的に落ち着く―日常的な行為に近いからだろう―ので、涼子の声からかすかに緊張が消える。

 涼子の脚が友彦を蹴る。それでも、友彦はゆっくりと涼子に滲み寄っていく。

 友彦のガッチリとした肉体は、涼子の蹴りのダメージを吸収し、子供と遊んでいるような状態だった。

 「ちょ、ちょっと!アッチ行けってば!うわ…!」

 何度蹴っても顔色すら変えずに接近する友彦に、日常から逸脱した恐怖を感じた涼子が更に暴れる。

 さすがに鬱陶しくなった友彦が、脚を捌いき、そして、顔に向って放たれた足の裏を掴んで一気に急接近する。

 「…あっ…!」

 「いい加減にするんだな…俺はともかく、監視している連中が何をするか分からないぞ!」

 鼻を付き合わせるくらいまで接近した友彦の顔が少し厳しく眉根を寄せている。

 「だったら何だっての!?アンタにどーにかされる前に、叩きのめしてやるわよ!」

 涼子が頭突きするように額をカチ当て、友彦に反論する。貞操の危機を何度もすり抜けた涼子は、度胸が据わっている。

 「君に負けるつもりはない。それ以前に、何か忘れていないか?自分がここで俺に従わなければいけない理由を…」

 「あっ…」

 友彦の言葉に涼子がビクッと震え、小さく呟く。

 友彦との日常に近いやりとりでリラックスしてしまい、扉の前で苦悶していたことをすっかり忘れていた。

 「ひと…み…先輩…ごめん…っ…私…忘れて…!」

 涼子が青ざめ、泣きそうな顔で呟く。絶望が再びその心に重く、深く染み付いてくる。

 「君を倒して、屈服させるのも悪くないが、折角の機会だ…利用させてもらう!」

 「や…やだ…やめてよ…!やだ!やぁ!や…むっぅぅぅ…!」

 至近距離にあった友彦の顔が涼子の顔に迫り、顎の軸をずらすと、涼子のその唇に友彦の唇が押し当てられた。

 冗談などではない、本当のキス。涼子にとっては初めての経験だった。それは過剰な拒否反応が示している。

 扉の前で苦悩した時に自分で噛んだ唇に残った血の味が友彦を介して涼子の口に広がる。

 「っ!んんん!!んぅぅっ!」

 拒絶反応が諦めによって落ち着いてきたとき、再び涼子が前以上の暴れ方をする。

 (舌…!舌入れるなんて!)

 涼子の口の中に、友彦の舌が挿入される。お互いの唾液が交じり合い、舌同士が触れ合う。

 その感覚に涼子がビクッと怯えたように震え、体を硬直させる。

 友彦の舌は、萎縮したように少しでも逃げようと縮められた涼子の舌をなぞるように這い、口腔内を愛撫する。

 (いや…いやぁ…いやぁぁ!)

 それまで抑えていた涼子の嫌悪感と恐怖が、口腔愛撫によって甦る。

 ブルブルと震え始め、首を振って逃げようとした。

 「っ!このッ!」

 涼子の歯で、かすかに舌を傷つけられた友彦が涼子の顎を強く掴む。

 恐怖に歪みながらも、涼子の瞳が怒りを込めて友彦を睨む。

 「変態…!」

 「キスくらいで変態か?そんなんじゃあ、ガキのままだな…」

 『ガキ』という言葉に涼子が反論する。

 「うるさい…!あんたなんかに…」

 「いい女っていうのは、キスも上手いもんなんだぞ?」

 今度は『いい女』という言葉にかすかに反応する。

 「そ、そんなの…あんたが勝手に言ってるだけでしょ…」

 急に勢いがなくなった涼子の顎を離し、友彦が諭すように口を開く。

 「いい女…まあ、男もだが…ってのは、色々な経験を自分の物にしているもんなんだ。

 体得した経験が、何事も受け入れて、対応できる余裕が生まれるんだ。」

 友彦の妙に説得力のある言葉に、涼子は反論できずに黙ってしまった。

 「だから、キスくらいで怯えるな…」

 再び友彦の顔が近づいてくる。

 憧れの―そして、今は囚われの―先輩から聞かされ、目標とする「いい女」というキーワードを引き合いに出されて涼子が迷う。

 「…ひとみと先輩の…ために…我慢するだけなんだから…」

 心の中に芽生えた興味を悟られないように、言い訳しながら覚悟を決めたようにギュッと目を瞑り、顎を突き出す。

 「…そうだな…」

 涼子の心のうちを見透かしたように友彦がかすかに、本当にかすかに微笑むと、再び涼子の唇に重なる。

 緊張をほぐすように、涼子の唇を自分の唇で甘噛みし、催促するように舌先で涼子の唇を少しなぞる。

 ピクッと涼子が震え、数瞬の迷いの後に涼子の唇と歯が開かれる。

 侵入を許可された友彦の舌が歯の隙間を縫って、涼子の舌に触れる。

 涼子は諦めたのか、縮めていた舌から少しずつ緊張を解き、脱力させた。

 「っんん…!」

 友彦の舌が涼子の舌に絡みつき、口内を愛撫するように、そして涼子の警戒を解くように巧妙に蠢く。

 粘膜が絡み、唾液が交換されることに慣れていない涼子は、まだ嫌悪感に眉を寄せ、必死に耐えている。

 「ふむっ!んむぅ!んっ…んんぅ!」

 ようやく慣れてきた涼子が突然暴れ出し、友彦に顎を固定される。

 友彦の片手が涼子の乳房を制服の上から、包むように動いていた。

 抗議の声を上げるが、顎を押さえられたまま口をふさがれる。

 (こうなったら、コイツの舌を噛んで……だめだ……ひとみと先輩が何をされるか分からない…)

 一瞬の殺意を捨て、渋々と抵抗をやめる。抵抗の鎮圧のために停滞していた友彦の手が再び動き始める。

 友彦の手が、大きく制服を盛り上げる涼子の乳房を最初はじんわりと、やがてこねるように揉み上げる。

 「ぷはっ!…やめてよ…!」

 友彦が唇を離すと、涼子が長い長いディープキスから解放され、大きく呼吸をする。

 同時に、聞き入れられないと分かりながらも中止を願う。その口の端から、唾液が流れている。

 「ひやぁぁ!?」

 友彦が無言で、涼子の体を反転させる。素っ頓狂な声を上げて、胡座をかいた友彦の上に座らされる涼子。

 「こうして抱えると、意外と小さく見えるな…」

 「へ…?小さい…って…?あん!ちょ、やめ…やぁ…」

 友彦の呟きが、涼子の心の底にあるコンプレックスを巧みに利用して隙を作る。

 隙を突かれ、背後から回された友彦の手が乳房を弄ぶと、慣れない快感に涼子は思わず甘い声を出してしまう。

 突然体勢を変えられ、「背が高い」というコンプレックスを抱える少女が待ち望む言葉を聞かされては、

 涼子はもう抵抗の機会を失っていた。

 コンプレックスを見抜き、利用しながら他人を操ることに長ける友彦にとってはたやすい事だった。

 どれだけ抵抗する女でも、コンプレックスに沿った救いの言葉をかけるだけで、心に隙ができる。

 例に漏れず、涼子は隙をつかれて豊かな乳房を嬲られて、嫌悪感よりも快感に流されようとしていた。

 友彦の両手が涼子の重たい乳房を持ち上げるように、下からすくい上げてやんわりと揉む。

 かと思うと、乳房全体を撫でまわすように手を這いまわさせる。

 「ねぇ…やめてよ…お願いだから…」

 ジワジワと這い上がる快感に流されないように耐え、そして人質のために嫌悪感を抑えながら涼子が呟く。

 心の隙をつかれてしまい、涼子の中では友彦は完全に憎むべき相手ではなくなっていた。

 「だめだ…」

 「やだ…脱がさないで…ひゃう!?やぁ…」

 友彦の手が涼子の制服のたった一つしかないボタンを外し、ブラウスを露出させる。

 当然抗議し、手を押さえようとした涼子だったが、友彦の唇が首筋に押し当てられると硬直し、手を引っ込めてしまう。

 くすぐったいような、しかしキスよりも直接的な感覚。

 友彦の手が、薄いブラウス越しに涼子の胸を弄ぶ。制服越しよりもはっきりと熱が伝わってくる。

 薄い布地が皺を作り、乳房が形を変えるのをはっきりと浮かび上がらせる。

 未だに残る嫌悪感や恐怖に暴れようにも、体をすっぽりと包まれ、その上未熟な体に快感を与えられてはそれも叶わない。

 みるみるうちに涼子の頬が薄紅色に染まり、吐息は甘いものが混じり始めていた。

 柔肉がまるでブラウス、そしてブラジャーと融けて一体化するのではないかと思うように甘く揉まれる。

 無意識に充血してきた乳首が、布越しに刺激されるだけでピクンと反応する。

 (こんな状況なのに…私の体はどうしちゃったのよ?)

 いつの間にか弱々しく形だけの抵抗しかできなくなった自分に恐れすら感じる。

 「もう抵抗しないのか?」

 「う、うるさいわね!人質が危ないんでしょ!」

 心を読まれたような言葉に驚き、できるだけ強気を装う。

 そんな涼子の態度を、友彦はおかしそうに笑い、突然ブラウスを引き千切る。

 「ああぁっ!?なんてことすんのよ!」

 羞恥心よりも怒りを感じた涼子だったが、ブラに包まれながらも跳ねるように飛び出した乳房を手で隠そうとする。

 友彦がその両手首を掴むと、片手で吊るすように持ち上げてブラに隠された双乳を晒す。

 「感じてるんだな?」

 「そ…ンなわけないでしょ!?ひっ…はぁ…」

 精一杯の強がりだったが、友彦が残るもう一本の手でブラの上からタプタプと乳房を揉む。

 そして、人差し指で乳首があると思われる場所をなぞり、軽く突くと涼子が思わず吐息を漏らす。

 「確かめてやる…」

 「きゃぁぁぁ!?」

 友彦の手がブラを引き千切ると、ハリのある双乳が暴れ回りながら晒される。

 ついに乳房を露出させられた涼子が、さすがに悲鳴を上げ、涙目になる。

 「ちくしょう…畜生…ッ!」

 憎悪に満ちた瞳を虚空に向け、恨みの呟きを繰り返す涼子。

 「畜生か…畜生に一瞬でも心を許して嬲られたのは誰だ?嬲られて感じたのは誰だ?」

 友彦の指が、ピンと勃った涼子の乳首に触れるか触れないかの距離で蠢く。

 「感じてなんかない…!」

 「嘘だな…」

 友彦の片手が、重力に半ば逆らうように張り詰める乳房を下から持ち上げるように掴み、ヤワヤワと下乳を揉む。

 「お前の体は、もう快感を知ってしまったぞ?」

 「ん…嘘だ…私があんたなんかに…ぃ…」

 手を拘束されたまま、背後から耳に囁かれる悪魔のような言葉。事実であることが、何よりも意志を殺ぎ落としていく。

 友彦は、サディスティックに涼子の心を弄ぶ。

 自分を受けれそうになると、巧みに嫌悪感や怒りを与えて、反感を覚えさせ、わざと嫌がる顔を楽しんでいた。

 「嘘じゃないと言っただろ?仕方のない女だ…」

 「やぁ!やめてよぉ!やだぁ!あぁぁ!」

 友彦の指先が、涼子の敏感な乳首をそっと撫で、そして指の腹で押しつぶすようにクニクニとこねる。

 十分に乳房に前戯を与えられていた涼子が快感に悲鳴を上げてしまう。

 「やぁ!だめぇ!こんなの…やだよ!んっ!あっ!きゃうっ!」

 手首を持ち上げられた状態で、感じたことのない強い快感に身をよじる涼子は、上半身を激しくくねらせることになった。

 それは自らの動きによって、友彦の指先が乳首を嬲るのを手伝うことになり、涼子は意味も分からずに悶えることなった。

 「乳首をこんなに硬くして感じてるじゃないか…まだ証拠がいるか?」

 友彦はピンピンと指先で何度か乳首を弾くと指を離し、涼子の短いスカートの中に手を突っ込んだ。

 「だめ…やだ…ホントにやだよ…!」

 怯えたように首を振る涼子を無視し、下着の股間部分を指先でなぞる。

 「かすかに湿っているな…確認してやろう!」

 友彦が邪な囁きと共に、背後から涼子の脚に自分の脚を絡め、無理矢理大股を開かせる。

 「やだっ!!やめろっ!いやぁぁぁ!!」

 開脚させられた状態で、涼子が絶望の絶叫を上げる。友彦の手が下着を掴み、思い切り引き千切る。

 涼子が涙を流す。大開脚させられた状態で下着を奪われ、その秘部が隠しようもなく晒される。

 涼子には伝えられていないが、その光景は観客向けの超大型モニターに鮮明に映し出されていた。

 友彦の指が秘所を何度かなぞると、かすかに粘り気がある液体が指先に触れる。

 涼子は最も密やかな部分を晒され、挙句触られたことに半狂乱になって暴れ出した。

 固定された両手脚は動かせず、結果として上半身と腰を跳ね回させるだけだった。

 それが何を意味するかは、涼子は気がついていない。

 上半身が暴れれば、豊かで美しい巨乳がブルンブルンと踊り、下半身が暴れれば、秘花が開閉して晒されてしまう。

 観衆へのサービスのように友彦は、しばらく涼子を暴れさせていたが、やがて加虐心に火がついた。

 「ひぃっ!?」

 ズヌッと、友彦の中指が涼子の秘部に挿入される。内部で蜜が分泌されていたためか、入るときは意外とスムーズだった。

 「いい加減に暴れるのはやめろ…このまま根元まで突っ込んで、処女を奪うぞ?」

 押し殺した声で、友彦が涼子に囁く。第2関節まで入れた中指に強烈な締め付けを感じる。

 涼子の体が恐怖に震える。『処女を失う』という現実をやっと実感させられた。

 「ふふ…やっぱり感じていたんだな…」

 友彦の指が涼子の秘口を押し広げる。美しいピンク色がのぞき、その奥からトロトロと白っぽい液体が指を伝う。

 「しっかり入り口を閉じてがんばっていたみたいだが…開門させられれば、もう終りだな。」

 涼子は恐怖と恥ずかしさで声も出ない。胎内に明らかに異質な感覚を感じる。

 チュポッという卑猥な音を立てて、友彦の指が抜かれると、白い粘液が絡みついた指先を顔の前に突きつけられる。

 「汚い…やだ…近づけないで…」

 「これが君が女である現実なんだよ。」

 顔を背けて友彦の方を向いた涼子の唇に、友彦が愛液に濡れる指先を押し付け、涼子自身の淫液を塗りつける。

 「やだぁ!や…んっ!?」

 唇に胎内からの分泌物を塗られた涼子が嫌悪感に叫んだ瞬間、愛液を舐めるように友彦が唇を奪った。

 同時に、まだ愛液でぬめる指先で、乳首をこね、摘み、乳肉に埋めるように押し込んで快感を与える。

 快感にピクピクと小刻みに震える涼子。友彦は一度乳房から手を離すと、ズボンのジッパーを外し、肉棒を取り出した。

 涼子の尻に硬く熱い感覚が伝わる。

 「ぷはぁっ…まさか…んむっ!?」

 一瞬、キスから解放された涼子だったが、友彦は涼子の頬を伝う涙を舐め取り、再び唇を合わせ、舌を絡ませた。

 涙のしょっぱい味が二人の舌に広がる。涼子はそれ以上に、異性器の存在に不安を隠せない様子だった。

 友彦は器用に腰を動かし、涼子の秘部と自らの分身を接触させる。垂直になった肉棒の幹が涼子の秘部に触れる。

 接触部からクチッと水音が聞こえる。乳責めによって、涼子はまた愛液を分泌させてしまったらしい。

 肉棒が巧みに花弁を擦り、ぷっくりと姿を現した真珠を軽く叩く。

 クリトリスを刺激される感覚に、かつてない強い快感が襲い掛かる。

 「どんどん濡れてくるな…」

 友彦が唇を離して羞恥心をくすぐると、反論の隙を与えずに再び唇を貪る。

 そして、左右の乳首を自由な片手で交互に摘み、乳肉を嬲り、涼子を更に快感の虜にしていく。

 何よりも、秘所に添えた肉棒で、秘部を擦り上げ、秘蜜をより吐き出させている。

 嫌悪感と恐怖、怒りと屈辱、羞恥心と快感の中で、涼子は段々と流されてしまっていた。

 瞳はかすかに潤み、肌はうっすらと桃色にそまり、何より秘部らは擦り上げる肉棒がドロドロになるくらいの蜜が溢れている。

 「そろそろだな。」

 涼子は唇を離した友彦の呟きを瞬時に理解することができなかった。

 「ふぇ…?っ!やだ!お願いだから、それはやめてよ!!」

 ぼんやりとした感覚の中で、言葉が整理され、それが何を意味するか悟る涼子。

 涼子の秘口に、友彦の先端があてがわれる。四肢は拘束されたまま、何とか逃げようと腰を捻る。

 しかし、自らの動きで花弁が亀頭に嬲られ、クリトリスが擦られると、口を開けた秘口から愛液がトロトロとはしたなく垂れる。

 「やだ!やだ!!やだぁぁぁ!」

 「観念しろ…」

 友彦の手が涼子の腰を掴み、そして…

 「あっ…ああ…あ…く…ぐ…あぁぁ…」

 先ほど入れられた指の何倍も太い感覚が、涼子の秘口を押し広げ、ゆっくりと胎内を進んでいく。

 その圧迫感と恐怖に、涼子は呻き声を上げ、体を凍らせた。

 肉襞を掻き分けた亀頭が、涼子の処女膜に到達する。

 「ひっ…ぐ…あーっ!」

 一瞬の停止の後、胎内を一気に貫く感覚。すぐに痛みが走り、最奥に感じたことのない圧迫感を感じる。

 体を硬直させ、ショックに呻く涼子の手を放し、脚だけ絡ませたまま、涼子の体を前かがみに倒す。

 「ひっ!?」

 突然体が倒され、ベッドに顔を埋めてしまう涼子。

 「オンナになったな。」

 「ひど…い…こんなの…許さない…許さない…!あがぁ!?」

 ベッドに顔を埋め、涙を隠しながら涼子が怨嗟の声を漏らすと、友彦は容赦なく腰を動かし始めた。

 まだ痛む女肉が太い肉棒で擦り上げられていく。痛みよりも、胎内に生まれて初めて受け入れた異物感におののく。

 バックから責められ、涼子の体が前後に揺さぶられる。

 突っ伏した体の下で乳房が激しく揺れ、乳首がシーツに擦りつけられる。

 「乳首が感じるみたいだな?乳が揺れてシーツに擦れるたびに、締め付けが良くなって、中が濡れてくるぞ。」

 軽く尻を叩きながら、少しずつ快感に負けていく涼子を追い込む。

 (そろそろだな…)

 シーツを噛んで怒りと、そして嬌声を押さえる鬼気迫る涼子の姿を見て、友彦が本領を発揮させた。

 背後から突き上げながら、揺れる乳房に両手を伸ばす。

 「あふ…んっ…んぅ…」

 乳房をタプタプと揺するように、そしてグニグニとこねるように揉まれると、シーツを噛んでいる涼子の口から甘い声が漏れる。

 涼子は必死に堪えるが、破瓜の痛みが薄れ、快感が割合を多くしてきている。

 「美しいな…快感に耐え、苦しむ姿…その辺のガキではこうはいかない。」

 友彦の声が低く、耳を優しく打つようなトーンで発せられる。

 「戦う意志を持った女だからこそ美しい…それに、君のその背の高さが美しさを彩っている。」

 涼子の体がビクッと反応する。しかし、今の涼子は無意識のうちに期待していた。

 先ほど、コンプレックスから解放してくれる言葉をくれた友彦の誉め言葉を。

 「背が高いことが君の美しさを引き立たせている。男より小さくある必要なんかないんだ。

 君は男より様々な意味で強い…侍だな…自分より弱い男より背が高いことの何を恥じることがあるんだ?」

 友彦はそう言いながら、涼子の弱点である乳首をクニクニと摘み、指先で嬲る。

 「う…そ…んっ…ひっ…あうっ…!」

 快感と自分を解き放つような言葉に、涼子は混乱し、誘いに乗ってしまう。

 「嘘じゃない。証拠に、美しいからこそ俺がこんなに狂わされている。ま、今の君は美しい中にも可愛さがあるがな。」

 耳元で囁き、愛撫を重ねる。それだけで、涼子の中のコンプレックスが破壊され、精神構造が混乱する。

 隙を突くように与えられる快感と優しい言葉が、大きなウェートを占めて心を書き替えていく。

 「感じて…いいの…?強くなくて…んっ!…いいのぉ?」

 心に残ったかすかな古い意志が、崩れるきっかけを求める。

 憧れの先輩に言われた「可愛い女が全てじゃない」という言葉に可愛くあることを否定し、

 背が高いコンプレックスから、格好良くある事を心の底で否定し、強くあることを望む周囲の期待に、自分を縛り付けていた。

 「君は強さと、美しさ、そして可愛さを兼ね備えた女なんだ。」

 友彦はそのがんじがらめの状態を見抜き、その全てを解放する言葉を囁く。

 「私…私…ひぁ!?きゃうっ!」

 とどめの一言と同時に、片手で涼子のクリトリスを擦る。

 甲高い嬌声を上げるようになった涼子は、もう先ほどまでの怯える涼子ではなかった。

 友彦への憎しみや怒りなどはあるが、それ以上に与えられるものの大きさにもう囚われていた。

 恋愛感情などとはとても呼べないが、信頼と呼べる感情が生まれていた。

 「あぁ!だめぇ!あっ!あう!ひぁん!」

 破瓜の痛みよりも快感が強くなった秘部をグチュグチュと突きまわされ、乳房と乳首を嬲られ、クリトリスをこね回される。

 一度崩れた心には、あまりに強すぎる絶妙な三ヶ所からの快感。

 「素直な君は可愛い…それに、こうして悶える姿は美しい…」

 友彦は、涼子の体に折り重なり、首を曲げさせて唇を奪った。

 ピチャピチャと伸ばした舌を絡ませる軽い水音と、秘部からはグチュグチュと粘着質な重い音がする。

 グチュグチュという音が段々と加速し、比例して涼子の喘ぎ声を速く、高くなっていく。

 「私…もう…もう…!ああぁ!ひぁぁ!!」

 泣きそうな声を出し、涼子が激しく体を痙攣させる。

 絶頂に収縮する秘肉が、痛いくらいに友彦を締め付ける。

 (このまま、俺がイクまで責めるのも酷だな…)

 友彦はギチギチに締め付ける肉から肉棒を引き抜くと、うつ伏せになって小刻みに震える涼子を仰向けにする。

 「うぅ?」

 生まれて初めて男から与えられた絶頂の余韻、そして重荷から解放された安堵感に浸っていた涼子が怪訝そうな音を発する。

 「いい女っていうのは、フェアなもんだ。」

 仰向けになった涼子の胸の谷間に、愛液で白くぬめる肉棒を乗せる。

 「俺もイカせてくれるよな?」

 涼子は何を求められているかを悟り、戸惑いながらも頷き、乳房を真中に寄せた。

 さすがこれくらいの知識はある。自分の胸なら可能だということも知っていた。

 「そう…だ…ッ…寄せた乳を動かしてくれ…」

 若くハリがある双乳の感触に、友彦が呻く。

 ムニュッと硬く熱い肉棒を包み込み、愛液を潤滑油代わりに、ニュプニュプと挟みしごく。

 「そうだ…谷間からはみ出た部分を舐めるんだ。」

 「う、うん…こぉ?」

 涼子が生まれて初めて男の逸物と向かい合い、恐る恐る舌を伸ばし、胸の谷間から覗く先端をチロッと舐める。

 自分の愛液と、友彦の先走りの混じった奇妙な味に戸惑いながらも、胸の谷間でピクンと反応する肉棒に可愛らしささえ感じ、

 嫌悪感や恐怖などは湧いてこなかった。

 やがて、思い切って首を曲げて、亀頭部分を口に咥えてみた。

 両手は乳房を寄せて動かし、好奇心からパイズリフェラという高等技術を繰り出していた。

 上下に揺すった双乳が、友彦の亀頭を咥えるために近づけた顔をタプタプと打つ。

 (私…凄いことしてる…でも、嫌じゃない…変なのかな…)

 涼子は迷いながらも、亀頭部分を咥えたままチロチロと舐めてみたり、寄せた乳肉を左右別々に動かしていた。

 「くっ…うっ…!」

 「んぶ…ん…んぐ…んぷぁ!?」

 堪えきれなくなった友彦が低く呻くと、涼子の口の中の亀頭が勢い良くドロドロの液体を吐き出した。

 涼子は口の中にどんどんと流れ込む生臭い液体に苦しそうな声を上げたが、不思議と嫌な感じはしなかった。

 友彦が射精を終えると、口から汚棒を引き抜く。

 口一杯に射精された液体が、抜かれた肉棒にまとわりつき、涼子の口と肉棒に糸を引いてアーチを描く。

 (…こんな味なんだ…変な味…でも、悪くないかもね…)

 口の中の粘液を味わうようにしばらく溜めていた涼子だったが、やがてそれを嚥下していた。

 「がんばったな…さ、キレイにしてくれ。」

 白濁に塗れた肉棒が、涼子の口許に押し付けられる。異性器をこんなに間近で直視したのは、初めてだった。

 とりあえず肉棒をできるだけ口の中に収め、半分ほどを咥えたまま、口の中で舌を動かす。

 「ほぉ?(こう?)」

 涼子は上目使いで友彦の意見を聞く。

 「そうだ…じゃあ、首を振ってみてくれ。」

 涼子は喉を突かない程度に深く咥えこみ、口での抽送を試してみた。

 ジュポジュポといやらしい音に、思わず涼子が顔を赤くし、肉棒を口から抜き去る。

 「おかげでまた勃ったぞ…さあ、どうする?」

 友彦がその場に胡座をかく。その股間には、涼子の奉仕によって巨大化した剛棒が天を衝いている。

 「無理矢理されたままじゃあ、気分が悪いだろ?」

 顔を真っ赤にして顔を背けた涼子に、またあの悪魔の囁きが聞こえる。

 戸惑う涼子の手が急に引かれ、友彦が涼子を抱き寄せて唇を奪う。

 「ん…む……もう…」

 いつの間にか舌を絡める深いキスにも、嫌悪感ではなく、安心感を覚えるようになっていた。

 軽く怒ったような、大人が子供を咎めような声を出す。

 「まだ、自分から…というのは酷だな。」

 友彦は涼子を抱きかかえ、向かい合ったまま座位で繋がった。

 「あぁ…やだ…こんなの恥ずかしい…!んぁ!」

 向かい合ったままの結合に、涼子が顔を真っ赤にしている。

 「さっきは顔が見えなかったが…顔が見えると、感じ方が違うだろう?」

 友彦が一番深くまで突き入れると、涼子の顎を掴んで見詰め合う。

 「う…うん…なんか…恥ずかしいけど…でも…んん…」

 まだ慣れてはいない異物感と快感に涼子が言葉を濁す。

 先ほどの背後から犯されている時は、単純に快感だけを与えられていたが、向かい合っての交配では、

 自分の喘ぐ顔が見られることが、羞恥心を刺激して感度を強化していた。

 涼子は、友彦に抱きつきながら、胎内を硬い肉棒で擦られ、突き上げられる快感に翻弄されていた。

 抱きついた涼子の乳房に、友彦の魔手が伸び、すっかり敏感になった乳肉と乳蕾を嬲る。

 「自分で弄ってみろ」

 友彦が耳に囁きかけると、涼子はフラフラとその言葉に従ってしまい、自らの双乳に手を伸ばす。

 涼子が双乳をこね回し、恐る恐る乳首を弄ぶ。

 そして、友彦が双乳に顔を寄せると、無意識のうちに双乳を持ち上げ、両乳首を寄せていた。

 「あぁ…あー…!ひぃ…っくぁ!?」

 双乳の頂が、まとめて友彦の口に消え、ジュルジュルと音を立てて吸いたてられ、甘噛みされる。

 絶頂を経験してさほど時間のたっていない涼子の体は、乳責めと秘部を突かれる快感に、早くも昇り詰めつつあった。

 それは同時に、秘肉の活発化も促し、友彦を追い詰めることにもなっていた。

 「ね…ぇ…お願い…一緒に…!んっ!」

 「な、なんだ?んむ!?」

 涼子がいきなり、自ら友彦の唇に吸い付いてきた。

 そのまま、驚く友彦の口の中に舌を差込み、舌を絡ませて貪るようなキスをする。

 突然の行動に、友彦は驚き、今度は自分が快感に踊らされることになった。

 涼子が快感に身をよじり、無意識に腰をくねらせる。

 すでに投与されている薬によって、妊娠はしないと分かっていたが、仮に妊娠するとしても、その腰は止まらず、

 男の精を子宮に浴びるまで止まることはなかっただろう。

 「ん!ん…っくぅ…!」

 「んひぃぃ!んむぅぅ!!い、イクぅぅぅ!」

 友彦が涼子の腰の一振りに思わず絶頂を迎えていた。涼子と繋がったまま、大量の射精を迸らせる。

 涼子はそれを受け、生まれて初めて胎内に熱い飛沫を浴びせかけられ、背筋を弓なりに反らして友彦異常の絶頂に震えた。

 そのまま脱力し、気を失った涼子をベッドに寝かせ、友彦は何だか満ち足りたような涼子の顔を眺めていた。

 

 

 権利が期限を迎える少し前に、二人は部屋を後にした。

 本部から戦場に繋がるゲートの前で、二人は微妙な距離を取りながら向かい合っていた。

 「いい女になったじゃないか?」

 再び戦場に向おうとする涼子の立ち姿に、友彦が目を細める。

 「"経験"させてもらったからね…」

 涼子が苦笑しながら答える。その表情は複雑だった。

 「一つ…大切なものを失ったおかげで…悔しいけど、少しは余裕ができた…」

 涼子が手にした木刀を友彦に真っ直ぐに突きつける。

 「今度会ったら…借りは返すからね!」

 切っ先の奥にある、涼子の真剣な決意を秘めた瞳を見つめ返しながら、友彦が口を開く。

 「なら、賭けよう…君が優勝したら、俺を好きにするといい。ただし、君が失格したら…」

 「私を好きにして良いよ…でも、私が優勝した時は、実力であンたを叩きのめしてあげるわよ!」

 かつての自分を斬るように、ヒュッと木刀を翻した涼子が、踵を返してゲートに向って歩き出す。

 その背中は、身長の高さを恥じていた時と比べ物にならない程、自身と威厳に満ちてより大きく見える。

 「今やったら…負けるかもな…」

 ゲートが開く重い音に隠れた友彦の呟きを背に受け、涼子は戦場へと舞い戻っていた。

 

 

 


解説

 「螺旋」第二戦目の後編です。

 この作品は御剣涼子の投資者であるトモヒコさんのご要望に添って作りました。

 

 一度、変更前のリクエストで書き上げてしまい、手直しをしての発表になってしまいました…

 「シラエキヒメ」を書き上げた影響で、何だか微妙に甘々な雰囲気になってしまいましたが…(汗)

 おかげで予定よりもかなり長くなりました。

 

 第三戦は早目に発表できそうですので、お待ちくださいね。

 


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