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螺旋―欲望の孤島― 第3戦(後編) 敗北者・来栖川綾香
チェシャ/文
クリシュナ(一茶)/執筆協力


 一人は制服姿の女子高生。一人は男性的な凛々しさを秘めた美女。

 前回の戦いと似た展開だったが、両者の戦いは遜色のないものだった。

 どこからともなく放たれた「流れ弾」と誤解による戦いが、炎の中で決着した。

 「決着…でございますな。」

 「…あぁ…」

 VIPルームの中、豪奢な椅子に腰掛けた中年の男が、傍らに立つ執事の言葉に静かに、というよりは上の空で頷く。

 『第三戦、キング選手来栖川綾香選手。

 格闘戦において決着。キング選手の勝利です。』

 二人の間には、アナウンスなど意味のないものだった。

 『格闘戦による敗北のため、これより来栖川選手には24時間のペナルティを受けていただきます。

 身元引受人は、森山智明様。』

 智明の体が、フラッと揺らめくように椅子から離れる。

 『森山様、来栖川選手の準備が整うまで、特別室にてお待ちください。

 なお、30分経ってもお部屋にいらっしゃらない場合は、権利は第二権利者の方に移行いたします。』

 VIPルーム内の視線が智明に集中する。

 無理もない。これから智明が征服するのは、あの「来栖川」の娘なのだ。

 羨望、嫉妬…そんなあまり快くない瞳が智明に向けられる。

 何人かが「来栖川」という名を口にしているのが、智明の耳に入る。

 智明にとって、その名は呪詛に近しい響きを持っている。智明の冷たく鋭い視線が、下世話な連中を射抜く。

 欲望と卑小さの塊のような一角が冷たく凍りつくような瞳に威圧される。

 「森山さん!」

 智明の背後から声がする。

 「あぁ…雅之さん…」

 智明の瞳から、物騒な瞳が消える。

 「いよいよ…ですねぇ…」

 雅之と呼ばれた、どことなく自分とは違う世界の匂いを感じさせる男が立っている。

 「ええ…雅之さんにはお世話になりました…黛さんにも御礼を言いたいのだが…」

 「いえいえ…お役に立てれば、それだけで満足ですよ。黛先生は、ご研究だそうです。」

 二人の間で親しげな会話が成される。

 「それよりも、早く行ってください。あなたは十分に待ったんだから…」

 「…そうします…黛先生には、後ほどお礼に伺う、とお伝えください。」

 そう言って背を向けた智明の背中を、雅之が見送る。雅之に丁寧に一礼し、執事が智明の背中を追う。

 少し前に知り合い、雅之が作り出した魔法の薬を買った客の背中を見つめる。

 その背に乗せられた過去の重さが見えるようだった。

 智明が扉の前に立ち、秀が主のために扉を開けようと前に進み出る。

 「秀…私は…私は今、どんな顔をしている?」

 「…泣いて…おられます…」

 振り返る秀の目に映った智明の顔は、流れる涙で頬を濡らしていた。

 「…そうか…」

 智明はそれだけ呟くと、秀が開けたVIPルームの扉をくぐった。

 

 二人は無言で特別への通路を歩いていた。一歩一歩が感慨深い。

 「!旦那様…」

 秀が智明の後頭部の辺りに手を伸ばす。その手には、智明の頭目掛けて飛んで来た、まだ火のつくタバコが受け止められている。

 「へっへ…おっさん!これからお楽しみか?」

 品のなさそうな顔の男達が数人、二人の後ろに立っていた。高級そうなスーツをだらしなく着ている。

 「なあ?あの嬢ちゃん、俺たちに譲ってくんない?」

 智明は正面を向いたまま、秀だけがゆっくりと体を向き直す。

 「これはご冗談を…」

 「いやいや…冗談じゃねぇって!30分以内に部屋に行かなきゃ、権利はなくなるんだよな?」

 男達が一様に下種な笑みを浮かべ、二人に迫る。

 「大方、次点の権利者の差し金だな…来栖川の娘が相手となれば、当然だな…」

 背を向けたままの智明が、無感情に呟く。

 「とにかく、アンタには引っ込んでもらう。」

 男たちの間に殺気が走る。

 「旦那様…ここは私が…」

 「…頼む…」

 智明は秀にだけは感情のこもった言葉をかけ、内心の焦りをかみ殺すように歩き出した。

 「待ちやがれ!」

 「おっとっと…通せませんな…」

 秀が通路の真中に立ち、男たちの前進を止める。

 「旦那様は、あの日から…もう随分と長い間苦しまれた…それが今、ようやく解放される…」

 男達は秀の静かな独白になど耳を貸さず、智明を追うために駆け出そうとしていた。

 「このジジイ!どっ……け…?」

 秀の表情を見た男達が、秀の直前で足を止めて息を飲む。

 「それを邪魔するかッ!?許さんぞ小僧がァァァ!!」

 憤怒に満ちた瞳で一喝する秀。その手には、いつの間にかナイフが握られている。

 間を置かず、特別室の扉を開けようとした智明の耳に、幾つもの断末魔の叫びが届いていた。

 

 

 来栖川綾香の耳にも、断末魔の叫びは届いていた。

 目が覚めると、どういう手段を使ったのか、受けていたダメージが全て癒されていた。

 あれだけ凄まじかった、最後の鳩尾への肘打ちによる痛みも、跡形もなく消えていた。

 キングへの恨みはない。負けたことは悔しいが、無念ではない。全力の自分を越えられても爽快感があった。

 綾香は特別室へエスコートされていた。

 中に誰がいるかは分からない。しかし、自分の運命は分かっている。

 (浩之にあげたかったな…)

 囚われの想い人のことを思う。彼の安全のためにも、従わざるを得ない。

 浩之との楽しい思い出が浮かぶ。姉がいて、浩之がいて、毎日が楽しみで仕方がなかった。

 思い出を噛みしめるように歩き、その顔にはかすかな笑みが浮かんでいる。

 エスコートと監視を兼ねる仮面の男の足音が止まる。

 綾香の前にある扉。それは、絶望と屈辱への入り口。綾香は死刑囚のような気分だった。

 (姉さんと浩之を助けるためだもんね…私が我慢して、がんばれば…私が…がんばらなきゃ…)

 いつもの綾香なら、屈辱から逃れられないと知ったとき、自らの命を絶つことすら考えていただろう。

 だが人質がいる。自分の中の輝かしい希望が囚われているのだ。

 (今だけ…今だけ我慢すれば…きっとあの日に戻れるよね…姉さんと…浩之の所に…)

 綾香はすがるような気持ちで、誰が待ち受けているかも分からない扉を押し開けた。

 

 

 室内には、ベッドの端に腰をかけた身なりの良い中年の男性の姿があった。

 「やあ、綾香ちゃん…」

 「え…?」

 聞き覚えのある声に、綾香が驚きの吐息を漏らす。

 室内で対面しているのは、森山智明。

 父母に連れられていった豪華なだけの退屈なパーティーで、出会った優しい紳士であった。

 「なんで…?あなたが…こ…ここに…?」

 来栖川の名にこびへつらう俗物の「御伺い」にすっかり辟易していた綾香を、煙に巻くように連れ出し、パーティー会場を案内してくれ、

 ウィットに富み、年の差など関係ないかのように楽しいおしゃべりの相手をしてくれた紳士。

 そんな彼が、こんな欲望の掃き溜めのような場所の、それも自分を犯そうとする場にいるなど、綾香には理解できなかった。

 「何かの間違い?…違う。悪い冗談?…違う。君を助けに…?全部違うよ…」

 以前と全く変わらない穏やかな口調で、智明が綾香の頭に浮かんだ希望を否定していく。

 「少し…昔話をしよう…」

 智明の瞳が何か鋭い光を宿すようになっていた。呆然とする綾香から視線を外し、遠くを見るように語り始めた。

 「昔…そう…君が生まれる前の話だ…

 前にも話したが、私は森山という財閥の御曹司でね…当たり前のように、名家の風習なんかがあった…

 風習の一つとして、お決まりのように、私も財閥の勢力拡大のため、政略結婚をさせられることになった…

 相手の家は、私の家よりは格式が低くてね、娘を差し出す代わりに、上位の家柄と結びつこうとしたのさ。」

 智明は懐かしむように語っているが、混乱する綾香にはまだ何も理解できなかった。

 「政略結婚とは言え、私の相手はそれはそれは美しい人だったよ…正直に言うよ、一目で恋に落ちた。

 彼女の方も、少なからず好意を覚えてくれ、何よりも政略結婚だからね…断り様もない。

 私たちは、出会ってから着実に好意を深めていった…おっと…肉体関係なんかはなかったよ…当時は臆病でね…」

 智明が自虐的ともとれる笑いを浮かべる。

 「幸せな日が続いた…そして私たちは、約束通り結婚することになった。政略結婚だったから、親も当然諸手を上げて喜んださ。

 私も…彼女も…親の目論見から始まった恋とは言え、お互いに幸せにすると誓っていた…」

 智明が言葉を切り、天井を仰ぎ見る。

 「そ…それが…?何で、私の前にあなたがいることの説明になるの?」

 ようやく搾り出した綾香の言葉尻が弱まる。

 自分の方に向けられた智明の瞳を見てしまった。別人のように冷たく、恐ろしい瞳を…

 「結婚式の当日…私達は教会にいた…」

 智明が綾香の言葉には答えず話を続ける。その声は、直前の言葉とは明らかに雰囲気が変わっていた。

 「式は順調に行われていた。会ったこともないような来賓に晒されるような式だったが、私たちは幸せだった。」

 段々と智明の言葉が冷たく、だが熱っぽい口調に変わってくる。

 「式が終盤を迎え、私たちは神の前で永遠を誓い合った!」

 智明が俯いたまま、ベッドから腰を上げる。その声だけが激しさを増す。

 「そこで…奴が…邪魔者が現れた…」

 智明がゆっくりと綾香に近づきながら言葉を続ける。

 「奴が扉を開け、彼女の名を呼んだ…彼女は、涙を浮かべながら、嬉しそうに…本当に嬉しそうに駆け出した…」

 後ずさる綾香の前に、追い詰めるように智明が立つ。

 「勿論、教会中はパニックさ…私と私の両親は呆然とし、彼女の両親は焦っていた…当然だな…」

 綾香が気圧されたように下がりつづけ、ついには背中に壁が当たる。

 「花嫁泥棒は、彼女の親族の手によって一度は捕まったが、何故かまんまと逃げおおせた…彼女を連れてね。

 その日以来、私は一睡もせずに、彼女を捜索した…そして、数日が経った…

 彼女の両親が、莫大な金を用意して、私の元に謝りにきたよ…

 『娘は諦めていただきたい』…とね…

 何と、彼女をさらった忌々しい男は、私の家など比較にならないほどの大財閥だった。

 更に驚くことに、奴を取り押さえた彼女の親族は、奴の正体を知って、計画を変えていたのだよ!

 より大きな発展のために…私ではなく!奴と!忌々しい花嫁泥棒のあの男と!彼女を結婚させることに!

 私と私の一族だけは、何も知らされず、道化そのままにもがき続けていたッ!!

 彼女は私と結婚をする前日まで、あの男と通じていたッ!私はずっと騙され、裏切られていたのだよ!」

 綾香の額に自分の額をぶつけ、憎しみと怒りと哀しみに濁った瞳で綾香の瞳をにらみつける。

 綾香はショックと、恐怖で声を出すことも出来ない。

 「そうだ…そうなのだッ!君の愛しい母上と!父上は!私を裏切り幸せを…君を手に入れた!

 許せるか!?否、許せるものかッ!!あの日以来、私は闇の中を彷徨う惨めな存在に成り下がった!

 私を裏切った愛しいあの女と、彼女を盗んだ忌々しい一族への復讐者という存在に!

 だから私は………君を犯すッ!!」

 智明の興奮が最高潮に達し、暗く熱い言葉が綾香に叩きつけられる。

 「う…そ……よ…」

 綾香は膝から力が抜けるのを感じ、そのまま床に膝を負って座り込む。

 「嘘?嘘なら私も幸せだがね…信じないのは勝手だが…いや…その様子だと何か心当たりでもあるのかな?」

 綾香の中に眠っていた記憶…

 『森山』という名前に苦く厳しい父と、自らを攻めるような表情をした母。

 智明自身が、パーティーの席で父母に会うことを極端に渋ったこと。

 そして、母が持っていた古い古い本に挟まれていた智明に良く似た男と、どこか儚げに笑う若い頃の母の写真。

 確証に至るほどのことではないかもしれない。しかし、今はどれもが真実に結びついていた。

 「でも…だからといって…私を身代わりにしても何にもならないわよ!」

 「それは私が決めることさ…自分でも分かる…随分と…歪んでしまったことがね…

 楽しみにすることだ…この歪みが、君に降りかかるのだから…

 私はね…パーティーで君を見て以来、こうなる日をずっと待っていたのさ…」

 今の智明は、少し前とは全く変っていた。

 「そんな…そんなのイヤよ!絶対に!」

 「そうか…ククク…」

 智明が可笑しそうに笑うと、サッと右手を上げる。

 壁だと思っていた部分の一面が、巨大で鮮明な映像を浮かび上がらせる。

 「お呼びでしょうか…旦那様…」

 「秀、無事で何より…」

 巨大モニターに映し出されたのは、先ほど無頼を退治するために別れた秀の姿だった。

 「準備は?」

 「これに…」

 智明の言葉に、適度の間を置いてカメラが切り替わる。

 「……姉さん…ひ…ろ…ゆき…」

 映し出される最愛の者達。

 傷もなく、拘束されている様子もない。ただ、その存在が針の筵だというのは用意に伺える。

 「綾香…こちらからの要求は一つだけ…君が友香の代わりになってくれ。

 君の答え次第では、君の大切な愛しい人たちがどうなるか…保証は出来ないな。」

 モニターと綾香の間の割り込み、智明が条件を突きつける。

 友香に裏切られ、友香が二人の娘を産んだことを知り、そして綾香をパーティーで見て以来、暖めていた望みだった。

 「卑怯者…卑怯者…卑怯者!」

 「人の妻を金の力で奪った男と、誓いを破り裏切った女の間に生まれた娘の言葉かね?」

 智明が勝ち誇ったように、口の端を持ち上げ、歪んだ笑みを浮かべる。

 「人質の運命がどうなるか…聞いただろう?気の弱い私は、口にするのもはばかってしまうね…」

 綾香がビクッと体を震わせる。開会式で聞かされ、戦場に運ばれる際に、あの監視員が淡々と語って聞かせた無惨な末路。

 「もう一つ情報だ…実はね、この大会も一枚岩ではない…どこにも腐った連中はいるものだが…

 人質に手を出す不心得者もいないではないんだ…女は犯され輪姦され、男はサンドバック代わり…最期は移植用臓器だ。

 あの部屋にいる人質は、そういった危険がある…そう、君の大切な人もだ…」

 智明の言葉に嘘はない。ただし、真実でもない。「危険」はあるが、それはほんのかすかな可能性であった。

 厳重な警備をくぐり、人質を自由に出来る輩など、少なくとも智明の知る中ではごく数名。

 そのほとんどは、委員長側につき、分をわきまえて職務に勤しんでいる。

 しかし、そんな事は知らない綾香の顔が恐怖に凍りつく。

 無理もない。彼女にとっては、大会の裏側など知るつもりも手段もなく、全員が悪魔のように見えるのだから。

 「もう一度言う…君が!友香の代わりになるんだ…!

 君が断ると言うなら仕方がない…彼女のもう一人の愛娘、そして君の大切な姉上に代わりになっていただこう。

 彼女なら簡単に同意してくれるだろう…浩之君の命がかかっているんだからね。」

 綾香が恐怖と絶望、そしてすがるような目で智明を、そしてモニターに映る二人を見る。

 「君が良い返事をくれないなら、仕方がない…今すぐ芹香に頼んでこよう。

 君は…規定により、24時間ここにいてもらうよ。このモニターに映る光景でも楽しんでいてくれたまえ。」

 智明が残酷な笑みを浮かべ、綾香に背を向ける。

 この言葉はただの脅しである。智明はまだ、人質を自由にする権利は得ていない。大会の終了までは直接の関与は命取りだった。

 しかし、綾香はそんなことは当然分からない。

 「ま、待って!」

 智明の背中に切羽詰った声を掛ける。

 「待つ?時間稼ぎに付き合う時間はないんだがね?」

 そういって扉の前に立った智明の脚に、綾香が必死にしがみつく。

 「わ、私が…私が母さんの代わりになれば…二人は助けてくれるの…?」

 必死にすがる綾香を見下ろし、智明は胸が躍るのを感じた。

 「助けると言うのは約束できない。身柄の安全を保証する…というなら、約束しよう。」

 「わかった…約束よ…代わりに…私を…母さんの代わりに…」

 智明の表情が緩むというよりは、歪んだ形に笑みを浮かべる。

 「人に物を頼むには、それなりの頼み方があるのではないかな?

 『私、来栖川綾香は、あなたを裏切った卑怯な母親と、来栖川一族の下劣な盗人の父親の罪を少しでも償うため、

 穢れた来栖川の血が流れるこの体を、母の代わりにあなたに差し上げます。』と言ってくれねばね。」

 歪みきった言葉に、綾香は唇を噛んで怒りと屈辱を少しでも堪えようと沈黙を続ける。

 「言えないなら構わないさ。薄情な君に代わり、芹香に言ってもらうとしよう。」

 そう言うと、智明はドアノブに手をかけ、足にしがみつく綾香を引き離そうとした。

 綾香は必死に智明の足にすがりつく。綾香の柔らかな乳房が、智明の脚に押しつけられる。

 「私…来栖川…綾香は…あなたを……裏…切った…卑怯な……母…親と…

 …来栖…川…一族の……下劣な…盗人の……父親の…罪を少しでも…償うため…

 ……穢れ…た…来栖川の血が…流れる……この…体を…母の…代わりに…あなたに………差し上げ…ます。」

 普段からは想像も出来ないような小さな声で、途切れ途切れに堪えるように呟く綾香。

 「聞こえないな?」

 「私、来栖川綾香は、あなたを裏切った卑怯な母親と、来栖川一族の下劣な盗人の父親の罪を少しでも償うため、

 穢れた来栖川の血が流れるこの体を、母の代わりにあなたに差し上げます。」

 俯き、唇をきつく噛み、涙を浮かべながら機械的に棒読みする綾香を智明は満足そうに見下ろしている。

 「もっと心を込めたまえ…媚びて、すがって、必死にだ!」

 「私、来栖川綾香は、あなたを裏切った卑怯な母親と、来栖川一族の下劣な盗人の父親の罪を少しでも償うため!

 穢れた来栖川の血が流れるこの体を、母の代わりにあなたに差し上げます!」

 吐き出すように言った綾香は、床に爪を立て、瞳をきつく閉じ、頭を垂れて目に浮かんだ涙を床に落としている。

 綾香が身を引き千切るような思いで口にした悲鳴じみた言葉に、智明は含み笑いを漏らし、やがて哄笑に変った。

 のけぞって大笑いしていた智明が、息切れするように呼吸を押さえながら笑いを収めようとする。

 床を向いた綾香には見えなかったが、あれだけ笑っていたはずの智明の瞳は全く笑っていなかった。

 「フー…クク……フフ…いや、素晴らしかったよ…」

 智明がしゃがみ、綾香の頭に手を乗せ、未だに笑いが収まらない声で告げる。

 「だがね…信用できないな…」

 綾香がバッと勢い良く顔を上げる。その瞳は屈辱の反動のような強い怒りが浮かんでいた。

 「当然だろう?君の両親の所業を考えたら!」

 怒りに体を震わせていた綾香だったが、智明の瞳を覗きこむと、震えの種類が変る。

 その瞳は静かに、そして暗く、底が見えないような狂気と怒りと哀しみが伺える。

 「誓いたまえ…偽りなく!覚悟を込め!心の底から!この私に誓うが良い!」

 綾香の心に恐怖が浮かぶ。智明の瞳から伝わる暗い想いの深さと重さを感じてしまったが故に。

 自分がここで拒めば、間違いなく人質も含め、全てが狂気の犠牲となるだろう。

 綾香が未だに騙されている脅しは現実となり、智明自身が命を失っても成就されることは明らかだった。

 「…約束…守ってくれるんでしょうね…?」

 二人にとっては永遠とも思える、しかし凍りついた時間の後、綾香が呟く。

 「ああ、私は約束は必ず守る。二人の身の安全は保障する。

 それに、君が優勝すれば、君を含め、3人とも自由にしてやる。」

 智明は綾香の瞳をしっかりと受け止め、心の底から真剣に誓いを立てた。

 「わかったわ…私も…誓…」

 「私の目を見て誓うんだ!」

 俯き気味に誓いを口にしようとした綾香に叱責が飛ぶ。

 「誓うわよ!人質のために…哀れなアンタの復讐に付き合って、母さんの代わりになってやるわよ!!」

 母の代わりに犯される…身を切る思いで、そう決断を下し、智明に誓いを立てた。

 智明が満足そうに微笑み、綾香の頭を優しく撫でた。綾香は改めて自ら逃げ場を断ったことを悟る。

 「よしよし…もうその誓いからは逃げられないからな…」

 絶望の未来に沈む綾香の柔らかい髪の感触を楽しみながら、智明は執事に呼びかける。

 「秀!人質のお二人を絶対に安全な場所へ…」

 「はっ…旦那様…」

 秀と人質の姿がモニターから消え、画面が暗くなる。

 沈黙が生まれ、智明がゆっくりとベッドに腰を下ろす。

 「さあ…後は君だ…」

 モニターからの明かりが消え、やや薄暗くなった室内で智明が綾香をみつめる。

 綾香は歯軋りをし、制服のボタンを外そうとする。

 「せっかくだから制服は着たままにしてくれないかな?それとも、そんなに裸を見て欲しいかい?」

 マニアックな要求を薄笑いを浮かべながら突きつけられ、綾香はより一層強く歯を噛みしめる。

 「そうだ…そのままこっちに来るんだ…」

 綾香が力なく、ゆっくりと智明の目の前まで進み出る。

 自分の目の前まで来た綾香を、智明は優しく抱き寄せ、膝の上に座らせる。

 「ようやく…私の手に……長かったよ…」

 綾香の柔らかさ、暖かさを感じながら、智明は満足そうに微笑む。

 そのまま、右手を腰に回し、尻や背中を撫でまわす。

 体の裏側を這い回る感覚に、嫌悪感を露わにする綾香の瞳が、智明の手に注がれる。

 綾香の視線を受けたまま、智明の手がゆっくりと上げられる。

 「君にはこの薬を飲んでもらう。」

 人差し指と親指で挟まれた錠剤を綾香の鼻先に突きつける。

 「毒物や麻薬や媚薬の類ではない。副作用もないことを保証しよう。」

 綾香は目の前に突きつけられた得体の知れない薬に戸惑い、警戒心を露わにした。

 「な、何の薬!?避妊薬…?」

 「避妊薬…ククク…ハハハッ!いや、違うさ…避妊薬なら、君たちはすでに投与されている。」

 綾香の言葉を、智明が哄笑混じりに受け止める。

 智明の言葉通り、避妊薬は食事などに混ぜられ、全選手に投与されていた。

 「これは…君の眠れる子宮を避妊薬から解放し、確実に妊娠してもらうための薬だよ!」

 「な………ふ、ふざけないで!なんでそこまで!」

 智明の悪魔のような言葉に、綾香が智明の腕から逃げようとする。

 「ふざけるな?ふざけているのは君だろう?誓ったじゃあないか?友香の代わりになると…」

 離れようとした綾香の腰を、智明の手がしっかりと押さえる。意外なまでの力に綾香は動きを封じられた。

 「な、何で私が…に、妊娠まで…確かに代わりに犯されてやるとは誓ったけど…」

 綾香が身をよじり、自分を捕える狂気の主から逃れようとする。

 「友香の代わりになるというのは、つまり私の妻になると言うこと…そして、私の子を産むということだ…

 認識の違いはあったようだが、君は確かに誓ったな…」

 「妻だなんて…そんなの…」

 「ほう?誓いを破るのかね!?」

 これ以上繰り返すつもりはない。綾香は確かに誓ってしまった。

 そして、智明が口にすることもなく、断れば姉の芹香が犠牲になるのは明白だった。

 「さあ、無駄な問答はお終いだ…ルールの説明を続けるぞ…

 この薬は…この大会で知り合った方に無理を言って作っていただいた素晴らしい薬だ…

 この薬の効果が出るのは1時間後。それまでに私が射精できなくなるまで満足させられたら、

 膣内射精も…いや、処女を破りはしないと誓おう。拒めば…言わなくても分かっているな?」

 綾香に突きつけられたのは、希望か屈辱か…

 綾香は薬を持つ智明の手を強く掴み、躊躇と拒絶の狭間で苦しみつづける。

 「君が飲まなければ…つまり、誓いを破ったら…

 今すぐ君を犯し!その後、芹香にこれを飲ませ!あの少年の目の前で何度も何度も何度も注ぎ込んでやる!」

 綾香が絶望の淵に追い込まれる。逃げ場はもうないのだ。

 「なに、私はもういい歳だ…若い君の手にかかれば、『勝ち目』などないだろうね。」

 言葉を発したら、迷いに押し潰される。自分は迷うことすら許されない。

 誓ってしまったから。人質の運命を背負ってしまっているから。

 自分には何とか光明がある。この男から、殺す気で精を搾り取ってやればいいだけだ。

 綾香は溢れる涙を拭いもせず、ブルブルと震えながら、舌を伸ばして智明の手から薬を口に含む。

 智明の掌に載せられた錠剤が綾香の舌の上に乗るが、それを嚥下するまでにかなりの時間が経つ。

 そして、綾香が覚悟を決めたように瞳をきつく瞑り、口の中で嫌な味を発していた錠剤を飲み込んだ。

 綾香は自分が飲み込んだ絶望の重さに耐えかねたように、膝から崩れて跪いた。

 「…クク…クフ…フフ…フハハハ!!飲んだ!飲んだな!さあ、これでもう逃げ道は本当になくなった!

 残り丁度1時間!私の長年の屈辱と絶望を蓄えた『証』を必死に搾り取るがいい!ハハハハハッ!」

 智明が立ち上がると、跪いた綾香の顔に股間が突きつけられる。

 「さあ、その手でファスナーを開け、私のペニスを取り出すんだ!私は一切手を貸さないぞ!

 全て君が自分の手で!必死に奉仕するんだ!ハハハハハハハ!」

 哄笑する智明など構っていられないように、震える手で躊躇しながら綾香が智明の分身に手を伸ばす。

 少しでも気を抜けば、手を引っ込めてしまいそうになりながら、何とかファスナーを下ろす。

 ファスナーが開き、盛り上がった下着を目にしただけで、反射的に目をそらす。

 「さあ、正面から私の顔を見ながらしごけ。」

 綾香は舌打ちしたい衝動を抑え、ジリジリと智明の下着を引き下ろした。跳ねるように飛び出した肉棒を震える手でしごき始める。

 智明の顔を憎しみを込めて見つめると、必然的に顔の真正面に肉棒が突きつけられる。

 ヌチュヌチュと粘着質で卑猥な音を立てながら、眼前に迫った肉棒が先走りを綾香の顔に滴らせる。

 未熟な手つきだったが、それでも必死に手淫奉仕する綾香に、智明は確実に昂ぶっていた。

 何より、綾香という存在にこういう淫らな奉仕をさせていること、そして憎しみを込めた瞳が何ともいえなかった。

 長年に渡る恨みの果て、歪んだ智明は酔いしれていた。

 「さあ、もうすぐ出すぞ…『ブチまけてください』とねだってみろ!」

 「ぶ…ブチまけてください…」

 綾香は力なく、智明に言われたとおりの言葉を繰り返す。

 「いや…やはり、『智明様のドロドロのザーメンをブチまけて、私の顔を真っ白にしてください。』だな…

 感情を込めてな!君の姉さんなら、真剣に嬉しそうに心の底から言ってくれるだろうな!」

 遠まわしの脅しに、綾香は心を引き裂かれる思いで、無理矢理ひきつった笑顔を作った。

 「智明様のドロドロの……ザー…メンをブチまけて、私の…顔を…真っ白にしてください。」

 顔を真っ赤に、そして絶望で真っ青に顔色を変えながら、自らを貶める言葉を口にした。

 屈辱の余り、智明の肉棒から指を離しそうになるが、それを必死に堪える。何しろ時間がない。

 綾香の目に、先端をひくつかせ、先走りの汁を滴らせる肉棒が映る。

 「口を開けて、先端を舌先で舐めるんだ!」

 智明の命令に逆らえず、躊躇し、怯えながら舌を伸ばし、チロチロとかすめるように動かす。

 先端の切れ込みを舐める舌先から、滲み出た精液と先走りの混じった汚汁の味が伝わる。

 「く…う…いいぞ!さあ、お前の顔に…来栖川の顔にブチめけてやる!受け取って穢れるが良い!」

 しごきたてる綾香の手の中で、ビクビクと肉棒が痙攣し、そして、綾香の視界が白く染まった。

 開いた口の中に勢い良く粘液が飛び込み、そして撒き散らされる大量の白濁が綾香の顔を真っ白に汚す。

 薬の力で濃い精液が次々と飛び散る。

 やや上向きで射精を浴びた綾香は、髪まで汚され、特に鼻筋から唇にかけて、粘膜のように覆われてた。

 「んぷ…ぷぁ…うぇ…」

 鼻と口を濃い粘液で塞がれ、呼吸しようとすると、粘膜が風船のように膨らんで弾けた。

 あまりの濃さに流れる速度が遅く、顔の表面をゆっくりと這い落ちる。

 綾香はまだ慣れていない濃すぎる精液が口の中に飛び込んだのに耐えられず、吐き出そうとした。

 しかし、口を開ければ顔にかけられた白濁が新たに流れ込んでくるので、唇の端から口内の粘液を

 押し出すように滴らせるしかなかった。その白濁がまた顎を汚して流れていく。

 「…私が出した精液は、あの壺に溜めるんだ。」

 智明が部屋の一角を射す。そこには、見るからに高価な中型の壺が置いてあった。

 綾香はその言葉に、屈辱を感じながらも、麻痺しつつある感覚に突き動かされるようにフラフラと壺に近づく。

 智明の命令に、顔や制服を汚しきった白濁を何とか壺に移そうとするが、集める方法が思いつかない。

 髪に染み込んだ汚濁を絞るように集め、顔を覆う粘膜と化したスペルマを掌で顔に伸ばすように拭い集める。

 本当はもっと量があるが、服に染み込んだ分などは集めることが出来ず、また両掌にはこれ以上溜められなかった。

 「時間がないぞ?後30分だ…満足させられなければ…妊娠だよ?」

 壺に近づき、両掌に満ちた粘液をトロトロと壺に流し込んだ。

 「さあ、その汚れた手を舐めて奇麗にするんだ。」

 その言葉に、憎しみの目を向け、ブルブルと震えながら舌を掌に近づける。

 性臭が濃く鼻をつき、吐き気すらする掌に顔を近づけ、こびりついた白濁にブルブルと震える舌を近づける。

 「偉いぞ…どうだ?ザーメンの味は?」

 智明の言葉に、綾香は憎しみを込めて睨み返し、智明の唇に自分の唇を重ねる。

 「…最低よ…!」

 口に染み付いてしまった気がする汚濁の味を、キスを媒介に持ち主に味わわせた。

 「…やってくれるじゃないか…」

 ほんのかすかに口に伝わった嫌な味に、智明は唾を吐いて綾香を睨む。

 「今度は今のキスのような積極性を持って、私のペニスをしゃぶってもらおう。」

 綾香の行動への報復に、屈辱的な奉仕を迫る。

 薬の力と、生来の精力、そして恨みの力によって、智明の長大な肉槍は衰えることを知らない。

 綾香に突き刺さるように硬く起立し、綾香の顔に突きつけられ、頬をグリグリと押す。

 「いやかい?それなら、こっちで勝手にやらせていただくよ。」

 智明の肉槍は、常人のそれよりもかなりの長さを誇っていた。それで綾香にイマラチオを敢行するのを意味している。

 本気でイマラチオを行い、口内深く突き入れたら、綾香の喉は強く突かれてしまうだろう。

 「さあ、舌を出して舐めあげろ!まずは汚れを奇麗にするんだ。」

 刻一刻とタイムリミットが近づく。綾香はいくつもの脅迫の中で、プライドを隠し、今は希望にすがることに決めた。

 智明の長い肉棒の幹を、おずおずと舐め上げる。射精の際の飛沫が絡みついた肉棒が綾香の舌で清められていく。

 「亀頭を丁寧に舐めろ…」

 智明の指示に従い、剥き出しの亀頭にペチャペチャと舌を這わせる。

 本で得た知識を元に、亀頭の裏側などにも舌を這わせ、一刻も早く白濁を吐かせ、この男を満足させて逃げようとしていた。

 「随分上手いじゃないか?経験があるのかな?」

 智明は綾香が必死に抑えているプライドを、無理矢理起こそうとする。

 「…アンタに色々させられたから、いい加減慣れたわ…」

 綾香は激情を押さえ込み、ぶっきらぼうにそう言うと奉仕を続けた。

 「大した学習能力だ…さあ、しゃぶってもらおうか?やり方は知っているだろう?」

 智明は心の底から嬲るように、綾香を責め上げる。

 智明を睨みつけ、本で得た知識を整理するように深呼吸をすると、智明の亀頭を口に含む。

 (…確か…舌で舐めながら…唇で挟んで、しごく…と…)

 綾香は自分が咥えている物を浩之の物と考え、何とか奉仕を始めた。

 口内の亀頭や幹に舌を絡ませ、首を動かして肉棒を口でしごき上げる。

 「まだまだだな…口をすぼめて、吸い付くようにしゃぶるんだ!」

 智明は綾香の頭に手を乗せ、イマラチオの可能性を与えながら指示を出す。

 綾香は強制奉仕への恐怖のため、智明の支持に従って、ジュボジュボと卑猥な音をさせながら、肉棒を吸い始めた。

 「そうだ…いいぞ…私の目を見ながら、もっと深く飲み込むんだ。」

 満足げな智明の言葉に、綾香は憎しみの瞳を向け、必死に堪えながら深く咥え込む。

 口内の肉棒をできるだけ深く咥えるが、智明の肉棒は半分近く露出している。

 「いい目だ…私が憎いか?だが、その目を歪ませられると思うと…フフ…考えただけで限界が近くなる。」

 智明が奉仕を受けながら、倒錯的な妄想に背筋を震わせる。

 綾香のまだぎこちない奉仕でも、様々な要因が快感を助長し、限界を早める。

 「ああ…お前に咥えさせていると思うだけで堪らないな…さあ、口に出すぞ!しっかり唇を締めて、こぼすんじゃないぞ!」

 綾香は口に直接吐き出されようとする汚液に、思わず身構えた。口内の肉棒が震える。

 綾香の頭を押さえつけ、智明は心地良さそうに何の遠慮もなく精を吐き出した。

 「うぅ!?うぶ…うっ…むぅ…ぶえ…」

 綾香は次々にビュブビュブと流れ込む粘液を、窒息しないために必死に嚥下しようとする。

 しかし、生まれて初めて飲まされる、それも飛びぬけて濃い精液を上手く飲み下すことが出来ない。

 喉に張り付くように絡みつく精液に喉を詰まらせるが、放出は容赦なく続く。

 智明が頭を押さえているため逃げることも出来ず、口の中にどんどんと粘液が流し込まれる。

 綾香の頬を膨らませるほどに口内に流れ込む精液に、綾香は辛さに涙を流す。

 やがて頬が限界になると、肉棒をしっかりと咥える口の隙間から、粘液がブシュッと噴出する。

 口から溢れ、吹き出た粘液が床や綾香の膝に真っ白な染みを作る。

 智明の射精が終り、精液に満ちた口内からズルズルと肉棒が引き抜かれる。

 引き抜かれるのに従い、ダラダラと汚濁が滴りながら口から流れ落ちる。

 完全に肉棒が引き抜かれると、綾香の口からゴビュッと粘液が溢れ出た。

 「『こぼすな』と言ったじゃないか?ククク…」

 膨大な量の精液をこぼさずに処理するのは、綾香には絶対に不可能なことだった。

 綾香は激しく咳き込みながら、口から白濁を零し、穢れきった様子で呆然としている。

 智明は顎から滴る精液を指ですくうと、綾香の口に運び、その指をしゃぶらせる。

 「時間がないだろう?壺に溜めるのは後で構わない。さあ、次は胸でしてくれ!」

 智明は苦しみから抜け出せていない綾香の胸元に、粘液で汚れながらも全く衰えない肉棒を突きつける。

 「そろそろ満足できそうだ…」

 その言葉に綾香は唯一の希望を逃さないために、何とか意識を保つ。

 「パイズリの仕方は知っているか?」

 綾香はゆっくりと首を振る。知識はあったが、どうすれば男を満足させられるかなど想像もできない。

 「じゃあ、まずは胸を出すんだ。」

 智明の言葉に、綾香はゆっくりと胸を開く。精液を吸わされた制服やブラウスはネバネバとまとわりつく。

 ブラジャーを露出させたところで、その手が止まった。

 「どうした?あれだけの奉仕をしておきながら、胸を見られることが恥ずかしいのか?

 そこで余計な時間を無駄にすれば…もっと恥ずかしいことが待っているんだぞ?」

 智明の執拗な責めに、綾香は覚悟したようにブラジャーをずらして胸を露出させる。

 「奇麗な乳だな…柔らかそうで、張りもある。来栖川は巨乳の家系のようだな…」

 智明の賞賛の言葉に、綾香は顔を真っ赤にして背ける。

 服を透過した精液を吸った乳房は、かすかなテカリで照明を反射させていた。

 「さあ、来栖川家特有の、その大きな胸を寄せ、私のペニスを挟み込んでしごくんだ!」

 綾香はタイムリミットに焦りながら、おずおずと智明の肉棒を双乳で挟みこむ。

 ふかっ、と柔らかい感覚が、白濁で汚れた智明の肉棒を包み込む。

 ふかふかと柔らかい感覚に包まれたまま、肉棒に伝わる快感に智明は安らぎすら覚えた。

 「もっと動くんだ。」

 智明はそう言いながら、手を伸ばして寄せられた双乳の頂を指でかすめる。

 「あっ!ん…」

 乳首に智明の指がほんの少しかすめると、綾香がピクッと体を震わせる。

 「乳首が感じるのか?」

 智明が綾香の乳首をこねるように転がす。

 「う…ふぁ…ん…!やぁ…」

 綾香の性感帯である乳首は、軽く弄られただけで強い快感を伝える。

 綾香は乳首が弱いことは自覚しており、オナニーの際には無意識のうちに乳首に手が伸びていた。

 智明は両手を伸ばし、綾香の両方の乳首を摘み、巧みに転がし、弄ぶ。

 「やぁ…やめ…ひぁ…んっ!…も…もう…」

 パイズリのため、乳房が動いていることが快感を助長させ、綾香が軽い絶頂を迎えそうになる。

 体の力が抜けていき、寄せた乳房が圧迫から解放される。しかし、智明は双乳の圧迫から解放されると、乳首責めを中断した。

 「…あ…」

 綾香が残念そうな声を出し、熱っぽい瞳で智明を見上げる。

 「何をしている?パイズリをやめるんじゃない。」

 絶頂寸前まで昇らされた綾香に意地悪く言うと、触るか触らないかくらいのタッチで乳首をうすぐる。

 「…ん…あ…は、はい…」

 焦らし、そして巧みな催促で、絶頂寸前までいった綾香の頭は、ぼうっと智明の言葉を素直に受け入れてしまった。

 智明は巧みに、絶頂寸前まで昇り詰めさせ、そして焦らすという悪魔の技巧で綾香を弄ぶ。

 パイズリを続けさせられる綾香は、柔らかな乳房で智明の長い肉棒を締め付け、知らず知らずのうちに熱のこもった

 奉仕を続けていた。熱っぽい瞳で智明を見上げ、逆らうことが頭から消えてゆく。

 「手首を使って胸を動かしながら、先を咥えるんだ。」

 綾香は智明の命令通り、乳房を捧げ持つようにし、乳肉全体を波打たせながら、谷間から飛び出した肉棒の先端を口に含む。

 智明は綾香に奉仕させながら、乳首を指の腹で摘み、クニクニと甘く潰し、転がす。

 絶頂を前にした焦らしで、綾香の理性はどんどんと麻痺させられていく。

 智明も幹の部分を柔らかく張りがある乳肉にタプタプとしごかれ、亀頭部分は柔らかい舌でピチャピチャと舐められる快感に

 昂ぶりを増していく。

 「よし…もう出すぞ…君も一緒にイカせてやる!」

 「ふぇ…んぁ!やぁ!ひっ!だめ!だめぇ!い、イッちゃうっ!」

 智明が乳肉の狭間を激しく擦り上げながら、同時に綾香の乳首を激しくこねまわす。

 強い快感とようやく迎えた絶頂の中で、綾香は憎しみと快感に踊らされる。

 智明はとどめとばかりに、両乳首をまとめて摘み上げ、綾香の絶頂を促すように少し強めに引っ張る。

 絶頂が綾香の頭の中を白く灼いた瞬間、無意識に胸の谷間で締め上げた肉棒からビュルビュルと汚濁が噴き上げられ、顔にブチまけられる。

 顔から滴った白濁と、肉棒から放たれる射精で胸も白く汚されていく。

 「あぷ…んふぁ…」

 恍惚とした表情で、白濁を浴びる綾香。不覚にも昇り詰めた絶頂は後ろめたいながら、甘美なものだった。

 「時間がないのに、そんなに余韻に浸っていてもいいのかな?」

 智明が意地悪く言うが、綾香は即座に反応できないほど絶頂に支配されていた。

 「さあ、次だ…」

 智明は欲望に歪んだ笑顔で、綾香を無理矢理引き起こした。

 智明はベッドに腰を下ろし、抱きかかえるように綾香を乗せた。

 「ふぁ…?ひぅ!?んはぁっ!」

 虚ろな瞳でいぶかしむ綾香の剥き出しの乳首を、背後からクニクニと摘む。

 智明の天を衝く剛棒が、大きく開いた綾香の脚の付け根、最も密やかな部分を包む白い下着に触れる。

 「ん?…クク…こいつは傑作だ…」

 綾香の下着に触れた肉棒が、違和感を覚える。布地の柔らかい感触ではなく、濡れた感覚が肉棒に伝わる。

 乳首責めによる快感と絶頂によって、綾香の秘部は奥から蜜を漏らしていた。

 「こんな状況でも嬲られて感じたか…さすがはあの淫売の娘だな…」

 智明が綾香の目の前に自分の腕を回す。手首につけられた、見るからに高そうな腕時計が、残り時間を冷酷に伝える。

 「さあ、後少ししか時間がない…私ももうそろそろ限界だ…次が最後の勝負かな?」

 堕ちる寸前に、こうして現実を突きつけ、綾香を苦しめつづける。それも智明の復讐の一環だった。

 『憎しみを抱きながらも、快感による支配を求めさせ、屈辱の中で理性も誇りも無くしてすがりつかせてやる』

 智明は、永い永い苦痛の日々の中、絶望的で、また官能的な嬲り方に到達していた。

 綾香は『人質を助けること』『妊娠から逃げること』そして、『イカせてもらうこと』という3つの目的に翻弄されていた。

 何のために自分はこの男に奉仕させられているのか…快感責めにより、聡明さすらも麻痺されつつあった。

 頭に浮かぶのは、人質への心配、強制妊娠への恐怖、奉仕の強要への屈辱、そして快感と絶頂への渇望感。

 一歩間違えば、精神的な崩壊のきっかけにもなりかねないが、これらの要因の一つ一つが巧妙に絡み合い、

 綾香を追い詰めはするが、決して崩壊と言う逃げ道を与えてはくれなかった。

 「さあ、私の上に乗ったまま、下着を脱ぐんだ…」

 智明の言葉に、綾香はビクッと体を震わせる。

 「時間内に…満足…させたら、入れないって言ったじゃない!約束破るの!?」

 その言葉に智明は怒りを浮かばせ、綾香の乳首を捻るように摘み上げる。

 「ひぃぁぁ!あぁぁ!」

 痛みと快感に綾香が悲鳴を上げながら悶える。

 「私が約束を破るだと!?面白いことを言ってくれるじゃないか!?

 心配するな…処女幕はまだ破らないでやる…まだ楽しんでいないところで奉仕するんだ!

 …さあ…時間がないぞ?このまま、私の子を産んでくれるのか?今の抗議からすれば、それでは本末転倒だがね…」

 智明が激昂を抑えるように、またあの皮肉めいた笑みを浮かべ、促すように乳首への愛撫を柔らかいものに変えていく。

 「約束は守る。残り時間は少ないが、満足させられたら、君の処女も、姉上の処女も、この場は保証される。

 さあ、下着を脱ぐんだ…ちゃんと奉仕したら、ちゃんとイカせてあげるよ…」

 智明が甘い囁きと、卑怯なまでに巧みな愛撫を施すと、綾香の心は再び靄に包まれる。

 先ほど、肩透かしを食らったせいで、体は満足せず、くすぶり続け、更に愛撫を施され、クールダウンできないでいた。

 使命感と、絶望からの逃避への希望、生殺しからの解放がグルグルと頭を巡り、やがて綾香は下着の淵に手をかける。

 「約束…守りなさいよ…!」

 「あぁ、処女は保証するし、それに…ククク…ちゃんとイカせてあげるよ…」

 智明の意地の悪い返答に、綾香は小さく呻きながら、手に力を入れる。

 「どうした?本当にもう時間がないんだよ?そんなに私を焦らして…何なら、ギブアップするかね?」

 「…ゲス野郎…あぅ!?」

 綾香の呪いの言葉に、智明は乳首を強目に摘むことで報復した。それだけで綾香は抵抗を断念させられる。

 智明の腰の上で下着を脱ぐと言う、酷く屈辱的な脱衣行為に、綾香は躊躇し、怯えながらも何とか膝上まで下着を下ろした。

 「ん…?ほう…これはこれは…」

 「や、やめなさいよ!馬鹿ぁ!」

 腰を上げ、やや智明に突き出すようにしていた綾香が、慌てたように振り替える。

 クチュという小さな水音が腰の辺りから聞こえる。

 智明は綾香の下着に糸を引く、粘り気のある露を目にし、満足そうにそれを指ですくった。

 度重なる性感帯への責めにより、綾香は何度も絶頂を迎え、その結果、当然のように密かな滴りを溢れさせていた。

 智明も綾香も、下着が分泌物で濡れていることは先ほどから知っていたが、ここまで濃い愛液を滴らせているとは思わなかった。

 強い快感と、綾香自身の昂ぶりの証明に、綾香は屈辱に顔を赤く染め、智明は口許に笑みを浮かべた。

 智明はそのまま、そっと綾香の秘部に手を伸ばす。

 「ひっ!?や、やめて!やめてよ!」

 綾香は生まれて初めて異性に秘部を触られることにパニックを起こすが、軽くクリトリスをさすられると、

 あまりの快感にガクンと腰が落ちそうになる。

 「さあ、時間がない…下着を下ろすんだ…」

 智明は中指をクリトリスに当てた状態で、人差し指と薬指で秘貝をゆっくりと広げる。

 すると、閉じられた秘部に貯まった愛液が、重力に従いトロトロと太く糸を引いて滴り落ちていく。

 恥辱の極みのようなこの仕打ちにも、綾香は反抗できない。あまりに敏感すぎる急所を押さえられているために。

 滴る愛液が下着に大きく染みを作り、淫らな女の匂いを発していることを無理矢理堪えながら、綾香は何とか下着を脱いだ。

 「こ、これで…これでいいんでしょ!?」

 涙を浮かべ、泣き叫びたいのを堪えながら、綾香は智明を睨みつけて怒鳴る。

 快感による支配は、怒りの余りその支配力を潜めていた。

 「そう…それで良い…さあ、私の腰を跨ぐんだ…」

 智明を睨みながら恐る恐る腰を下ろす綾香に、智明は悪戯を施す。

 未だに淫核に添えた中指をグニグニと蠢かせると、綾香はビクビクと体を大きく震わせて腰を跳ねさせる。

 大人しく腰を下ろそうとした綾香が、再び官能の炎に心を溶かされ、快感に文字通り踊らされた。

 「おやおや…早くしないと時間がなくなってしまうよ?」

 「やっ!あひぃ!ひっあう!?や、やめ!言うこときき…っ!ますから…ぁ…」

 智明の手を愛液でビショ濡れにし、何とか綾香は智明の腰を跨ぐ。無意識のうちに服従の言葉が口をつく。

 乳首以上に感じる淫核責めにも関わらず、またも絶頂を迎えさせられなかったことで、熱に浮かされたように蕩けていた。

 「さあ、最後の勝負だ…君のそのはしたなくグチャグチャに濡れた大切な部分を、私の大切な部分にこすりつけるんだ…

 残り時間は本当に少ない…がんばってくれ…」

 智明はそう囁くと、開始の合図のように、綾香の秘部に添えられた肉棒で、綾香の秘貝を擦り上げた。

 制服の短いスカートが辛うじて、卑猥な接点を隠しているため、綾香はほんの少し羞恥心を押さえられた。

 反面、智明は女子高生が制服のスカートを着用したまま、俗に言う「マンズリ」をしている事実に昂ぶる。

 決して挿入はせず、幹と亀頭が綾香の秘貝の上を往復し、愛液に塗れる音がする。

 長大な肉棒はたっぷりと柔らかい秘貝を擦り、そして綾香のクリトリスをも刺激していた。

 さらに、執拗にも智明は綾香の乳首にも再び魔手を伸ばし、官能の急所を完全に掌握していた。

 「あー!あうぅ!んっ…あぁ!」

 泣いているのか、喜んでいるのか分からない、悲鳴じみた嬌声が綾香の口から漏れつづける。

 無意識のうちに腰を前後に大きく揺すり、智明の肉棒に秘部を擦りつける。

 頭の中で憎しみと、強すぎる快感が交互に脳を灼き、もう何も考えられなくなる。

 同じように、芹香の顔、浩之の顔、そして智明の顔が交互に現れては消え、綾香の混乱を助長する。

 グチュグチュと激しい粘液音を立て、綾香の腰は肉棒が擦れる快感を求めて勝手に動いていた。

 心の中では人質のためなどの大義名分を必死に掲げようとするが、もう現実の快感には流されていく。

 あの誇り高い綾香が、まるで自慰を覚えたての子供のようになっている。

 綾香の秘部にあてがい、強く腰を使いながら、濡れそぼった秘華を擦る。

 あまりの勢いに、溢れ滴った愛液がピチャピチャと飛沫いて飛び散る。

 「イキたいか?」

 綾香が首を大きく立てに振る。

 「それなら、腰を使い、ヴァギナを擦りつけながら、手も使ってしごくんだ。」

 智明の言葉に、綾香が従ってしまう。

 智明に乳首を摘まれたままの乳房を両腕で挟むようにしながら、その手を自分の股間で蠢く智明の熱棒に絡める。

 ぎこちない手つきで肉棒を触りながら、快感に任せて腰をくねらせる。

 その表情は、屈辱を堪えてはいるが、熱に浮かされたように火照ってもいた。

 見る見るうちに綾香の指は智明の先走り、そして自らの愛液によって汚れていく。

 「よしよし…良い子だ…」

 智明は笑顔を浮かべると、綾香の双乳を乳首を摘んだまま寄せる。

 それだけでも綾香は嬌声を上げたが、智明は更に摘んだ両方の乳首を擦り合わせた。

 「あぁぁぁっぅぅ!?ひっぃぃ!?」

 悲鳴と化した嬌声を上げ、綾香の視界がチカチカと白く染まる。

 元より乳首の感度が良かったのに、この短期間で倒錯した環境の中、開発されてしまぅっていた。

 それまで屈辱を堪えるためにきつく閉じられていた綾香の口がだらしなく開く。

 綾香の口からはしたなく涎が垂れ、智明の肉棒に生ぬるく滴った。

 「うぅ!?」

 突然の刺激に、智明はついに絶頂を迎え、綾香の乳首を押し潰すように摘みながら絶頂を迎えた。

 「ひゃぁぁ!?」

 綾香も淫核から伝わる激しい脈動と、乳首からの快感に絶頂を迎える。

 智明は天を衝く肉棒から、綾香の顔まで真一文字に噴き上げ、綾香の顔を真っ白に染めた。

 断続的に大量に吐き出される粘液は、綾香の顔、胸元、スカート、そして手を白く汚していく。

 綾香の股間に宛がわれた肉棒は、まるで綾香自身に男根が生えたような錯覚すら与えていた。

 綾香が少しでも多く絞ろうと、絶頂で白く痺れる頭の中で、必死に手を動かし、智明の肉棒をしごく。

 勢いは弱りながらも、ビュクビュクと綾香の手に白濁が間断的に何度も吐き出され、降り注ぐ。

 過去最大の量と勢いを誇った射精は、制限時間終了のほんの1分前に終了した。

 「満足したよ…お見事だな…さあ、後始末をしてくれ…」

 智明は荒い息で、硬度が失われていく肉棒を、綾香の口に肉棒を押し付けた。

 その表情は少し寂しく、絶頂の余韻にぼんやりとする綾香は思わず同情の念を抱き、力なく半勃ちになった肉棒を、

 もう精液に慣れてしまった口の中に入れる。口の中に、濃い雄の匂いが広がった。

 「制限時間の中で、良くがんばったね…約束は約束だ…」

 智明は力なくそう呟く。

 「だから、君も諦めてくれ…」

 綾香の体がピクッと止まる。智明の言葉は、明らかに何かがおかしい。

 「私はまだ、何度でも射精できるんだ…つまり、君の負けだよ。」

 驚き見上げる綾香の口の中に、不意に新鮮な雄の匂いと同時に、熱い何かが満たされる。

 「ぐむぅ!?ぐっ…けふっ!」

 突然口の中に射精された綾香が驚き、咳き込みながら智明の肉棒を吐き出す。

 智明は逃がさないように綾香の頭を掴み、その顔に射精を続ける肉棒を擦りつけながら、ビュルビュルと精液をぶちまける。

 「いやぁ!やめ…んぷ…やだぁ!」

 執拗に顔に押し付けられた肉棒から吐き出される精液に、綾香は泣きながら逃げようとする。

 「ルールは『射精できなくなるまで』と言ったはずだよ!つまり、私に勝ちだ!ハハハハハハ!」

 哄笑しながら綾香の顔で肉棒を擦り、何度も射精する智明。

 綾香は何度も身をよじるため、顔だけでなく、髪や制服をまんべんなく汚しぬかれていた。

 「ひど…んぷ…騙し…む…たわね…!」

 滴り、唇を多い汚す精液にしゃべることを邪魔されながら、綾香は抗議の声を上げる。

 憎悪に満ちた瞳で、智明に呪いの視線を送りたかったが、瞼も粘液で覆われて、開けることもできない。

 「騙した?違うね。私はきちんと言っていたよ。君が油断し、到らなかっただけだ!」

 智明は突然、綾香の顎を掴むと、喉まで長い肉棒を突き入れる。

 苦しさにもがく綾香の喉に、ゴプゴプと大量の濃い精液を直接流し込む。

 粘度の高い白濁が胃にドロドロと流れ、喉に絡んで綾香を更に苦しませるようになった。

 噛み付こうにも、顎は固定され、開いた口の端から逆流した精液が流れ落ちる。

 「良くがんばった褒美にこれをやろう!残念賞だ!ハハハハハ!」

 綾香は苦しみと怒り、絶望の中で、意識が遠くなっていくのを感じた。

 「愛しているよ…私の妻、綾香…ククク…」

 意識が闇に消える寸前、智明のその言葉だけが脳に焼きついた。

 

 

 まどろみの中で、少しずつ綾香の意識が戻る。

 体は倦怠感に包まれ、何だか生ぬるく、心地良い感覚に包まれている。

 自分の体に時折力が加えられる。自分に触れるものの気配が複数感じられる。

 (お風呂…?そうか…母さんがお風呂に入れてくれてるんだ…)

 綾香は夢の中で幼い頃の記憶と、現在の記憶が混同されていた。

 心地良さに身を任せ、何だか幸せな気分で再び深く沈むように夢の世界に潜った。

 しかし、心のどこかで強い不安に押し潰されそうになっていた。

 

 綾香の意識が少しずつ、幸せな夢から引き戻され、やがて完全に現実とリンクする。

 「なに…?手袋…?この格好……」

 綾香は自分の手を見、それから自分の体を見下ろした。

 ベッドに寝かされている綾香は、自分の体が真っ白な布に包まれていることに気がついた。

 「ウェディング…ドレス…?」

 制服姿だったはずの綾香は、気がつけば純白のウェディングドレスをまとっている。

 蝕むように思い出さされる忌まわしい出来事。自分が着ている物の意味が綾香を苦しめた。

 「制服も良かったが…『使い物』にならないくらい汚れてしまったので…

 メイドを呼んで着替えさせた……良く似合っているよ…」

 部屋の暗がりから聞こえる智明の声。

 綾香が嫌悪の視線を向けた先に、暗がりの中でぼんやりと浮かぶ白いタキシードの智明の姿があった。

 「私の方は年甲斐もないがね…」

 冷笑しながら、智明が綾香に近づく。

 「近づかないでよ…卑怯者…!」

 唾でも吐きそうな勢いで綾香が憎しみの言葉を吐き、ベッドの上で智明から逃れるように後ずさる。

 「クク…私は嘘は言っていないし、約束も破っていない。君が負けただけさ…」

 もう笑い飽きたようにかすかに皮肉っぽい笑みを浮かべながら智明は綾香に迫る。

 「そして、負けた君はどうなるか…?分かっているね?」

 智明はベッドに片膝を乗せて、綾香を追い詰める。

 「そのドレスの意味も…」

 綾香の表情が絶望に強張る。智明には宣誓させられている。「母の代わりに妻になる」と…

 「あんな卑怯な策略は無効よ!」

 「勝負は駆け引きさ…君なら分かってくれるはずだがね?」

 智明が綾香の足元まで滲み寄って来る。

 綾香はもうベッドの上に逃げ場をなくし、また、ウェディングドレスのせいで智明に攻撃を仕掛けることもできない。

 そんな綾香に、智明は決して手を伸ばすことはなく、不気味に迫るだけだった。

 「それに、姉想いな君なら…分かるはずだね?」

 智明の指がパチンと小気味の良い高い音を鳴らす。

 先ほど人質の姿を綾香に見せつけたモニターに、再び秀の姿が映し出される。

 「旦那様、移送は完了いたしました。」

 モニターに映し出されているのは、秀だけではなかった。

 見るからに好色そうな笑みを浮かべた男達が一緒に映っている。

 「旦那様のご指示が出されるまでは、人質の身柄は絶対に安全です。」

 「今は絶対に安全だが、私が指示さえ出せば、あの連中は芹香に群がることになる…」

 智明がモニターを背にしながら、綾香の顔に顔を近づけながら笑みを浮かべる。

 「約…束…が違うじゃない…どういうこと!?」

 綾香は顔色を青くしながら、モニターに釘付けになった。まるで、目を離せば姉が襲われるような気がした。

 綾香は姉と浩之の安全と引き換えに、屈辱の極みの宣誓をさせられた。しかし、目の前の光景はそれを裏切るようなものだった。

 「約束が違う?一体何がだい?」

 綾香は恐ろしく智明の顔を見ることが出来ず、ただモニターを睨んでいた。

 「二人の身柄は保証するよ。君が誓いを守る限り、あの連中は手を出すことはない。絶対に。

 ほら…絶対に安全じゃあないか?約束は破られていない。君が破らない限りは…」

 智明は静かに、不気味ほど静かに綾香をなだめるように囁きつづける。

 「君が望んだことだよ…私のザーメンにまみれ、そして私の妻になることを誓ってまでね…」

 「こんなことを…望んだんじゃない…ひどい…こんなの…」

 綾香が裏切られたことと、逃げ出すことを許されない緊迫した絶望に震える。

 「私は何も裏切ってはいない…何も嘘もついてはいないさ……そう…私は潔白だ…

 ククク…だが…君の母親に裏切られた私をそんなに信じていたのか?ハハハハハ!」

 智明が今まで不気味なまで抑えていた感情を爆発させたように、綾香の額に額を重ねて哄笑する。

 智明の額から伝わる哄笑の振動が、耳を打つ笑い声が綾香に絶望を刻み込んでいた。

 「さあ、まだ私を信じてくれるか!?信じないのは勝手だが、そうなれば人質は…ククク…」

 智明は綾香を絶望で縛り付け、追い込んでいく。

 「さ…約束は守ってもらう。私の子を孕むんだ…」

 智明の言葉は、絶対の強制力を持って綾香の反抗心や反発心を叩き潰し、全てを縛り付けた。

 「ゲス野郎…」

 綾香は涙と共にボソリと吐き出し、感情を失ったように五体を投げ出した

 「何をしているんだ?君が望んだことだろう?だったら、おねだりしてみせるんだ…」

 綾香はせめて人形のようになることでプライドを守ろうとしたが、それすらも叶わなかった。

 「くっ…好きにすればいいわよ…」

 屈辱に歯を食いしばりながら、ようやくそれだけを口にする。

 「それがおねだりか?単なる自暴自棄な捨て台詞にしか聞こえないな…」

 智明は目を閉じ、歯を食いしばる綾香の耳元で「手本」を囁く。

 綾香は囁きの内容を拒否するように沈黙を続けた。

 「仕方がない…芹香に頼むか…私におねだりした後に、あの連中に何度もおねだりさせられるだろうね…」

 徹底的な追い込みに、綾香は更に限界まで追い込まれる。

 「私に…ください…」

 綾香が五体を投げたまま、ボソボソと呟く。

 「飛躍的な前進だ。だが、私が教えたこととは違うな。」

 絶対的優位な悪魔の言葉に、綾香の歯軋りの音が響く。

 「私の………に…入れて、し、子…宮…に…たっぷり注…ぎ…こんで…妊……娠…させてください。」

 一言ごとにプライドごと魂すら切り刻まれていくような気がする。

 「君の何に入れればいいんだ?」

 「私の…ア……アソ…コ…に…」

 綾香が顔を真っ赤にしながら小さな声で呟く。

 「違うだろう?」

 智明は冷たい声を投げかける。

 「私の…オ……」

 それ以上続けられない綾香を脅すように、モニターに視線を送る智明。

 「くっ…私の…オ…オマ…ン……コ……にぃ…」

 綾香がボロボロと涙を零しながら、屈辱の極みに立たされる。

 「よし、じゃあ、今度ははっきりと、続けて言うんだ。」

 智明がモニターから視線を外さずに、綾香に命令する。

 「私の…オマン…コに…入れて、子宮にたっぷりと…注ぎ込んで妊娠…させてください…」

 綾香が涙を零し、真っ赤になりながら必死に言葉を吐き出す。

 「入れて欲しいところを自分の手で開いて、良く見せながらおねだりするんだ。」

 智明の悪魔の命令は、綾香の屈辱の限界点を次々と塗り替えていく。

 綾香のプライドが死という選択肢を浮かべるが、人質のことを思うと、それを選ぶことは出来ない。

 綾香は体を起こし、両膝を立てる。ウェディングドレスのスカートで肝心の部分は隠れている。

 ウェディングドレスの下には、上下とも下着はなかった。

 脚を開けば、肝心の部分が完全に晒されてしまう。一度見られてはいるが、自分の手で晒す恥辱は並大抵ではない。

 「迷う暇があるのかな?」

 智明がスッと右手を上げる。

 「私がこの手を振り下ろしたら、芹香に身代わりになってもらうことになる。

 君に散々抜いてもらったおかげで、すっかり体力を吸われてしまったからな…いつ手に限界が来るか分からないぞ…」

 智明が暗く微笑み、綾香を完全に追い込む。

 綾香は覚悟したようにスカートをめくり上げると、ブルブル震えて凍りつく脚を無理矢理広げていく。

 「フフ…がんばったね…さ、その手で広げてよぉく見せてくれ…」

 智明は少しずつ手を下ろしながら、綾香の秘部に視線を集中させる。

 綾香は震える手を必死に動かし、脚の間に伸ばす。

 秘部に指先が触れた瞬間、ビクッと体を硬直させるが、智明の手が動かされるのを見て、観念したように力を込めていく。

 先ほどの責めで生まれた蜜が秘奥にまだ残っており、指で広げられた美しいピンク色の中からトロリと零れる。

 「私の…オマンコに…入れて、子宮にたっぷりと…注ぎ込んで妊娠させてください…」

 これ以上ないほど顔を真っ赤に染め、涙を零す綾香によって、ようやく智明が求める行動が完成する。

 「よくがんばったな…さあ、私と一つになるんだ…拒めば、即、モニターの向こうに指示を出す。」

 智明は涙をすくうように掌を綾香の頬に重ね、そのまま唇を重ねた。

 同時にこれ以上ないほど硬直した肉棒を露出させると、綾香の片手に握らせた。

 「君の手で導くんだ。」

 綾香は絶望に押し潰されながらも懸命に動いた。片手で秘部を広げたまま、残る手に握らされた肉棒を剥き出しの秘部に近づけていく。

 綾香の震えが、智明の肉棒に伝わり、歪んだ快感を与えていた。

 綾香は自分が何をさせられているか、涙で潤んだ視界では把握できなかった。

 人質のために、とにかく屈辱に耐えていることだけは確かだった。

 やがて綾香の秘部と智明の肉棒の先端がかすかに触れ合った。

 綾香の秘奥に隠れていた愛液と智明の先走りが混じり、クチュと小さな音をさせてお互いに滑り合った。

 綾香の体が反射的にビクッと震え、腰を引こうとする。

 だが、智明の手が伸び、綾香の腰をしっかりと掴む。

 「さあ…いよいよだ…!」

 ツプツプと綾香の膣口に智明の亀頭が飲み込まれていく。先ほど悪戯されたときよりも亀頭は進み入って来る。

 綾香の膣肉が異物の侵入を防ぐように収縮するが、智明の積年の欲望を阻むことは出来ない。

 綾香は確実に忍び寄る恐怖に、カタカタと震える。その震えが胎内の智明を楽しませる。

 智明の切っ先が、ついに綾香の最後の砦である処女膜に到達する。

 感無量といった感じで腰を止めた智明の肉棒に、膣肉がきつく絡みついて、侵攻を押しとどめようとする。

 「いくぞ!受けるがいい!私の想いを!」

 「い…いやぁぁ!あっぁぁぁぁ!入ってこないで…いやぁっ!」

 智明の瞳が一際輝き、綾香は心の底から湧き出たものを絶叫として搾り出した。首を大きく振り乱し、涙しながら拒む綾香。

 綾香の膣肉の抵抗も、先ほどの責めで綾香自身が蓄えていた微量の愛液のぬめりによって裏切られてしまう。

 智明の肉棒は綾香の処女膜を引き裂き、一気に奥まで突き入れられる。

 その瞬間、綾香の純潔は完全に失われ、肉体は永い執念を抱えた男に奪われてしまった。

 「あ…が…うっ…!はう…く……うぐ…!!」

 綾香は処女膜を破られ、一気に膣肉を擦られた痛みと、最奥を小突かれたような感覚に小さく嗚咽していた。

 智明は綾香の子宮まで貫くように挿入し、最奥まで突き入ったまま、腰の動きを一切止めていた。

 綾香の胎内は巨大な存在感を感じ、また処女肉は生まれて始めて異物感に緊張し、収縮していた。

 「ついに…ついに…ついに!一つになることが出来た…

 分かるか?君の胎内は私で満たされ、子宮の入り口で私の先走りが吐き出されているんだ。

 君は私に恐怖し、膣肉を収縮させている…君は私の手で女にされ、支配されているんだ!」

 苦しみ、絶望し、呻く綾香に智明が現実を叩きつける。智明の声は興奮に打ち震えていた。

 その言葉に綾香の脳裏に大切に想っていた浩之の顔が駆け巡る。

 「ごめん…ごめんね…浩之…ごめん…!」

 苦痛と絶望、そして何よりも哀しみに涙しながら綾香が何度も詫びの言葉を繰り返す。

 「浩之…くん…か…ククク…」

 綾香の様子に怒りの表情を浮かべた智明だったが、その表情が歪んだ笑顔に変わる。

 同時に今までセーブしていた動きを少しずつ早めていく。

 「い、痛……ぐ…うっ…ふっ……」

 戦いの中での激痛とは異なり、いくら覚悟しても蝕むように胎内に直接感じる痛みに綾香は苦しめられる。

 「私の妻だろう?夫婦の営みの最中に他の男のことなんか考えてはいけないよ?」

 智明はそう言いながら、まだほぐれていない綾香の胎内を大きくストロークしてかき回す。

 苦痛に顔を歪める綾香の表情を楽しんでいた智明だったが、その手がゆっくりと動く。

 「あぐ…くぅ…ん…んぁ…?」

 智明の手は綾香の胸に伸ばされ、ウエディングドレスに包まれた乳房を揉みこみ、布地の上から乳首を押し込むように刺激する。

 綾香の体は教え込まれた快感に反応してしまい、痛みの中に感じる快感を希望として受け入れてしまっていた。

 「どうだ?私の妻、綾香!想い人のことをいくら想っても、私をどんなに憎もうと!

 結局は今、こうして私に嬲られて孕まされる運命からは逃げられしない!」

 歪んだ笑みを浮かべ、痛みと圧迫感に体を震わせる綾香を更に責めるように、智明が抽送を早め、深く強く突き上げる。

 苦痛だけでなく、巧みに乳房を愛撫し、クリトリスを刺激するように腰を動かす。

 綾香は苦痛の中に、少しずつ確実に与えられ、蓄積される快感に翻弄された。

 「うっ…うく…ん…んふぁ…ひぅ…」

 綾香の呻き声に甘い響きが混じり始める。

 変化を感じ取った智明は愛撫に力を入れ、同時にがむしゃらに動かしていた腰を綾香を感じさせるように変化をつけた。

 膣内に愛液が分泌され始め、クチュックチュッという音が漏れ始めると、綾香が羞恥に顔を染める。

 「どうした?私が憎いのではないのか?大切な想い人がいるのではないのか?

 さっきまでの勢いはどうした?あの憎しみに満ちた瞳はもうやめたのか?

 ククク…憎んでいた私に抱かれても、こんなに感じてしまっていいのか?」

 智明は体を折り曲げ、綾香の耳に熱く囁きかける。

 囁かれる現実から逃れるように顔を背け、身をよじる綾香の腰を掴み、ゆっくりと深く突き上げる。

 智明はすっかり柔らかくなってきた綾香の膣肉を押し広げ、最奥をリズミカルに叩く。

 長大な肉棒は綾香の最奥まで埋め込まれても、まだ根元まで到達はしていない。

 「はー…あう…んっ…くっ…やめぇ…やぁ…ふか…い…」

 綾香は胎内から長く太い異物がゆっくりと引き抜かれ、また最奥まで押し込まれる感覚に翻弄される。

 苦しみと快感に挟まれ、綾香の体は肉棒による責めに反応し始めていた。

 自分を抱く男を憎いとは思う。しかし、心の中に擦り込まれた服従への強制が綾香の精神を蝕んでいた。

 抱かれることへの義務だけだったはずが、快感を得ることを許してしまっていた。

 与えられる快感は綾香の思考を短絡化させ、目の前にある感覚以外は考えることが出来なくなっていた。

 迫り来る妊娠への恐怖も、痛みの中で存在感を増してきた快感を貪ることで忘れさせられていた。

 ジュブジュブと愛液の攪拌音が汁っぽさを増し、綾香自身も痛みを忘れ始めていた。

 剥き出しにされた胸元から覗く乳房が大きく、そして柔らかく揺れる。

 智明は誘われるように、ピンク色の頂点に口を寄せ、腰を突き動かしながら乳首を舐めしゃぶり、唇でついばむように引っ張る。

 性感帯への責めに体をピクンと反応させ、小さく弾む綾香を見ながら、智明は至福を感じていた。

 長年の恨み、そして復讐への想いは希望へと昇華し、そして今、それが成就されている。

 噛みしめるように深く、浅く、早く、ゆっくりと、綾香の膣内をかき回し、本懐を遂げるべく突き進む。

 綾香の胎内で智明の肉棒がピクピクと不思議な脈動を始める。

 それは智明の本懐、そして綾香の絶望の前触れであったが、綾香はそれに気がつくことはなかった。

 綾香は膣肉を擦り、子宮を突き上げる異物感に慣れ始め、胎内にジンジンと熱く痺れるような不思議な感覚を感じ、

 熱に浮かされたような感覚に囚われていた。

 (おなか…なん…か…変…頭もボーッとして…)

 快感に伴って抽送に共に体が揺すられ、綾香の混乱した心がまるで催眠術にでもかけられたように痺れていく。

 現実から逃れたいという願望からなのか、体が伝える快感を疑問も警戒もなく受け入れてしまっていた。

 それでも快感による閃光の合間に浮かぶ、姉と浩之の顔が自我の崩壊を許すことはなかった。

 「あ…うぅ…あひ!?ひやぁ!」

 智明の肉棒が角度を変えて突き上げると、綾香のGスポットが刺激され、悲鳴に似た喘ぎ声を上げる。

 愉悦の吐息と叫びを漏らし、理性と空虚が入れ替わる綾香の瞳を智明が見つめる。

 「く…うぅ…さあ…約束の時が訪れたようだ…」

 智明は綾香の腰をしっかりと掴むと、一層深く強く肉棒の突き上げを激しくする。

 「やく…そく……!?いや…いやぁ…!…やめて…外に…外に…お願い…何でもするから…」

 快感に流されていた綾香の心に恐怖が甦る。約束とは妊娠。いくら覚悟しても恐怖からは解放されない。

 すがるように懇願する綾香だったが、智明の瞳に灯る狂気と執念の光を目にして、懇願は無駄だと悟る。

 Gスポットを刺激される強烈過ぎる快感にビクンと体を痙攣させられながらも、妊娠させられることから逃げようとする。

 何としても逃げようと暴れる綾香だったが、智明の手でしっかりと腰を固定され、抽送から逃れることは出来ない。

 「怖いか?姉さんに代わってもらうかい?」

 智明が脅しをかけるが、綾香は恐怖を抑える事が出来ず、なおも暴れる。

 上半身をくねらせ、脚をバタつかせるが、肝心の腰を動かすことは出来ない。

 綾香が暴れることで逆に締め付けが強くなり、綾香は自らの首を締めることになった。

 「いやっ!妊娠なんていや!助けてぇ!浩之!」

 泣きながら暴れる綾香の腰をしっかりと掴み、激しく腰を打ち付ける智明。

 チュパンチュパンと汁音と肉のぶつかり合う音が響き、膣内では肉棒がビクビクと秒読みのような脈動を続ける。

 「フフ…ハハハ…ああ、最高の快感だ…こんなに気持ちの良い交わりは初めてだ…

 さすがに愛する妻とするのは違うな…っく…あぁ!もうすぐ…もうすぐだぞ!」

 智明は本来ならとっくに達しているはずの限界を無理矢理堪え、ガクガクと腰を振る。

 限界を超えてもなお射精を許されない肉棒は破裂寸前になりながらビックンビックンと激しく脈動する。

 正常位のまま、綾香のムチムチのしたふとももを大きく開かせ、綾香の腰に自分の腰を乗せるようにして激しく突く。

 智明の脳裏に長い長い苦しみの時間が甦り、同時にかつての幸福の時間がフラッシュバックされる。

 「うっ…!うぐ…さあ…受けと…れ!私の恨みを!愛を!失われた時間をッ!!おおっっ!」

 「いや!絶対いやぁ!放してっ!やだあっ!っ!?ひぃ!?熱い…!中で…中にぃっ!?いやぁぁっ!」

 智明の限界がついに崩れ、綾香の胎内に熱く濃い凄まじい量の精液が勢い良く流し込まれる。

 子宮口を押し広げ突き入れられた肉棒の先端から、ダイレクトに精液が子宮に浴びせ掛けられつづける。

 全体重を乗せるように綾香を組み敷き、結合分をこれ以上ないほど密着させ、智明は射精を続けていた。

 最後の一突きで、綾香の子宮とGスポットが強く刺激され、綾香は目の前が真っ白になるのを感じた。

 智明の精を受けての妊娠という最低の状況にも関わらず、絶頂を与えられてしまう。

 「ひっ…!ひゃぁ…あつい…あついよ…子宮が…うぅ…妊娠するの…?いやぁ…浩之ぃ…!」

 綾香は子宮を何か熱い塊のようなもので陵辱される感覚におののいた。それは綾香の存在自体が汚されるのと同じだった。

 自分の卵子に確実に精子が着床させられようとしており、それはつまり憎い男の子供を孕むということ。

 絶望に自我の崩壊を迎えそうになった綾香だったが、最期まで頭に浮かんでいた浩之や姉が希望の光となって、

 自我を支えていた。それは綾香にとって幸か不幸かは分からなかった。

 ただ、膣内射精のショックに呆然とする綾香は胎内で跳ねるように脈動し射精する肉棒のリズムと、

 子宮を撃つ飛沫のあまりの熱さに体を震わせ、涙を流しながら絶頂のような感覚に流されることしか出来なかった。

 あまりの精液の量に、綾香の胎内は一杯に満たされてたが、膣口は緊張できつくきつく智明の肉棒を締め付けているため、

 ほんのかすかな隙間いかできず、ほとんどの汚濁は綾香の胎内を泳いでいた。

 「こんなに出されて…私…妊…娠…くっ…うぅ…」

 綾香は改め痛感させられた現実にただ涙し、どうすることもできないことに絶望していた。

 「ふぅ…ふぅ…ククク…ハハ…」

 智明は念願の成就に、頭が真っ白になるような快感を味わいながら、長い長い射精を終わらせた。

 それでもまだ萎えない熱棒を綾香の胎内に押し込んだまま、荒い息をつき、天を仰ぎながら満足げに微笑む。

 智明があまりの歓喜に混濁した意識のまま、ズルズルと綾香の粘膜から肉棒が抜くと、

 綾香の下腹を膨らませる程貯まっていた精液がゴボォッと溢れ出る。

 「あっ…ふ…す、すごい…こんなに…中に入ってたの……?」

 自分の体から溢れ出る大量の智明の汚濁に驚き、呆然と呟いた。

 勢い良く溢れ出る粘度の濃い精液が膣肉を這う感覚に綾香がヒクヒクと震える。

 秘部から白濁を垂れ流し快感に震えながらも、熱に浮かされたように愛する浩之の名を呼びつづける綾香。

 智明は綾香の秘部に指を挿入すると、愛液の混じった白濁をすくい取る。

 「さあ、君はこれで私のこの母親だ…ほら…私たちの愛の結晶だよ…!」

 浩之の名を呼びつづける綾香の口に、汚濁に塗れた指が突っ込まれ、口の中を攪拌する。

 執拗で歪んだ責めに、綾香の意識は二度目の気絶を選択していた。

 口の中に精液と愛液、そして処女血が混じった嫌な味を感じながら、綾香は暗闇に飲み込まれた。

 しかし、自我が崩壊することは許されない。どんなに辛くても、人質への愛が綾香を繋ぎとめていた。

 

 

 綾香は再び夢の世界を彷徨っていた。今度は先ほどの幸福感のある夢ではなく、押し潰されそうな暗闇の中を彷徨っていた。

 明らかに悪夢であるにも関わらず、心はまどろみから解放されるのを拒んでいる。何も考えたくはなかった。

 そして、暗闇の中に見える光条。綾香はそこに向って駆け出していた。

 (あそこに、浩之と姉さんがいる…!)

 綾香は大切な人に会うことで、悪夢から逃れられると信じ、直感に任せて駆け出していた。

 綾香の直感通り、光の中に浩之と芹香はいた。

 ただし、浩之と芹香は体を絡め、愛し気に交わっていた。

 「ふ…二人とも…何してるの…?そんなのって…」

 綾香は呆然としながら、目の前で貪るようにお互いを求める二人を見つめる。

 綾香の声に何の反応もしない二人は、幸せそうに、そして悦楽に肌を上気させて交わりつづける。

 綾香は二人に向って駆け寄ろうとしていた。しかし、どんなに走っても二人に近づくことは出来ない。

 綾香の瞳から涙が溢れる。自分はあんなに酷い目にあっているというのに…それも、二人のために…

 綾香の頭に疑問が浮かぶ。「あんなに酷い目」とは一体何のことだったのだろうか?

 目の前の二人は、相変わらず幸せそうに貪りあう。

 目の前の光景に、そして思い出せない記憶に苦悩する綾香の肩に、誰かの手が乗せられた。

 恐る恐る振り返った綾香の目に、汚濁に全身を汚されて微笑む自分の姿が映った。

 

 「いやぁぁぁっ!!」

 綾香は絶叫しながら、まどろみの中から自我を解放させていた。

 最後の光景は、夢ではない。あれは意識を失う前に刻まれた現実だった。

 その現実から逃れたいがためにまどろみに浸っていたが、現実は逃げた先まで追ってきていた。

 悪夢―といっても、現実だが―から解き放たれた綾香は、涙を零しながら、荒い息をついている。

 全身を汚していた汚濁は、再び奇麗に掃除されていた。

 「目が覚めたかね?全く、良く眠る子だ…これで二度目だよ。」

 もう聞きなれた声が綾香の神経を逆なでする。

 同時に、部屋の中に何か女の甘い吐息と男の荒々しい息遣いが聞こえる。

 「…あれだけ私を犯しておいて…AVでもお楽しみ?」

 綾香が憎しみを込めて、精一杯の皮肉を込めて軽口を叩く。

 「AV?無粋だね。目の前にこんなに美しい妻がいるというのに…

 心配しなくても良い。私の精液は、今は君にブチ撒けるためにあるんだからね…」

 綾香の精一杯の反撃すらも、智明はより残酷に受け流してしまう。

 「私が見ていたのは、ただの余興だ…ほら、君も見たまえ…」

 それまで音声だけだった痴態が、巨大なスクリーンに映し出される。

 「っ!!!」

 綾香が思わず息を飲み、口許を手で押さえる。

 智明はそんな綾香を見て、満足そうに邪な笑みを浮かべる。

 「ゆめ…じゃ…なかったの…?」

 しばらくの沈黙の後、ようやく発せられたか細い、そして弱々しい言葉。

 「そんな夢を見ていたのか?愛する姉と、自分が想いを寄せる男が結ばれる夢を…ククク…」

 智明が凍りつく綾香の肩を抱きながら、残酷極まりない言葉を投げかける。

 モニターには、綾香が夢で見たのと同じ光景、つまり芹香と浩之の交わる姿が映し出されていた。

 「ひどい…ひどい…人質には何もしないって…」

 綾香の瞳から大粒の涙がポロポロと零れ、今まで恥辱に耐えてきた唯一の希望を奪われたことで急速に心を崩し始めた。

 「違うんだ…綾香…これは、彼らが望んだことなんだよ?」

 智明が崩壊寸前の綾香に、優しく囁きかける。

 「君が人質の彼らのために私の妻になったことを、そして君と彼らの運命を簡単に説明してやったんだ…

 そうしたら、芹香が恐怖と絶望、そして君への哀しみのあまり泣き始めてね…

 ついには精神崩壊の寸前までいってしまった…その時に、浩之くんは彼女を抱きしめて、私にこう言った。

 『綾香はきっと優勝して自分たちを助けてくれる。綾香が優勝したら、自分たちを解放することを約束しろ!』…とね。』

 綾香の心に暖かい何かが戻る。浩之の信頼という、何よりも強い希望が綾香の心を繋ぎとめた。

 「その条件を飲む義理はなかったが、私は彼にこう条件を出した…

 『綾香を諦めること。その証拠として、芹香を抱け!』…とね…

 そして、結果がこれだ…あぁ、勿論、芹香には避妊薬を与えてある。彼の子を宿すことはない。」

 綾香の心が凍りつく。心に灯った希望の光は、数秒後には悪魔のような言葉で掻き消された。

 想い人が自分を捨て、姉を守った。二人を守るために恥辱に晒された自分は汚れ、守られていた二人は、

 忌まわしい状況下の中ではあるが、愛を育むことに成功した。

 今まで自分がしてきたことは何なのか?綾香の心は急速に行き場を失い、崩壊すらも許されない虚空に漂った。

 「君がこうして苦しんでいるのに、芹香はまんまと想いを遂げたわけだ…」

 智明の言葉が、虚ろになった綾香の心の隙に染み込んでいく。

 (姉さんは…どう思っているの?私の…この死ぬ思いをした努力を…浩之に愛されることを…)

 何もなくなった綾香の心に、無自覚な苛立ちと憎しみがこみ上げる。

 チクチクと痛みを伴い、芹香に対して表現しがたい感情が芽生える。

 憎しみ、嫉妬、愛情、義務感、今まで意識したことのない負の感情が混じった思いが芹香への思いを組替える。

 同時に、浩之に対しては同情や、寂しさがこみ上げてくる。憎しみを嫉妬する同性に向け、愛する男を許してしまっていた。

 普段の綾香なら思慮深く、冷静に解決策を見つけられたかもしれない。

 しかし、今の綾香は誇りを砕かれ、信用を弄ばれ、そして愛情も裏切られ、心は隙間だらけだった。

 虚ろな表情が複雑に変化する様を見て、智明が確信めいた笑みを浮かべる。

 そして、綾香の心の隙間に付け入る提案を囁いた。

 「君も同じ条件を飲むかい?君を裏切った姉と、そして姉を選んだ彼を救うために…

 いや…君はすでに私の妻となることを誓ったのだ…何を望むか…ワガママくらいは聞いてやろう。」

 綾香の髪を撫でながら、智明は子供を騙すようなトーンで悪意を伝染させる。

 綾香の視線はモニターに集中し、そのため、綾香は無意識のうちに言葉を耳にし、無意識のうちに思慮し始めていた。

 (ワガママ…?私は自由になれるの…?浩之と一緒に…でも、姉さんがいたら…浩之は私を…

 姉さん…何で浩之を盗るの?何でそんなに幸せそうな顔をして抱かれているの?)

 芹香は普段からは考えのつかないような声の大きさ―といっても、やっと人の話し声くらいだが―で、

 浩之の名を呼び、浩之にしがみついて交わっていた。

 (私は姉さんのために…この男に弄ばれ、嬲られて、子供まで宿すことになったのに…

 姉さんは何で浩之と…私は全てを背負っているのに…背負わされているのに…

 せめて浩之くらいは私に……そう…そうよ…姉さんが私の代わりに……)

 智明の囁く悪意によって歪められた綾香の思考は、悪魔の選択を思いついてしまった。

 それを後押しするように、智明は綾香の心を読んだように囁く。

 「君が優勝することが出来たら、私は君の望みを…何でも聞いてあげるよ。君の望みは何だろう?

 私と『離婚』することかな?子供の存在をなくすこと?…それとも、姉を浩之くんの仲を裂く…かな?」

 綾香が企みを悟られたと思ったのか、ビクッと体をすくめ、智明は予想以上の効果に口許を吊り上げる。

 (私は全力で戦い抜く…その苦労は並大抵ではない…今もこうして…酷い目に遭ってる…

 姉さんは何の苦労もなく浩之に抱かれて…これじゃあ、まるっきり不公平じゃない…

 私が優勝して、何事もなく解放されたら、浩之は姉さんと…それじゃあ、私が何もかも損していることになる…

 そうよ…姉さんにも少しは苦労してもらうべきよ…私が優勝したら…)

 綾香の精神に植え付けられた悪意が華を咲かせてしまう。

 本来なら、絶対にありえない損得勘定と、安易な計算を打ち出してしまっていた。

 (姉さんに一晩だけ身代わりになってもらえば…あの男も約束は守るはずだから、未練なく…)

 綾香の心が誤った選択を出してしまった。

 今の綾香の心は、その決定的な誤りに気付くことはない。

 そして、今の空虚な状態に擦り込まれた誤りは、今後呪縛となってどんなに冷静になっても方向性を歪めてしまう。

 「交換条件は…優勝できなければ、君の全てを永遠に私の物にする…ということにしよう。

 君が優勝すれば、全てが自由になる。優勝できなければ…全てを失う。

 もっとも、条件を飲まなくても、この大会では、それが当然だがね…さあ、わが妻よ…選んでくれ…運命を…」

 智明が裏に様々な思惑―彼にとっては『素敵』な未来計画―を秘めた言葉が投げかけられる。

 綾香の心は、決まってしまっていた。

 何故か喉が言葉を発することを拒否したため、ゆっくりと首を縦に振る。

 その動作が、綾香の運命を、そして全ての運命を狂わせる。

 「ならば、今一度、私の相手をしてもらおう…」

 智明が綾香の唇にそっと自分の唇を重ねる。

 今までの綾香なら、嫌悪に瞳を閉じていたが、今の綾香は、憎しみを秘めた瞳でモニターの芹香を見つめていた。

 不思議なことに、ここで智明に逆らって芹香を危機に陥れ様とは思わない。

 何よりも浩之の存在があったが、まだ芹香を守ってやりたいという思いは強く残っていた。

 自分の中に抱えた大きな矛盾にすら気がつかないほど、綾香の精神は錯綜していた。

 (何があっても…私はどんな目に遭っても、姉さんと浩之は守ってあげる…

 でも、私が優勝した時は…姉さんにも私を守ってもらうからね…)

 綾香はそう結論を出し、智明に再び体を与えていた。先ほどまでの憎しみは不思議と薄れている。

 「脚を広げるんだ…」

 綾香は智明の言葉に操られるように脚を大きく割り開く。

 智明の汚濁の残滓を未だに残す綾香の秘部が曝け出されてしまうが、今の綾香には拒むことは出来なかった。

 「さあ…そのままオナニーをするんだ…どうすれば良いかは分かるだろう?」

 「いやよ…そんな…恥ずかしいこと…」

 綾香が顔を背けて拒否しようとする。その態度に、先ほどまでの拒絶の勢いはない。

 「仕方がない…君が今まで私とした『夫婦の営み』の映像を人質『夫妻』に見せるとしよう。

 浩之くんはどんな顔をするかな?絶望か…怒りか…?それとも興奮してまた芹香を抱くのかな?」

 綾香の顔が切なそうに歪む。浩之に知られたくない思いと姉への嫉妬が新たな呪縛として綾香を苦しめる。

 「ひ…浩之には…見せないで…お願い…お願いだから…」

 綾香が智明の腕にすがり、焦りの色を浮かべた瞳で智明の冷酷な瞳を覗きこむ。

 「それなら…分かっているだろう…?」

 綾香の秘部に智明の指が軽く差し込まれ、抜き差しを繰り返す。チュプチュプとどちらの粘液からか音が発せられる。

 追い込まれた綾香の膣内の締め付けが強くなったことが指に伝わる。

 「すっかり嬲られることに慣れたみたいだな…体は正直だ…

 さあ、脚を開いて、私の目を楽しませてくれ…」

 智明は綾香がもう拒まないことを悟り、秘部を突き刺す指をズルズルと抜き去った。

 「んっ………はい…」

 綾香は力なく返事をすると、大きく広げた脚の付け根に指を伸ばした。

 おずおずとぎこちない手つきで指で秘裂をなぞる。溢れ出た汚濁が指に絡まり、ヌチュヌチュとすべりを良くする。

 「んっ…ふぅ…」

 体を開発されたことと、汚濁のぬめりによって、いつも―といっても、ごくたまにしかしないが―早く快感に目覚める。

 チュクチュクと指が秘部をなぞるスピードが増し、やがて秘裂がゆっくりとほころび始めた。

 膣口が緩んだことで、膣内に溜められていた白濁がトロトロと滴り、綾香の指に絡みつく。

 汚濁でドロドロになった指が、無意識にクリトリスに伸ばされる。

 「ひぁ!いっ…いいよぉ…なんで…・いつもよりぃ…」

 いつもよりもぬめる指が秘核を擦ると、綾香の上体が前のめりに傾き、強い快感を証明していた。

 すっかり口を開けた秘部から白濁をと垂らしながら、綾香は汚濁に塗れた手を乳房にまで伸ばしていた。

 真っ白く柔らかい大きな胸が、膣内から吐き出された精液でヌメヌメと汚される。

 ぬめる指で乳首をコリコリと摘み、一方では秘部を擦りながら、クリトリスを転がす。

 (いやぁ…見られてるのに…あの男に見られているのにぃ…)

 綾香は智明に見られているのに、抑える事が出来ない自分の体に驚いたが、快感の前ではどうすることもできない。

 先ほど見せられた芹香と浩之の交わりが、綾香の心に歪んだ興奮を植え付けていたからだった。

 (この指が浩之の…アレ…だったら…良かったのに…)

 処女を失ったからか、射精される歓びを知ってしまったからか、綾香の膣奥がムズムズと疼く。

 綾香は秘部をなぞる手の中指を膣内に挿入してしまっていた。親指でクリトリスを擦ることを忘れない。

 「ひっ…はぁ…んふぅ…ん…くっ…」

 抑えた喘ぎ声だが、綾香は凄まじい快感を味わっていた。

 膣に突き入れた自らの中指をきつく締め付け、疼きつづける膣奥に少しでも刺激を与えようと激しく深く抜き差しを繰り返す。

 「あ…あそこ…が…ぁ…グチュグチュいってる…」

 指に絡みついた分と、膣内にこびりついていた精液が、ジュンジュンと分泌される愛液と混じり合って、攪拌されるたびに

 卑猥極まる音を響かせる。滴る粘液はもう愛液か精液か分からなくなるくらい混じりあっていた。

 「ふぁ!んぁ…すご…い…ひろゆ…きぃ…」

 綾香の言葉に、それまで満足そうに見守っていた智明が動き、綾香の秘部を弄る手を掴んで止める。

 「ふぁぁん?」

 甘い疑問の吐息を漏らした綾香の唇を強く吸う。綾香が垂らした唾液が智明の口の中に入ってきた。

 「この指が浩之くんの代わりか?」

 ヴァギナを弄っていた手を綾香の目の前まで持ち上げて見せつける。

 「口で愛してやるんだ…」

 智明が、浩之の代用物と化していた綾香の中指を、綾香の口にしゃぶらせる。

 綾香は秘部に強烈な疼きを感じながらも、霞んだ頭で中指をしゃぶる。口の中に精液と愛液の混じった複雑な味が広がる。

 「まだあの男の名を口にするのか…!」

 「んひはぁ!?」

 智明はいきなり綾香の秘部に剛棒を突きたてた。すでにグチュグチュになっていた綾香の秘口は、心地良い抵抗感を残して、

 中指に比べて遥かに太く長大な肉棒をズルズルと迎え入れ、中指以上に締め付けて歓迎した。

 「君の体は、もう私に馴染んだ…そして、君が愛しそうに舐め、膣内で攪拌したのはあの男の精ではなく、

 君の子宮にたっぷり注ぎ込み、そして妊娠させた私の精液なのだよ?どんなに望み、妄想しても、今の君は私のものだ。

 君があの男を想って行った自慰も、空想も、全ては私に捧げられていたものだ!」

 綾香を腰の上に座らせ、背面座位で激しく腰を突き上げる。限界まで引き抜かれ、そしてこれ以上ないほど奥まで突き入れられる。

 「あぅ!?やぁ!す…ご…くはぁ!?」

 綾香の体は智明の腰の上で踊り、子宮を突き刺されるような激しい快感に頭を真っ白にさせられる。

 智明は背後から手を伸ばし、柔らかく弾む綾香の乳房の頂をキュッと摘み、揺れに乗じて引っ張る。

 綾香は快感のあまり、何も考えられなくなり、甲高い嬌声を上げつづける。

 その口からは中指を介して口に入っていた精液が唾液と共に滴り、更に胸を汚していた。

 綾香が強すぎる快感から逃れようと前のめりに倒れようとしても、胸をしっかりと掴み、それを許さない。

 智明の肉棒は綾香のGスポットを確実に刺激し、綾香の体を確実に陥落させ、支配しつつあった。

 「綾香…今の君の声を…この姿を…人質に見せ付けてやるか?」

 「いや…いやぁ!それはいやっ!」

 綾香の膣内がギュッと収縮する。

 本心では望んでいるために興奮して締め付けるのか、拒絶のため緊張から収縮しているのかは分からない。

 人質にこそ痴態を見せてはいないが会場にいる者たちには綾香の姿は鮮明に生中継されていた。

 しかし、彼女が今それを知ることはなく、また智明自身も知らせることはないだろう。

 現実から逃れるために、快感に逃げ込んだ綾香は、あらゆる責めを歓びを持って受け入れてしまっていた。

 財閥の令嬢として、強い女としての誇りの高さが、支えを失い、陵辱に晒され、一転してマゾヒズムを芽生えさせる。

 今の綾香は、智明の一突きに泣き、汚濁に塗れることに喜び、そして妊娠が確定した子宮に更に熱い精を浴びることを

 熱望する惨めな淫ら妻に成り下がっていた。

 ジュパンジュパンと汁を飛び散らせながら、智明が綾香の腰を抱え、勢い良く長大な肉棒を沈め、引き抜く。

 同時に綾香の乳房を握り潰さんばかりの勢いで揉み、乳首をこね、転がし、摘み上げる。

 「うっ…そろそろイクぞ…受精した子宮に…私たちの子に…また熱い精液を浴びせてやる!」

 智明の肉棒が折れそうな勢いで綾香の膣奥にねじ込まれ、子宮をゴリゴリと突き上げる。

 痛みと快感の混じった感覚に、綾香が背筋を反らし、智明にしなだれかかってしまう。

 智明は射精感を堪え、綾香の膝の裏に手を入れると、大きく開かせた脚をM字に折り曲げた。

 「さあ、最期は彼の目の前でだ!」

 智明はそう言うと、まるで幼児に排尿をさせるかのようなポーズを取らせた綾香を繋がったまま抱え、

 浩之の顔が大写しになった巨大モニターの前まで腰を振りながら歩く。

 浩之側からは、綾香たちの姿は見えないが、カメラはわざと浩之の顔をカメラに向かせていた。

 綾香は強制的に浩之に全てを晒し、結合部すらも晒す形になり、首を振って現実から逃れようとする。

 「さあ、彼の前で子宮に射精されてイクんだ…嫌なら、さっきの話はなかったことにする…」

 「いあやぁぁ!恥ずかしい!みないで!みせないでぇ!あくぅっ!?やぁ!動いちゃ…だめぇ!」

 羞恥心と快感と背徳感の狭間で、綾香の体は異常な反応を示し、智明をギチギチと締め上げた。

 「ククク…愛しい男の前で、憎い男に犯され、そんなに締め付けるとはね…」

 さあ、君が自由を勝ち取りたいというのなら、浩之くんの前でもう一度誓うんだ!

 勝利の誓いと…そして、はしたなくおねだりするんだ!」

 綾香の後腔に人差し指を挿入し、グニグニと弄りながら智明が追い込みをかける。

 「わ、私は…優勝できなければ、智明……様に…私の全てを捧げます…っん…

 あぁ…子宮が疼く…だ…から…私…の中にぃっ…んぅ…せい…せいえき…を…お、お願い…しますっ!

 ひ…ひろゆきぃ…だめぇ…そんな目で見ないでぇ…私…イカされちゃうの…見ないで…見ないでぇ!」

 何故自分が服従の誓いを立てているかも分からないまま、綾香は激しく嬲られ、屈辱的な誓いを立てさせられた。

 同時に快感から逃れることも出来ず、浩之がこちらの様子を知ることが出来ないことに安心し、無様に哀願した。

 浩之に見られているという擬似的なシチュエーションが、綾香の精神を昂ぶらせ、アブノーマルな領域に火をつける。

 はしたない哀願と同時に、綾香の膣内はブルブルと痙攣を始め、智明はその絶頂の引き金とリンクした。

 「さあ、イケ!イクんだ!あの男に見られながら!私の精液を浴びて成す術もなく堕ちるんだぁ!」

 智明が浩之に憎しみの視線を向けながら、綾香の最奥を貫くように更に強く最後の一突きを放った。

 智明によって持ち上げられ、固定された綾香の体がその一撃に震え、同時に綾香の子宮に熱い塊が直撃する。

 「あっ!あぁぁぁ!!!っひぃはぁぁぁ!?」

 愛する男の前で、ついに綾香は派手に絶頂を迎えさせられてしまった。

 射精されるたびに、ビュピッと膣口の隙間から床に、逆流した白濁が撒き散らされる。

 痙攣しながら、吐き出される白濁をすでに受精している子宮で味わい、絶頂の波に弄ばれつづける綾香。

 智明は今まで一番永く射精を続け、やがて一滴残らず綾香に注ぎ込むと、力尽きたように床に崩れ落ちた。

 綾香は智明の拘束から解放され、ドサッと床に落ちると、ピンク色の秘肉から絶頂の極みの象徴とも言える潮を噴いてしまった。

 膣内に貯まった白い粘液が潮と混じり、モニターにまで飛沫を飛ばし、浩之の画像を汚す。

 綾香は熱に浮かされたような、しかし恍惚の表情を浮かべて、ヒクヒクと口を開けた秘口から、ピュルピュルと白濁の残滓を吐き出していた。

 精も尽き果てたように憔悴した智明が、未だに消えない狂気の光を瞳に浮かべたまま、綾香に近づく。

 綾香の体を起こし、体を震わせながら絶頂に飲まれた綾香に口付けをし、そっと抱きしめていた。

 その瞬間にだけは、まるで綾香のことを心の底から純粋に愛しているかのような真実味が感じられた。

 

 

 

 数時間後、綾香は戦場に舞い戻っていた。

 綾香が目を覚ました時、智明の姿はもうなかった。

 ただ、綾香の薬指には、シルバーのリングが呪縛のようにしっかりとはめられていた。

 それがきっと、誓いの証なのだろう。

 それを捨てれば、綾香自身も彼との交換条件を破棄するような気がして、忌々しいながらも薬指にまとわりつかせたままだった。

 綾香の目標はただ一つ。

 『誰を犠牲にしても勝ち残り、優勝すること。』

 そして、忌まわしい胎内の子を何とか処理し、智明の呪縛から逃れ、愛する姉を、そして浩之を助け出すこと…

 綾香は悲壮な覚悟で戦場を歩き始めた。

 そしてVIPルームには、美しき戦場の修羅となった綾香の姿を満足そうに見守る智明と、影のように付き従う秀の姿がある。

 「旦那様、もし彼女が優勝されたら…どうなさるので?」

 「ん?簡単なことだ。今回は約束は守る。しかし、カードはいくらでも用意できるさ…」

 智明は可笑しそうに笑い、悲愴な覚悟で戦場を歩む綾香を見つめていた。

 

 

 


解説

 体調不良などで発表が非常に遅れてしまい、ご迷惑をおかけいたしました。

 まだ体調が万全ではないのですが、お待たせした分、できるだけ早く次を書きたいと思います。

 

 さて、内容ですが…発表が遅れた分、手直しや調整を長々と何度も行ってしまいました。

 (その分、誤字やらミスが山ほどありそうです…)

 当初の1,5倍くらいのボリュームになりましたね。

 クリシュナさんの原案が非常に細かく、また濃度が濃いからこそここまでの量になったのだと思います。

 

 さて、そろそろ「螺旋」以外の作品もそろそろ書かないと…(汗)

 


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