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双辱 第二部 愛玩動物「第五話 ふたりの敵!」
ハーデス/文


 カナ「ゴメンね!マナちゃん!・・・どうしても行かなくっちゃなんないから・・・」

 授業が終わると、カナがマナに両手を合わせて誤っていた・・・

 部活の先輩命令により、ガットやボールの買出しに借り出された為、一緒に帰れなくなってしまったのだ・・・

 カナ「大体、あの坂浦ミナ先輩ってば、ボクの事目の敵にしてるみたいなんだもん・・・」

 言うまでも無く目の敵にしているのだが・・・だが、先輩命令には逆らえない体育会系の部活では仕方が無い・・・

 マナ「そんなに謝んなくても良いわよ・・・大変そうだけど、頑張ってね?」

 滅多に1人で帰ることなど無い二人だったのだが、マナにしてもまさか他のテニス部員の手前、其処までついていく訳には行かない・・・

 そもそも、今日は部長も来ている筈だ・・・

 マナは茶道部室に向かうと、部室では部長とその友人が談笑していた・・・

 部長「あら?マナちゃぁん・・どぉぞお・・・お上がりなさぁい」

 部長が何時もののんびりした調子で声をかけてくる

 茶道部とは言え、その実質は談笑会にも等しい・・・

 ・・・まぁ一般の茶道教室の見栄と虚栄の世界に比べればずっとマシではあるが・・・

 

 マナ「ふぅ・・・遅くなっちゃった・・・早く帰ろ・・・」

 部活と言う名の談笑会が終わり、マナが下駄箱を開けると其処には・・・

 マナ「?・・・これは・・・??」

 

 大事な話がある

 屋上で待っている   

      恭一郎

 

 マナ「?・・・屋上?・・・ふぅ〜ん・・・」

 封筒の中にそう書かれた紙が一枚・・・

 ・・・どう見ても妖しい・・・

 本当に恭一郎ならばこんな呼び出し方はあり得ない・・・と言うより、マナの見る限り筆跡を似せようとはしているが明らかに違っていた・・・

 マナ「?・・・どうゆう事?・・・」

 誰かが・・・恭一郎の名を語って自分を呼び出している・・・

 狙いは・・・自分か・・・或いは恭一郎か・・・

 ひょっとしたら・・・自分たち全員?

 マナ「・・・確かめて見ようかしら?」

 マナとて自分の分は弁えている・・・カナとは違うのだ・・・

 ・・・もし、荒事になれば自分に出来ることはたかが知れている・・・

 ・・・だが・・・マナは・・・カナに憧れに近い感情を持っていた・・・

 ・・・故に1人で向かった・・・それなりの準備をしながらではあるが・・・

 

 マナ「此処ね・・・さて・・・頑張って見よ!」

 念のため、逃げ道は確保したままドアを開くと其処には・・・

 ミナ「ア〜ハハハ!まんまと引っかかったわね!」

 其処には勿論恭一郎の姿など無かった・・・

 ミナ「待っていたわよ!・・一色マナ!」

 1人の女生徒と、見知らぬ・・・否、先日双子に絡んできたならず者が4人!

 マナ「あ、貴女は・・・坂浦ミナ先輩!」

 ミナ「だからフルネームで呼ぶなって言ってるでしょ!!」

 さかうらみな先輩が怒鳴り散らすと周りの男たちが立ち上がった

 悪者1「ケケッ・・食っちまっていいんだろ?この女」

 悪者2「ヘヘッ・・・なかなか美味そうじゃねぇの!」

 悪者3「俺なんか今日の為に一週間もセンズリ我慢してたんだぜぇ・・ケケケケッ!」

 悪者4「・・・それにしても俺ら、まだ悪者ナンバーズかよ・・・」

 最後の台詞が少々気になるが、身の危険を感じたマナは逃げ出す前に聞いておかなければならない事を聞く、

 マナ「先輩?・・・目的は・・・私ですか?・・・カナちゃんですか?・・・それとも・・・神無月先生でしょうか?」

 ミナ「フフフッ・・・全部よ!・・・あんた達のせいでせんせぇにはフられるわ、レギュラーは外されるわ、コケても誰も助けてくれないわ、名前はいい加減だわ・・・」

 マナ「・・・判りました・・・それじゃっ!」

 来る途中、家庭科室で手に入れた漂白剤とカビキラーを容器の中で混ぜ合わせた容器から液体をぶちまけた!

 ミナ「な?!」

 良い子は決して真似してはイケマセン!

 有毒ガスがあたり一面に広がっていくのを尻目にマナは階段を駆け出した!

 悪者1「てめぇ!待ちやがれ!」

 悪者2「お前、そっちから廻れ!」

 有毒ガスが辺りに広がり、咽こみながら追ってくる男たち・・・

 しかし、その数はミナ含めて3人に減っていた・・・

 マナ「ハァ・・ハァ・・・ハァ・・・ひ、日ごろの・・運動不足が・・恨めしいわ・・・」

 ハッキリ言って屋外では大して効果は無いだろう・・・そもそも、自分の足ではとても逃げ切れない!

 悪者1「居たぞ!こっちだ!」

 階段を追ってくる男!・・・このままでは追いつかれてしまう!

 階段から廊下に飛び出し、最も手近な教室・・・美術室に飛び込んだ!

 ・・・それは・・・隠れる為ではない!

 ・・・隠れてしまっては・・・カナには決してなれないのだから・・・

 マナ「ハァ・・・ハッ・・ハッ・・・こ、これだから・・・アクションは・・・き、嫌い・・なのよぉ・・・」

 早くも弱音を吐きながら、画材倉庫に向かったカナは道具箱をひっくり返して目当てのものを探し出した・・・

 マナ「・・・えぇ〜と・・・」

 来る途中、予め入り口付近に窓から外したカーテンを敷き詰めておいた・・・そのカーテンを踏まないように気をつけながら部屋に入る・・・

 マナ「・・・あとは・・・」

 部屋の隅に置かれた消火器のピンを抜き、携帯電話を操作いていく・・・・・・

 

 悪者1「みぃ〜つけた!」

 悪者2「ヘヘヘッゲームオーバーだね?」

 マナ「ヒッ?!いやぁぁ・・・こ、こない・・・でぇ・・・」

 部屋の隅で縮こまって震えているマナに二人がにじり寄ってくる・・・

 ミナ「ふんっ・・・やっちゃいな!」

 ・・・が、その時!

 悪者1「?・・・なんか・・・焦げ臭くねぇか?」

 悪者2「・・・っていうか・・・あっちぃぃ!!」

 ミナ「キャァァッ!・・・も、燃えてるぅ?!」

 床のカーテンが煙を出し始めた!

 大量のシッカティーフを染み込ませたカーテンを何重にも重ねて更に赤色の油彩絵の具を一面に塗りたくっておいたのだ!

 油彩絵の具の中に入っている乾性油は乾燥する時に酸化して熱を放つ!

 シッカティーフを加えることにより乾燥は促進され、急激な酸化に伴い、その温度は一気に200度まで上昇する!

 しかも、只でさえ乾燥の早い赤色形の絵の具に大量のシッカティーフを混ぜ合わせたのだ!

 悪者1「?・・・なんか・・・焦げ臭くねぇか?」

 悪者2「・・・っていうか・・・あっちぃぃ!!」

 ミナ「キャァァッ!・・・も、燃えてるぅ?!」

 突如、カーテンが自然発火し、慌てふためく3人に向け、消火剤を撒き散らしながらドアに駆け出したマナが真っ白な部屋から飛び出し、一目散に下の階に駆け下りていく、

 マナ「・・・ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・ク、クルシィ〜・・・」

 先ほどから眩暈まで覚えていると言うのに、マナは走り続けた・・・

 ・・・その速度は、歩いても余り変わらないと言う程度だが・・・

 ・・・とにかく、後は逃げるだけだ!

 ・・・この時間でもまだ職員室に行けば誰か居るはずだ!

 ・・・しかし・・・マナの反撃も此処までだった・・・

 マナ「ヒィッ?!」

 突然屋上で伸びていたはずの2人の内の1人が現れ、マナに何かを投げつけた!

 悪者4「残念だったな・・・・」

 ・・それは・・・蛇・・・毒も何も無い・・・只の蛇・・・

 ・・・しかし、それだけでマナの躯は硬直し、指一本たりとも動かせなくなってしまった・・・

 ジリジリと蛇がにじり寄ってきただけでペタンッと尻餅をつくと其処には・・・

 ミナ「ホラッ・・・・コッチもよ!」

 何時の間にか追いついた心身ともボロボロの3人がやはり蛇を投げつけた!

 頭が恐怖で働かない!

 ・・こうなってしまうとマナは全く戦えなくなってしまうのだ!

 マナ「ィ・・・ィ・・・イャァ・・・こ、こない・・・でぇ・・・」

 今までと違い、演技でもなんでもなく・・・只、単純に恐怖を覚えた・・・

 四方を蛇に囲まれ、身動きの出来なくなったマナの後ろから近づいた男が当て身を食らわすのは造作も無いことだった・・・

 

 

 カナ「遅っっい!!遅すぎるよ!」

 恭一郎「少し待ってろ・・・あ、私、神無月と申しますが・・・えぇ、お世話になります・・・はい、実は一色マナさんは其方にお邪魔しているでしょうか?・・・いえいえ、何でもないんです・・はい、失礼しました・・・」

 電話を置いた恭一郎が一つため息を漏らした・・・

 ・・・これで心当たりのある家、全てに連絡した・・・しかし、何処にもマナは居ない・・・

 ・・・只、茶道部の部長だけが、

 部長「あれぇ〜・・・もう帰ったはずなんですけどねぇ・・・お家の方に連絡して見ては如何ですぅ〜」

 ・・・此処がそうだ・・・等とは言えるわけも無かった・・・

 カナ「ど〜しよ?ど〜しよ?ねぇ?ど、どうしたらいいのぉ?」

 見るも無残に慌てふためいている・・・一体、何をどうしたら良いのか判らないと言った状況だ・・・

 恭一郎「とりあえず・・学校にいってみよう・・・」

 車を急発進させながら、慌てふためくカナを落ち着かせる・・・

 恭一郎「・・・ひょっとしたらレナを頼ることになるかも知れんな・・・」

 思い過ごしであればいいのだが・・・

 

 マナ「・・・・ぅ・・・ぅぅん・・・・」

 悪者1「おっ?・・・そろそろ気がつきそぉだぜ」

 悪者2「あててて・・・コイツはたっぷりお仕置きしてやんねぇとな!」

 悪者3「あぁ〜・・・まだ頭いてぇよ・・・」

 悪者4「おまえらなぁ・・・ちったぁ頭使えよな・・・何処に逃げ込みそうなものか大体検討がつくだろうが?」

 ミナ「起きなさい!一色マナ!・・随分梃子摺らせてくれたじゃない!」

 マナ「・・・・・・・」

 目覚めたマナは寝た振りを続けながら頭を動かした・・・

 捕まってしまった・・・先ず、状況確認をする・・・

 周りには男が4人・・・さかうらみな先輩1人・・・

 腕は後ろに縛られていた・・・少々キツイ・・・これでは鬱血するのは時間の問題だ・・・

 躯に怪我は無い・・・薄く目を開けると・・・見知らぬ天井・・・学校ではない・・・

 ・・・恐らく何処かのアパートだろう・・・

 ミナ「起きなさい!」

 胸倉を掴んだミナに軽く平手で叩かれるとそろそろ寝た振りも無理になってしまったマナがゆっくり目を開いた・・・

 ミナ「フフフッ・・・蛇が苦手って言うのは本当だったみたいね?・・・どう?感想は?」

 マナ「最悪です・・・」

 悪者1「んなこたぁいいから、さっさとヤらせろよ!」

 悪者2「誰からやる?ジャンケンか?」

 悪者3「一緒にヤっちまおうぜ!ケケケッ」

 悪者4「「んじゃ、俺、前な!」

 マナ「・・・・・・」

 状況は・・最悪だ・・・

 マナにもこの状況を打開する策が思いつかない・・・

 ポケットのライターは愚か、携帯すら取り上げられてしまっていた・・・

 ミナ「そうね・・・やっちゃって頂戴!」

 

 用務員「あぁ、神無月先生!大変なんですよ!」

 学校に着いた恭一郎に用務員のおじさんが駆け寄ってきた、

 恭一郎「如何しました?何かあったんですか?」

 用務員「いえね・・・美術室で火事があったみたいなんですよ・・・そこらじゅう煤だらけで・・」

 用務員に連れられて美術室に向かうと其処には・・・

 カナ「あれぇ?・・・水浸しだ・・・」

 用務員「えぇ・・・誰かが火事をおこして消したんじゃないかと・・・放火でしょうか?・・・警察を今、呼ぼうとしていたんですが・・・」

 恭一郎「いや・・・コイツは・・・警察は呼ばなくていい・・」

 部屋の隅に転がっていた油彩絵の具とシッカティーフ・・・幾重にも重ねて発火しやすくさせたカーテンの燃えカス・・・

 用務員「し、しかし、学園長に何と言えば・・・」

 恭一郎「俺が全責任を取る!そう言っていたと伝えろ・・・」

 ・・・どう見てもマナの仕業だ・・・それも、誰かと争った形跡がある・・・

 その時、カナの携帯が鳴り響いた!

 カナ「マナちゃん?!」

 携帯を開くと、其処にはマナからのグリーティング(時刻設定メール)が届いていた!

 

 ・・・これをカナちゃんが見ているなら、私は坂浦先輩に捕まっちゃいました、ゴメンね・・・こないだのゲームセンターでの男の人も一緒に居ます・・・ご主人様・・・勝手な事をして済みません・・・坂浦先輩の狙いは私達全員みたいです・・・気をつけて

 

 カナ「ご、ご、ご、ごしゅじんさ、さ、さ、さ」

 恭一郎「見せて見ろ」

 一通り読み終えた恭一郎が携帯を取り出し、レナに連絡した!

 恭一郎「レナか?・・・マナを探して貰いたい・・・・・・このあたりでたむろって居る四人組みの溜まり場を当って欲しい・・・あぁ・・総当りでだ・・・」

 レナの店のバックには関東圏有数の組・・・江藤組がついている・・・レナの店のバックマージは江藤組最大の収入源だ・・・そのうえ其処の組長自身、レナに相当入れ込んでいる・・・

 レナの号令一つで数百人の組員が動かせる・・・当然、組に借りを作ることになるだろうが・・・今はレナを頼るしかない・・・

 カナ「・・・ごしゅじんさまぁ・・・マナちゃ・・」

 今にも泣きそうな顔でカナがすがり付いてくると用務員の怪訝な目も憚らずに抱き寄せる

 恭一郎「安心しろ・・・マナは必ず取り返す・・・必ずな・・・」

 

 

 


解説

 ハーデス「いやぁ!中途半端ですねぇ!あはははは!」

 エナ「・・・で?こんな実用性の無い話を投稿してどうするんです?」

 ハーデス「はい・・・エロがないですねぇ・・・ま、次回はエロ在りなのでぇ〜・・・でわでわぁ!」

 


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