響 良牙、藤尾、可奈子らは銀行強盗と殺人を犯した凶悪犯で
中でも良牙は前科百般の凶悪犯。
アメリカ国内で指名手配されている日本人だ。
その良牙は、今サンフランシスコの港の近くにあるレストランにいる。
「さあ、今からどうするんだ? 良牙?」
仲間の一人の藤尾が話しかけた。
「ヤバイぜ、良牙。」
FBIや警察が必死に良牙達を追い詰めていく極限常態まで達している。
そんな中で、良牙達はサンフランシスコに何とか逃げ延びたのだが
捕まるのも時間の問題になっていた。
良牙は、グラスを持ち僅かに残ったウイスキー一滴を口の中に入れた。
「すまん、今のところ何も思いつかん。」
良牙は、顔を下にうつむかせ謝った。
「取るもの取らなきゃいい考えが浮かばないでしょ。」
二人が悩んでいる所に、可奈子が朝食を持ってきた。
良牙が、可奈子が持ってきたシーザーサラダを勢いよく口にしていたが突如
良牙の食欲が止まった。
「!」
良牙は、なぜか勢いよく立ちあがり窓の方に向かった。
ちょうどこのレストランは二階建てでとくに二階は非常に見通しがよく
豪華客船や貨物船の出入りが確認ができる。
良牙の目に飛び込んだのはあのタイタニックにも劣らない迫力のある
豪華客船だった。
良牙は、食事をしている藤尾、可奈子をわざわざ呼びつけた。
「豪華客船なんかどうだ?」
「なぜ何ですか?」
可奈子は、パンを食べながら豪華客船を望む。
「あれが他国行きの船だったら逃げ出せれるぜ。」
「ふ〜ん、そうか・・・。」
藤尾は、細目で良牙の顔を見ながら言った。
「でも、チケットは?」
このの質問に矢をい抜かれたように答えられない良牙。
「ちゃんと、考えながら物を言えよ。」
藤尾は、席に戻り料理を口にする。
「どうだ?このタイタニックに劣らぬ豪華客船のチケットを手に入れたんだぜ。」
友達連れの客1、2、3の会話にいち早く反応したのは良牙だった。
そして勢いよく会話に入り込んだ。
「すまんが、このチケットを譲ってくれないか?」
良牙の質問に戸惑いを隠せない客1だが
「いきなりなぁ。」
「よし、取引きをしよう。」
良牙は、バッグから500ドルを持ってきた。
「もちろん、タダとは言わないがな。」
開いた口が塞がらない客1。
しかし、客2と客3は喜んで承諾した。
「はっきり言って俺達は豪華客船で遊ぶより金をもらえる方がうれしくてね。」
良牙の手元にチケットが渡った。
「取引き成立だな。」
そして、良牙は自慢げに藤尾達にチケットを見せた。
「これで、旅が楽しめるぞ。」
「ふっ、やるな良牙。」
藤尾は、最後のデザートを口に入れる。
「そうなったら早く乗り込もうぜ。」
可奈子は、会計を済ませるために売店に向かい良牙と藤尾は荷物をまとめた。
そして、四人はレストランを出て豪華客船に向かう。
しかし・・・。
「おい、藤尾どこだ!?」
良牙は、藤尾達と向かっている方向に行こうとした。
「こっちだ!! 良牙!!」
良牙の方向オンチは相変わらずである。
良牙は、仲間に連れられながら何とか人ごみをかいくぐりながら
たどり着けたのである。
チャプター2 出航前
高級なブランドの服にブランドのネクタイを付けた女性はどこか寂しげで乗船していた。
女性の名は、天道あかね。
二十歳の時に、乱馬と共に開いていた道場を離れはるばるLA警察署に自ら配属を志願し合格した。
もうその年から四年もなるが課題だった英語も克服しいくつもの難事件を自慢の格闘で解決し
いつのまにか署内でも人気が出ていた。
しかし、あかねが絡むと必ずといっていいほどLAの町は被害が大きくなるという逸話も併せ持つ。
そのせいかあかねは先日署長からチケットを渡された。
「ちょっと、遊んで来い。」
と言われたあかねは、断りもできずチケットを受け取った。
しかし、あかねは内心自分の存在が邪魔で豪華客船に追いやられたと思っていた。
こんなところにいるよりも、凶悪犯と一戦交えるほうがあかねにとっては一年の給料をもらうより幸せなのだ。
「乱馬とだったらおもしろかっただろうな。」
その後あかねは、直接客室には行かずに荷物を手に持ったままメインデッキに向かい
はるかなる海が広がる景色に向かって笑顔を見せていた。
照りつける太陽に二人の若いカップルは乗船しようとしていた。
しかし、楽しいバカンスを過ごすハズが彼女はいまいち気分がすぐれない。
彼女の名は成瀬川なる。
必死に彼女をなだめようとしている彼の名は浦島 景太郎。
なるは、歯軋りをしている。
つまり、理由はと言うと・・・。
「ダーリン。」
「なんだい? ハニー。」
抱き合っているアベックがいた。
このアベックのせいで列が詰まっており、なかなか乗客達は乗船できなかったのである。
まだ込み始めてから10分もたってないが特になるはこういう行為が気に入らなかったらしい。
「(なにやってんのかしら!! 人の気も知らないでいちゃついて!!)」
さらにアベックは人の迷惑を顧みずキスを始めた。
堪忍袋の尾が切れたのかなるはキスの最中にもかかわらず
男の方の襟首を掴んだ。
「あんた達ねえ、時と場所を考えなさいよ!!」
ロングヘアーの女性の迫力さに思わず生唾を飲み込んだ男。
「私のダーリンに何てことするのよ!!」
アベックの女性が止めに入った。
そして、切符の交換をしている船員もタイミングを見計って
「すみませんが、名前とサインをお願いします。」
船員は、アベックに名前とサインを書かせた。
そして、書き終わった後、船員が
「青山 佑介様とバーバラ クピスティ様ようこそフェラティオ号へ。
ロマンとエロスあふれる船旅をお楽しみ下さい。」
世に言うアベックは、船員に言われるがままに付いて行った。
「せっかくのバカンスなんだ。もっと、楽しもうぜ。」
景太郎は、直筆で名簿に両者の名前を書くとなるの手を引っ張りながら船内へと消えていった。
この出来事より前・・・。
良牙は、双眼鏡でサンフランシスコの町並みを見下ろしていた。
可奈子と藤尾は祝宴を挙げるように喜んでいた。
「この船は最終的にメキシコに行くらしいな。
まあ、太平洋のハワイの近くまで行きそこから迂回してメキシコに行くという航路を取る方法だろう。」
藤尾は、パンフレットを見ながら良牙に言った。
「良牙さん、何を心配しているんですか?」
可奈子は、心配そうにしている良牙に話しかけた。
「追っ手が来ないかなってな。」
「大丈夫でしょう。」
「だと、いいんだがな。」
良牙は時計を見た。
「あと、五分だ。」
チャプター3 ちょっとした時間
フェラティオ号は、船体のスクリューをゆっくりと回し始めた。
そして、巨体がゆっくりと動き始めた。
客室にいた佑介とバーバラにも感じ取れていた。
「出航の合図なんて気にしている余裕なんてあんのかよ。」
「そうね。」
佑介の舌は、迷い無しにバーバラの太ももを伝っていった。
そして、唾液が舌を伝った後に現れた。
今度は、背中を伝っていく。
佑介は、心中自分を止める事が出来なかった。
「バーバラ−!!」
佑介は、雄叫びを上げると一気にバーバラの乳首に吸いついた。
「すごい!吸いこまれちゃうー!」
バーバラは、この摩訶不思議に大いに感動している。
「もっと、お願い!」
「まだまだ。」
「あ・・はぁ・・・。」
佑介の男根の代わりに挿入された舌は、ま○こに直撃した。
「あう!!」
「もっと、奥へ挿入【いれ】てやる。」
舌は、彼女の神経を奪っていき彼女を快楽の世界へいざなう。
「そろそろ、お前の為にも挿入【いれ】てやる。」
「お願い。」
スパン!スパン!スパン!
「はぁ!はぁはぁ!はぁぁ!」
バーバラの身体は、佑介の身体の下で震え佑介もバーバラの動きに合わせて腰を動かす。
「おら!おら!おら!おら!おらぁ!」
しだいに愛液で染まっていくベット。
しだいに愚かな瞳になりつつあるバーバラ。
「すごい!壊れちゃうわ!」
ついに、彼女は顔を赤くしていった。
「あっ、ダメイクイクイク イっクー!!」
「オラオラオラ!」
彼女はSEN
チャプター4 招待状パーティー
「失礼します。」
ショウの部下であるジャック・スターレットは、プールでのんびりとしているショウに話しかけた。
「響か?」
「そうでございます。」
ショウはサングラスを外した。
「いいか、ヤツの顔を覚えておくんだ。
ヤツが俺のシマを暴れたらかなわんからな。」
ショウは立ち上がってジャックからタオルを受け取った。
「あいつとは知り合い話をしたい。
俺にふさわしいとりひきあいてかどうかな・・・。」
「あい、わかりました。」
“6時30分、夕食パーティーに無料で招待します。
正装、場所は大食堂にて。”
良牙は、可奈子、藤尾と共にデッキのベンチで腰を下ろしていた。
あれから、出航してから7時間立つ。
時計の針は4時を刺している。
「誰でしょうか?」
可奈子は、不思議そうに手紙を見つめている。
「誰かが、天下の良牙様をはめようとしているのか。」
深く考えている良牙に手を軽く叩いた。
「こんな時は、遠慮は無用だぜ。」
良牙は、勢いよく立ち上がった。
「そうだな、今日は飲みまくろうぜ!」
可奈子は、はしゃぎ回っている二人とは反対に冷静沈着であった。
「ちょっと、トイレ。」
可奈子は小走りでトイレに向かう。
ドン!
衝撃音と共に二人はしりもちをついた。
「すっ、すみません!」
可奈子は、急いで謝った。
「すみませんでした!」
二人は、お互い深く見つめ合っていた。
「お・・お兄ちゃん?!」
可奈子の口から信じられない言葉が出た。
「か!カナコか!?」
景太郎は、逃げようとしたが腰の力が抜けて思うように逃げられなかった。
「お兄ちゃん、なぜここに?」
可奈子は、景太郎を深く抱きしめた。
次第に景太郎の顔は赤面と化し今は、ろくに話せない状態である。
「い・・や、なる・・と一緒に新・婚・・旅行を。カナコの方は?」
「いえ・・・その・・友達と旅行を・・。」
可奈子は、ふと考えた。
そうだ・・・!いい事思いついた!
「お兄ちゃん、今夜パーティーがあるの。どう?」
「え、俺もなるとパーティーに行くんだけど。」
「なら、七時にお兄ちゃんの客室に行くわ。」
「それなら俺達の客室は750号だよ。」
可奈子は、景太郎とギゴこちないような会話をした後足速にその場を去った。
可奈子が去った後呆然と立っている景太郎。
「こんなトコに、カナコがいるなんて・・・。
何かが起こりそうな予感がする・・。」
チャプター5 景太郎強奪作戦!
「何だ可奈子? 俺に用事って?」
良牙は、タキシードに着替え終わっていた。
「ある人をさらってほしいんですが。」
可奈子も、色香を漂わせているドレスに身を包んでいる。
「今回は一大組織のおやっさんと大事な大事な取引があるんだぜ。
ちょっと、今回のレディーの願い事はかなえられそうにないな。」
「そうなんですか・・。」
可奈子は、ガックリとした表情になる。
その光景を見た良牙は可奈子に
「可奈子、もう一人に相談したらいいじゃねえか。」
可奈子はとっさにある人物を見つめた。
「この藤尾様がレディーの願い事かなえてやろうか?」
藤尾は、得意げそうな顔をしている。
「誰を、さらって欲しいんだ?」
藤尾は、そういうと可奈子はカバンの中からなるの写真を取り出した。
「こいつをさらえばいいんだな。」
可奈子は頷いた。
「さらった後、どうしておく?」
藤尾の眼光が光った。
「あなたのチンポ奴隷にでも。」
可奈子は不気味な笑みを浮かばせていた。
ヤッタ!
私の計画は完璧だわ・・・!
可奈子にしてみれば自分の兄を取られた事は地獄へ突き落とされた事と同じ事で
辛い過去を忘れる為に良牙達のグループに入り犯罪にてを染めていった。
いわば、可奈子にしてみれば良牙と藤尾は親代わりなのである。
だが、もうこの生活もおしまいだ。
なるを抹殺し、お兄ちゃんを自分のものにしてやる・・。
それに、絶対嫌でも私とお兄ちゃんを結ばせる方法があるんだから・・・。
可奈子の野望が心の中で渦巻いていた。
「ちなみに、おまえら。
怪しいヤツには気をつけろ。」
良牙は、二人に銃を渡した。
「俺達の跡を刑事がつけてるかもしれん。」
そして、人それぞれの行動が始まったのだった。
チャプター6 行動開始!
可奈子は、景太郎の客室の前にいた。
「おまたせ。」
しばらくたってパーティーの衣装に身を包んだ景太郎となるが出てきた。
「あら、カナちゃん偶然ね。」
「なるさんこそ。」
可奈子となるは視線をお互いの顔に向けた後、景太郎の手を握った。
「あの、ちょっと?」
景太郎は、顔を赤くしながら二人に声を掛けたが二人に景太郎の声は聞こえていない。
「さあ、いきましょう。」
景太郎は、二人に引っ張られて夕食パーティーの舞台である大食堂を目指す事になった。
豪華客船ブライアン号は巨大を誇る船体に400の船室を完備。
プール、映画館、バー、など娯楽施設も充実している。
景太郎達が行く大食堂は四百人収容できるスペースを兼ね備えた場所になっており世界から来る大富豪も数知れない。
景太郎達が大食堂についた時になるはふっとある事に気がついた。
「あ、忘れ物しちゃった。」
景太郎に買ってもらった高級そうなブランド物のかばんの中をなるは必死に探したがままならず
「ちょっと部屋まで取りに帰るわ。」
景太郎は、時計を見ながら
「なる、早くしろよ。」
「ええ、席で座ってて。」
なるは、小走りでその場を後にした。
「お兄ちゃん。
友達が先に席取ってくれてるの、行きましょう。」
良牙達が座っているテーブルから離れた所。
「座ろうぜ、あかね。」
タキシードに着替えたロビンはあかねと共に席についた。
「おもしろい事件はないものかしら。」
あかねは、ワインを店員から注いでもらうとそれを飲み干しため息をついた。
「おやおや、逮捕の事しか考えてないのか?」
ディナーを食べながら、あかねは話しを続けた。
「どこいったんだろう、凶悪3人組。」
「犯人の中のリーダーはわかるんだがな。」
「良牙でしょ?」
あかねは、良牙の事を慕っていたが今は追う追われるの関係になっている。
「こう見えても、好きだったんだけどね。」
有名なピアニストが弾く曲がパーティーの雰囲気を別世界にしている中、可奈子は席を見つけた。
「おい、こっちだ。」
良牙が笑顔で手招きして可奈子達を迎える。
「おっ、可奈子の友達かい?」
景太郎は、可奈子に行った。
「ええ、紹介しておくわ。響 良牙さんよ。」
良牙は、軽く礼をした。
「響 良牙です。」
良牙は、テーブルに座っているショーとジャックを紹介した。
「可奈子の兄の景太郎です。」
「座りましょう、お兄ちゃん。」
可奈子は良牙のすぐ隣の席に座った後良牙の耳元に小声で話した。
「(良牙さん、例の計画は?)」
「(藤尾がなるを尾行している。
あと、ショーさんも協力してくれている。
彼女が一人だったら今がチャンスだな。)」
その頃なるは、景太郎の客室に戻っていた。
「やだわ、お金忘れてくるなんて。」
なるは、財布を見つけ客室を出ようとした時
魔の手は、なるに襲いかかろうとした・・・。