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プレゼント 第ニ話 契約破棄とその代償(後編)
夜行性/文


  「……これで何とかなるわよね」

  夕方の代々森中央公園の片隅で瑞希が腰まで届く長い髪をまとめながら呟いている。

  いつもは頭の横にまとめている髪をふわりと背中全体に下ろして軽く首を降って落ち着かせる。

  「でも……これはどうしようもないか……」

  七月の初めの陽気は、昼間に出歩けば汗ばむほどだが、夕方になれば木陰を渡る風が少し涼しく肌を撫でていく。

  瑞希の不安を増しているのはその風の感触だった。

  今の瑞希の姿を見る者がいれば、自分の目を疑っただろう。

  公園の片隅にある植え込みの影で座り込んでいる瑞希の格好は、全裸の上にオーバーオールのみと言う、これ以上ないほどに煽情的な姿だった。

  それもサスペンダーの部分は一番ゆるく調整されたまま糸で堅く縫い留められ、胸当ての部分がもう少しのところで危なげに乳首を隠し、横から覗けばそのFカップの巨乳に押し上げられた胸当てのせいで胸の下は向こう側が見えるほど隙間が空き、滑らかな腹部も晒されている。

  後ろに回った者は更に驚くだろう。

  腰から上はサスペンダーのみのデザインになっているため、背中は全てさらけ出し、縊れたウェストとヒップに掛けてのS時のラインもはっきりとアピールし、ずり落ちそうにも見えるヒップの部分ではもう少し下がればその皮を剥いた桃のように滑らかなラインを見せる尻肉も出てきそうに危うい均衡を保っている。

  だいぶ薄暗くなってきた公園から瑞希のマンションまでの間に人通りの多い所はあまりないが、それでも誰一人見つからずに歩くというのは不可能だ。

  試行錯誤した結果、髪を下ろして何とか後ろからの視線だけは隠そうとするのだがそれも気休め以上の効果はないらしい。

  「……行くしか……ないわよね……」

  夜になるとこの公園には多数のカップルや、それを目当てにした性質[たち]の悪い輩が集まると言う話はあまりにも有名で、そんな奴らの目に今の姿を見つけられれば言い訳が出来ないどころか最悪の結果になる事は火を見るよりも明らかだ。

  「よし!」

  一つ気合を入れて瑞希が公園の小道に出る。

  植え込みに遮られていたのでわからなかったが、意外と風が吹いている、後ろに下ろした髪がなびいて剥き出しの背中をくすぐる感触が嫌でも自分の姿を再認識させて瑞希の肌が粟立っていく。

  「大丈夫、大丈夫、最近の服にはもっときわどい服だってあるんだから」

  羞恥心を誤魔化す為に呪文のように呟きながら首から下を撫でていく風の感触を意識の外に追い出そうとしているが、その努力を無にするかのように横から吹き込んだ一陣の風が腹部の隙間から入り込み股間の茂みをなびかせて通り過ぎていく。

  「きゃぁ!……もうやだぁ」

  今まで感じる事のなかった太腿の付け根から這い上がってくる痺れのような感覚が瑞希の心を蝕んでいく。

  「……何?これ……こんなんじゃ私……変態みたいじゃない……」

  それでも歩けば噴水の見える場所に出てしまう、改めて羞恥心が胃の辺りにたまってくる。

  (大丈夫……大丈夫……隠そうとすれば余計変に思われるわよ、瑞希っ)

  自分をごまかしながら、見える肌の全てを桜色に染めた瑞希が背筋を伸ばして歩いていく。

  「あっ……やだぁ……擦れてる」

  歩く度に押さえる物がない瑞希の双乳が縦横に揺れ、デニムの生地に両乳首を擦りつけられていき、だんだんと硬く尖ってくる。

  胸を押さえると揺れはおさまるが、その代わりに胸当ての脇から押さえられた乳肉が柔らかく形を変えながらはみ出し、歩く度に乳首だけではなく大きな乳房のほとんどを揉みたてていく。

  それに胸当てが引き上げられ、こちらも剥き出しになっている秘所と尻肉の割れ目にオーバーオールの股布が食い込み、一歩踏み出すごとに右に左にと秘唇をめくり上げ、アヌスをくすぐり、クリトリスを剥き出しにしようと攻め立てる。

  「くっ……フゥ……ダメ…どうしよう……」

  間違いなく快楽を与えるための道具と化しているオーバーオールが瑞希の心を削り取り、代わりに快感を吹き込んでいく。

  知らないうちに俯いていると、下ろした髪が劇場の幕のように左右に分かれ、サスペンダーだけが交差する剥き出しの背中が現れる。

  つまり瑞希は肌の露出を出来るだけ少なくするためには顔を上げ、後ろ髪を背中に留めていなければならないという事だった。

  公園の出口までは誰にも会う事も無くたどり着けた、ただの偶然だが瑞希にとっては奇跡にも思える時間だ。

  「これから・……よね……」

  どんなにシミュレートしても人通りがゼロの道などは無い。

  公園からマンションまでには駅前通りが横たわっているのだから、

  それでも何とか人の通りの少ない道を思い出しながら歩を進める。

  公園から一つ目の通りには路地を使ったので見咎められる事も無かったが、これからはそうはいかない。

  それでも街中をほとんど裸の格好で歩く非現実的な状況が瑞希の精神と身体に確実な変化を与えている。

  人がすれ違うだけの広さしかない路地の向こうでは車と人の通り過ぎる音が絶えず聞こえてくる。

  「落ち着きなさい、瑞希!……大丈夫、誰も私なんか見てないわ」

  何度自分に言い聞かせただろう、それでも自分の意思で人前に肌を晒さなければならない現実に瑞希の足は震え、身体中に火が点いたように熱くなり汗が噴き出してくる。

  『瑞希さん、その千堂先生を誘惑してる大きい胸を見せてくださいよぉ』

  ふと思い出す公園での一言に耳まで真っ赤にしながら首を振り記憶から追い出そうとする。

  (誰にも見せないんだから、これは和樹のための物なんだから……和樹だけの……私の……胸……)

  瑞希自身は気が付いていなかったが、この時、胸当てを押し上げている双乳の先で乳首は張り詰め、股間の秘唇の奥から少しづつ蜜が溢れ出してきていた。

  荒い息を深呼吸と錯覚している瑞希は、駅前に通じている大通りに一歩を踏み出した。

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  その少女が通りに現れた時、視線を向けない者はいなかった。

  真っ直ぐ前を向き、背筋を伸ばして早足で歩く様は颯爽とした印象を与えるはずだが、その他の要素が全てを否定していた。

  少女の衣服はオーバーオールしか見えず、なだらかな肩も、脇腹と胸の膨らみも全てが桜色に染まり、歩く度に揺れる胸は、波うちながら胸当ての内側で柔らかく形を変え、乳首は見えはしなかったが乳輪がはみ出しかけている。

 ロングヘアーが時折横に流れて剥き出しの背中と腰のラインを見せていた。

  すれ違い、追い抜いていく通行人のほとんどが、おぼつかない足取りで人前を歩く少女に無遠慮な好奇の視線を突き刺していく。

  「何かの撮影か?」

  「恥ずかしくないのかしら」

  「結構可愛いじゃん」

  「このあたりの娘か?」

  「ばーか、ここらに住んでるならあんな格好出来る訳無いだろ。きっと何処かに撮影の奴がいるに決まってるさ」

  瑞希は聞こえてくる声を無視して早足に通り過ぎていく。

  本当は走り出したいのだが、歩くだけでこれだけ揺れている胸がどうなってしまうのか?

  (見えちゃう、絶対に見えちゃうよぉ)

  胸を押さえれば股間を擦り上げられるのは体験済みで、その事を考えると瑞希の下半身も火が点いたように熱くなって汗も噴出してくる。

  (早く……早く帰らなきゃ……もうダメ!おかしくなっちゃう!)

  気持ちが焦っても身体は言う事を聞かず、フラフラとした歩き方に上気した頬と揺れる胸を晒しながら歩く自分を、何処か遠い事のように眺める視点を置く事で理性を保とうとしていた。

  何かのイベントだと思われているのだろう、瑞希に声を掛けたり手を出してくる人は誰一人いなかったが、絶えず視線に晒された瑞希には多数の手に身体を弄りまわされて行く感触として意識し始めていく。

  次の路地まで後十数メートルという所で遂に均衡が破られた。

  「ねえねえ、ちょっといいかなぁ」

  「……えっ?」

  さっきまで通りの隅で携帯を片手に誰かと話していた男が瑞希に声を掛けてくる。

  日焼けした肌に癖の強い髪を茶色に染めてダークグリーンのランニングにストーンウォッシュのジーンズを履いた軽薄そうな男だ。

  本来の意味など欠片も知らないだろう、軍人が使うドッグタグ(認識用のペンダント)をこれ見よがしにぶら下げているところが胡散臭さを余計に際立たせていた。

  「今ちょっと待ち合わせの約束をしたんだけど、この辺りって初めてだからちっとも判んなくってさぁ」

  その視線が瑞希の顔より下に向かっているのに気が付くと反射的に両手で胸を覆うように隠すが、結局、それが致命的な隙を作ることになってしまった。

  「んっ…ハァ」

  腕の下で胸当ての生地に乳首を擦られる快感と股間に食い込むジーンズの刺激に身動きが出来なくなった瑞希に畳み掛けるように、その男がなれなれしい口調で話し掛けてくる。

  「それでちょーっとその店に案内して欲しいかなーって訳なんだけど…ダメ?」

  「嫌よ……私急いでる…んっ…だから」

  無遠慮な視線と今にも触りに来そうな手から逃げるように歩き出すが、クリトリスを擦り上げられないように静かに歩かなければならないため、すぐに男に追い付かれ声を掛け続けられる。

  「いいじゃん、どうせ何かの撮影だろ、こんなアクシデントがあった方が面白がるって……インディーズのビデオでいくつか見た事があるんだ」

  「そんなんじゃないわ。とにかく急いでるんだからそこをどいてよ!」

  無視を決め込もうとそっぽを向いたまま歩き続ける瑞希の耳に、再び周りの声が聞こえてくる。

  「……やっぱり何かの撮影か」

  「それでも度胸あるよな、まだ通行人多いぞ」

  「馬鹿だなぁ、だからだろ…こんな格好で歩き回れる奴なんてギャラでもなきゃやれねえだろうが、んじゃなかったら本気で変態だ」

  「まじで変態だったらどうする?ヤらせてくれるんじゃねえか」

  何か勘違いをしているらしいこの男がつきまとう事で余計に耳目を集めている事に気付いた瑞希の身体は更に羞恥に身悶えてくる。

  「……あっ」

  遂に秘唇から溢れ出した蜜が歩く度に瑞希の太腿をぬるりと滑らせる、もう少しで股布に染み出してくるかもしれない。

  (ダメよ!このままじゃ…早く逃げないと……私……おかしくなる)

  「んでさぁ『亜美』って名前の喫茶店なんだけど案内してくれないかな?」

  瑞希の前に回り込むように歩きながら話し掛けてくる男は大胆になってくる。

  腕で押さえられたために両脇から寄せられ、胸当てでは収めきれずに上に溢れ出しそうに膨らんでいる乳肉を食い入るように見つめながら調子のいい台詞を並べていく。

  「だいじょーぶ、待ち合わせの相手は俺の彼女だし、そこまで行ったら俺だって嫌われっちまうよ」

  「彼女がいるんならさっさと行きなさいよ…ンッ……クッ…ついでにその娘に同じ格好をしてもらったら?」

  胸当てに潰されながらこねられてグミキャンディーのような感触を主張している乳首と、時折包皮をめくりながら擦られて背筋に快楽の痺れを走らせて行くクリトリスの刺激をどうにか絶えながら瑞希も反論するが、気にもせずに両手を合わせながら頭を下げてきた。

  「だから近くまででいいって……お願い」

  「しつこいのよ、私だって行くところがあるんだから!」

  (そうよ、早く帰らないと……早く帰って…………イきたいっ!)

  ビクンと子宮の辺りから溢れる感覚が背筋を這い上がって首の後ろまで痺れさせながら瑞希の精神を書き換えていく事に気付き、愕然とする。

  (何で!私がこんな格好をしてるのはあいつらのせいなのに、私が好きでしている訳じゃないのに……!?)

   とうとう溜め息を一つ吐いてナンパ男は道を開けるが、横を通り過ぎる時にしみじみと言った感じで。

  「それにしても……きわどい格好だよねぇ…誰の趣味だよ、もしかして君ほんとに露出狂?」

  クチャリと小陰唇の隙間から流れている蜜の量が増えて太腿まで流れ落ちてくる感触が瑞希の理性を刺激する。

  「そんな訳無いでしょ!あんたもいい加減な事言わないでよ、私の身体はあんたに見せるためにあるんじゃないわ!」

  (そうよ、私が裸を見せてもいいのは和樹だけなんだから……和樹以外の人達に見られて……感じたり……しないんだから)

  裸にオーバーオール一枚の姿で往来の中を歩き回る少女が何を言ってるのかとも思えるが、その剣幕[逆ギレ]に腰を引きぎみなナンパ男がとりなすように愛想笑いなどを浮かべながらなだめようと。

  「ゴメンゴメン、悪かったって、ちっとここで待っててくれない?」

  踵を返して走っていく。

  「……はっ…やく・・・…かえら……クゥ…ないと」

  胸から手を離せないままにたくし上げられたオーバーオールの食い込みが瑞希を追い詰めてくる、特に秘唇に当たる刺激が瑞希自身の体内から出てくる蜜のせいで毛羽立った縫い目を柔らかく潤し、アナルからクリトリスの上に茂る恥毛までも刷毛のように撫でていく。

  「ダメッ……感じていない……気持ちよく……なんか……ない……んだ…から」

  焦点が怪しくなってきた瞳を彷徨わせ、ノロノロと歩くだけで精一杯の瑞希は気が付いてはいなかった、歩く度に瑞希の腰が股間を擦るようにすり合わせている事に、その股間はすでに染み出した蜜とローションでも塗ったかのように流れ出している汗でピッタリと張り付き尻肉の膨らみとそこから伸びる太腿をくっきりと見せつけていた事に。

  「お待たせー、ほーら冷たいソフトクリーム。そんなに汗かいたら熱いでしょ」

  何をたくらんでいるのかその男は近くの喫茶店からソフトクリームを一つ買い、瑞希に差し出してきた。

  「そんなのいらないわよ!」

  払いのけるように片手を振るが、もとよりどんな行動も快感に擦り返られそうな刺激に包まれている瑞希が勢いよく動ける訳でもなく、軽くかわされて目の前にソフトクリームを突き出される。

  「ほら遠慮なんかしなくていいから喰いなよっと…あちゃぁ……」

  「いやぁぁぁぁぁ!!」

  夕方で風が涼しく感じるからと言ってもすでに七月の陽気でソフトクリームもだいぶ緩んでいたらしい、突き出された勢いのままにコーンからソフトクリームがまるごとズレ落ち、瑞希の胸の谷間に放り込まれてしまった。

  「悪いね何なら拭こうか…って…ねぇ!名前だけでも教えてよ」

  「バカバカバカ!!あんたなんか最低よ!!!死んじゃえぇー!!」

  今まであえて無視しようとしていた通行人も瑞希の悲鳴に視線を向けると胸元を白い液体で濡らして、双乳を隠しもせずにはみ出させながら走り抜ける少女に釘付けになる。

  (……もう我慢できない……早く帰らないと…こんな恥ずかしい事……終わりにしてよぉ)

  泣きながら身体中を真っ赤に火照らせ走り抜けていく巨乳の少女に誰も声を掛けられず、近くの路地にその姿が消えるまで見つめ続けるだけだった。

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  気が付いた時には瑞希は自分の部屋の玄関に立っていた。

  公園での痴態の後に休む間もなく立て続けに襲い掛かる羞恥に晒され、ナンパ男にとどめを刺される形で弾けた感情に任せて駆け抜けてきたが、大通りからここまでどう走って来たのかは覚えていない。

  真っ白になっている瑞希の記憶に残っているのは、吹き付けてくる風の感触と時折強烈に擦り上げられて快楽を実感させてくる股間の刺激だけだった。

  ドアの鍵を全て掛けたあと、覗き穴をしばらく凝視して追いかけてくる人影がいない事を確認すると、荒い息も静まってくる。

  ドアに寄りかかるように力を抜いた瑞希が横を向くと、見慣れた鏡が目に入る。

  瑞希がこの部屋を借りる前に住んでいた住人が取り付けたらしい全身が映せるほどの大きさの鏡だが、そこに映っていたのはいつもの自分ではなかった。

  メロンのサイズまで膨らませた水風船のような胸が右は胸当ての横から覗き込むようにはみ出し、左の乳は胸当ての上から溢れ出して硬く尖った乳首を誇らしげに勃たせていた。

  その胸肉に押し退けられるように胸当てはずり下がり、腹部の隙間も広がって髪と同じ淡い栗毛色をした恥毛の上半分ほどが見えていたかもしれない。

  その胸の谷間から股間までを白い液体が流れて淫靡なアクセントになっている。

  背中に流れていた髪は汗で渦を巻くように絡み付き、きめの細かい肌を肩から肩甲骨の辺りまで見せ付けていた。

  「……う……そ……?」

  (この娘は誰?鏡に映っているんだから……私?……まさかっ!……私のはずないじゃない)

  「わ……た……し?」

  (そうよ、私じゃないわ!……私はここにいるもの)

  口から出る言葉と頭の中で目まぐるしく回る思考とで整合が取れずに動きの止まった視線は鏡に映った自分を見つめ続けている。

  「私は帰ってきたのよ……公園から……」

  思考が無意識に口から出て、耳に入り、確認を取りながら脳へと染み渡っていく。

  鏡に映った<瑞希>も同時に唇を動かし瑞希に囁きかけてくる。

  「この格好を……皆に見せながら……」

  「そう……和樹にしか見せたくない……こんな…格好を…しながら…」

  「あそこを濡らして……こんなに乳首を勃たせて……」

  「いやらしいナンパ男につかまって……アイスを付けられて……」

  鏡の中の<瑞希>の囁きにだんだんと熱くなる身体を押さえ込もうと力強く抱きしめるように両手を回した先は、はみ出した乳房と、すっかり色の変わったオーバーオールの股間の部分だった。

  火を噴いているように熱く、荒い息を吐きながら言葉は続いていく。

  「……こんな風になるのが判っていたのに…走り出して…」

  「いやらしい胸を……隠しもしないで」

  鏡の中の<瑞希>の左手が動き出し、尖っている乳首を転がしていく。

  右手が胸当ての隙間から潜り込みデニムに包まれた股間を怪しく蠢かせながら上下にこすりだす。

  「こんなにココも濡らして……」

  クチャクチャと粘りのある音を響かせながら瑞希の左手が大陰唇を広げ、その奥から吸い付いてくるようにはみ出してきた小陰唇を掻き分けながら擦り続けている。

  瑞希は<瑞希>の声をよく聞こうと顔を近付けていく。

  虚ろな目をして上気した身体を隠しもせずに弄りまわしている<瑞希>が最後の一言を言うために瑞希の顔に唇を近付けて最後の言葉を吐き出す。

  「……とても……気持ち良かったでしょう?」

  「…………うん…………クゥゥッ!」

  <瑞希>と瑞希の唇が触れ合った時、押さえ込まれていた快感が子宮の奥から濁流のように溢れ出しながら理性を押し流し、最後に本能のままに快楽を貪る一匹の牝だけが残った。

  「ハウッ、ハァハァハァ……イグゥ……イッちゃう……胸を見られて……いやらしい格好で歩いて……みんなに見られて……」

  玄関で靴も脱がずにしゃがみこみ、握り潰すように胸を揉み絞りながら秘唇の隅々とクリトリスを擦り取るように手を動かしていく。

  虚ろな目が見ている先は大通りでの通行人の視線、ナンパ男のにやけた顔、公園でのモニターに興味深い視線を向けている子供達。

  コスプレ広場で全裸に剥かれてカメラに囲まれてしまうイメージが脳裏に浮かんだときに瑞希の精神は決壊した。

  「見てぇ!……いやらしい私をぉ…ヒグゥッ…こんなに感じてるのぉ…オアァァァ!……気持ちイイのぉ……くぅぅぅっ!!!」

  胸に指を突き立てるように食い込ませながら快感を搾り出すように握り潰し、その痛みを誤魔化すように充血して膨らみきったクリトリスを指で弾くように刺激し続けている。

  だらしなく開いた口から涎を垂らしながら汗まみれの身体を更に濡れ光らせながらよがり狂い、オーバーオールの股間は膣奥から溢れ出した蜜を吸いきれず、小便を漏らしているように滲み出したその奥で激しく手を動かしている。

  「オウゥ…はううぅ…イヒィッ!ハァハァハァッ…見てぇ…イくところを見てぇ!!……イッちゃうの!恥ずかしい格好を見られてぇ……私イッちゃうのォォォ……ヒィンッ!……アァァァーーーッッ!!!」

  今度こそ誰にはばかる事もなく快感に身をゆだねて思うままに叫ぶ瑞希は腰を突き出すような体勢で身体が引きつってしまったように動きを止めた後、ゆっくりと尻餅をついて目を瞑る。

  玄関で座ったまま静かに寝息を立てている瑞希の顔には安らかな笑顔しか浮かんでいなかった。

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  翌日

  「こんにちはー『DUNGUN運送』ですー」

  瑞希の部屋に届いた紙袋にはフラッシュメモリーが一つと、昨日脱がされた衣服が入っていた。

  どこも破れたり目立つ汚れもなかったのでまた着る事は出来そうだったが、瑞希はそのままタンスの奥にしまい込み封印した。

  この服は当分は見ることもないだろう。

  しかし、どういう訳か下着には三つのキスマークが付けられて来たので、メモリーと一緒にごみ箱へと直行していった。

  「なんて事をするのよーーーーーッ」

  瑞希の悲鳴を聞く者はいなかった。

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  その日の夜。

  "チーム一喝"の秘密基地では、三人娘が夕食を食べながらモニターを眺めていた。

  「そういえば、このデータって返しちゃってもいいの?」

  「ええ、かまいません。あれ以上脅迫しても私達の方が不利になりますし、マスターを渡しても私達が楽しむ分のコピーはちゃんと取っておきましたし」

  「それに今度からはボク達が直接イジメる事が出来るよ」

  「そうですよ美穂、週末には私達の部屋に泊まりに来るんですから……楽しい歓迎会にしましょうね♪」

  「うんっ、楽しみは後の方がもっと楽しくなるものよね……フフフフフ」

  三人が見ているモニターには公園で裸に向かれたまま乳首や秘唇を弄ばれて震えている瑞希の姿が映されていた。

  ………それぞれの思い描いた痴態に股間を潤ませながらその時を楽しみに夜が更けて行く。

 

 続く

 


解説

 第二話の後編をお送りしました。

 やっぱり一筋縄では帰れない瑞希は不幸な少女です(自分で書いといて言うか?)

 チャットでネタを授けてくれたクネス様、こんな物が出来ましたぁ(苦笑)

 「瑞希脅迫編」(今命名)は今回で終了です。

 これからは、三人娘が本性を現して瑞希をいじめにかかる予定ですので、皆様お待ちください。

 ええと、次回に発表するのは「プレゼント」のアナザーサイトのストーリーの予定です。

 今までわざと無視するように書いていた和樹と玲子の二人はどんな様子だったのかというものですが、きっと純愛度の方に星が多い話になると思います。

 瑞希がいじめられなきゃ嫌だという方はしばらく待っていてください。

 

 では次回予告

 「千堂君、私って嫌な女の子かなぁ?」

 泣きそうに呟く玲子の肩が震えている。

 夜の公園で交わされる会話の意味は?

 次回「プレゼント・アナザー」『第一話の裏で』

 をお送りします。

 


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