鬼、貴代子 第四話と同時進行 
 
「ふ〜う。……それでは、お先に失礼しま〜す」  
「おうお疲れ。……って、何だか妙に素早いな。親子3人でデートか?」  
「ち、違いますよっ! それではっ!」  
会社を定時であがろうとする僕を、先輩がからかい混じりに声を掛けてきた。  
僕は思わず声をうわずらせながら、会社をあとにした。  
 
 
「ふう……」  
帰り道、電車に揺られながら先輩の言葉を思い出し、ため息をこぼす。  
あの先輩、人がいいんだけど、僕が雪枝さんと千奈美と一緒に暮らしているからって、  
いっつもああやって僕をからかうんだ。ま、困ることでもないからいいんだけど。  
でも2人の正体が、疫病神と座敷わらしだって知ったら、さすがに驚くと思うけどね。  
 
そう、我が家はどういうわけか、疫病神と座敷わらしが同居しているという、  
普通の家ならば、まずお目にかかることは無い、複雑な家庭事情だったりするのだ。  
それ以前に、人ならざるものが同居している家自体が、ここくらいしか無いという話もあるだろうけど。  
で、今のところは、僕の身に厄が回ってくるわけでも、逆に福に恵まれているわけでもなく、  
平々凡々な生活を送っていたりする。………2人が一緒にいるから、相殺されているのかな?  
まあ、雪枝さんが家事一切を引き受けてくれたおかげで、確かにその辺りは便利になったけど。  
でもって2人とも、普通の人間とまったく見分けがつかない上に、親子みたいにそっくりだから、  
ご近所の人や会社の人達からは、親子3人暮らしの家庭に思われてるらしい。  
………もっとも、件の先輩みたいに、千奈美と僕の見た目の年齢差から、  
僕が子連れの雪枝さんと、再婚したのだろうと思ってる人も、少なからずいるみたいだけど。  
というか僕が今年23で、千奈美の見た目があのくらいだから……そう思うのも、無理はないか……。  
 
「ただいま〜」  
「あ、亮太さんですか。お帰りなさいませ。今お料理が出来上がりますから……」  
「ん〜、いい香りだね。………あれ、千奈美はどうしたの? 買い物かい?」  
……そうこう考えてるうちに、我が家に着いた。中に入るとエプロン姿の雪枝さんが、  
フライパンを片手で持ちあげて、ハンバーグを見事にひっくり返しながら、にこやかに迎えてくれる。  
と、いつもなら雪枝さんとともに、元気に迎えてくれる千奈美の姿が見えない。  
何か買い忘れでもあって、買い物に出てるのかな?  
 
ちなみに雪枝さんには、『一人で買い物禁止令』を出してたりするわけで。  
何せ、特売の牛ひき肉を買ってくるはずが、特選の松坂牛ステーキを買ってくるわ、  
テレビで豆まきをやってるのを見たからって、ずた袋で豆を買ってくるわって、  
時々訳の分からない買い物をしてきたりするのだ。  
………それだけなら、金銭感覚に疎い浮世離れした人、で済むんだけれども、  
しょっちゅう財布を置き忘れたり、給料日にキャッシュコーナーで現金を引き出すだけ出して、  
お金を取り出すのを忘れて帰ってきたりと、そら恐ろしいことを何回かやらかしているし。  
そんなことがあって以来、我が家で買い物に行くのは、いつも千奈美と決まっていた。  
で、千奈美が買い物に行くと、どういうわけか福引券やらクーポン券やらを貰えることが多い。  
…………よく考えたら、やはりこれが疫病神と座敷わらしの差、なのかなあ?  
 
「ああ、千奈美ちゃんですか? 遊びに出て行って、まだ帰ってきてはいないんですよ。  
最近は物騒な事件が多いから、暗くなる前に帰ってくるように、言ってはいるんですけれど……」  
「ふうん、そうなんだ……」  
僕の問い掛けに、雪枝さんは軽く顔をしかめながら返事をした。  
……本人は自覚が無いみたいだけど、その表情は、完全に娘を心配している母親なのですが。  
「亮太さんからも、あの子に言ってあげてくださいな。  
あんな事件があってから、まだひと月も経ってないんですから」  
「うん…そうだね……そう、だよね……」  
ハンバーグを皿によそいながら、僕に向かってつぶやく雪枝さん。  
その言葉を受けて、スーツをロッカーに掛けていた僕も、思わず声を落としてしまう。  
……そう。実は何週間か前に、同じ町内の女の子が誘拐された挙句、殺されていたのだ。  
しかも犯人は未だ、捕まってはいない。おかげで、小さい子を持つ家庭は注意するようにとの、  
回覧板が回っていたっけか。一瞬、関係無いやと思ったけれど、よく考えたら千奈美の場合、  
実年齢はさておき、見た目が完全にアレだから、怪しい連中の標的には十分なり得るか。  
………言ってて思ったけれど、僕自身が初対面でいきなり、千奈美に手を出したんだっけ………。  
 
「ただいま〜!」  
「ん。お帰り、千奈美………って、何てカッコしてんの!?」  
などと考えながら、ズボンを脱ぎかけたそのとき、千奈美が元気な声とともに部屋に入ってきた。  
……どこで遊んでいたのか、全身泥まみれで、いつも着ているお気に入りの、  
真っ白いヒラヒラした服も、茶色く斑模様に染まっている。  
「まあ、千奈美ちゃん。夕食の前に、まず体を洗わなきゃ……って、いったい何を抱えてるの?」  
「え? あ、ああ?」  
口調は厳しくも、ほっとした表情で千奈美を迎える雪枝さん。うんうん、本当に親子だよ……え?  
どこか微笑ましい気分を覚え、軽く聞き流そうとした僕は、  
雪枝さんの最後のひと言に釣られ、千奈美を改めて見返し、思わず声をあげた。  
千奈美の胸には、小さな鼬みたいな、見たことも無い生き物がフルフル震えていたのだ。  
「うふふ〜、可愛いでしょ〜」  
僕と雪枝さんがぽかんとした顔で、生き物を見つめていると、千奈美は上機嫌で微笑みながら、  
生き物の頭をちょんちょんと突っついた。  
「いや…可愛いとか、そういう問題じゃなくってさ……」  
「………なあに?」  
僕の途切れ途切れの声に、千奈美は丸い目をきょとんとさせて問い返してきた。  
そのあまりに邪気の欠片も見当たらない瞳に、まるで射すくめられたかのように、  
次の言葉を発することが出来ず、沈黙する僕。……見せようとして連れてきただけ、じゃないよね。  
「このコ、飼ってもいいでしょ? ね? ね?」  
千奈美は、僕が口を開かないのを見て、両手で生き物を突き出しながら、無邪気に笑いかけてきた。  
や、やっぱり……!  
 
「あのね、千奈美ちゃん。生き物を見て、可愛いって思う心は大事だけれども、  
その気持ちと、これからずっと飼い続けるというのは別の話で、凄く大変なことなのよ。  
毎日ご飯をあげなきゃいけないし、運動だってさせなかったら健康にもよくないし、  
万が一、怪我や病気になったときの手当ても必要だし、  
これからそのコが死んでしまうまで、千奈美ちゃんがずっと面倒見なければいけないんだから」  
しばし部屋の中では沈黙が漂っていたが、先に冷静に戻った雪枝さんが、  
千奈美の前にしゃがみ込んで、ゆっくりと諭すようにつぶやいた。  
「大丈夫だよ! わたし、このコは大事にするもん!」  
「だ、か、ら。千奈美ちゃんが、これは大事にする、あれは大事にする、って言って、  
結局すぐに飽きてしまって放り投げたのが、今までにいくつあると思ってるの?  
このコは、今まで亮太さんが買ってきてくれた玩具と違って、ちゃんと生きているのよ?  
飽きてしまったからって、ガラクタ箱に放り投げてしまうとか、外に放してしまうとか、  
そういう訳にはいかないんですから。さ、今のうちに居たところに返してきましょう? ね?」  
雪枝さんの言葉に、千奈美は顔をプイと横に向け、頬っぺたを膨らませながら答えた。  
それでも雪枝さんは、千奈美の手を取りながら、あくまでも優しく諭し続ける。  
「ねえ、おにいちゃん? おにいちゃんは、反対しないよね? このコ、飼ってもいいよね?」  
と、千奈美は雪枝さんの手を振り解き、今度は僕に向かって話しかけてきた。  
千奈美は期待に満ちた目で、雪枝さんは不安げな表情で僕を見つめる。  
 
「…………うーん……今回の話に関しては、雪枝さんの言うとおりだよ、千奈美。  
僕も、賛成することは出来ないね」  
ホッと安堵のため息をつく雪枝さんと、対照的に見る見る頬を真っ赤に染め、  
今にも泣き出さんばかりの千奈美の顔が、同時に視界に入り込んでくる。  
千奈美には可哀想だけど、これはどう考えても、ねえ。  
見るとは無しに隣の部屋を見ると、大きな箱から溢れんばかりの、山積みの玩具が見える。  
先ほどの雪枝さんの言葉どおり、千奈美が『大事にするから!』と言って僕が買ってあげた玩具だ。  
確かにいずれの玩具も、次の週には手にしている姿を見たことがない。……でも、まあ……。  
「もし、千奈美が……」  
「ふーんだ! おにいちゃんのバカ! もう、二人とも知らない!」  
もう少し大きくなって、物を大事にするようになれば、考えてもいいかな、と言おうとしたが、  
千奈美は舌をベーと出し、悪態をつきながら、パタパタと玄関に向かって駆け出した。  
「あ、おい! 千奈美!」  
「ち、千奈美ちゃん! ……亮太さん、早く追いかけなくちゃ!」  
「う…うん……しょっと……う、うわあ!?」  
雪枝さんが、慌てて僕に向かって声を掛ける。言われるまでもなく、立ち上がろうとしたが、  
ズボンを脱ぎかけだったのをすっかり忘れていた僕は、思い切りつんのめってしまった。  
「な、何をしているんですか、亮太さん! 大丈夫ですか?」  
「え…あ、ああ……」  
呆れ顔で、僕を助け起こす雪枝さん。……うう、情けない……。  
「私も千奈美ちゃんを追いかけます! 携帯持って出ますから、何かあったら連絡しましょう!」  
「う……うん…痛っ………。っと………うわっ!?」  
エプロンを脱ぎ捨てながら、雪枝さんは僕に声を掛け、千奈美を追って外へと駆け出す。  
急いでその普段着に着替えた僕は、二人を追いかけようとして……  
雪枝さんがたった今、床に脱ぎ散らかしたエプロンを踏んづけて、再びつんのめっていた。  
 
「ふんだ…二人とも……二人とも…っ……」  
山の中で、千奈美は件の生き物を抱えたまま、座り込んでいた。  
口を開くたびに、同居人に対する不満の声が漏れる。  
「何さ……雪枝さんなんて、わたしのすることなすことに、反対しているだけじゃない……。  
おにいちゃんだって、雪枝さんの言うことには、何でも賛成しちゃってさ……」  
言葉が通じるはずもない、目の前の生き物に向かって千奈美はつぶやき続ける。  
例え相手が意味を理解していなかったとしても、ただの独り言よりはずっと気分が晴れやかになる。  
当の生き物は千奈美の腕の中で、自分を抱き上げる相手を不思議そうにじっと見つめていた。  
「いっそ、あの家捨てちゃって、別のとこに住んじゃおうかなあ……」  
今度は生き物に向けて、ではなく天を見上げてぽつりとつぶやいた。  
どこからどう見ても、遊び盛りのお転婆娘にしか見えない千奈美だが、  
実はそこらの人間よりも、遥かに長い時を生き続けた座敷わらしなのだ。  
今はたまたま、あの家に住んでいただけだ。居心地が悪かったら、引っ越せばいいだけなのだ。  
「でも……」  
再び顔を俯かせ、つぶやく。鼬を抱く腕に、ほんの少しだけ力がこもる。  
本心は違っていた。――二人と離れたくない。このままずっと、三人で一緒にいたい。  
でも、二人の気持ちは……分からない。優しく頭を撫でてくれたこともある。  
それどころか、凄いエッチなお仕置きをしてくれたこともある。  
……さすがに、チューをしてくれたことは無かったけれど、それは子供が出来るから、だと思う。  
でもそれだけじゃなく、ちょっとしたことで、わたしを叱ったりすることもある。  
「分からない……分からない…よ………」  
何で叱ったりするんだろう……何で……何で………? わたしが…嫌いだから……?  
わたしがいると、二人の邪魔になっちゃうの……?  
自らの膝に顔を埋めながら、千奈美は考え込んでいた。  
考え込むうちに、いつしか深い眠りに落ちていた――  
 
「ん……あ、はぁあっ!?」  
「あれれ? お嬢ちゃん、目が覚めちゃったかい?」  
どれくらいそうしていたか、千奈美は妙な感触を体に覚え、目を覚ました。  
それと同時に、頭の上から下卑た男の声が届く。  
「い、いやあっ!? な、何っ!?」  
「ふふふ、心配すること無いって。おとなしくしてれば、悪いようにはしないからさっ」  
一瞬、夢の続きかと思っていたが、今自分が置かれている状況に気付き、思わず叫んでいた。  
千奈美は一糸纏わぬ姿で、両足を大きく開かされ、その間に男が潜り込んで舌を這わせている。  
さらに声がした方向を見上げると、同じ顔をした男が自分の両手を掴みながら、  
ニタニタといやらしい笑みを浮かべ、再び口を開いた。  
「あ! はあ! い、いやあっ! お、おにいちゃん! 雪枝さんっ!!」  
「痛ててっ! こらハヤタ! しっかり押さえてろっ!」  
背筋にぞっと寒気が走った千奈美は、必死に手を振りほどいて、  
自分の股間に舌を這わせる男を、ポカポカと殴りつけながら叫び声をあげ、  
この場にいない2人に助けを求めた。聞こえるはずがないと、分かっていながら。  
殴られた男は顔をあげ、千奈美の手を押さえつけていた男に向かって文句を垂れた。  
「ああ悪い悪い。こらこら、暴れるんじゃないよ。………っと」  
「いやあ! 離して! 離してえっ!」  
ハヤタと呼ばれた男は、じたばたしている千奈美の両手首を掴み上げ、頭の上で押さえつけた。  
「まったく…暴れたって無駄だっての。こんな山の中、誰も来やしねえよ……っ……」  
「い、いや! あっ! はあっ! ああんっ!」  
手の自由を失った千奈美は、必死に体をよじって男たちの手から逃れようとするが、  
いかんせん体格差があり過ぎる上に、二人掛かりで押さえつけられては、抵抗のしようがなかった。  
さらに、両足を抑えていたほうの男が、すでにピンク色に充血している千奈美の肉芽を、  
まるで飴玉のようにしゃぶり続けながら、絶望的なひとことをつぶやく。  
千奈美は抵抗の声をあげながらも、股間から伝わる刺激に思わず上半身が仰け反ってしまう。  
知らず知らずのうちに、千奈美のつぶらな瞳からは、ポロポロ涙がこぼれていた――  
 
「ひぐ! あっ! んふぅっ……んああっ……」  
「おいおい、ガキのくせにすげえ反応がいいぜ。もうグチャグチャだ」  
千奈美の幼い割れ目に、軽く指を差し入れて男がひとこと。  
言葉どおり、千奈美の割れ目は完全に濡れそぼっていて、男の人差し指を難なく受け入れていた。  
「へえ。こんな純情そうで、かなり遊んでいるのかも、な。それじゃ俺は、こっちを確かめてみるかな」  
ハヤタが半分呆れたように、肩をすくめながらゆっくりとズボンを脱いだ。  
目の前でゆらゆらうごめく半勃ちのモノを、千奈美はぼんやりと見つめていた。  
「なるほど……顔を背けようともしないとは……慣れてるのかもしれないな……っと……」  
「んあ……あっ………んぐ…ん…ぐ……ぐううっ……」  
ハヤタは独り言のようにつぶやきながら、自分のモノを、半開きの千奈美の口の中へと潜り込ませた。  
さらに千奈美の右手を掴み上げ、親指を千奈美の口の端に添える。  
――歯を立てられないようにするため、だ。  
「ぐ…ぐぐっ……んふ…っ……っ……」  
「くうっ、こっちは……さすがにきつい…かな……」  
小さい口は、モノを咥え込むには十分とはいえず、半分ほど咥え込んだところで、  
千奈美は苦しそうに、あえぎながら首を振っている。  
「でも…よ……結構…まんざらでもなさそうだな……く…うっ……」  
首を振るたびに、モノと千奈美の歯が擦れ、モノを優しく刺激していく。  
ハヤタはその刺激をこらえようと顔をしかめながら、愉悦の声を漏らしていた。  
 
「おーい。まさかこんなガキに、イカされそうってのかあ? 情けねえなあ」  
「うるさい」  
「ん…んんっ……んあ……んごおっ!? ぐ! んは! ぐ! ぐうう! ん! ぐぶうっ!」  
そんなハヤタの様子を見て、千奈美の割れ目を弄っていた男が、小馬鹿にしたように、  
肩をすくめてハヤタに向かって笑いかけた。自分を嘲るような声を耳にしたハヤタは、  
悪態をつきながら、千奈美の髪を強引に掴み、頭を前後に揺さぶり始めた。  
突然のことに、千奈美は苦しそうにくぐもった悲鳴をあげる。  
「はははっ、無理しやがって。そんなことしてたら、すぐイッちまうぞ?」  
「ん! ん…あ……ぐう………うっ……」  
男は肩をすくめながら、ハヤタに向かってつぶやいたかと思うと、  
千奈美の割れ目に潜り込ませている、指の動きを速めた。くちゅくちゅと湿った音が辺りに響く。  
途端に、千奈美は堰を切ったように、嬌声をあげはじめた。頬は上気し、腰はガクガク震えている。  
「く……こ…これ……シャ…シャレになってない……シャレになってないよ…………く……うっ!」  
「おいおい、シャレになってねえのはお前だろうがよ。ガキより先にイッちまったら情けないぜえ?」  
同時にハヤタも、思わず上半身を仰け反らして腰を引きながら、悲鳴を漏らしていた。  
潜り込ませる指の数を二本に増やしながら、ため息混じりに苦笑する男。  
「うるさいよ。このガキ、かなりのスキ者だぜ? 何せ自分から舌を絡めてくるんだからな」  
「はあ? マジかよ? やれやれ、恐ろしい世の中になっちまったもんだねえ……っと…」  
ハヤタの抗弁に、男は呆れ顔でポツリとつぶやきながら、千奈美への愛撫を続けた。  
実際、ハヤタの言葉どおり、千奈美は自分からモノに舌を絡めていた。  
まるで、下腹部から伝わる堪えようの無い刺激を、手足の自由が利かない今、  
唯一、まともに動かすことの出来る舌を動かすことで、必死に誤魔化すように――  
 
「う……も…ダメ…だ………くっ…う…うううっ!」  
「ごぼ! ぐぶ! ぐ! ぐうう……っ…!」  
「はははっ! マジでイッちまったのかよ? いくらなんでも早すぎるぜえ」  
突然、ハヤタが千奈美の頭を揺さぶったまま、自らの腰を動かし始めたかと思うと、  
嬌声とともに、全身をブルブル震わせた。  
同時に、千奈美の口の端から、白い液体がつつっと糸を引いてこぼれ落ちる。  
それを見て、男がゲラゲラ笑い出した。  
「いやあ……コイツ、すげえ気持ちイイぞ……ん…っ……」  
「けほ…けほ……かは…あ…っ……あ…ひああっ……」  
快感の余韻を味わうためか、絶頂に達してもしばらくの間、  
ゆっくりと腰を動かし続けていたハヤタが、ようやく千奈美の口を解放しながら答える。  
千奈美は苦しさのあまり、何度も咳き込みながら、どろりとした白い液体を吐き戻していた。  
「ったく……自分が短いのを、相手のせいにすんなよな……」  
「あっ! んんっ! ひゃあっ! ああっ!」  
肩をすくめながら、男は千奈美への指の動きを遅くする代わりに、根元まで潜り込ませる。  
嬌声とともに、千奈美は全身を打ち震わせ、悶え狂っていた。  
「……にしても…コイツはすっげえ拾い物かもな。ここまで自分から腰動かすの、初めてだぜ」  
「ゃあっ! あっ! はあ…あっ!」  
男が再び、少しずつ指の動きを速めながらつぶやく。  
だがその言葉も、千奈美の耳にはすでに届いていなかった。  
今は千奈美の頭の中は真っ白で、ただただ下腹部から伝わる刺激しか感じられなかった。  
「ああっ!! ああんっ! ああああっ!!」  
やがて、千奈美は全身をビクビク震わせながら、快感の中で意識を失っていた。  
 
「ん? どうした? イッちゃったのかい?」  
「そのようで。まったく、敏感な体だねえ……ハヤタよりも、な」  
ぐったりと動かなくなった千奈美を見て、ハヤタがひとこと。  
もう一人の男が、ハヤタに向かって皮肉そうに笑みを浮かべながら答える。  
「うるさいな………ハヤト!」  
「え……あ、ああ……」  
男の返事にハヤタは顔をしかめ、後ろに向かって叫ぶ。  
ハヤタが声を掛けた方向には、木の陰にコソコソ隠れながら、様子をじっと見ていた少年がいる。  
「なにオドオドしてるんだい? こっちに来なよ」  
「い……いや……」  
「グダグダ言わずに来いって。せっかく俺たちが、順番譲ってオマエに筆卸しさせてやろうってのに」  
ハヤトと呼ばれた少年は、ハヤタの再度の呼びかけにも、声を震わせていた。  
そんなハヤトの姿を見て、男は舌打ちしながら苦笑いを浮かべる。  
「さて……と。何だかんだ言って、お前も男だな。お嬢ちゃんの艶姿見て、こんなにしてるし」  
「ああっ……ハ、ハヤタ兄ちゃん……」  
クックックッと笑い声をかみ殺しながら、ハヤタはハヤトのズボンの下腹部を擦った。  
そこはすでにハヤタの言葉どおり、パンパンに膨らんでいる。ハヤトは下腹部を襲う刺激に、  
歯をカタカタ打ち鳴らしていた。腰は完全に砕け、背後からハヤタに支えられている。  
「ほうら。ここにオマエのその、いきり立ったモノを突っ込むだけだって。  
そしたら、オマエがいつもコソコソやってるオナニーよりも、ずっとイイ気分が味わえるんだぜ?」  
「ええっ!? あ…そ、その……」  
男は、失神している千奈美を背後から抱えながら、ハヤトに向かってニヤニヤ笑い掛けた。  
その言葉に、ハヤトは明らかに動揺していた。  
 
「へえ、兄ちゃんたちに隠れてそんなことしてたんだ。さ、そうと決まれば……って、まだ皮かむりだな。  
ほら、挿れる前にちゃんとムイておかないと、お嬢ちゃんに失礼だろ?」  
「ふあ! ……あっ!」  
言いながら、ハヤタはハヤトの手を掴み、親指と人差し指でハヤトのモノを挟み込ませたまま、  
手前に引っ張った。ハヤトの弛んでいた皮が剥け、ピンク色の亀頭が姿を現わした。  
先ほど、ズボンの上から擦られた時よりも、遥かに強い刺激に堪えられず、  
ハヤトは涙までこぼしながら、声を震わせる。  
「ん。これで準備完了……っと。ほらほら、お嬢ちゃんが待ってるぞ」  
「うあ……あああっ!!」  
大人の形になったハヤトのモノを見て、満足そうな笑みを浮かべたハヤタは、そっと手を離した。  
すでに、自分の力で立つことすらおぼつかなかったハヤトは、そのまま千奈美の上に覆いかぶさる。  
と、モノが千奈美の下腹部に触れ合った瞬間、ハヤトの興奮は限界に達し、  
モノから白い液体があふれ出し、そのまま失神してしまった。  
 
 
「あ〜あ、ダメだこりゃ。これじゃ、コイツの筆卸しはいつになるのかねえ?」  
「ま、そう言いなさんな。いつかは大丈夫だろ。さて、仕方ないから俺たちで楽しむとしようか?」  
気を失ったハヤトを、脇の草むらに寝かせながら、男は呆れ顔でつぶやいた。  
ハヤタは肩をすくめながら、千奈美に目を向けた。  
「へっ。まったく、しゃあねえな。………さて、オマエは口で一回ヤったんだし、俺から始めるぞ」  
男は舌打ちし、下半身を露わにさせながら、千奈美に覆いかぶさった――  
 
 

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