「あぁ………やっと終わったわ〜」  
 アカデミーの地上降下を無事終了し、職員室でやっと足腰を休める事が許された。  
 私は自分の机にぐったりと倒れ込む。  
「おう、リディアセンセイ。へばっちまったのかい?」  
「ガルーダ先生、後方支援は全体把握をしなくちゃいけないから結構な頭脳労働じゃないか」  
「そりゃぁちげぇねぇな!!俺様にゃ無理な話だ」  
「リディアせんせもみんなもお疲れ〜!」  
 教員は全員みな一安心しているのか、機嫌が良い。  
 職員室とはある意味学校の中では異空間である。  
 様々な責任立場、経験者、担当が同じ空間に介する。  
 これだけなら普通の会社と変わらないが、独特の和やかな空気がある。  
 そんな空気があるからこそ、生徒たちは自分たちが場のイレギュラーであることを自然に自覚し、  
 無意識の内に緊張を呼ぶのだろう。  
 それが職員室だ。  
 
「皆の衆、ご苦労じゃった。  
 来週からカリキュラムを変更。それに伴い各々の授業や課題の整理や処理を早急に済ますように」  
「「「「「はい」」」」」  
 
 
 
―――――  
 
 
「ふぅ………」  
 部屋に戻るなり、疲れ切った身体をベッドへ預ける。  
 一区切り付いたとはいえ、降下作業によって溜まった雑務処理、授業用教材の準備。  
 トーナメントの問題作成…。やることは尽きない。  
 ………あまり急ぐのは得意ではない私にはこれからが本当の戦いと言える。  
 ………まぁ、今日はもう寝てしまおう。  
 寝るには明るすぎる暖色のライトを消すことすらどうでも良くなり、そのまま、眠りについた。  
 
 
―――――  
 
 
 ………夢………。  
 遠い、遠い日の記憶が垣間見える………  
『リディア………』  
『なぁに?おかあさま?』  
『リディアは将来、何になりたい?』  
『せんせいがいいな。おかあさまと同じ』  
『………そう』  
 あぁ、この夢か。と、映像をカメラ越しに見るような私の頭は理解する。  
 母は大賢者の一人で、私の生まれたエルフの里の唯一の教師をしていた。  
そんな母がある日、まだまだ幼かった私に言った。  
   
『とても長くて、難しい事を言うわ。  
けれど、いつかリディアが立派な先生になるため伝えたい  
私が良い先生であるため、心に刻んだことよ』  
 
 生徒が困っているか見抜ける力を持ちなさい。  
 もし、困っているようなら、必ず助けてあげなさい。  
 
 生徒が頑張ったら、褒めてあげなさい。  
 努力というものが尊い事を、教えてあげなさい。  
 
 生徒がどんな考えを持っているか把握しなさい。  
 例え自分の考えと相反するとしても、そこにある理由を必ず考えなさい。  
 
『わたしと違う考え?』  
『そう、私たちみたいに自然と共存する事を選ぶように  
 機械技術を発達させて、自然を刈り取る人間も存在する  
 人間でなくても其れに賛同するエルフさえいる』  
『そんなのわたしにはわかんない』  
『でもそれじゃ先生になれないの。  
 どうして自分と違う考えになったのか、  
 必ず理由があるの。その理由を理解して、絶対に否定しちゃダメ』  
『なんで?わからないことをわからないっていっちゃだめなの?』  
『先生がそれを言っちゃうと生徒に嫌われちゃう。二度と信頼されないわ。  
 嫌われちゃうだけじゃない。自分の考え方が次第に凝り固まり、  
 やがて、時代に置いてかれてしまう事になってしまうかも知れない』  
 
考えなさい。人は考える事が出来る故に人なのです。  
考える事が出来てしまったので、食物連鎖から、外れてしまいました。  
 
考えなさい。自分が今何をしているか。  
考える事が出来て初めて、自分の姿を見ることが出来る。  
 
考えなさい。自分と人がどうして意見を喰い違える事になったのか。  
考えなさい。考えなさい。考えなさい。  
 
結論付けなくてもいい。でもそこから逃げないで。  
考えなさい。解決に向け努力をしなさい。  
 
安易な否定で最後に傷つくのは自分です。  
惰性な妥協で最後に後悔するのも自分です。  
 
その先に、あなたの明日があるってことを忘れないで欲しい。  
逃げないで。どうか、戦って欲しい。  
 
『リディア。あなたがもし、本当に先生になったのなら………』  
母はとても大切な事を…しかし選ぶか否かは私に委ねると先に告げた上で『伝えた』。  
 
数日後、母は遠方の街に出現したという瘴気を晴らしに向かい。二度と帰ってこなかった。  
 
 
――――――  
 
 久しぶりに母の夢を見て数週間。  
 未だに心に残る優しい母の温もり。  
 ずっと心に残している教師としての母の言葉。  
 雑務処理が終わり、懐かしい気もする地上での生活にも再び慣れてきた。  
 
 晴れきれない頭、幽霊に脅され眠れぬ夜は散歩がしたくて…  
 今日も宿直を変わってもらい、校舎敷地内を散策する。  
「二律背反ねぇ。どこに居たって怖いものは怖いのに」  
 
 トサッ……  
 
 遠くで何かが落ちたような音がした。  
 何か変なのが居たら嫌ね……。  
 そう思いながらも一応見に行くことにする。  
 悩める頭を振り払い、寮の裏側へ向かう。  
 
 
そこに居るはずのない生徒が気を失い倒れていた。  
 おお、お、おばけ?! ア、アンデッドとか超勘弁して欲しいのだけどっどどどど  
『う〜ん………可愛い可愛い弟の貞操はついに奪われましたとさ………ゥヴォァ』  
 
 うわー、本当に変なの居たわー。  
 今日日三角巾系のオプション流行らないわ〜。  
 ないわ〜…。…いや、アリかしら。  
 最近ド○キャスみたいな亡霊も居るし〜…  
 
 ん!?いやそれよりこの子…!?  
 
「えっと、どうしましょう…??と、とりあえず私の部屋へ…?  
 触っても大丈夫かしら・・・ってか触れるのかしら。  
 ぅぉ、冷た!?」  
 
 とりあえず、死体みたい(?)に冷たかったで怖かったので弓で転がしながら部屋に運びました。  
 幽霊って服が汚れなくて便利ですね。  
 どんな構造してるのやら。そんなことを考えながら、今ある自分の頭の本棚から知識を引っ張り出す。  
 
 
<<ここに>>232-234を脳内補完しましょう>>  
 
「よく言えました♪」  
 先生はそういうと首筋を舐め上げながら耳を甘噛してきます。  
 慣れた先生の手はどんどん私の感じる部分を見つけだし撫で上げてきます。  
 内股、腋、胸……  
『……ぁ……ぅ……んぁぅ…』  
「サツキちゃんったら敏感なのね?だれかにたっくさん弄って貰った?」  
『そんなこと……ないです…』  
 口では否定するも私の心はもう虐めて欲しくて一杯で。  
「またまたぁ♪ここからは沢山えっちなのが出てるわ。お豆とかどう?」  
 先生が私のクリをきゅっとつまんで来ます。  
『ぅあん!ああん!』  
 弟の寝顔を見ては毎晩毎晩沢山沢山自分で慰めてきた私は簡単に感じてしまいます。  
 
 
――――――  
 
 目の前で喘ぐサツキちゃん。本能を正直に言えばこのまま純粋に堪能したい所なのだけど、  
 実はいつまでもバカエロをしているわけにも行かない。手でサツキちゃんの秘所を弄り、言葉で弄びながら急速に思考する。  
 
 考えるのよ………。  
 
 記憶の混乱が一時的なものかと思ったけれど話を聞いていると既に様々な記憶の欠如が見られる。  
 彼女はさっき、「アカデミーでの生活を覚えている」と発言したが、  
 そもそもサツキちゃんは私の受け持った生徒の一人だった。  
 既に私が彼女の担任であったという事実を覚えておらず私のことは弟の担任であると認識している。  
 事は既に始まっていると言える。  
 事と言っても、これが一体どういうことか。  
 今こそ、私は考え、戦わなくてはならない。  
 
――――――  
 
「あなたみたいなえっちな子には先生がた〜っぷりお仕置きしてあげる♪」  
『ん!!あん!!…もっとぉ…胸…んはぁ…お願いしますぅ…』  
「あら、お仕置きでうれしがるなんて、本当にMな子ね?  
 いつも雷撃受けて感じてたんじゃない?」  
 
 ……実は図星。だったり……します。  
 
『だってぇ……からだ中が…あん!ビリビリして痛気持ちイイんですぅ……』  
 根っからのM体質は私が弄られて玩ばれる度に息を荒くさせ、  
 後から聞いたら切腹したくなるような恥ずかしい台詞を吐かせる。  
「あらら、ホントだったの。お仕置きの意味が無い程感じちゃうなんて  
 変態にも程があるわね。ユウ君もこんな変態お姉さん持って幸せねぇ」  
『……あぁん!お願いしますぅ…もっと虐めて下さい……あ!ん…』  
 
 あぁ、ユウ君ごめんね。お姉ちゃん変態でごめんね……。  
 
――――――  
 
 サツキという霊的存在に何らかの破綻が既に起き始めている可能性が極めて高い。  
 何らかの形で現世にとどめて置かないと自然消滅も有り得る。  
 というのも、そもそも霊は己の存在を己が定義し続け、認識していないと呪い等外部からの  
 圧力により規定されていない場合を除き、現世に留まり続けることは出来ないと  
 考えられているのが私の知識の中での一般的な解釈。  
 事実アカデミーの図書室の禁書には「実験結果」まで詳細に記したものがある。  
 …知らなくて良いなら読みたくなかったけど……。この話はまた別。今は関係ない。  
 とにかく、留まり続ける理由が無いなら成仏してしまうのが霊。  
 性的快楽は人間にとって生死を問わず恰好の餌。現世に留めるには大きな力になる。  
 現状はこれで凌いでいる。もし私が見つけずに彼女が意識を取り戻していたのであれば……。  
 考えるだけでゾッとする。  
 
 でも。それでも、考えるのよ……。まずは彼女の存在を維持してきたものは何か……。  
 
――――――  
 
 先生の手が胸へ秘所へと段々激しくなり、私を絶頂へ導いて行きます。  
 
『ぁぁ……せんせぃ…きもち…いい…ぁんっ…です』  
「厭らしい子ね〜。弟で興奮するなんてどれだけ変態なの?おねえちゃん?」  
 
 弟に欲情している心を読まれたようで、私の胸はまた締め付けられるような苦しさと  
 もっともっともっと、と求める気持ちに歯止めが利かなくなり。  
 
『……はぃ…ごめんなさぁん!!ぃ…ゆー君で…んぁ…毎晩自慰ってましたぁ……』  
 
 人に言っちゃいけないような秘事までさらけ出してしまいました。  
 
「まったく、イケナイわねぇ…?」  
 
 こんな事を言われて大興奮している辺りもう自分は駄目かもわからんですね…。  
 
 
――――――  
 
 
 これね…。  
 彼女は自分の弟に並々ならぬ愛を持っていた事はほぼ間違いない。  
 姉弟愛を越える愛。  
 誰かはわからないけれど、いつの間にかユウ君と誰かが結ばれてしまった。  
 その上、話から察するに現状の彼女の存在定義である、「弟を賢者にする」という目標設定と  
 「私が弟の面倒を見なくては」という感情設定が、二つともクリアしてしまうような相手ということだ。  
 他にも定義はあるだろうけれど、話を聞く限りその二つが占める彼女の存在の割合は計り知れない。  
 とてもとても強そうだ。  
 
――――――  
 
『でもぉ……♪あん!もうゆー君ならだいじょうぶですよぉ?あん!  
 とってもいい子と、今きっと先生がしてくれるみたいに…ぁん!激しくヤってますょぉ♪』  
「あら、激しかったかしら。じゃぁ大変よね…?休憩してあげる♪」  
 先生は私が次を早く早く求めているのを判って焦らしてきます。  
『……はぁ……ぁ……早くイキたいです………』  
「じゃぁおねだりしてみて?」  
 
 私の口は待ってましたと言わんばかりに頭より先に動きます。  
 
『先生に弄られて弟で興奮しちゃう淫乱な変態はもう我慢出来ません…  
 あたま真っ白になるまでイかせて下さい犯して下さい………先生…お願い…』  
「……何も言わなくてもそこまで出来るのは正直引くわ……」  
『いじわるしないで下さい……』  
「して欲しいんじゃないの?」  
『…そ、そうですけどぉ…』  
 
 二律背反の感情が私を強く責め立てる。  
 思いを巡らせる度に身体が打ち震える。  
 
――――――  
 
 それが失われる。  
 こうなったら、只でさえ既に許されざる禁忌を犯している自分が生き返ることに後ろめたさを感じているの彼女が、  
 「弟が賢者になったとしても」元の身に戻れないという可能性を「私がいなくても」という仮説に結びつけ、  
 理論を組み立ててしまうと思われる。彼女は生前賢者に至った優秀なアカデミーの生徒だった。  
 どんなに誤魔化してもそこに気が付くのは時間の問題だ。  
 そうなったら現世に留まる理由を持たなくなった彼女は消滅するしかない。  
 
 悲しい。彼女は賢明に努力を積み重ねていた。  
 それでいて図書館で私が司書しているとき、よく手伝ってくれた。  
 私の偏った知識と会話、授業にも微笑みを投げかけながら相づちを打ち、  
 知らなかった事柄には「予復習しておきますね」と言い。  
 次の週には教師である私も驚く程の知識を身につけてくる。  
 褒めても褒めても足りないような堅実な魂を持つ彼女が輪廻を繰り返すことなく、消える…。  
 淫靡な誘い受けの表情が私の目に哀しく映る。  
 本当なら今すぐにでも泣き出したい。しかし今泣き出す訳にはいかない…。  
 胸の中で泣きながら、彼女の既に洪水となっている秘所へ手を伸ばす。  
   
――――――  
 
「ここ、もう凄いってレベルじゃないわね…?」  
『せんせいが…上手すぎるんです……』  
 
 自分でいくら自慰ってもこんな気持ちよくなったことなんてない…。  
 吐息が耳を掠めるだけでも背筋に電気が走る。  
 
「いっその事、弟君にしてもらったらどう?」  
『きっと、もうわたし居なくても……あん!いいのぉ……  
 もっともっともっともっと激しく弄ってくださいぃ…胸も下もぉ…んむ…』  
「……んちゅ……ぢゅ……」  
『んんん!んむ!!?』  
 
 先生が強引に唇を奪ってくる。  
 
 
――――――  
 
 
 彼女は気づいて居ないのか、己が消滅を辿る言葉を紡いでいることを。  
 だから…キスして無理矢理止める。  
 彼女は今輪廻の中に居ない。それが禁忌を犯した罰。  
 自分の命を粗末にする。これでも既に大罪だと言うのにそのもう一段階上、換魂を行った。  
 彼女もそれを判っている。最愛の弟が相手を得、幸せに生きられるならと。  
 自分は永遠の罰をも受け入れようとしている。  
 
――――――  
 
 先生が巧みに責めてくる。  
 背筋がぞわぞわするようなキス。  
 胸の内から切ない何かを沸き出させるような乳房への愛撫。  
 そして耐えきれない私を追い立てる秘所への愛撫。  
『んん!!ん!んぁん!!』  
「…んちゅ……んちゅば……ふぅ…そろそろイかせて上げるわね」  
『はぁ……あん!ぁぁ!ゃん!!ひぃ!』  
 何も考えられない程に身体が悶え、打ち震える。  
 
 バチッ!  
 
『ひぃぃぃいいぃあああぁぁぁぁあぁあああああああ!!?』  
「好きでしょ?お し お き っ ♪」  
 
 電撃でクリを撃たれたと分かる頃には意識が遠のいていた。  
 きっとこれから白目を向きながらベッドで倒れるのだろうとどこか冷静に考える自分が居る。  
 
『………ぁ………はぁ…………ユウ………』  
「………さ、今はゆっくりお休みなさい……」  
 
 薄れ逝…意……に…、先生の……葉…がし………。  
 
――――――  
 
 私がサツキちゃんを消滅から助けるための道大きく分けて三つある。  
 助けないという手も無くはないけれど……私は逃げない。  
 生徒を見捨てる先生が居てはならない。  
 現実がそうでなくても、私は『先生』で居なければならない!  
 
 一つはサツキちゃんを現世に留めるためにこのまま快楽の虜にして奴隷化する。  
しかしこれは結局は一時凌ぎにしかならない。  
 どのようにしたのかは知らないがもし、これが復活の条件を提示したという賢者でしか  
 サツキちゃんの復活が出来ないという状態であったとしたら、  
 ユウ君に興味の無くなったサツキちゃんなど、既に定義的に破綻しており、  
 霊としてはもう別人とも言える。  
 その状態で賢者が解呪(?)を行えるかは不明だ。  
 私が死んだ場合にも彼女はそのまま快楽の虜として、やがて人を誘う魔物と化すだろう。  
 
 一つはユウ君とその恋の相手、そして可能であればサツキちゃんの記憶の一部を消し、  
 以前の状態に戻す。という手である。  
 ある意味では全員を助ける事が出来、尚かつ後に残る問題も少ない。  
 だがこれは……果たして良い事か。  
 どう言い繕っても、人の気持ちを本人の承諾も無しに弄り、操り、引き裂く。  
 とても倫理道徳的に許されるものではない。  
 その人の気持ちはその人だけの大切な持ち物だということ。  
 
 最後は…。言うまでもない。  
 私が換魂を行う。  
 彼女の代わりに全ての罪を背負い消滅することで、彼女たち姉弟の罪を禊ぐ。  
 神話上の戦乙女にでも選ばれない限り、永遠の闇に捕らわれる…。  
 
 なんて悲しい姉弟なの……。  
 既に二人の運命の糸は複雑に絡み合い、もう解けなくなっている。  
 結ばれているんじゃない。汚く歪に絡んでしまっている。  
 なにがどう動こうがもう悲劇しか待っていない。  
 恋すら自由に出来なくなる。  
 心から自由が奪われていく。  
 だから、換魂は禁呪……。  
 冷静に、総合的に、長期的に、客観的に見たら実際には圧倒的マイナスしか残らない!  
 
 でも責められない……。  
 性癖はともかくとして、彼女は賢き者の称号を名実共に得ていた本当に素晴らしい人間だった。  
 それでも。それでも、誰だって大切な人は失いたくない。  
 大切な人を取り戻したい気持ちに駆られた事のある私が、サツキちゃんを責めることが出来ない。  
 ユウ君はサツキちゃんにとって決して無くしてはならない世界でたった一人の弟。  
 本当に大切なもの。  
 ………ずっと、傍に居てくれる。そんな家族。  
   
 
 
 ……私は、覚悟を決めた。  
 
 彼女が意識を取り戻すまでに全部終わらせておいてあげよう。  
 そして私の選んだ道は。  
 

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