景陽前提・使令小話 ショボーン(´・ω・`)驃騎編
作者134さん



足首を舐められて、陽子の身体が跳ねた。ギシギシと寝台の軋む音がする。
この音ももういい加減聞き飽きた、と隠形したままで驃騎は思った。
すぐ近くからは冗祐と芥瑚の、ぐるぐるとした果ての無い煩悶の気配が伝わってくる。驃騎自身、彼らの気持ちは
痛いほどによく解るのだが、いかんせん自分でもどうにも出来そうにないので、とりあえずは沈黙を守っておくことにした。
ああ、何が悲しくて、喜色満面で女王を縛る「さど」な麒麟の姿など眺めなくてはならないのか‥‥‥驃騎はがっくりと
肩を(実際に落とすのは難しいので、心の中で)落としたのだった。

景麒が、縛られたままの陽子に覆い被さった。帯に戒められた身体のあちこちを、ゆっくりとした動きで舐めていく。
陽子が快感の滲む声色で辛そうに喘いだ。

「や、やだぁあ‥‥‥ッ!」
「嘘はお止めなさい、主上。素直に、もっとして欲しいと仰い」
「あ‥‥‥あ、あん、あぁんッ」

(そういえば、昼間は怖ろしかったな‥‥‥‥)

陽子とじゃれていた雀胡が、彼女の胸元にもぞもぞと潜ろうとしたのだ。
近づいてくる麒麟の気配を察して驃騎は焦った。警告しようにも、雀胡は小物すぎて驃騎の言葉が理解できないのだ。
それでも獣の勘で危険が迫っていることだけは解るらしく、ますます衣の奥深く潜り込もうとする。その感触に、何とか
雀胡の振る舞いを止めさせようとしていた陽子が、顔を赤くして衣の袖を握り締めた。
その表情に驃騎は見覚えがあった。夜、途切れ途切れに喘ぎながら下僕を罵る時の顔だ。
危険を感じ、やむなく雀胡の首元を咥えて姿を隠したものの、おおよその経緯は景麒にはバレているに違いない。
こういう時、景麒は普段の何倍も鋭い。
しかも不可抗力とはいえ、雀胡を引き戻すために陽子の胸元に首を半ば突っ込んだりしたわけで。
すると、そんなつもりではまったくないのに陽子が「あ‥‥‥ッ」などと熱っぽい溜息を吐いたりして。
そんなところへ到着した景麒は、心なしか黒い妖気を放っていた。おかげで、驃騎の立場ははなはだ微妙なものに
なった。
もっとも、今の景麒は主との行為に浸っているので、そんなことは忘れているだろうが‥‥‥


「け、いき、景麒、ぁああッ!やだッ、そこは、だめ‥‥‥ッ」

遠慮のない指が、緩んだ太腿の間に忍び込む。ぐちゅぐちゅといやらしい音がして、迫り上げてくる
快感と羞恥に陽子は泣いた。
止めて、と懇願する声を無視して、景麒は陽子の中をさらに捲き混ぜる。
その刺激のあまりの強さに、ビクビクと自由にならない陽子の身体がのたうった。

「や、あ、あぁーーーーーーーッ!!!」

一気に頂点へと昇りつめ、脱力した陽子は寝台に沈み込む。
汗を滲ませたその額に軽くくちづけて、景麒は陽子を戒めていた帯を解いてやった。そのまま、自身が
纏っていた絹の衣を脱ぎ落とす。
そして、再び主に覆い被さった。



‥‥‥‥‥‥‥‥驃騎はややうんざりしている。

出来ることなら、この場から離れたい。しかし、己の立場でそれはまずい。それは使令にあるまじき
振る舞いだ。
賓満を外した女王と使令が控えていない麒麟では、万が一の場合、勝算は無いに等しい。
いわば、丸裸同然なのだから‥‥‥

「まあ実際、丸裸だがな」

心で呟いたつもりで、つい言葉にしてしまったらしい。
いたって冷静な班渠の言葉に、再び驃騎は肩を落としたのだった。



         →班渠編

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