景陽前提・使令小話 マターリ(´ー`)班渠編
作者134さん
驃騎の恨みがましい気配を感じて、班渠はくつくつと笑った。
ぐったりしている他の使令たちと違い、彼は悠然としてこの状況を楽しんでいる。
(そう嘆くことでもあるまい。主上も、口で仰るほどお困りではないのだからな‥‥‥)
余裕のある彼は、最近とみに変態じみている麒麟よりも、それに影響されて段々と変化しつつある女王の方を
日々観察しているのだ。
帯から解放された陽子は、荒い息をつきながら寝台に横たわっている。
景麒は陽子の身体を抱えると、欲望にそそりたつ立派な自身を、蕩けきってそれを待つ彼女の中に突き入れた。
「ああッ!!!」
さほど間を置かずに与えられた快楽に、陽子の身体が仰け反る。
熱い内部に自身を包まれて、酔ったように景麒は熱い息を漏らした。余裕を無くしつつも、大層嬉しげに陽子を
抱く腕に力を込めて動きを開始する。蜜を溢れさせるそこに、激しく打ち込む。
「やぁ、あ、あん‥‥‥‥景麒ッ、あぁぁんッ!」
「‥‥主上‥‥‥‥ッ」
一際、強く突いて、景麒は陽子を抱きしめた。
「ふぁ、あ、あぁああああーーーーーーーーッ!!!」
そろそろか、と班渠は影から姿を現す。
寝台の敷布は情事の直前に景麒がみな放り出してしまっていたので、それを咥えて渡してやる。
「ああ、すまない」
それを受け取り、景麒は意識を無くして寝台に横たわる陽子に掛けてやった。行為を終えて、機嫌が良いらしい。
敷布を少し引っ張って潜り込むと、そのまま景麒も眠りに落ちていった。
その表情がどんな時より優しいことを、班渠は知っている。やれやれ、と頭を一つ振って彼も闇に姿を沈めた。
→景麒編