暗緑色の衝動


 新しい部屋でハボックは溜息を吐いた。
 突然の中央への異動話。ハボックに拒否するつもりなどなかったが…。
「ようやくカノジョができたところだったのに…」
 惜しいとは思うのだった。
「はぁ…大佐は一言で終わったしな」
 軽く頭を振って部屋を出る。気晴らしに外をぶらつく事にしたのだった。
 可愛い女の子達はけっこういた。
「いいねぇ、やっぱ…」
 ふと目をやった先では誰かが女性に囲まれていた。
 どんな奴なのだろうとハボックの好奇心が疼いた。
 女性の頭が揺れその向こうに見えたのは良く見知った顔だった。
「大佐…。あの人はなー…!!」
 東方司令部の時も女性とのデートの約束もひっきりなしだったようで、 良く電話しているのをハボックも聞いていた。
「いいよなぁ…俺にも紹介してくれないっスかね…」
 何となく気分が重くなって部屋へと引き返したのだった。

 次の日、ハボックはロイの執務室前にいた。ノックしようとした時、扉が開いた。
「おっと…」
 ぱさりと抱えていた書類が何枚か滑り落ちた。
「あら…ごめんなさい」
 出てきたホークアイ中尉が書類を拾い上げた。
「俺の方こそ すんません」
 書類を受け取った手で、開いたままの扉をノックした。
「入りたまえ、ハボック少尉…見えているがね」
 ホークアイ中尉は一礼して去っていった。
「また書類の山か…片付いたばかりだというのに…」
 盛大に溜息を吐いて見せたロイの前に書類を置いた。
「それが大佐の仕事っスよ」
「まったく…」
 ロイはいかにも嫌そうに書類を捲っている。
 日に焼けていない白い顔と指。自分とは違う。
「ん…?」
 ハボックの視線にロイが顔を上げた。
「大佐…」
 汚してやりたいと強烈に思った。
「っ! ハボック…!」
 ロイの後ろに回ったハボックはその腕を捻り上げた。
 目の前の机にその体を押し付ける。
「すみませんね…なんつーか、我慢できないんス」
 そのままの状態でロイの前に手を回し、ズボンを引き下ろした。
「ハボ、ック…」
 ロイは部下をケシ炭にするわけにもいかず、ただ耐えていた。
「そう悪い事もないと思うんで」
 ハボックの指がロイに直接触れる。その瞬間、ぴくりと少し硬くなった。
「なんだ、もう感じてるんスか…?」
 嘲るような口調でいいつつ、ハボックの手は上下する。その度に硬度を増し、 すぐに先端から透明の液を流した。
「あぅ、あ…」
 ロイの口から声が上がる。
「いいっスねぇ…なかなか煽情的っスよ」
 ハボックはロイの首筋へと舌を這わせる。
「暴れないで下さいよ?」
 ロイがうなずくのを確認してから捻っていた手を放した。もちろん、前は捕えたままだ。
「片手が使えないと不便だったんで」
 悪びれもせずそう言うと自由になった手で胸の辺りへと手を差し込んだ。
 小さな粒を軽く摘んで引っ張る。
「ひっ…!」
 ロイの体が震える。
「そんな初な反応やめて下さいよ」
 ぷつと立っているのを指で押しつぶす。
「くぁ、ぅ」
「そろそろ後も準備しないと駄目っスねぇ」
 胸を弄っていた手をロイの口元へ持っていく。
「舐めてください。俺は痛め付けたい訳じゃないんで」
「ん…」
 指にロイの舌が絡み付く。
「はぁ…」
「力抜いててくださいよ…」
 唾液に塗れた指を後孔へと差し入れた。
「っつ!」
 そこは異物の侵入を拒み開こうとはしない。前も一気に力をなくしていた。
「狭い…入るのか…?」
 快感の取れる前を擦りながら、指を軽く抜き差しする。
「ハボック、ふぅ、一番上…」
「何です?」
「抽斗…」
 ロイの言葉を訝しく思いながらもハボックは一番上の抽斗を開けた。
 そこには…。


2005/09/06 UP

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