紫煙の中で


 資料庫の前に着いたフュリーは電気を点けた。暗い資料庫内が薄明るくなる。
「うぅ…ここっていつも何か出そうな気がしてドキドキするんだよね・・・」
 フュリーは恐る恐る奥へと入っていく。
「えっと、これは…」
「わっ!!」
「うわーー!!」
 バサバサッと資料が散らばる。
「たた…痛ぇなあ…」
「ハ、ハボック少尉!」
 悪戯心でフュリーを脅かしたハボックだったが、当の本人には状況的にもビビッていた為、 冗談ではなかった。
「何で急に後ろから現れるんですか!?僕、ホントにおばけが出たのかと…」
 猛烈な恐怖感の後の安堵からか、フュリーはボロボロと泣き出してしまった。
「お、おいおい…」
 当然、焦ったのはハボックだった。
「いや、そこまで驚くとは思ってなかったし…悪かったから。泣きやめって…」
 ハボックはフュリーを引き寄せるとぽんぽんと頭を撫でて宥めた。
 数分経っただろうか…。
「なんか落ち着きます…この体勢…」
 フュリーがぽつりと言った。
「そりゃ良かったよ。もう良いか?」
「あの、もう少しこのままで…」
 ハボックは小さく溜息をついた。俺の目の下で旋毛が動いてるよ…。と思った時、 ハボックは己の危険思想に気がついた。
 ちょっと待て!相手は男だぞ!駄目だろう!何だその考えは!!
 ハボックが心の中で悶絶していると、不意にフュリーと目が合った。
「ハボック少尉…?」
 そこからは男の本能に従ったと言うべきだろうか。ハボックはフュリーに口付けていた。
「!!」
 フュリーは驚いていたが、口内を深く貪られると体の力が抜けてしまった。
「んは…」
 つぅー…と引いた透明な糸をハボックの指が遮る。
「フュリー曹長…大丈夫か…?」
「は…だいじょ…ぶ…です…」
 二人の受け答えにはほんの少しのズレがあったのだが…。
 ハボックの手がフュリーの服の下に潜り込む。
「え?ア…!?」
 胸の突起を弄られてフュリーの息が乱れる。
「あ、ちょ…と」
「黙ってな…」
 ズボンを下着ごと引き摺り下ろし、フュリー自身を手の中に収めると緩く扱いた。
「あ、しょ、少尉…!やめてくださぁ…!」
 フュリーの手がハボックの腕を掴む。
 ハボックは考えのズレに気が付いたが今更止める気にはなれなかった。
「心配すんなよ」
 堅くなり始めた物に口を寄せる。
「な、何す、ああ!」
 生暖かい感触に包まれる。先端から根本まで包まれ刺激される。
 絶妙と言うのか奇妙な感覚だった。フュリーの背中を何かが駆け上がる。
「は、離して下さい…!も、ちょ、あ、ダメで!!」
 フュリーの体が震え、ハボックの口内に白濁した液体がぶちまけられる。
「…さすがに早過ぎじゃないのか?」
 あっさりと嚥下したハボックは苦笑で答えた。
「そ、それは…!」
 真っ赤になったフュリーは再び泣き出し、顔を両手で覆った。
「でも、ま…」
 ハボックはフュリーの出した物を綺麗に拭き取り服を着せ付ける。
「全部夢だからよ。忘れろ」
 ぽんと頭を撫でた。
「ほら、立てよ」
 ハボックはフュリーの腕を引っ張り起こした。
「ここは俺が片付けるから、帰って寝ろ。んで忘れちまえ」
「ハ、ハボック少尉…!」
 フュリーの体が資料庫から押し出された。
「じゃあな」
 パタリとドアは閉じた。

 資料庫の奥…。
「んは…」
『ハボック少尉』
「くそ…可愛い声出しやがって…」
 ハボックが猛った己を慰めていた。
 単純な仕事を片付けるのに3倍以上の時間が掛かったのは言うまでもない…。




2005/12/11 UP

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