ベイス=ロスティ、その後宿屋にて。
心が壊れた気がした。
リッツの元に戻ってからも、心に渦巻いているどす黒い感情を吐き出してしまいそうで、口もきけない。
「なぁ、どうしたんだよベイス。マジでお前おかしいぞ」
宿屋でリッツが何度目かもわからない問いを投げかけてくる。
こいつ、マジでうるさい。俺の気持ちもわからねぇくせに。悩みも無いようなツラしてるこいつが憎くてたまらない。
「村に戻ってからだろ、お前がおかしくなったのって。何があったんだよ、話してみろって。俺たち親友だろ?」
親友、だぁ? ふざけんじゃねぇよ。
「何が親友だよ……うるせぇんだよ、お前は!!」
思い切りリッツをベッドに突き飛ばし、拳を振り上げる。
何が親友だ……所詮お前は、あいつの息子じゃねーか。
……息子?
あぁ……やっとわかった。俺のこの感情をどこにぶつけりゃいいのか。
そうだ、こいつだ。何も知らずに親友ヅラして、俺の神経を逆撫でするこいつ。
リッツ、お前はあいつの息子なんだろうが。俺の恨みを発散させてくれたっていいだろう?
振り上げた拳を下ろす。それを見てほっとしたような顔をするリッツ。これで終わると思ってんのか、こいつは。
「うわぁっ!?」
リッツの服を剣で薄く切り裂く。アコライトの法衣は薄く、あっさりと裂けた。
突然のことで驚いている奴の腕をつかみ、ベルトで縛りつけてやる。
「ベイス……な、なにを?」
「わからないか? これでも」
リッツのズボンを引き下ろし、奴自身を思い切り握る。ひっ、と奴が喉の奥で悲鳴を漏らすのが聞こえた。
殴るだけじゃ物足りない。こいつを犯して、俺をこいつの身体に、心に刻み付けてやる。
哀れみで抱かれた俺の屈辱を親父に代わって味わえ、リッツ。
「やめろベイス、何のつもりだっ」
「やめろと言われてやめる奴がいるかよ……あいかわらず甘い奴だ」
そうだ、甘いんだよお前は。
はだけた胸に舌を這わせ、突起に噛み付く。
「いてぇ…っ」
「これからもっと痛くなるぜ」
気持ちよくしてやるつもりなんかないからな。
リッツの白い肌に跡をつける。これでしばらく忘れられないだろ、この日のことを。
肌を吸い上げるのが痛いのか、一つ付けるたびにリッツが顔をしかめた。
もう一度奴自身を強く握ってやると、奴の身体が跳ねた。
「うぅっ……」
「なに、お前感じてんの? 俺痛くしかしてないだろう」
「ち、ちがうっ」
「何が違うんだよ。お前硬くなってるし。変態」
痛いのがいいのか? えらい変態だな、こいつも。
だがこれで少し気が変わった。痛めつけるのもいいが、どうせこいつはそれで感じるんだろう。
ならいっそ快感まみれにして、それで屈辱を味合わせるのも悪くない。
「思い切り喘いで恥かけよ、リッツ」
リッツ自身を口に含む。リックスが俺にやったように、優しく満遍なく舐めまわしてやる。
「あ…あっ、どうしてっ……」
面白いようにリッツが身体を震わせる。元々感じやすい体質らしいなこいつは。
「や…やめろぉっ……うぅっ」
みるみるうちに質量を増していくリッツ自身を苦労しながらも口に含み続ける。
「う…くっ、あぁぁっ」
はちきれそうな奴自身の先端を吸い上げると、リッツは身体を反らして達した。
口いっぱいに放たれたリッツの白濁を、口移しで奴自身に流し込む。
「ぐっ……」
「早えよバーカ。てめぇの出した奴でも味わってろ」
指に唾液を絡ませ、リッツの中に突き入れた。
「っつ……い、痛い、やめろバカっ」
「うるせーよ。やめないってさっき言っただろうが」
さらにもう一本突き入れる。
「どうせ痛くてもいいんだろ、お前は」
「んなわけあるかっ……くぅっ」
中を掻き回すと、リッツが悲鳴を上げる。
俺の指がある一点を掠めると、奴の身体が跳ねた。
「ふぅん……ここがお前の感じるとこってわけか」
「や…めろっ……、ぅあぁっ」
「本当にやめてほしいとは思えないなぁ。そんなにおっ立ててよ」
俺の言葉に、リッツの顔が赤く染まる。何を今更恥ずかしがってんだか。
「さて、そろそろヤらせてもらうぜ、リッツ」
「なっ……」
俺自身を宛がい、先を潜り込ませると、リッツの目から涙がこぼれた。
「い…嫌だ。 嫌だベイスっ!! 頼む…許してくれよっ」
許してくれ、だぁ? 俺がどうしてお前を犯してるかも知らねーのに。
「うるせぇ……よっ」
「……っ! うあぁぁっ……!!」
思い切り、中に押し込んだ。俺自身がすべてリッツの中に潜り込む。
「ははっ、お前すげぇな。全部飲み込んじまってるぜ。向いてんじゃねぇの、こういうの」
「…………」
リッツは答えない。入れたときのショックがすさまじいらしい。
……面白くないな。
「ううっ」
揺さぶってやると、奴は声を漏らした。
ボロボロ涙をこぼしてさ、屈辱なんだろ? なら、今日のことを忘れるなよ。
「く…ふっ、ぅあっ、あぁぁっ」
喘ぐリッツの姿に、あのときの俺とリックスの姿が重なる。
哀れみで俺を抱いたリックスと、それも知らずに喘いだ俺。
ただ痛めつけるだけのために抱く俺と、傷つきながら喘ぐリッツ。
なぁリックス。あんたの優しさだかなんだか知らないが、罪滅ぼしなんかで俺を抱いたことは、俺を一番傷つけたんだぜ。
両親を殺されたこともそうだが、なによりも俺はそれであんたを恨んでる。
「……っ、ああぁぁっ」
リッツが背を反らし達した。締め付けにまかせ、俺も奴の中に放った。
ぐったりとしたリッツから自身を引き抜く。
俺のことを親友だって信じてた可哀想なリッツ。俺を恨むがいいさ。
俺の姿を思い出せ。何度も夢に見ろ。悪夢としてな。
それが、お前が親父の代わりに受ける俺の復讐だ。