TWO
in KAREN island
キール王国を経由して、水陸両用の小型飛行機に乗り込んだ悠理と龍之介は、
大海原に浮かぶカレン島へと向かっていた。
〈あれが、カレン島ですよ〉
ラフな格好をした人懐こい顔の操縦士が英語で言った。
「悠理、あれがカレン島だってよ」
「ホント!?あー見える見える!なんか、想像してたよりでかい島だなぁ!」
空から見下ろすカレン島は、
マリンブルーの海に浮かび、きれいな丸い形の中に大きく湾が入り込んでいる。
実際の島の部分は三日月のような形をしている。
飛行機が島に近づくに連れ、その様子が見えてくる。
三日月型の島の南側は開けており、白い砂浜が拡がっている。そして小さな建物があるのが見えた。
〈お連れする場所はあの三日月の下側のコテージです。
素敵な島ですよ。きっとお二人もお気に召すでしょう。
何と言っても、カサル王子が東洋で出会った宝石のような女性の名を取って付けた島ですから〉
それを聞いて、龍之介は少しだけ苦笑した。
「宝石ねぇ・・・」
「・・・何だって?」
龍之介は悠理に、操縦士の言った言葉を通訳してやった。
「うっわ・・・宝石って、可憐のことか!」
「そりゃそうだろ、可憐の島なんだから。しかし、ホントにオレたちが来ちゃってよかったのか?
ここって絶対、カサルが可憐と寄り戻そうとしてプレゼントしたんだと思うぞ?」
「だって、可憐がいいって言ったんだからいいんじゃないか?カサルのサインも持ってるんだし」
「・・・ま、細かいことは気にしないでおこう。考えたらキリ無いから」
「そーだぞっ!?これから龍之介はあたいのコト以外考えちゃダメなんだからな!」
悠理は龍之介の腕に甘えるように自分の腕を絡ませた。
龍之介は、自分と一緒にいられるということですっかり盛り上がっている悠理の、
湧きあがるような心の高揚感が伝わってきて、すごく幸せな気分になった。
「だけど、オレが悠理のことだけ考えてたら、飯はどーすんだ?」
途端に悠理の顔が困った。当然、食事の準備は龍之介に頼る以外ない。
「うっ・・・じゃぁ、あたいとご飯のことだけ・・・」
「よーし、了解!」
飛行機はカレン島に向かい、降下を始めた。
〈それにしても、使用人を付けなくて、本当によろしかったんですか?〉
飛行機から手荷物をコテージに運びながら、操縦士が龍之介に訊ねた。
〈あぁ。身の回りのことだったら大体オレが何でもできるし、平気だよ。
それに、妻が2人きりの方がいいって言うからさ〉
そう言って、くいっと口角を上げて楽しそうに、そしてちょっと照れくさそうに笑う龍之介に、
操縦士は大げさな表情で両手を上げて悠理に向かって叫んだ。
〈なんと、幸せな奥様だ!あなたは!〉
「???おっちゃん、なんだって?」
「悠理は幸せものだってさ」
「???ふーん?よくわかんないけど、褒められたのか?あたい」
「そういうこと~♪」
悠理は何がなんだかよくわからなかったが、龍之介の機嫌がすごくいいことだけはわかった。
〈コテージの食料や水などが足りなくなるということは無いでしょうが、
もしものことがあった場合は、コテージ内の無線でお知らせください。ただちにお迎えに参ります〉
〈それは、助かるよ〉
〈あぁ、そうだ!大事なことを言い忘れていました。
この島には、危険な生き物などはいませんが、島の北の方、つまり三日月の上の方ですが、
そちら側はジャングルになってまして、迷うと大変ですから立ち入らないように願います〉
「・・・?何て言ったの?」
「島の反対側はジャングルだから立ち入らないように、だってさ。危険な動物はいないみたいだけど」
「ジャングル!?うわっ、楽しそう!」
「こらこら、立ち入るなって言われたんだぞ?」
「えー!?でも、危険な動物はいないんだろぉ?何で?」
「迷うと大変だからって」
「ふーん・・・」
あまり納得してない悠理を後目に、操縦士はにこやかな笑みを浮かべ龍之介に握手を求めた。
〈それでは、私はこれで。存分に休暇をお楽しみください〉
〈ありがとう!いいフライトだったよ〉
龍之介の言った“thank you!”が聞き取れたので、悠理も、笑顔で操縦士に手を振った。
「サンキューな!おっちゃん!」
2人は、青い海を走り、再び空へと舞い上がった飛行機を見送った。
飛行機に手を振りながら、元気よく島の浅瀬をバシャバシャと水を弾かせて走る悠理を、
龍之介は眩しそうに手をかざして見つめた。
コテージの中は、まるでリゾートホテル並みに小綺麗で、ほぼ何でも揃っているようだ。
しかも、小型の発電器まで備えてあるので、家電も動く。
「・・・なんか、こんなに何でも揃ってたら、全然無人島って感じじゃないね」
「ま、何もないよりかはマシじゃないか?」
2人はふと、顔を見合わせ、そのまま見つめ合った。
「さて、やっと2人きりなわけだが、どうする?」
「どーするって、着いたばかりだし・・・。
でも・・・ちょっと疲れたよね・・・・・・・・・・・寝る?」
悠理はちょっとだけ頬を染めて、龍之介の顔を見上げた。
「じゃ、寝よっか。一緒に」
「うん、一緒に♪」
2人はどちらともなく手を繋いで、寝室の天蓋の付いたエキゾチックな雰囲気の大きなベッドに座った。
薄いヴェールのような天蓋は、まだ明るい外の南国の日差しを透かす。
「りゅう・・・やっぱり、もうちょっと暗くなってからにしない?・・・こここんなにアカルイしー・・・」
「やだ。悠理のこと見える方がいい」
「ばかぁ・・」
龍之介はキスの雨を降らしながら悠理を押し倒すと、服を脱がせつつその身体をまさぐり始めた。
しかし、ふと、手が止まる。
「・・・悠理」
「・・・りゅ・・ぅ?」
「・・・こんなに痩せて・・・」
龍之介は、前に抱いたときよりも確実に細くなってしまっていた悠理の身体に少なからずショックを受けた。
病的な細さというのではないが、自分のいない間、悠理がどれだけ食を細くしていたのか痛いほどわかった。
この悠理が、だ。
悠理は、龍之介の心を読み取ったようにささやくように呟いた。
「・・・りゅうに、いっぱい食べろって言われてたのにね。
赤ちゃん産むにはちょっと細いからって・・・なのに少し痩せちゃった・・・おっぱいもまたペッタンコだ・・・」
「・・・ごめんな」
龍之介は半分泣きそうな顔で言った。
悠理は手を伸ばしてそんな龍之介の頬を優しく撫でた。
「・・・そんな顔するなよぉ。りゅうのことを責めてるんじゃないんだ。
確かにずーっと寂しかったけどさ、今はこうして龍之介のこと独り占めして一緒にいられるんだもん。
・・・それだけであたいは幸せだ。すっごく幸せなんだぞ・・・」
そう言って微笑む悠理を、龍之介はたまらずぎゅーっと抱き締めた。
「悠理・・・愛してる。誰よりも誰よりも大好きだ・・・」
「・・・あたいも龍之介のこと愛してるよ。りゅうのこと大好き。
だから・・・早く抱いて。いっぱい抱いて。そしたら、あたい何でもいっぱい食べるから・・・」
腕の中で少し甘えたような表情で自分を見上げる悠理に、龍之介は優しく頷いた。
「じゃ、もっかいキスぅ。あたいがとろけそうになるぐらい熱~いヤツ、して」
「ん・・・する」
悠理のくちびるをついばむように龍之介のくちびるが挟む。
柔らかな感触。そして温かい。
つきあい始めの頃の初めてのキスから、もう数年が過ぎた。
その間に、もうどれだけくちびるを重ねただろうか。
気が付けば2人の関係は、友人から恋人へ、そして夫婦へと変わっていたが、
それでも、2人のキスは決して変わっていない。
いつでも初めての時と同じぐらい心がこもっていてドキドキするキスだと、悠理は思う。
そう思うと同時に、龍之介の舌が悠理のくちびるを分け入ってきた。
「・・・んむっ」
滑らかで熱い舌の感触が悠理の口の中をくすぐる。
悠理の舌が誘い出されるようにして龍之介のそれに絡まれ、溢れそうになる唾液を吸われる。
・・・ホントにとろけちゃいそぉだよ。
十分に熱く情熱的なキスをされ、悠理は頬を上気させた。
龍之介は悠理の服をすべて脱がせると、痩せた胸にそっと触れた。
悠理の肌が僅かに揺れる。
「りゅぅ・・・」
「なに?」
「りゅうの手・・・あったかくって、キモチイイ・・・」
「そう?」
龍之介は、悠理の両胸を手のひらですっぽりと包むと優しく揉み始めた。
「・・・あ・・っ・・あぁん・・」
龍之介の大きくて熱い手のひらで、胸の先端を擦られ、悠理は甘い吐息をもらした。
龍之介のくちびるや舌が、悠理の首筋から胸元を丹念に這う。
そして、手のひらに転がされ、硬くしこり始めた悠理の乳首を龍之介は口に含んだ。
乳房の最も敏感な部分に龍之介の舌や歯の感触を感じ、悠理は身を捩る。
龍之介は空いた手で悠理の腰をなぞりながら、そっとその両脚の間の柔らかな茂みを撫でた。
「あぁ・・っ」
悠理の腰がぴくんと跳ねた。
「相変わらず感じやすいな、悠理は。まだ肝心なとこには触ってもいないんだぞ?」
「もぉ・・・りゅうが触るところはどこもあたいは感じるんだぁっ・・・わかってるくせにぃ・・・はぁん・・っ・・・」
茂みを撫でる指先は徐々に悠理の中へと沈み、その芯なる部分に触れ、
中に隠れていた感覚の鋭敏な小さな芽を優しく弄り、そしてそこはかとなく意地悪に玩ぶ。
龍之介による身体の様々な部分への愛撫によってすでに湿り気を帯びていたその周辺は、
直に触れられることによって、くちゅくちゅと音をたてながらさらに潤いを増した。
「・・・んっ・・ぁぁ・・・」
悠理はただされるがまま、だが深く龍之介を感じながらその身体にしがみつき、
言葉にならない吐息をもらした。
「・・・悠理ん中、あったかくて気持ちいいな」
「・・・そんな・・にしたら・・・や・・ぁ・・ヘ・・ンになっちゃう・・・」
「ヘンになってる悠理も可愛いから好きなんだけどな、オレは」
「じゃー・・・早くちょーだい。りゅうのことー・・・」
「・・・ん、わかった」
すでにゆるゆると絡みつくように溶けた悠理の中に、龍之介は自身をゆっくりと沈めた。
龍之介のそれが全て自分の中に納まるのを感じて、悠理はふぅと甘いため息をついた。
そして、いつのまにか、悠理の頬を二筋の涙が伝っていた。
「悠理っ!?どした、なんで泣くー?」
「・・・今ね、・・・龍之介があたいの中に入ってきた瞬間、
なんかすっごく安心して、嬉しくて、そしたら、なんかちょっと泣けてきちゃった・・・」
「ゆうり・・・」
心配そうな顔で自分を見下ろす龍之介に、悠理は心からの笑みを向けた。
「・・・りゅう、あたいすごーく幸せ。
りゅうがあたいの中にいて一つになってて。・・・りゅうは?幸せ?」
龍之介は悠理の頬を濡らした雫をそっと舐めとって、優しい笑みを浮かべ、答えた。
「・・・オレも同じだよ。すっげぇ、幸せ。やっと悠理のとこに帰ってこれたって感じ」
「こんなに愛し合ってる夫婦を離ればなれにするなんてさ、神様もヒドイよな・・・?」
「そうだな・・・だけど、こうやってちゃんと愛の確認できてるわけだし、あんまり神様を責めてやるな」
龍之介は悠理の頬にかかる髪を指先でそっとよけると、悠理はその指をあむっとくわえた。
悠理の舌は巧みに龍之介の指を舐め、吸いついた。
「キモチいい?」
「すごくいい。上手」
「ねぇ・・・起こして」
「ん」
龍之介は自分の首に両腕を絡めた悠理の腰を掴むと、その半身を持ち上げた。
自然と龍之介の膝の上に悠理が乗る座位の形となる。
「支えてて・・・あたいが動くから」
2人は手のひらを合わせ、指を一本ずつ絡ませて握り合う。
悠理は目を閉じ、膝を立てて上下に腰を揺らし始めた。
擦り合わせる場所から聞こえるいやらしい音が悠理の頬を紅潮させる。
「ゆーり・・・目ぇ開けて。オレのこと見て」
その声に悠理が閉じていた双眸をそっと開くと、
龍之介の視線が絡まるように悠理を捕らえ、にっこりと微笑んだ。
その笑みは悠理の鼓動をトクトクと高鳴らせる。
「りゅ・・ぅ・・・あたい・・よかっ・・よかった・・・?」
龍之介は合わせた悠理の両手を掴んだまま、両腕を左右に開いた。
途端に、悠理の身体は龍之介に引き寄せられてそのままその胸に抱かれた。
「あぁ・・すげぇよかった・・・じゃ、そろそろ交代」
龍之介はしっとりと艶を帯びた悠理の肌を甘く咬みながら、ゆっくりと悠理の身体を揺らした。
「あ・・っ・・あぁ・・っ・・・!あはぁ・・っ!りゅぅ・・・あ・・あた・・い・・もぉ・・だめぇ」
自分の動きだけでもすでに限界点ギリギリのところにいた悠理は、
さらなる龍之介の動きに、激しく息を乱しながら身悶えるようにして達した。
龍之介は自分にもたれかかった悠理を再び横たえさせると、
その裏腿を持ち上げ、ぐい、と自身の腰を打ち付けた。
「んぁっ・・・やぁん・・・あぁぁあっーーーーー!!」
「はぁ・・・やっぱり龍之介のエッチって世界一気持ちいぃ・・・♪」
2人で達した後、悠理は龍之介の胸に甘えるようにふにふにと顔を擦り付けるようにして埋めた。
龍之介は悠理の髪にくちびるを寄せると、からかうように言った。
「オレしか知らないくせに世界一なんてよく言うなー」
「だぁってー!それでもホントにそう思うんだもん!
・・・そりゃ、あたいはりゅうのことしか知らないけどさ、他の男と比べようとも比べたいとも思わないぞ?
だったら、世界一で全然合ってるじゃんかぁ~!」
「なるほどな。」
悠理の理屈に納得しながらやはり嬉しさを隠せず、龍之介はついつい笑ってしまった。
「あー、そうやって笑ってるけどさぁ・・・そぉ言う自分だってあたいしか知らないくせにぃ~」
「おっと、そーだな。オレも悠理のこと言えないか。それに、オレの世界一も悠理だし」
「ホント!?やたっ!嬉しーな~♪でも、あたい自信はあったんだー!
いつだって、龍之介とエッチするときは愛情いっぱい込めてるもんね!」
「・・・じゃ、もう一回する?その愛情いっぱい込めたヤツ」
「するぅー!」
「じゃ、今度は後ろからな・・・」
「・・・ん」
悠理のうなじから背中へ龍之介のくちびるが這うと、
再び天蓋の中の2人の世界に悠理の嬌声が響き始めた。
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KAREN island 2
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