TWO
in KAREN island 2



南の島の強い太陽も、西の海へと沈みかける頃。
夢中で身体を合わせていた2人は、いつの間にか遊び疲れた仔猫のように深く眠っていた。
キングサイズの大きなベッドにも関わらず、2人はまるでそれがシングルベッドであるかのように、
裸のままのお互いを抱きしめ合うようにして、ぴったりと身体を寄せ合っていた。
ふと目覚めた龍之介は、
ベッドの大きさをまったく有意義に使っていない自分たちに気付き、
微かに笑った。

・・・これって、結婚前のオレのマンションでのクセが抜けてないのかな。

龍之介が一人でマンション暮らしをしていた当時のベッドはシングルで、
悠理が、恋人としてはこっそりと、婚約者としては堂々と泊まりに来ては、
狭いそのベッドで、いつも2人でくっついて眠っていたものだった。

・・・つーか、ベッドが狭かったからじゃなくて、くっついていたいからくっついて眠っていたんだけどな。
あぁ・・・なら、今でもこうやって眠ってしまうのは当然といやぁ当然・・・だな。

結婚してからは、剣菱家の悠理の部屋の大きなベッドが2人の新しいベッドとなったのだが、
それでも、そのベッドで寝たときも確かに同じようにくっついて寝ていた気がする。
とは言うものの、出張続きでまだそれほど一緒に眠っていないのだが。
そんなわけで龍之介は、出張先のホテルや、移動中のトライスラーの中で眠るとき、
ベッドの大きさに関わらず、一人で寝ていると広いと感じてしまうことがある。
そんなときはいつも、悠理の健康的な寝息や、温もりがたまらなく恋しくなるのだ。

・・・まったく。オレも、結構寂しがりだよな。

龍之介は、自分に身体を寄せて眠る悠理のおでこに軽くキスをした。

「・・・ん・・んふふ、りゅう・・だめだってばぁ・・・」

寝言だ。
しかも、寝ながらにんまりとした笑みを浮かべている。
そしてちゃんと、龍之介の夢を見ているのが可愛いらしい。

・・・そうそう。この寝言が無いのが一番寂しいんだ。
それにしても・・・可愛いーなぁ、悠理は♪

そんな悠理に少しだけ悪戯っ気を起こして、龍之介は今度はその胸の辺りを触ってみた。
痩せて再び薄くなっていても、その柔らかな弾力は悠理の若さと生命力の象徴のようだ。
その感触が気持ちよくてついつい玩んでいると、
それまで規則正しかった悠理の寝息が僅かに荒くなってきた。

「・・ぁ
、りゅう・・だめぇ・・・」

その甘い寝言に調子を良くして、悠理の膝を割ってその身体に重なろうとしたその時、
龍之介は軽い空腹を覚えた。
ということは、悠理もそろそろお腹を空かせて目覚める頃だ。

「うーん・・・ちょっと心残りだけど、この続きは後だな。まずは飯の用意しないと」

そう呟いて、悠理を起こさないようにそっと起きあがろうとすると、
その気配を感じたのか、悠理が目を覚ました。
だが、まだどことなく夢見心地なぽわーっとした表情をしている。

「悠理?」
「・・・りゅうー?どこ行くのー?行っちゃやぁ・・・」

悠理は龍之介の首に両腕を巻き付けてしがみつくように抱きついた。
寝ぼけて、龍之介が再びどこかに出張に行くとでも思ったらしい。
龍之介は、悠理の頭を優しく撫で、頬にいくつもキスをしてやりながら言った。

「・・・どこにも行かないよ。ご飯作りにキッチンに行くだけ。
だから、悠理はまだ寝てな。後で起こしに来るから」
「・・・ん」

納得したのか、悠理がまた目を閉じ眠ったのを見て、龍之介は再びそっと起きあがると、
ベッドの回りに脱ぎ散らかした服を適当に着て、コテージのキッチンに行った。
しばらくして、龍之介がいなくなったベッドで、悠理は再び目を覚ました。
指先でそっと、ベッドの龍之介のいた部分をなぞると、大きく伸びをしてゆっくりと起きあがった。





龍之介がエプロン代わりにそこら辺にあった大きな布を腰に巻いて、
キッチンでいろいろと食糧をチェックしていると、寝室から悠理が入ってきた。
龍之介の荷物から引っ張り出したと見える、大きなTシャツを着ている。
ダイニングテーブルの椅子を引いて座っているその様子を見ると、下にはショーツしか付けていない。

「どうした?まだ寝てていいんだぞ。飯できたら起こしてやるのに」

龍之介はテーブルに頬杖をついてこっちをじーっと見ている悠理に言った。

「いーの。りゅうが台所に立つとこ、久しぶりだから見たいんだ」
「そっか。そーいや、そうだな。何カ月ぶりだろ?
あ・・・そう言えばオレ確か、毎日うまい飯食わしてやるっつってプロポーズしたよな?
それって、今の状態じゃちょっとサギだったなぁ」
「違〜う!その後に、一生側にいてくれって言ったじゃないかぁ。プロポーズはそれ!
・・・あ、でも、そん時あたいの専属料理人になるって言ったから、やっぱりサギかも。」
「う〜ん、そういうのって、やっぱり離婚条件とかになんのかな。約束と違う!って」
「・・・バカ!そんなんで離婚なんかしないっつーの!
あたいは、りゅうがあたいのために剣菱で一生懸命働いてるの知ってるもん。
好きな料理だって、それで忙しいからできないんだって知ってるもん・・・」

悠理は立ち上がって、龍之介の側に来るとその背中をぎゅーっと抱きしめた。

「・・・りゅーう」
「んー?」
「・・・大好き♪」
「・・・オレも。」

龍之介は、後ろから自分の腹に回された悠理の両手を握ると、はにかむように笑みを漏らした。
すると背中に押しつけられた悠理のお腹が、ぐぅと鳴った。
まったく、緊張感がない。だが、これが幸せというやつだ。

「りゅう・・・お腹空いたぁ〜」
「はいよ、腹ぺこ奥さん。今から悠理のためにとびっきりうまい飯作るから、可愛い顔して待ってろな」
「可愛い顔で待ってろって、どういう顔で待ってればいーんだよぉ!」
「そーいう顔で待ってろ、ってコト」

龍之介は、ぷぅ〜とほっぺたを膨らませた悠理に振り向き、
ニヤッと笑ってそのほっぺたをつんと突っついた。
悠理は、途端にくすっと笑った。

「じゃ、待ってるゾ!」
「おーし!そんじゃ、久々に腕を奮うからな!覚悟しとけよ〜!」





キッチンに立つ龍之介の後ろ姿を見るのは、本当に久しぶりだった。

・・・思えば、あたいはこの後ろ姿に惚れたと言ってもいいな。
全然迷いがなくて、真っ直ぐで、すっごく楽しそうなこのおっきな背中に。
ものすごく強くて、どんな敵でも倒しちゃう龍之介の背中もカッコイイけど、
こうやって、呑気に料理作ってる龍之介の背中が一番好きだな・・・。

そんなことを考えながら悠理が龍之介の背中に見惚れていると、
不意に、龍之介が悠理の方を振り向き、悠理と目が合った。
いきなりだったので、悠理は少し慌てた。

「なっ、何?」
「いや・・・今、見てた?何かすごい熱い視線を背中に感じたんだけど」
「そっ、そんな熱い視線なんか送ってないぞ!?」
「そう?じゃ、気のせいかな?」

とは言いつつ、全部お見通しというような顔でふふんと笑うと、龍之介は再び料理の方に戻った。

何だよっ!ふふんって!
・・・もぅっ!龍之介、勘良すぎだぁ〜!

しかし、悠理が自分の頬に触れると、そこはおそらく仄かに赤く染まっているであろうという感触だった。
心臓も何となくドキドキしている。

・・・あ。あたいが分かり易すぎなのか。
あ〜ぁ、あたいきっと、惚れてます!って顔してたんだろぉなぁ。照れくさいなぁ、もぅ〜!

だが、目の前の背中が、さっきよりもどことなく嬉しそうな感じがして、
悠理自身もすごく嬉しい気分になったのだった。





「さて、お待ちどおさま!」
「すっごい!うまそぉ〜っ!」

相変わらずの手際のいい腕前で、あっと言う間にいくつもの料理が山盛りでテーブルに並んだ。
かなりの量だが、お互いに健啖家のこの夫婦には、これが適量。

「いただきまーす!」
「おう、たーんとお食べ」

悠理は料理を一口頬張ると、涙を流さんばかりにそれを噛みしめた。
龍之介がちょっと心配そうに訊ねた。

「どーした?・・・マズイか?」
「ううん・・おいしー・・・すっごくおいしーよ」
「そっか、よかったー・・・」

ホッと胸を撫で下ろしている龍之介を見て、悠理は嬉しそうに笑みを浮かべた。

「ふふ、なんか付き合ってた頃に戻ったみたいだな!
龍之介、いっつもあたいが一口食べておいしいかどうか言うまで心配そうな顔で見てたよね。
龍之介の料理がマズイわけ無いのにさー」
「料理ってさ、自分がおいしいって思っても、
食べて欲しい人においしいって思ってもらえなかったら意味無いから。
悠理がおいしいって言ってくれるの、すごく嬉しいし安心するんだ。
・・・って、何か久しぶりだな、こんな気持ちになるのも」
「でもあたいは、一度だって龍之介の料理がマズイなんて言ったことないよなぁ?」
「そーだな。やっぱり愛情いっぱい込めてるからか?悠理みたいに」
「・・・バカ。」
「ほーら、いっぱい食うんだぞ?約束したんだから」
「言われなくても、こんなにおいしかったらいくらでも食べるってばぁ」
「よーし、いい子だ♪」

龍之介は優しく微笑むと悠理の頭をくしゃっと撫でた。





「ごちそーさまでしたっ!」
「はい。お粗末さまでした」

龍之介が食器類を下げてる間、悠理は満足げにため息をついた。

・・・こんなに、ご飯食べるのが楽しかったの久しぶりだな。
ご飯って、好きな人と一緒に食べると何倍もおいしくて楽しいんだ。

「そう言えば、結婚前はいつもこんな感じで2人で飯食ってたんだよな。
オレが仕事から帰って、飯作って一緒に食って・・・」
「うん、あたい龍之介の部屋で龍之介が帰ってくるのを待ってるの、すごく好きだったな。
結婚したら、あんな感じの毎日が続くんだと思ってたのに、
・・・みんなして、龍之介のことこき使ってさ。あたいのりゅうなのに・・・」

少しだけ表情を曇らせた悠理の頬をそっと撫でて、龍之介は言った。

「オレがもうちょっと今までより要領よく仕事ができるようになれば、
きっともっと悠理と一緒にいられるようになるよ」
「・・・ほんと?」
「あぁ、約束する」
「りゅう〜っ!!」

悠理は嬉しくなって龍之介に飛びついた。

「こーら、食器片付けてるときに飛びつくなー!デザートやんないぞ!?」
「デザートあんのかー!?」
「さっき、外でマンゴーが自生してるのを見つけてさ。いくつかもいで冷やしてあるんだ」
「すっごいなー!そんなのまで生っちゃってるんだ。なんか、天国みたいな島だな!」
「ふふ、じゃ、後で切ってやるな」
「うんっ!」





龍之介は冷やしておいたマンゴーを取り出すと、ナイフで実の部分と種の部分に切り分け、
実の部分に格子状に切り目を入れて、皮をひっくり返した。

「へぇ・・・マンゴーってそうやって切るんだ」
「昔、友達のフィリピン人に教えてもらったんだよ。
ほら、こうすると実がサイの目状になって食いやすいだろ?」

悠理は、龍之介から渡されたそのオレンジ色の柔らかな立体が並ぶ果肉を口に含んだ。
口の中に含んだ途端、その果肉は溶けるように口の中に消えた。

「うわ・・・うまい。んで、すっごくあまーいっ!ナンだコレ?嘘みたいに甘いぞ!?」
「ホントだ、甘〜っ!これならまだまだ食えそうだな」
「うん、もっと食べる〜!」
「んじゃ、もっと切るか。それにしても、悠理、口の回りつゆだらけだぞ?」

龍之介はそう言うと、おもむろに悠理に顔を近づけその口元をぺろっと舌で舐めた。
あまりに自然なその所作に、逆に悠理は慌てて思わず椅子から落ちそうになった。

「こ、こらぁ!?何できゅーに舐めるんだよぉ〜!?」
「・・・いや、今舐めたら甘くておいしそうだなーと思ったら、つい。」
「もぅ・・・舐めるなら舐めるって言ってからにしろぉー!じゃないと、びっくりするだろ!?」
「わかった。じゃ、今から舐めるぞ。これならいーか?」
「ん・・・それならいい」

悠理が頬を染めながらそっと目を閉じると、龍之介の舌が再び悠理の口角をなぞってきた。
まるで、腹を空かせたタマとフクが無邪気にご飯をねだっているときのようでもあるが、
人間の舌触りというのは、やはり艶めかしく官能的だ。
子供のような戯れは深い口付けと変わって、
龍之介の舌は悠理の口角から少し半開きになったくちびるを舐め、
その中に隠れていた悠理の舌をちょんとつっついてから深く絡みついた。
行き場を探していた悠理の手がそっと龍之介の肩に添えられ、悠理もその深いキスに応じた。
文字どおりの甘く深いキスを交わすと、龍之介の舌は口元から悠理の首筋へと逸れた。

「りゅ、りゅう・・・そこは甘くないはずだぞ・・・?」
「どうかな・・・甘いような気がするけど」

いつの間にか、Tシャツの裾から中に入ってきた龍之介の手が悠理の肌を滑る。
その熱い感触が悠理を震わせた。

「・・・りゅう・・・ここで・・・?」
「・・・ここで。」
「・・・スケベ。」
「ほんと。ヤバイな、オレって前からこんなだった?」

龍之介は悠理のショーツを降ろすと両腿を自分の脚で割り、その右脚を脇に抱えた。
そして悠理のTシャツをたくし上げ、現れたふたつの柔らかな果実を交互に口に含んだ。

「ぁ・・っ・・ぁ
・・・こんな・・だっ・・たかも・・・」
「そっか、こんなだったか・・・」

龍之介はまだショーツが引っ掛かったままの悠理の右の裏腿を持ち上げると、
その柔らかな部分に吸い付いた。悠理はその意味を悟って喘ぐようにささやいた。

「りゅう・・ソコ・・・舐め・・る・・のか?」
「・・・恥ずかしいか?」
「久しぶりだから・・ちょっとだけ・・・でも・・・・・・・・・・・・・・・して」
「・・・ん」

悠理の中に、柔らかく温かな生き物が分け入った。
先程の睦み事から時間もそれほど経っていなく、さらに龍之介の愛撫を受けてそこはすぐに潤いを得て、
微かに触れられただけで大きな刺激となって悠理の身体をさらった。

「・・・ぁんんっ!」

悠理以上に、悠理のそこを知り尽くしているその生き物は、
悠理に淫靡な声を上げさせるために、明確な意志を持ってそこを舐め、啜り、玩ぶ。

「りゅ・・・りゅ・・うっ・・・ぁあっ」

悠理は椅子の背に身体を預け、自身の脚の間の龍之介の髪に指を通しながら、身を捩らせた。
それは、外から聞こえるさざ波のように悠理の反応の高まりの前で引き、
かと思えば、さらに激しく悠理を苛める。
悠理の肌を、決して気候だけが原因ではない汗が伝った。

「りゅ・・・もぉ・・・・・・ダメぇ」

うわごとのような悠理のささやきに、龍之介は激しく情意をたかぶらせ、
悠理の身体に覆い被さると、自身の燃え滾る楔を悠理の中に打ち付けた。


KAREN island 3


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