「お目覚めですか?フィルシス様」
うっすらと目を開けたフィルシスの三角の耳を、シャーレンは優しくなでた。
「…!貴様…っ」
裏切り者の魔術師につかみかかろうとして、フィルシスは自分の状態に気付いた。
今度は別の部屋で、両手は頭上で縛られている。
見えるように足を開かされて、金属製の台にはりつけられていた。
「なっ…何を…」
「そんなこと、もうわかっているのでしょう?
あなたと遊びたい人がもう一人いるのです。本当に人気者ですね、あなたは。
彼は私の大切な友達だから、特別にあなたを抱かせてあげる事にしたのですよ」
シャーレンが意地の悪い微笑みを見せる。口調はとても愉しげだ。
「嫌だ、やめろ!これをはずせ!」
台の上で必死に身をよじるフィルシスの前にもう一人、男が近づいた。
「そんなこと言うなよ、いい格好なのに」
「…お前は…ライズ…」
暗黒神官の神殿に侵入する時に戦った騎士団長…
ラークは精悍な顔立ちだったが、同時に好戦的な雰囲気も持っていた。
意地の悪い笑みを見せると、それが際立つ。
「覚えて頂けたとは光栄だな」
暗黒騎士団長が、囚われの聖騎士団長の頭をやさしくなでる。
フィルシスは屈辱に美しい顔をゆがめた。
ラークは興味津々で、今は獣に変わったフィルシスの足をつかみ、裏の肉球に触れた。
「う……」
一瞬フィルシスが気持ちよさそうな顔になる。
「本当に犬みたいだな」
ラークは肉球に触れながら、しばらくフィルシスを眺めていた。
闘いの時は、その剣幕であまりわからなかったがよく見ると、フィルシスは端正な顔立ちであるが、年の割に幼く見える。
しなやかな筋肉もついてはいるが、それでも騎士にしては華奢な体だった。
力も体力も、明らかに自分の方が上なのに、負けたのだ。
まして、長年争いあってきた聖騎士団を、束ねる者。その恨みは計り知れない。
本人には言っていないがこんな時は、シャーレンが捻くれ者で良かったと思う。
もしも彼がこの聖騎士を一般的に真摯な態度で、丁重に寵愛しようものなら、親友とは言えさすがに一悶着はあったかもしれない。
―大切な人を守るためにもっと強くなれる…
どこまで耐えられるか見物だと思った。
「ここ、剃られたのか?かわいそうにな」
丸見えになっている恥部の肌に触れられた。
今まで直接触れられることなんてなかった肌は、敏感になっていた。
「……ァ…ッ!」
「こんな楔まで、嵌められて」
鈴口に差し込まれた拘束具を弄られる。
「可愛いだろう?」
横でシャーレンが意地悪く笑った。
屈辱の深さと共に変化するフィルシスの苦悶の表情を、一瞬でも見逃さないように眺めてる。
「やめろ…」
気安く触られて、フィルシスは怒りと羞恥に頬を染めた。
敵には絶対に見せられない姿だったのに。
「別にいいだろ、お前のご主人様に許可はもらったんだし」
「誰が主人…んっ!」
怒鳴り終える前に、ラークが指をフィルシスの口に突っ込んだ。
「んんーっ!」
「しっかり舐めろよ。あとで痛くないようにな。……痛ッ!こいつ噛みやがったぞ」
せめての抵抗に咬み付いたフィルシスの口から、ラークは痛みに思わず指を抜く。
「本当に強情な人ですね、フィルシス様は。
何度も言ったでしょう?あなたの仲間や恋人がどうなってもいいのですか?
言うことを聞きなさい。声を抑えたりしても、いけませんよ」
シャーレンの声音は優しかったが、顔には冷たい笑みを見せていた。
「………」
それを聞いて青ざめたフィルシスを見ると、ラークはもう一度、その口に指を入れる。
フィルシスは今度は、ぎこちないながら、口に入れられた指をなめはじめた。
「俺は、お前が俺の言うことを聞くなら、お前に協力してやるよ。あっちの世界には何もしない」
あいている方の手で犬のような耳をなでる。
フィルシスが赤い目で睨む。ささやかでも抵抗せずにはいられなかった。
「ふ、悔しいか?」
面白そうにラークは尋ねた。
そんな簡単に折れてもらっては困る。
そのような弱い者にこの世界を閉ざされた、なんてことにはなりたくない。
そのまましばらくなめさせた後、指を引き抜くと唾液の糸が指に纏っていた。
台の上で露わにされている後孔に指をあてる。
「う…っ」
浅く埋められる指に、フィルシスはびくりと反応して呻いた。
最初は1本でかきまわし、段々数を増やしていく。
「…んう…」
ラークの指は、男らしく太くて、ごつごつしていた。
それが、シャーレンの指でかきまわされた時よりも、違う感覚を与えた。
「指、気持ち良さそうだな」
締め付けてくる両側の尻肉を押し広げていく。
ずぶずぶと孔の中で指を曲げた。
「ぁ…ッは…っは…っ」
最初は固く閉じられていた口も、やがて半開きになる。
堪え切れなかったかすかな甘い喘ぎが漏れだす。
赤い瞳が潤み始めた。
「…んっ…あっ…」
色気の混じり始めた美しい顔をながめながら、ラークがフィルシスの後孔に入れる指の数を増やした。
「可愛いね、どんな男でも気持ちいいんですか?」
「…違…ッ!」
もう一方の手で、ラークは固くなり始めた胸の先端をつまんだ。
白い体がびくりと震える。
強くつまんで、指の腹で押さえ込んでこねあげると、たまらずにフィルシスは背をそらした。
「あぅ…ァっ…あぁっ!」
下半身の方では、揺れる後孔の中で、最も敏感に反応した部分を執拗に押す。
発見したフィルシスの弱点。
強く引っかいて少し放して、今度はかする程度に指を引く。
その動きをくちゅくちゅと音をたてて気まぐれに繰り返していると、フィルシスはもどかしそうな悲鳴をあげた。
「…はぁ…ッ!!」
霞む視界の向こうに、微笑むシャーレンが見えた。
ショックだった。
暗黒騎士にまで自分を凌辱させるなんて。嬲られる自分の姿を見て悦ぶなんて。
「次は指じゃないぞ」
ラークはゆるく開いた口の端から涎をたらす、聖騎士の顔を眺めた。
「んぅっ…」
未だ揺らしている尻から指を抜くと、思わず切なそうな声を洩らす。
台に登りフィルシスの胸の上にまたがって、下履きのファスナーをおろす。
快感が終わり、正気に戻ったフィルシスは、次にされることに感づいて身をよじる。
もうこれ以上、敵に自分の痴態を見せるわけにはいかなかった。
「やめろ…!」
しかし叫んで口を開けた瞬間に、大きなものを突っ込まれる。
「んうー!」
「今度は咬むなよ?ちゃんとイかせないと、もうどうなるかわかってるだろ?」
「んっ…んぅ…」
口を深く満たす大きさに、息が詰まる。
屈辱ににじみ出そうになる涙を必死にこらえて、喉まで犯す太いものを、苦しくてフィルシスは必死に舌を使ってすみずみまで舐めた。
丁寧に先端や、裏の筋、太い根元まで舐め上げる。
徐々に口の中でそれが大きくなっていくと、さらに息が苦しくなった。
シャーレンは、頬を赤らめて苦しそうに奉仕するフィルシスの姿を、愛しそうに見つめた。
乱れた髪に隠された額や、華奢な鎖骨に溜まっていた汗の滴が流れ落ちた。
どんな男にも奉仕する汚れた姿が、暗い悦びを与える。
「上手だな」
達する前に口から抜くと、綺麗で切なげな顔に射精する。
「うっ…」
その体液は半開きの口の中や、乱れた髪にかかった。
汚れた体液にまみれた美しい顔を見て、満足したラークは台の後方に回る。
膝を曲げ、開かれて固定された足を少し持ち上げ、今舐めさせたばかりのものを、先に指で慣らされてひくつく後孔に挿入する。
暴れても細い両手両足はしっかりと固定されていて、動くことはできない。
「あっ…!嫌だ…!ああっ…!!」
白い尻を押し広げられて、くちゅりと卑猥な音をたてて、侵入してくる。
指よりもずっと大きいものを入れられて、フィルシスは悶えた。
「すごいな、全部入ったぞ」
ひくついていた後孔は挿入された太いものを締め付けた。
「ァ……ァん…っ」
体の内側を荒っぽく擦られて、内股や腹が震え白い尾が揺れる。
漏れそうな甘い吐息を、かみ殺して耐える。
指を入れられた時、すでに半分ほど頭をもたげていたものが、完全に勃ちあがった。
先端には、今にもあふれそうに体液が洩れだしている。
その雫は、上下する腹部をしっとりと汚していた。
しかし、まだ拘束具がつけられたままだった。
「んあっ…!ぅん…っ…あっ…!」
せき止められた快感に気が狂いそうになる。
唇を噛んで、喘ぎが漏れるのを抑えた。
「しっぽ振って、そんなに気持ちいいのか?」
何度も出してまた突くたびに背を反らす白い体を見て、ラークが面白そうに言う。
白かった肌は淡い紅色を帯びていく。
「気持ちよければ敵の男でもいいのですか?」
意地悪い微笑みでシャーレンに尋ねられる。
屈辱と哀しみと、羞恥と背徳感が、混ざり合って心に重くのしかかった。
「俺にはこれははずせない。イきたいなら、お前のご主人様にねだるんだな」
まだわずかに残る理性で、首を振って拒絶した。
「そうか、イきたくないのか。まぁ、俺には関係ないがな」
今度はさらに奥まで貫きながら、一方の手で胸の突起をつまみ、もう一方の手で濡れている亀頭を刺激する。
両方の先端を、強く引っ張って、弄んでひっかく。
フィルシスが身をよじり、絶叫した。
「…あうっ…もっ…ん…ぁ……!」
緩急のついた指の動きに、内襞をすられる感触にもう耐えられなくなった。
仇敵の前で、漏れる声と涙だけは必死にこらえている赤い目が切なそうに揺れる。
早く終わって欲しかった。心も体も、苦しくて仕方なかった。
きれいな笑みを浮かべてこちらをじっと見ているシャーレンに、懇願しようと決心した。
「はずし……ン…っ!」
頼む途中で口が塞がれてしまった。
「可愛いあなたを見ていたら、我慢できなくなりましたよ」
シャーレンにも咥えさせられていた。
「声、我慢しちゃダメって言ったのに…
あなたは声も出したくないようですし、お願いもしたくないようですし、ちょうどいいでしょう?」
「んンー……ッ!」
「ああ、まだ口の中に、ラークのが残ってる」
フィルシスの口内を貫きながら、シャーレンは呟いた。
後ろではラークが容赦なく抜き差しを繰り返し、投げ出された二本の足の痙攣は止まらない。
「しゃべれる内に、素直にお願いすればよかったのにね」
鈴口に差し込んだ拘束具をぐりぐりと弄りながら、シャーレンはフィルシスに向かって微笑んだ。
「ラーク…」
フィルシスに見せつける様に、シャーレンはラークに口付けをねだった。
「お前、本当に意地悪だよな」
「ん……」
歯の隙間に舌を差し入れて、唇に吸いつく。
ぴちゃりと、唾液が絡み合う。
長い長いキス。
その間も、フィルシスの体を弄るのは止めなかった。
射精できない苦しみにフィルシスは、何度も軽い失神を起こした。
「苦しいですか?フィルシス様」
わざと放ったらかしにしていたフィルシスを冷たく見下ろす。
「んッ…ん……!」
びくびくと痙攣を繰り返しながら、フィルシスは何かを懇願するように、くぐもった声をあげる。
「今度はちゃんとするんですよ?私もラークも動きませんから、あなただけが動いて下さいね」
シャーレンの冷酷な微笑を見て、フィルシスは必死に尻を締め始めた。
腰を振って肛門に力を入れながら、口の方も舌しっかり伸ばして、口内のものに這わせる。
「楽しませてもらったよ、聖騎士様」
後孔と口内両方に、精液が放たれたのを感じて、フィルシスの体がびくんと跳ねた。
「ぁ……ッう………ン…」
口の中に出された方も、ごくりと飲み込む。
「…はぁ…ッ…はぁ……!」
「今度はちゃんと良い子にできましたね」
ほめる様に、シャーレンはフィルシスの耳をなでた。
「も……っはずして…ぇ……おねが…ぃ……」
もぞもぞと太ももをすりよせながら、泣きじゃくるフィルシスの様子が可愛らしかった。
「ァ……っ」
局部に手を触れると、フィルシスの口から涎があふれる。
カチリと、根元に嵌められたベルトを外し、ゆっくりと、尿道口を通る棒を抜いて行く。
「く…ぅあっ…ぁアー……ッ!!」
掠れた喘ぎを洩らしながら、フィルシスは、大きく仰け反って、噴水のように体液を放出した。
「本当に、殺そうとは思わないか」
最後にもう一度、シャーレンはラークに確認した。
虚ろな瞳で痙攣し続ける、失神したフィルシスの頭をなでながら。
「ああ。俺はこいつのこの、”故郷を守るため”がいつまで続くか、興味があるのさ。
こいつが自分の世界のやつらのために、お前の言うことを聞き続けるか…それとも…嫌になって自害して暗黒神が復活するか、見物だからな」
微笑しながらのシャーレンの仕草を眺めながら、ラークは説明した。
答えたのはそれだけだったが、それは理由の内の一つだった。
いくら今まで、自分を除く他人への冷酷な彼の振舞いを見てきたとはいえ、
大切に思っている相手ぐらいにはそれ相応に接するだろうとばかり思っていたが、
本当に好きなのか疑わしくなってくる程の彼の行為を見るのが面白そうだったというのもある。
とにかく全ては好奇心が勝った。
「ふふ、嫌なやつだな」
「お前に言われたくはないけどな」


シャーレンは力尽きて気絶フィルシスを浴場に連れて行った。
優しく体を洗い、自室のベッドに寝かせる。
「……う…」
苦しそうに呻くと、フィルシスはぼんやりと目を覚ました。
「…ぃ…やだ…ッ」
膝枕をさせられると、また凌辱を受けると思ったのか、びくりと体を強張らせた。
「もう何もしませんよ。…今日はね」
じゃあ、明日は?その次は?
そう考えると、知らない内に流していた涙を拭われ、耳を優しくなでられる。
こんなにも悔しいのに、そのぬくもりに抗う気力がなかった。
「あなたは本当に可愛いね。期待通りの淫らな姿でしたよ」
そう言いながらシャーレンは乱れた狼の尾をブラシで丁寧にすいた。
「…ん……ぅ……っ」
柔らかな毛が、白銀の艶を帯びていく。
飼い犬のように扱われる尻尾。
それなのに、気持ちいい。
首輪の感触、鈴口を塞ぐ拘束具、痺れるような後孔の痛み…
様々な屈辱と不快感を感じて、フィルシスはぽろぽろと涙を流した。
「ふふ、では一緒に寝ましょうね」
同じベッドの横にもぐりこみ、フィルシスを抱きしめた。
そのまま優しく頭をなでる。
まだ彼が子供だった頃、いつだったかそうしてあやしてやったように。
「放せ…嫌だ…っお前なんか…っ」
怒鳴る途中で唇を奪われた。舌がねとりと口の中に深く絡んでくる。
歯茎の裏や、喉の奥、舌の付け根を、深く舌で探られる。
全てを味わうように。
「んん…う……っ!」
何もかもめちゃくちゃにされたのに、涙越しに見るシャーレンの微笑みは、思い出の中の優しい微笑みと変わらない。
こんなにひどい事をされたのに、優しくなでる手は今までのシャーレンと変わらない。
「嫌だよ…シャーレン……」
限りなく優しい腕の中で、フィルシスは眠りに落ちた。
眠ったフィルシスを、シャーレンはずっとやさしくなでた。
最初はただ、何の愛情もなく、密偵として周りに怪しまれぬように、優しいフリをして育てていただけなのに。
いつしかこんなにも惹かれていた…自分を慕ってくるフィルシスに。
羨ましいから大切に守りたく思うような、それでいて自分の手で汚してみたくもなるような、純粋で美しい心に。
こちらの世界に連れてきてしまえば、恋人にも聖騎士団にも会えなくなる。
誰の目にも触れることなく、見知った他の誰をも見ることはない、フィルシスは自分だけのものになる。
もう二度と、演技なんてしなくていい。優しいだけの偽りの自分を見て欲しくなかった。
本当の自分を嫌われる方が良かった。
黄金率の彫刻は完成された美を持っているのに、それが欠けた姿もどうしても見てみたくて歪みを生じさせずにはいられない、そんな自分。
好きになるのも、嫌いになるのも、自分だけにして欲しい…他の人のことなんか考えられないように。
つけられた傷を見て、傷をつけた者のことだけいつも思い出していて欲しい。
「あなたは私のものだ、これからずっと」


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