いつものように寝ていると、フィルシスは体が宙に浮いたような感じがして、少し目が覚めた。
「ん…?」
目を開けて、顔を上げようとすると、耳元でシャーレンが囁く声がした。
「まだ寝てていいですよ」
そう言って、耳をなでられる。
「ん…」
ぼんやりとした頭で、ここはベッドではなくて、抱かれて運ばれているような気がしたのはわかったが、すぐにそのまま寝てしまった。
しかし、背中にひんやりとした冷たさと、体が動かせないような感触がした時、今度ははっきりと目が覚めた。
「シャーレン…」
肌に触れる空気の感触がした。
いつの間にか、服を脱がされていた。
よく見れば、壁の棚に置いてある瓶や鞭、大きな鏡が視界に入った。
いつもの地下室にある台の上に、縛られていた。
「まだ寝てていいって、言ったでしょう?」
優しい笑顔で、耳をあやすようになでられた。
「どうして…縛るの…」
台は斜めに傾いていて、鏡に映る自分を見ることができた。
首輪に短めの鎖を繋がれて、台の上に固定されている。
足を開かされて、膝をベルトで固定されていた。
右手は手首にベルトをはめられ、膝のベルトと繋がれていて動かせない。
左手はシャーレンがつかんでいた。
「一人でも、気持ち良くなれるようにしていってあげるんですよ」
微笑んで、そう言われる。
「どこかに行くの…?」
「そうですよ、勝手に行きませんよ」
それは確かに少し前、勝手に行かないで欲しいと言ったことで、
消えそうなぐらい小さな声で言ったのに、それを覚えていてくれたことは嬉しいけれど。
「どうして縛るの…」
「だから、一人でも気持ちよくなれるようにって、言ってるでしょう」
「そんなこと、してくれなくていい…」
「あなたの体は嬉しそうですけど?」
そっと、さらけ出された後孔をなぞられ、性器に触れられる。
「ん…!」
拘束されたまま、何度も快感を教え込まされた体は、その期待に興奮していた。
頭をもたげ始めた性器と、僅かにひくつく後孔を凝視される。
「ここはいつ見ても可愛いですね、欲しそうに震えさせて」
「やだ…!」
つかんでいた手首にも、ベルトをはめられた。
それを、太ももにはめられたベルトに鎖で繋がれる。
手首が太ももにつくように。
「や…っ!あぁ…ッ」
性器の拘束具をはずされる代わりに、細い金属の棒を尿道に差し込まれ、それを固定された手に持たされた。
「う…ぁ…ッ」
棒が尿道を通り、奥を刺激する。
まだ放尿させられていない。
その刺激に痛みと快感が混ざって、激しい疼きをもたらした。
差し込まれた棒を持たされた手に、シャーレンの手を重ねられる。
「こういう風に動かすと、気持ち良いでしょう?」
棒を奥に差し込んだかと思うと、入り口のぎりぎりまで上げられる。
「んあぁ…ッ!」
しかし太ももに手首を繋がれているため、抜ききる程腕を上げられない。
射精が止められる。
「やだぁ…っ」
「手は止めないで、鏡を見ているんですよ。仕置きが欲しいと言うならば、別ですが」
「こんな……あぁ…ッ!」
強すぎる快感に、拘束された体を反らせた。
激しい快感が恐ろしく、とても自分で続けられそうになかった。
「手を止めたり、目を反らせたりしても、ちゃんとわかりますからね」
そう言うと、シャーレンが鏡に向かって何かの呪文を唱えた。
「これで、鏡に映ったものを、後で見ることができます。言い付けを守らなかったら、どうなるかはわかりますよね?」
「……」
目に涙がにじんだ。
ぼやけた視界に、シャーレンが顔を近づけたのが見えた。
「んん…」
顎をつかまれ、唇を重ねられた。
顔に触れてなでていくように、繊細な水色の髪が頬に当たる。
「ん……」
ゆっくりと口内を貪られる。
犯すようなそれに、自分の舌を絡ませ返す。
返さなければ、仕置きが待っていることを体が知っている。
それでも、深く差し込まれて、歯の裏側も、頬の内側も、口の奥も弄っていく舌に、体が熱くなった。
「う…」
抜かれた舌に、唾液が糸を引いた。
「やだ…シャーレン…」
一人でまた、こんなことをされて、こんな所に置いていかれる。
自分には、すぐには教えてくれないことをしに。
「もしかして、一緒にいて欲しいんですか?」
「……」
わざとらしく聞くのに、思わず素直に頷いてしまった。
「今日は素直ですね」
行かないでいてくれるのかと思ったが、いきなり喉の奥まで張形を突っ込まれた。
「私だと思って、舐めておきなさい」
「んんぅー…ッ!」
期待した自分が馬鹿だった。
余計に恥ずかしくなっただけだ。
「では、言い付けを忘れないようにするんですよ」
そう言うとシャーレンは、あやすように耳をなでて、部屋を出ていった。
「ん…ん…ッ!」
最後の一言を聞いて、フィルシスは仕方なく手を動かした。
ほんの少し動かしただけで体が跳ねて、仰け反りそうな体を拘束具に押さえ込まれる。
とても自分の手では、続けられるわけがない。
涙で霞む目で、そっと鏡を見た。
鏡の中の自分と目があうと、涙が頬を伝って止まらない。
「……っ」
汗がにじみ、荒い呼吸にゆっくり上下する胸と、その先端で色づいて尖った飾り、
大きく開かされた足の間で、びくびくと震える白い内股の間で、先端からいやらしく蜜があふれている中心が見えた。
ほとんど毎日犯されて、前だけでは足りないように仕込まれた体の、物欲しそうにひくつく後孔が目に入る。
涙と一緒に、偽の性器を咥えさせられた口からあふれる涎が、顎を伝う。
「ん…んう…ッ」
棒を奥に押して上げるたびに、せき止められた精液の上っていく感触が、射精時に似ていた。
絶頂が何度もやってくるような、苦しい程の快感に、膝ががくがくと震えた。
「んんー…ッ!」
それに今朝はまだ、排泄させられていない。
刺激される満ちたままの膀胱の、痛みと、それでも痛みが痺れるような独特の快感になるように混ざって、何も考えられない。
強すぎる刺激に意識を失った。
「……っ」
どれくらい経ったかわからないが、再び目覚めても、まだ一人だった。
頬に涙と涎が乾いて、こびりついている感触がした。
「ん……」
鏡に映る自分一人を見て、一人で手を動かして、再び涙があふれた。
こんなにも、酷いことをするシャーレンが、それでもいなければ寂しさが胸を埋める。
シャーレンだって、何もないのに自分に抱きついて、自分が拗ねて相手にしないような時でさえも、
無理矢理抱き寄せて離さない程、自分のことを気にしているくせに。
何も教えてくれなくて、寂しさを素直に見せても、こんな風に意地悪に避けていくようなシャーレンなんか嫌いなのに、そんな人が好きな自分が悔しい。
「……ッ」
そんなこと、考えていると、涙が止まらない。
刺激を求める乳首と後孔に触れる空気の感触の、焦れったさと、
熱に浮かされる性器への狂ってしまいそうな快感と痛みに、何度も気絶と覚醒を味わった。
「気絶する程、気持ち良かったのですか?」
「ん…ッ!」
帰ってきたシャーレンに、尿道に差し込まれた棒を動かされ、その刺激に目覚めた。
「ん…っんう…ッ」
そのまましばらく動かされる。
「ちゃんと言う通りにできたか、確認しましょうね」
咥えさせられた張形を抜かれる。
「シャーレンのばか…!」
抜かれた瞬間に、頭で考えるよりも先に言葉が出た。
「そんなに可愛い顔で睨んでも、怖くないですよ」
小さく笑って、涙をぬぐわれた。
耳をなでられて、そのまま口付けられる。
「ん…!」
深く味わうような口付けの後、腕や足の拘束をはずされた。
尿道に差し込まれた棒はそのままだ。
反射的に抜こうとすると、腕をつかまれる。
「勝手にしたらだめだと、一体何度言わせるんですか、腕を縛りますよ」
「んぅ…っ」
止められたままの射精と尿意が辛すぎて、思わず太ももを、もぞもぞと擦り寄せてしまった。
「イきたいんですか?」
くすっと笑って、水平に戻した台の上に腰掛けたシャーレンに、後ろから抱かれる。
顔を鏡から背けることができないように、顎をつかまれた。
シャーレンが鏡に向かって、また呪文を唱えると、鏡の中に、ゆっくり手を動かして自慰をする淫らな自分の姿が映った。
「やだ…やだ…」
抱かれた中で、身を縮めて小さく泣いた。
恥ずかしくてたまらなかった姿を、もう一度見せられるなんて。
鏡に映っているのは、まだシャーレンが出ていったばかりの時だ。
「あっちのあなたは一人でとても気持ちよさそうなのにね?」
面白いものを見た時のように、そう言った。
鏡の中の肢体の、偽物を咥えさせられた口元からは涎が零れ始め、腕が動く度に、汗ばんだ胸が上下した。
頬や胸は快感と興奮で上気していた。
「やだ…!」
「本当は恥ずかしいこと、好きなんでしょう?」
言い聞かせるように、犬のような耳をなでた。
もう片方の手では、固く尖ったままの胸の飾りを弄んだ。
「あ…!違う…あぁ…ッ」
いきなり乳首を刺激されて喘ぎを洩らしながら、そう言った時、鏡に、縛られた足がもがくように宙を蹴ったのが映った。
拘束されて不自由な体を反らせ、白い内股は快感に震えていた。
上を向いた口からあふれる涎が、顎を伝って流れ落ちる。
白い尾が焦れる様に、揺れていた。
「あんなに気持ち良さそうにして」
鏡の中の、肩で息をつきながら、自らの手で性器を慰める姿を見て、シャーレンが意地悪く笑った。
「やだ…」
乾いていた涙が、再び流れだした。
「今、視線反らしましたね」
涙を指で拭われながら、そう囁かれてフィルシスはびくりとした。
鏡の中の自分は、正面から顔を背けていた。
どうしても哀しくなって、見ていられなくなった時だ。
「それに手も止めましたね」
あまりの快感が恐ろしく、何度か思わず手を止めてしまった。
それでもシャーレンの言葉を思い出して、無理矢理続けた時は、貫くような快感に気絶してしまった。
「言い付け、守れなかったようですね?」
面白そうにそう言って、シャーレンは冷たく笑った。
「やだ…もうやだ…」
あんな事できるわけないのに、また、それをわかってて自分にさせて、仕置きするなんて言うんだ。
「今日は何が良いかな」
抱き締められて耳元で囁かれる。
そのまま床に下ろされて、仰向けに寝かされる。
「やだ…っ」
「じっとしなさい、そんなにたくさんお仕置きして欲しいんですか?」
「……」
身を捩って抵抗したが、そう言われて無駄に終わった。
足首にベルトをはめられて、大きく開かされ、今度は床に固定された。
「嫌だ…っ」
腕は後ろ手にベルトで縛られ、硬い床と背中に挟まって、痛い。
首輪の鎖は、床に繋がれた。
「中もきれいにしましょうね」
シャーレンが壁際の棚に置いてある道具を持って来た。
いつも使用する、浣腸のための道具と黒い鞭。
「やだぁ…」
縛られた身を精一杯捩る。
だが、すぐに肛門に管を通されて、冷たい液体が流されるのを感じた。
後孔の中に薬を入れられる。
「んう…あ…」
それでも秘所を刺激する管と液体に、調教された体が、これからされることへの期待に反応する。
薬が全て入れられると、それを含まされたまま、栓をされた。
足を開かされ、晒された後孔は、栓をしっかりとくわえこみ、その隙間から液体の薬がいやらしく漏れていた。
「や…っ…んう…っ」
不意に、浣腸を施された体の腹を、鞭で押さえられて、呻いた。
便だけでなく、放尿もまだ終えていないのに。
「させてほしいですよね?」
促されるように、鞭の先で唇をなぞられる。
仕方なく、口を開けた。
「いい子だ」
シャーレンが、下着を下ろして自分の首の上にまたがった。
大きく開けた口に、シャーレンのものをくわえさせられる。
「んく…」
涙の溜まった目を閉じて、口内に流し込まれた尿を飲み込む。
「ん…っ」
喉を動かすと同時に、すでにそそり立っている性器がぴくぴくと反応する。
主人の与えるもの全てを受け入れる快楽を教え込まれた体が、愉悦に震えた。
「はあ…ッ」
喘ぐように息をついていると、蜜を流して震えた性器を撫で上げられる。
「もっと良いこと、してあげますからね」
シャーレンがもう一度、棚に向かった。
今度は見たこともないような器具を持ってきた。
「んっ…」
胸の先端に一瞬痛みが走った。
乳首を何か、金属の器具ではさまれた。
その器具には長い線が繋がっていた。
性器に差し込まれていた細い金属性の棒にも、長い線を繋がれる。
「あぁん…」
しばらく中を掻き回すように棒をゆらされた。
白い蜜が少し漏れて腹に伝う。
「や…何…」
フィルシスは思わずびくりとした。
器具に繋いだ線を、シャーレンがさらに何か、小さな箱のような装置に繋いだからだ。
「気持ち良いことって、言ったでしょう?」
魔術の装置だった。
魔法で発生させた電気の量を調節して流し込む、昔、拷問や処刑の際に使われた器具を、小さくしたものだ。
激しく暴れ、泡を吹いて、もがいて死んでいった反逆者や聖騎士の姿を思い出した。
体をくねらせて泣き叫ぶ姿だけは、どんな者も平等に楽しく思える。
もちろん微弱な量しか流さないけれど、苦痛を与える目的の器具で、快感を感じる体だなんて、なんて可愛いのだろう。
「じゃあ、しますよ」
呪文を唱えると、電気がフィルシスの胸の突起と性器を走った。
「ひああぁっ…!やあ…あぁっ!」
微量だが、敏感な部分に流れる電流に、身悶えた。
痛いのか気持ち良いのかわからない。
痺れるような痛みが走っても、それさえ快感のような気がした。
「あっ…あっ…あッ!」
大きく開いた内股と、尖った乳首が、ぴくぴくと震える。
一瞬痛みを感じたのは最初だけで、やがて激しい快感に変わっていった。
「んっ…んあぅ…ッ!」
排泄も射精も止められた苦しみと、絶え間なく与えられる快楽で、声は言葉にならない。
頬を赤く染め、甘い吐息を洩らして大きく喘ぎ、開かれたままの口から涎があふれた。
腕もつま先も、ぴんと反らせて、拘束されて不自由な体をくねらせる。
開かされた股の間で、びくりと白い尾が跳ねた。
シャーレンは、股の間で蜜を流してそそり立つ性器の、睾丸を爪先で軽く踏んだ。
「んあぁッ!」
「わかってますか?あなたはこんなことされて、ここをこんな風に勃たせて、だらしなく涎を垂らしているんですよ」
黒い鞭の先で、そそり立つ性器を軽く打った。
ぴくぴくと震え、透明な液が漏れる。
「や……!」
泣き叫んで身をよじらせるフィルシスを、微笑んで眺めた。
ブーツで袋をすりつけるように踏むと興奮に赤らんだ白い体が跳ね上がる。
「あっ…はあっ…!ぁあん…」
びくびくと体が波打ち、甘い喘ぎを洩らして開いたままの口から涎が溢れだす。
性器から流れ出す白い蜜に汚れた睾丸を、靴の裏で柔らかく踏んだまま今度は、器具がはずれないようにしながら、
仰向けの体の乳首の先端を鞭で軽くつついた。
「やだあ…ッ!あぁ…っ!」
泣きじゃくってもがく。
足も尾も宙を蹴って、絹糸のような銀の髪を振って乱れた。
朝からずっと射精と放尿を我慢させられて、今度は排便まで我慢させられて、とうに限界は超えている。
白い肌に、拘束具の赤い跡がついた。
「もう我慢できないですか?」
押さえているものを潰すように、鞭と足を意地悪く動かす。
縛られた体が、拘束を振り切りそうな程よがった。
「んん…っ!」
射精も排泄も全て止められて、苦しさに言葉が出てこない。
言葉にならない甘い喘ぎを洩らし、がくがくと頭を振って頷いた。
荒い息を洩らす半開きの口から、垂れた涎が床に溜まる。
「言葉で言わないとわからないって、いつも言ってるでしょう?」
淫らな願いを、何度でも言わせたい。
「んあぁ…!イきた…い…っ…も…出したい…!」
鞭と足に力を入れると、フィルシスは喘ぎながら、涙を流して切れ切れに懇願した。
「いいですよ」
かがんで、ほめるように耳をなでた。
尿道に差し込んだ棒の根元に、床からはずした首輪の鎖を巻きつけた。
後孔を塞ぐ栓を少し緩めて、鎖の端を、途中でたるまない程度に巻きつけて結んだ。
「これで、あなたが仰け反って、強く腰を振れば、その反動ではずれるはずです」
「んぁっ…」
今でも十分恥ずかしい状態なのに、まださらに追い詰められる。
それでも、塞がれた性器と肛門の苦しさに、何も考えられずに言われた通りに、体を反らせて腰を振った。
少しずつ、後孔から張り形が押し出されていく。
一緒に中に注入された液体も、隙間からあふれ出した。
「もう少しですよ」
見守るように微笑んで、じっと淫らな姿を眺めた。
「はあっ…ああっ!」
体を反らせ、頭を床にすりつける姿で、射精すると同時に排便した。
「ん…んくっ…」
中心から白い体液が、最初は噴水のように勢い良く放出し、反り返った仰向けの体にかかる。
「やだぁ…ッ!はぁっ…はあッ!」
「そうそう、可愛いですよ」
尻からは排泄物が、ぶしゅりと下品な音をたててあふれ出た。
収縮する後孔から押し出された茶色の流動物が、床を汚して広がってゆく。
「たくさん出しましたね。こんなに汚して」
排泄を続ける自分を、微笑んでじっと見られる。
恥ずかしさに目を閉じた。涙がこぼれる。
「あ…ッ!」
前は射精を終えると、今度は黄色い液体が溢れだした。
「おや、お漏らしですか?そう言えば、朝はさせてあげてなかったですね。でも、勝手にしたらだめでしょう?」
意地悪に微笑んで、鞭の先を尿道口に差し込んで、でかかった尿をせき止めた。
「やあ…ッ!」
「先にお尻をきれいにしましょうね」
出された排泄物を水で流し、床の隅の排水溝に廃棄した。
それから、便で汚れたフィルシスの肛門に洗浄液を注入する。
「んあぁ…!ああ…ッ!」
射精後の敏感な体で、性感帯に刺激を受けて、涙をこぼして身悶える。
洗浄液を排出する間も、尿道に差し込んだままの鞭を、ねじ込んで回すように動かした。
足と尾をばたつかせてもがく。
隙間から、黄色い雫が少し漏れる。
「やぁ…!はあ…あぁ…ッ!」
刺激にひくひくと震える肛門から、茶色の汚れが混ざった液が排出された。
後孔からあふれ出る洗浄液が、透明になった時、尿道を塞いでいた鞭を抜いてやった。
「あ…っ」
濃い黄色の液がほとばしった。
恥ずかしさに閉じた瞳から、涙が次々とあふれた。
「んあ…!」
全て出し終えた性器の先を、鞭で軽くなぶって、先に溜まった尿の雫を払う。
「こっちもたくさん出しましたね、また汚れましたよ」
床に広がる汚物を、くすっと笑って眺めた。
溜まったそれを、もういちど水で流す。
「きれいにしなさい」
尿に汚れた鞭の先端を、涎をこぼす半開きの口に、差し込む。
「……んッ」
舌に擦り付けると、舐めとって飲み込んだ。
「今度はここもしてあげようね」
先程電気を流した金属の器具を、今度は後孔の中にも差し込んだ。
「んあぁ…ッ!」
後孔の奥の弱点を、器具の先でつつかれると、フィルシスが仰け反って悶えた。
性器が再び膨らみ始める。
その性器にも、また金属の棒を差し込み、乳首も金属の器具ではさむ。
「やあぁ…っ!あぁ…ッ」
再び呪文を唱えた。
電撃が、フィルシスが感じる箇所を激しく責め立てる。
拘束された白い肢体を、許す限りくねらせて悶えた。
棒を差し込まれた先端の隙間から、蜜が垂れ、後孔にまで筋を作る。
「あぁんっ…あ…ッ!」
性感帯への刺激だけでなく、鞭の先で、内股の肌や足の裏の肉球を、へその辺りやわき腹を、そっとなぞられて与えられる快感も加わり、狂いそうになる。
「ん…あぁ…」
甘い喘ぎがひっきりなしに漏れた。
「やっぱり恥ずかしいのも痛いのも、好きなんでしょう?」
「ひあぁッ!」
鞭の先で、反り返った性器の裏の筋をなぞられると、射精を伴わずに絶頂に達する感覚と共に、失神してしまった。
「あなたは本当に淫らで可愛いね…」
感嘆のため息を洩らし、涙で汚れ、涎を垂らして荒い息をつくフィルシスの口元に、唇を重ねた。
反射的に反応を返す口内を貪った後、後孔の中の器具をひき抜いた。
ぴくんと震えたその孔に、代わりに鞭の先を挿入して中でぐりぐりとかき回した。
「ひあ…ッ!」
貫かれる快感に、すぐに目が覚める。
小刻みに痙攣していたフィルシスの体が、大きく震えた。
「そんなに良かった?」
わざとらしく耳元でそう囁かれる。
間近で吹きかかる吐息に、熱の冷めない体がびくりと震えた。
「やだ…もう…や…」
快感を与えられ続け、射精を止められて、あまりの苦しさに、子供のように泣きじゃくった。
「でもまだ、気持ち良くなったのはあなた一人だけですよね」
涙を拭われて、ゆっくり耳をなでられる。
慈しむような優しい微笑みを見せられた。
子供の頃、何よりも安心できた笑顔。
「次はベッドで可愛がってあげましょうね」
優しい仕草と裏腹に、凍りつくような言葉が降りかかる。
「あ…ッ」
拘束をはずされて、抱き上げられた。
尿道を塞ぐ棒だけは差し込まれたまま。
「やだ…やだ…」
泣きじゃくって、嫌嫌と、首を振った。
「今度は優しくしてあげますから」
「ん…!」
腕に抱かれて、運ばれながら口付けられる。
まだ終わりそうにない責め苦のような快感に、涙があふれた。
それでもただ、温もりを感じるシャーレンの胸にもたれかかる。
優しく頭をなでながら、しっかり抱く腕に、熱の冷めない体を預けた。