両側からフィルシスの足を掴んでいた男達が、今度は太股から足を掴んだ。
尻の肉が左右に広げられる。
「や…!いやだ…はなして…っ」
挿入した性器を締め付けているフィルシスの後孔の肉を、別の男が指で押し広げて隙間を作る。
そうして見えた、蠢く紅色の肉壁が、もう一人を誘っているかのようだった。
「いくぞ?体は嬉しそうにしているのにな、くくっ」
もう一人の男が、狭い肉の隙間に、すでに猛っている自分のものをねじ込んだ。
「ぁ…や…ッあぁん…!」
いきなり襲った激しい痛みに、生理的な涙を堪え切れずに、フィルシスはぽろぽろと涙を零した。
その痛みの中でも、後孔を満たす圧倒的な質量を感じずにはいられなかった。
「ふ…っあ…!ん…あぁッ…!」
内部で二本のものが、どくどくと脈打つのを感じられる。
激しい熱が、敏感な後孔の中に、同じように激しい快感の熱を与える。
縛られているせいで、射精を伴わなかっただけで、とっくに達している。
「本当に入った…」
男達が、二人分を咥え込んでいる、その後孔を凝視する。
「あ…ふ…ッ」
「へへっ、いい顔。誇り高い聖騎士とは思えねえ」
じっとフィルシスの表情の変化を観察していた男が嘲った。
先ほど、男達にかけられた精液が、白銀の髪や、耳、端整な顔を汚してこびりついていた。
涙を流しながらも、虚ろなその目は蕩けて、乱れた呼吸を繰り返す唇の端から、だらだらと涎を零している。
「や…はあぁ…ッ!」
二人分の脈動が、二人のそれぞれ違う動きが、熱く嬲ってフィルシスを翻弄していく。
「…中でお前のと擦れて、すげえ締まる…」
ぐちゅぐちゅと水音を鳴らしながら、きつい後孔の中で、二人が肉の棒を動かす。
「んぁ…ッ!いや…いや…っ」
その間も、手の空いている男達が、性器や乳首を絶え間なくさすっていく。
尿道に指を入れて、陰茎をこすって、睾丸も揉んでいく複数の手。
乳首の根元を摘んで、くにくにと潰し、尖った先端を爪で引っかいたり、弾いたり、軽く押しつぶしていく何本もの指。
快感の波が襲い続けるその度に、フィルシスの後孔が締まった。
足や腰をしっかりつかまれて、宙に浮いた華奢な下肢や、白い尾がびくんびくんと跳ねた。
「こいつ、犬みたいに尻尾振ってる」
「嬉しいのか?」
嘲りの声が次々に聞こえた。
だが、長時間快感を与えられ続けた上、まだ射精をさせられていないフィルシスは、羞恥も屈辱ももう何も考えられなかった。
「ぁ…っくッ…はあ…あ…ッ!」
涙の止まらない瞳が、焦点を失い、だらしなく開かれたままの口から涎を垂れ流すその顔、腰をくねらせ、興奮と快感に上気した肢体。
それを、フィルシスの周りで、自分で慰め始めた男達の吐き出した体液が汚した。
「や…ッぁ……!」
せめて気を失えれば良かったのに。
フィルシスの白い腹部の上で、性器はびくんびくんと波打ち、時折無理矢理進んできたように、どろりと白濁を吹き出した。
そそり立つ陰茎に絡ませられた鎖のせいで、達することのできない苦しみが絶え間なく襲う。
「も、イくぞ…」
「………ああぁッ!」
二人のものが同時に中で弾けた瞬間、フィルシスは一際大きく背を反らせた。
「は…っはあ……ッ!」
二人が自身を抜いて、フィルシスの下肢を床に下ろすと、その後孔から放出されたばかりの白濁液が溢れた。
同時に、何人もの男達に、幾度も注ぎ込まれた白濁液が溢れだし、床を汚している。
荒い呼吸にひくひくと、不規則に震える体も、同じ体液にまみれていた。
「イきたそうだな」
男達が十分楽しんだ後、苦しそうなフィルシスの股間を見て、思い出したように呟いた。
「イきたいか?」
しばらくフィルシスを見下ろしていたヴァインが、かがんで、性器を戒める鎖をゆらす。
「ん…ッぁ……っ…」
フィルシスのの陰茎はそそり立ち、蜜がどくどくと溢れていた。
「イかせてくださいって、ちゃんとおねだりできたら、これ、解いてやってもいいぜ?」
鎖をちゃらちゃらと鳴らしながら、ヴァインが意地の悪い声で言う。
「………」
周りの男達がこちらを見て、にやついている。
快楽の海から解放されてはっと気づいた、その侮蔑するような視線と嘲笑が、もう耐えられない。
「んう…っ!」
侮蔑の視線を向けられる羞恥に、しばらく黙っていると、ヴァインは、今度は白い体液を垂れ流したままのフィルシスの後孔に指を埋めた。
「また、ここにたくさん突っ込んで欲しいのか?」
刺すように睨んで、怒鳴る。
「あ…ぅ……」
くちゅくちゅと、内部に侵入してくる指の動きに、耐え切れずにフィルシスは呻くように呟いた。
「………イかせてください…ッ」
「最初から、素直にそう言えよ。それとも俺をわざと怒らせて、虐めて欲しかったのか?相変わらずマゾなんだな」
くすくすと面白がるような男達の声の中、ヴァインが鎖を解いていく。
鎖は、フィルシスが放った先走りで、淫靡に濡れ光っていた。
「はぁ…ッ!」
しかし、ヴァインは鎖をほどいただけだった。
フィルシスの股間のそれは、達するための後ほんの僅かな刺激を求めて、ひくひくと震えている。
「ほら、イきたいんだろ?自分で遊ぶヤラシイとこ、見せろよ」
その様子をじっと眺めながら、ヴァインがほくそ笑む。
「や……」
ぐったりと首を横に振った。
「今すぐしないと、ずっと我慢しなければならなくなるぞ」
ヴァインが、解いた鎖をもう一度強く、フィルシスの股間に当てた。
勃起している根元に食い込んで、激痛を与える。
「あぐ……ッ!」
びくりと反射的に震える。
自分の体は、意地を張れば張る程、身を焼くような快楽の苦痛が待っている事を教え込まされていた。
「それが嫌なら、自分で始末するんだ」
鎖をはなし、ぐったりしていたフィルシスの腕をつかんで、股間の間のものを握らせる。
「ん…ッ」
快感に波打つ肢体。襲ってくる本能。
どれ程の間、嬲られていたのだろうか、腹の上に溜まっていた先走りはすでに固まっている。
「は…ッぁん……っ!」
一度指を絡めると、とても押さえられなかった。
睾丸付近から、亀頭に向けて、陰茎を握ってすりあげる。
「…あ…ぅ…ッ…!」
男達のぎらつく視線が、ごくりと喉を鳴らす音が、舌なめずりする音が、刺していく。
だがすぐにそれは、自分で与える快楽の波に飲み込まれて消えていった。
「ゃ…はあぁ…ッ…あ…!」
背を弓なりに大きく反らせて、自分のものを握ったままの姿で、射精した。
頭を床につけて、狼の足の爪先だけが床につき、膝が宙に浮き、震えていた。
股間から溢れる白濁液は、長い間せき止められていたため、どろりと断絶的に噴出されていく。
その姿を男達は、呼吸さえ忘れたように、食い入るようにじっと見つめていた。
「…殺すのは惜しいな、このまま飼い続けたいぐらいだ」
全てを吐き出してぐったりと気を失ったフィルシスの体の、至る所を、何人もの男と、自分の体液で汚していた。
男達は嘲笑の視線でしばらく、淫らに汚された美しい体を眺めていた。

フィルシスが再び気がついた時、体液は拭われていて、また毛布がかけられていた。
ただし、今度はハウゼンが扉の前に立って、こちらをじっと見ていた。
また、こぼれそうになる涙を、必死に堪えた。
「気持ちよかったか?随分遊んでもらったようだな」
嘲笑の声でそう言って、近づいてくる。思わず身構えた。
「オレは、内心怯えながらも、それを悟られないように、必死に恐怖に耐えている人間の姿が結構好きなんだ」
自分の心の中を、拾っていくように、近づいてきたハウゼンが面白そうにそう言った。
「餌だ」
ハウゼンが指を切って、血をこちらに見せた。
血の流れるハウゼンのその指は、ぞっとする程爛れていた。
とても、口に入れたいとは思えない。
「シャーレンの指の方がいいか?」
その指の、あまりのおぞましさに押し黙って止まっていると、低い声でハウゼンが怒鳴った。
尋常でない形相に、思わずびくりと肩をすくめた。
そこには深い憎悪が溢れていた。
「ぐ…ぅ…」
無理矢理、醜い指を突っ込まれる。舌に血をなすりつけるように。
自分の喉が、血を飲み込んで動いたのを確認すると、ハウゼンが話し始めた。
「オレは、初めてお前の前に現れたあの夜、お前達の前から去った後も、影からずっと見ていた」
仮面の下の不気味な瞳が、じっとこちらを睨む。
「その時、シャーレンはお前を抱きしめていたな。オレはあんなあいつを初めて見た。
お前はあいつが好きか?本当にあいつが助けに来ると、思っているか?」
「………」
何も答えようと思わなかった。
ハウゼンは明らかに、自分にも、シャーレンにも、激しい憎悪のようなものを抱いている。
ここで、お互いに、気持ちが通じ合っているような事を言えば、きっとそれを利用する。
ずっと黙っていると、ハウゼンはしばらく何か考え込むように、こちらをじっと見た。
「こんな首輪をつけられて、それでも好きか?」
首輪に繋がれた鎖を引かれ、ハウゼンが覗きこんでくる。
そんなもの、はめられて、嬉しいわけはない。
でも今ならわかる。
それは同時に、シャーレンが自分をものにしたいと思う程、好きでいる証拠だった。
いつの間にか自分は、そう納得できる程、道を踏み外しているのかもしれない。
「そうか」
フィルシスは黙り込んだままだったが、瞳の奥には、悲しみがちらついていた。
じっとフィルシスの表情を眺めていて、それを感じ取ったハウゼンの唇に、残酷な微笑が浮かんだ。
「お前の目の前で、先にあいつを殺してやろうか?
あいつだって、容姿だけはいいんだ…あの取り澄ました顔が、苦痛で歪む所を見せてやろうか?
逃げた事、後悔させてやる。オレはあいつを殺す時は、楽には死なせないと、ずっと前から決めているからな。勿論お前もだが」
凛として、耐えていたフィルシスの赤い瞳が、潤んだのを見て、ハウゼンはくっと笑う。
「もう一度だけシャーレンに会わせてやる。あいつがここを見つけられなかったとしてもな。
ただし、たった一瞬の再会だ。お前が死んであいつが悲しむのなら、あいつの目の前でお前を殺してやる」
「どうして…そんなにシャーレンを恨んでいるんだ……」
ずっと前から?シャーレンが自分を生かしたからではなくて?
「お前には、恋人がいるか?恋人までいかなくても、気になる女だ」
「……?」
「もし、いなくても、自分が好きな女との間に、別の男との子供が生まれたら、お前ならどうする?」
ローナは聖職者の道を選んだのだから、それはきっとありえないけれど、もしも子供ができたら…
「……その家族の幸せを願う…」
そう言うと、ハウゼンが面白そうに笑った。
「体はこんな淫乱な化け物でも、やはり聖騎士なんだな」
侮辱とも、賞賛ともとれる笑みだった。
ハウゼンの問いかけの意図は、結局読めなかった。
「……」
ハウゼンの酷い言葉に気押されないように、フィルシスはもう一つ気になっていた事を聞いた。
「……他の、四天王は…?」
それを聞くと、再びハウゼンは意外そうな目をした。
だが、それもほんの一瞬で、すぐにまた、嘲笑を浮かべる。
「生きているさ。オレしか知らない。だがそんな事、お前が知っても、もう意味は無いだろう?
つまらない希望は捨てる事だ。お前に残された選択肢は、過程がどうあれ、”死”だけだからな」
そう言うと、高らかに笑ってハウゼンは部屋を出て行った。
「………」
次々と心を抉るような事をされ、辛辣な言葉を言われ、フィルシスは再び冷たい石の部屋の中で、孤独にすすり泣いた。

「起きろ」
次に目が覚めたのは、またヴァインに起こされた時だった。
「……!」
目を開いて、入ってきた光景にフィルシスは絶句した。
昨日と同じ十人ぐらいの男達がいる。
ただし、全員違う顔だった。
「くく…安心しろ、昨日連れてきたのはほんの一部だ」
身を竦めたフィルシスの表情を見て、ヴァインが残酷に笑った。
「嫌だ………」
昨日と同じ凌辱をまた繰り返される。
明日も、その次も、また繰り返される。
ヴァインの言葉はそういう意味だ。
「これからしばらく、毎日交代で遊んでやる」
「嫌…っ!いやだ……!」
ぎらつく瞳、にたにたと笑みを浮かべる口、何人も近づいてくる。
何人もの男に無理矢理押さえつけられて、仰向けにされ、足を開かされる。
「俺たちも楽しませてもらおうか、昨日のやつらだけじゃ、不公平だろ?」
「あ……ッ!」
ろくに慣らされもせずに、ごつごつした指が後孔に侵入してくる。
「上の具合はどうなんだ?」
荒っぽく髪をつかまれて、口にはすでに興奮に硬くなっている男根を突っ込まれる。
「…く…ん……っ!」
「ほら、こっちもだ」
また別の男達の声がする。
右腕と左腕の手首をそれぞれ別の男につかまれて、彼らの性器を握らされた。
「ちゃんとしごけよ、下手だな」
手を使うのは初めてだった。
どうすればよいか分からずにいると、手の甲を強く叩かれる。
「ん…っ!」
「それとも、他の場所が気持ちよすぎて、動かす暇もないって?」
下品な笑いが響く中、ぎこちなく手を動かして、握らされた陰茎をさすった。
「ん…んんう……ッ」
後孔と口と手で奉仕させられ、少しでも動きを止めてしまう箇所があれば、催促するように殴られる。
悪夢のような日々が続いた。
正確には、外の見えないこの部屋では、何日経過したのかわからない。
ただ、長い時間、陵辱を受けて気を失った後、次に目が覚めるのは、体をいじくられ、誰かに突っ込まれる感触だった。
「起きろよ、ご奉仕の時間だぞ」
くすくすと、嘲笑が聞こえる。
最初の方は必死に抵抗していたものの、こんなに複数の男の力で押さえつけられては、痛みが増すだけだった。
「お前、確かここも調教されているんだったよな」
ヴァインがかがみこんで、他の男達に両側から開かせた足の間をじっと見る。
その手には細い棒を持っていた。
ヴァインの手が陰茎をつかみ、鈴口にその細い棒を挿入しようとしている。
「嫌だ……っあ……」
くちゅりと、尿道に埋め込まれていく棒。
はめ終えると、今度はゆっくりと抜き差しされる。
「ふ…ッや…ぅ……」
「こいつ、尿道でも感じてやがる」
「そんな声出して、随分気持ちよさそうだな」
痛がりもせずに喘ぎ、しっかり仕込まれている事を伺わせるフィルシスを見て、男達は嘲笑った。
「後ろも突っ込んで欲しいんだろ?」
「ァ…う……っ」
別の男の指が物欲しそうにひくつく後孔にあてがわれる。
「跪いて、請え。口の聞き方はわかっているな?」
低く、しかし明瞭に響くヴァインの声。同時に、ねめつける様ないくつもの視線に囲われる。
フィルシスは四つ這いにさせられ、言葉を促すようにヴァインに睨みつけられる。
「…私、の…」
ためらいながら言葉を紡ぐ。屈辱に唇が震える。
だが仕込まれた通りに言わなければ、男達は何をするかわからない。
「淫乱なお尻に…ペニスをください……」
フィルシスがそう言いきると、楽しそうに囃したてる卑猥な言葉が飛び交う。
そのまま後ろから抱えられて、後孔と尿道を同時に刺激される。
「あ…ん……っ!く、ふぅ……ッ!」
ぐりぐりと前後をかきまわされながら、乳首も弄くられると、フィルシスは声を抑える事ができなくなった。
恍惚としたものに変わっていくフィルシスの表情を、男達は嬉しそうに眺めた。
「嬉しいか、聖騎士さまよ」
「本当に聖騎士か?」
「雌犬奴隷だろ」
その言葉を体現させられるように、時折ハウゼンが様子を見にきて、またあの恐ろしい魔獣に犯されることがあった。
何人もの男達の眺めている前で。
「ぁ…ん……ッ」
獣の唸り声と、自分の喘ぎ声が混ざる。
心も身体も蝕まれていく。
男達の侮蔑の視線も嘲笑も、気にする余裕がなくなる程に。
突っ込まれて喘がされるだけの毎日としか言い様がない。
「またケツだけでイったぞ。何回目だ」
尻や乳首だけで達する姿を、何度もさらされる。
口と後孔から男達の精液を垂れ流しながら。
「も…っ…!やぁ………」
堪えていた涙が溢れ出した。
それでも許してとは言えなかった。
自分の故郷を守るために、彼らの居場所を犠牲にした罪悪感が、こんなに酷い仕打ちを受けながらも、心のどこかにあった。
それはあきらめなのかもしれない。
そのように思う事だけが、この酷い仕打ちの現実を、狂わずに受け入れる事のできる理由だったから。
玩具のように、ただの肉だけでいる事は、あまりにも心を傷つけすぎた。
「ん…ッふ……」
強い力を込められて、無理矢理顎を開かせられる前に、口を開いて男のものをくわえこむ。
屈強な男の腕で、足を痛いほどひっぱられる前に自分から開く。
いつしかそのような従順な性奴になっていた。
「いいコだな。本当は男が欲しくてたまんないんだろ?」
「ん…ぅ…ンん…ッ」
大勢の男達に見られる中、奉仕する。
弄ばれて、痴態をさらされる屈辱を味あわされて、心がすり減っていく。
「………」
行為が終わり、一人になった時に戻りだす今にも千切れそうな理性の糸。
枯れそうな程、涙を流しても、まだ乾かない。
浅ましい自分、ただの肉の孔でしかない自分、快楽を貪るだけの獣の自分、舌を噛み切って死んでしまいたい……
苦しくて、辛くて、恐くて壊れてしまう……
―いつまでも待ってる。みんなと一緒に待ってるから。
それなのに、失いそうな自我の中でいつも、記憶の中のローナの笑顔が、自分を正気に戻す。
何があっても守ると決めた。
失いたくない、蹂躙されたくない、大切な故郷。
絶対に壊させたりしない、そこで暮らす人々の生活を。
幸せを願うから、ここで、死ぬわけにはいかない。負けるわけにはいかない。
自分は、故郷の人の、大切な人の、たくさんの命を背負っている。

だが、果たして無事に生き延びれるのだろうか。
「……シャーレン…」
たすけてほしい
一緒にいてほしい
どこにいるの?
来てくれるの?
守らなければならないものがたくさんある自分が、助けてってすがれたのは、いつだってシャーレンだけ。
大勢の人に頼られた自分が、頼る事のできたのはいつだってシャーレンだけ。
夢を見る度に、シャーレンの夢を見た。
その夢の中で、シャーレンに駆け寄ると、抱き締めてくれる。
いつも、現実の固い床の感触で目が覚める。
涙が頬を伝っていた。
毎晩、シャーレンの事を考える度に溢れだす涙が、止まることはない。
少し前は、昔のシャーレンの夢を見て、失った日々が悲しくて泣いた。
今は、今のシャーレンの夢を見て、孤独が哀しくて泣く。
あんなに嫌だったこの首輪だけが、シャーレンと繋がるもの。
フィルシスは一人、粗末な毛布にくるまって、とめどなく溢れ出る涙を拭って、泣く声を押し殺した。


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