今日のシャーレンはとても優しかった。
朝起きて、喉渇いてるでしょうと言われて、口に性器を突っ込まれて、そのまま用を足されるなんて事はなかった。
浣腸液を腹の中に満して栓をされて、排泄する所をじっと眺められる事もなかった。
全裸にされて、床に四つ這いで、口だけで食事をさせられる事もなかった。
恥ずかしい言葉で頼まなくても、トイレに行かせてくれて、何も酷い事をされる事もなく、すぐに拘束具をはずしてくれた。
浴場で、シャワーで尿道に湯を注がれる事もなかった。
夜も犯される事はなく、優しくなでて、そのまま寝かしつけられた。
隣で寝転がっているフィルシスから規則正しい寝息が聞こえ始めると、シャーレンは起こさないように、そっとベッドから抜け出て魔法で弱い灯りを点けた。
何も知らずにぐっすり眠っている寝顔が、淡い橙の光に照らし出される。
薄暗い部屋の中、揺らめく光の加減で、深窓の美少年のようにも、可愛らしい少女のようにも見える。
「今日はあんなに優しくしてあげたのだから、少しぐらい悪戯してもいいですよね」
そっと小声で呪文を唱えた。
性別を変えてしまう暗黒の魔術。
成功していれば、次の日の朝には乳房と女性器が出来ているはず。
と言っても、完全に女の体にしてしまうつもりはなく、男性器は残しておくつもりだ。
人間が体験できる全ての快楽を同時に味あわせたら、どんな顔をするかな。
この安らかな寝顔が、明日になれば、また可愛らしい泣き顔に変わるのかと思うと、わくわくしてくる。
ベッドに潜って、フィルシスを抱きながら眠りについた。
爽やかな翌朝、何も知らないフィルシスは、そのまま目を覚ました。
「ん……」
ぼんやりしていると、何か体に違和感があった。
胸が重い……?
腕が当たるとむにっとした感触。何かおかしい。
「…?!」
驚いて、フィルシスは跳ね起きた。
胸を見ると女性のように膨らんでいる。
「どうかしました?」
はっとシャーレンの方を見ると、面白そうに微笑んでいた。
「……今度は何をしたの…」
しゅんとして、呟いた。
起き上がってシャーレンはフィルシスを抱き寄せた。
「気持ち良い事が大好きなあなたに、女の快楽も教えてあげようと思ったんですよ」
フィルシスは華奢な体でも、男の時はまだ引き締まった筋肉の感触があったが、今は女性の丸みを帯びた柔らかな感触がした。
「…シャーレンが楽しいだけだ……っ!」
腕の中で暴れる。
膨らんだ胸が、揺れて、今まで感じた事のない変な気分がする。
「あなたは女性の裸なんて、見た事ないですよね」
そのままフィルシスの寝間着を全て脱がせると、豊満な胸が顕わになった。
「な…っ!…何これ…!」
先端がきれいな桃色の、形の良い女性の乳房と、そのまま残っている男性器。
そして睾丸と肛門の間には未熟な女性器ができていた。
「やだ…っこんなの……っ」
フィルシスは顔を真っ赤にした。
女の胸を直視できなくて、ぱっと顔を背けた。
「面白いね」
そんな初過ぎる反応が可愛らしくて、そのままフィルシスをベッドに押し倒した。
足を開かせて、勃起しないように陰茎に筒状の貞操帯をはめた。
まだ開発されきっていない女性器を調教するためには、男の快感に埋もれてしまっては困る。
「嫌だ、嫌だ…っ戻して…!」
「はいはい、後でね」
そう言いながら、並みの女性よりも大きな胸をゆっくり揉んだ。
「ん…!……っふ…」
途端に漏れる甘い喘ぎ。
乳房の感度は、男の乳首の時に開発されきった状態のままのようだ。
「折角胸があるのですから、ここでしてもらいましょうか」
シャーレンは朝立ちしていた自分の性器を取り出した。
フィルシスの手を掴んで、大きくなった乳房に触れさせる。
「ひあ……っ」
女性のものになった胸に触れさせられて、フィルシスはびくっと身を震わせた。
どんなに体が淫乱でも、フィルシスの心から、性行為に対する背徳感が全て消え去る事はなかった。
「や…!ちょっと……嫌だ…!嫌だ…っ」
そして何より、背徳しているという罪の意識というそんな難しい気持ち以前にもっと単純に、
いくら自分の体であれ、生まれて初めて触れる女性の胸の感触に、フィルシスは、あまりに恥ずかしくなって顔を真っ赤にした。
聖職者の戒律を破って、隠れて歓楽街に行ったり、大衆向けの猥雑な読み物を見たりしていた聖騎士も中にはいたが、フィルシスは勿論そのような事はした事がない。
例えそこまではいかなくとも、フィルシスはその方面の事には疎かった。
「あなたって本当に子供ですね」
犯されている時とはまた違う羞恥に、涙を流すフィルシスの慌て様が、期待通りに面白くてシャーレンは笑みを洩らした。
胸を掴ませたフィルシスの手の上に、自分の手を重ねる。
その乳房の間に自分の陰茎を挟んだ。
「やだ、やだ…っ!」
フィルシスは全身が総毛立つのを感じた。
胸の間に性器を挟まれている事にではなくて、女の人の胸を揉んでいる事に。
「ん…ッふ……」
だが、その気恥ずかしさも、胸を揉まれて性器がすっていく快感に、やがて薄まっていった。
「んん…ぅ……痛……!」
膨らんだ胸や乳首に与えられた快感に反応して、陰茎が頭をもたげようとしたが、貞操帯のせいで勃起を抑えられ、痛みをもたらした。
乳房や乳首に与えられる快感と、陰茎の痛みが混ざって、不思議な快感がぞくぞくと体を走る。
「可愛いね、胸で男を喜ばせて、楽しいですか?」
整った顔を悩ましげに歪ませるフィルシスを、シャーレンは優しく微笑んでじっと眺めた。
緩く開いているフィルシスの唇から、涎の筋が零れ始めている。
「なかなか良かったですよ」
乳房の間、顔の間近にあった性器から迸った白濁液が、蕩けているフィルシスの顔にびしゃりとかかる。
「ん…ゃ…ッ!」
上気した頬や、汗で銀に光る髪を、白く汚した。
「ぁ…ふ…」
口に入ったものをごくりと無意識の内に飲み込んだ。
「あなたも気持ち良かったようですね」
膨らんだ胸の乳首はぷっくりと尖っていた。
「次はこっち」
新しくできた女性器を、指先でなぞる。
「ん…ッ」
かすかな快感にフィルシスが身を震わせた。
まだ僅かに蠢いているだけだった。
「こっちもお尻みたいに、男無しでは生きられなくしてあげましょうね。魔法を解いて、元に戻した後もこの快感が恋しくなるぐらいにね」
シャーレンはにっこり微笑んで、フィルシスの足を開いた。
「や…っ」
まだ口を閉じているそこを舌で舐める。
ぱっくりと割れて、徐々に開き始めた入り口の襞を一つ一つ丁寧に。
「あ…ッんぁ…!」
フィルシスの細い腰が跳ねた。
ぞわぞわとした快感のようなものを感じる。
「ん…んぅ…っやぁ……っ」
初めて味わう熱。
射精の欲求とはまた違う疼き。
そこが、すうすうして、焦れるような感覚が襲い始める。
「濡れてきましたね。早速気持ちよくなっているようですね」
舌の中でにちにちと蠢き始め、とろりとしたものが漏れるのを確認すると、シャーレンは顔をあげてフィルシスを見た。
赤い目は潤んでいた。
甘い小さな喘ぎが、半開きの唇から洩れている。
「処女を開発するのは久々です」
身悶えているフィルシスの体の上に被さって、抱いた。
「初めてだと、痛いですが我慢してくださいね」
開かせた足の間で花びらの見える入り口に、陰茎を当てる。
「ん……ッ!」
ひくっと竦む体。
抱いたまま、一気に貫いた。
「あ……っはああぁぁッ!」
本来なら味わう事はない破瓜。
痛みにフィルシスは身を震わせて叫んだ。
「く…ぅ……」
「痛いですか?」
入れたまま、しばらく静止した。
自分にしがみついているフィルシスを優しく抱いて、頭をなでて、白銀の髪をすく。
「もう少し我慢してくださいね」
狼の耳を軽く噛んで、ねっとり舐めて、性器を少しずつ動かすと、フィルシスの体がぴくりと震えた。
「ぁ…う……」
半開きの唇に口付けながら、片手で乳首をくりくりと揉み、もう片方の腕で耳をなでる。
そうしながらゆっくり陰茎でかき回していると、甘い喘ぎが漏れ始めた。
「んん…ふ…ぁ……っ」
びくびくと、震え始める細い体。白い尾がゆるくゆれていた。
愛液が少しずつ漏れ始めて、ぴちゃぴちゃと水音が響く。
「はぁ……あぁ……ッ!」
喘いで、身をよじらせるフィルシスの呼吸が荒くなり、体が熱く火照ってきたのがわかると、シャーレンは自身を抜いた。
「あ…ッ!」
切なげなフィルシスの声が漏れる。
シーツには血がついていた。
「続き、して欲しいですか?」
粘つく愛液で濡れ光り、ひくひくと収縮している花びらを指でなぞった。
「ん……あ……っ」
フィルシスは肯定とも否定ともつかない呻きをあげたが、その濡れた性器が物欲しそうにしているのはわかる。
「して欲しいなら、自分の言葉できちんと頼みなさい。どこに何を入れて欲しいか。
いくら初心なあなたでも、女性器の名前を知らないなんて、それはないでしょう?」
頬を朱に染めて、黙っているフィルシスが可愛らしくて、優しく耳をなでた。
「昔、教えませんでしたか?」
くすりと笑って、意地悪く言う。
聖騎士団に入団したての幼いフィルシスに勉学を教えたのは自分。
「………」
微笑を浮かべたまま、じっと眺めるシャーレンから視線を反らして、フィルシスはそのまましばらく黙っていた。
女性器の疼きは、まだ堪えられる程度だった。
恥ずかしい言葉で頼むぐらいなら、我慢する方がましだ。
「強情ですね」
そうでないと、面白くないけれど。
そう思いながらシャーレンは、フィルシスの血や愛液で汚れたシーツをたたんだ。
「シャーレン……」
精液がこびりついたままの顔をぬぐってやっていると、フィルシスが目を伏せて、小さな声で呟く。
「やっぱり入れて欲しいんですか?」
「……トイレに行きたい…」
不安そうな声。
女性器への挿入を頼むまで、させないと思っているのかも。
「いいですよ」
服は着せずに腕を引いて、尿意のせいで足取りの遅いフィルシスの様子を楽しみながら、トイレに連れていった。
だが、連れていっただけで何もせずに、戸惑っているフィルシスを意地悪く眺める。
「……シャーレン…」
すがるように、黒衣をきゅっと掴む。
太股をもぞもぞと擦り合わせていた。
「トイレに来て、どうしたかったのですか?」
今まで何度も繰り返した問いかけ。
「……おしっこ…させて…」
恥ずかしそうに、絞り出すような声で答える。
そう言わなければ、性器の拘束は外さない。
「最初からそう言えばいいのに」
くすっと笑って、蓋を閉じている便器に腰をかける。
膝の上にフィルシスを座らせた。
「ん…っ!」
後ろから、幼い子供にするように足を抱えて開かせると、フィルシスが羞恥に呻く。
鈴口の拘束具をはずして、貞操帯に包まれた陰茎を緩く握り、その入り口に透明なグラスをあてた。
「ほら、出していいですよ」
まだ少しためらいがちなフィルシスの性器の亀頭を、きゅっとつまむ。
「んや…ッ」
身をびくりと震わせて、ようやく放尿し始めた。
「あぁ……っはあぁ……」
余程我慢していたのか、フィルシスが甘い喘ぎをあげる。
「おしっこがそんなに気持ち良いんですか?」
性器の先端に当てたグラスに、尿がじょぼじょぼと音を立てて溜まっていく。
腕の中のフィルシスは恥ずかしそうに頬を染め、音をできるだけ聞かなくて済むように狼の耳をしゅんとさせた。
顔を背けたり、目をつむったりしていると、お仕置きができるけど、最近はちゃんと見ている。
「昨日より色が濃いね」
耳元で囁かれて、いつも排泄の行為を見られている事を思い出すと、フィルシスはびくんと身を震わせる。
「昨日より多いね」
もう一度囁いて、たっぷりと尿の溜まったグラスをフィルシスの目の前に見せつけた。
「や……っ」
尿を出し切って、余韻にぴくぴくと震える鈴口に拘束をはめ直す。
羞恥に涙ぐむフィルシスの白い耳をなでる。
しゅんとしながらも、寂しそうに寄り添ってくるフィルシスが可愛くて、そのまましばらく抱いて、なでていた。
抱き上げてトイレを出ると、フィルシスは不思議そうな顔をした。
「何をするの…」
地下室に連れていくと不安そうな顔をした。
「今日はしばらくお留守番しておいてくださいね」
それを聞いて、身を竦めたフィルシスの腕を、まとめて頭の上で縛り上げ、足は大きく開かせて両足首を固定した。
乳房の顔側と腹部側を黒いベルトで挟んで縛り、肉を押し出して固定する。
「んう…っもう…やだ……」
拘束されて、何もされないままだった事はない。
「ちゃんと気持ちよくしていってあげますからね」
女性器に手を当てて、呪文を唱えた。
「く…ふ……っ!」
途端に愛液が溢れ出す。
「あぁ…ん…ッ!いや…ッ!」
拘束されて動かせない腰の辺りのベルトの、軋む音が響いた。
「精液を中に注がないと、その疼きは治まらないですよ」
どんな処女もこの呪文を使われて、自分から足を開かなかった事はない。
入れないまま放っておくと、命令した事はどんな屈辱的な事でもしていた。
「口にも使ってあげましょうか?全身にだって、できるんですよ。全身に精液をかけないと、快感で発狂するかもしれないですけれどね」
不自由な体を精一杯くねらせて、悶えるフィルシスの様子が可愛らしい。
哀しみと悦楽が混ざって潤む赤い瞳、汗に濡れながら揺らめく銀の髪、苦しげに歪む顔が美しかった。
白い尻尾が不規則にばたついていた。
「や…っぁん……!」
割れ目の中の、襞が一枚一枚震え出して、隠れていた肉芽が見え出した。
愛液が肌の表面を伝っていく。
それを見て、シャーレンは満足そうに微笑んだ。
「もう一度、入れて欲しいでしょう?」
「ん…ん……っ」
内股をひくひくと震わせながら、フィルシスは必死に頷いた。
女性器が快感を感じると同時に、陰茎にもそれが伝わるが、勃起も射精もできなくて、余計に苦しい。
「なら、きちんと頼みなさい」
蜜のあふれる肉壷に、指を三本入れて、かきまわした。
フィルシスの体が、拘束具の許す限りびくんとくねる。
疼く場所に入れられて、弄くられて、気持ち良いのに、それは求めているものではない。
魔法が生み出した焼くような膣の疼き。
ただ嬲られているだけで、体中の焦れだけが増していく。
「はあ…ッ!いや…っいや……!やめて……!」
だが、そんな恥ずかしい言葉を言えるわけがない。
「そうですか。では、仕方ないですね」
シャーレンは指についた愛液を、フィルシスの半開きの唇から覗く舌にすりつけて、舐め取らせた。
「ん…ふうぅ……!」
喉が動いて、自分の体液を飲み込んだ事を見届けると、荒く息をつくフィルシスの口に、球体状の口枷を噛ませた。
「んぐう……ッ」
フィルシスのぴくついている耳をなでながら、汗がにじみはじめている額に口づける。
「私が帰って来た時には、ちゃんと言いたくなっていますよ」
縛られた体をぎしぎしと揺らして、焼きつくような疼きに耐えているフィルシスに、シャーレンは背を向けて部屋を後にした。
その日は、街の近くに巣食う魔物を退治しなければならなかった。
通常は、暗黒騎士でも何でも、それは下位の者の仕事だが、彼らだけでは倒せない強い魔物も時にはいる。
彼らが苦戦する程、いくら力が強くても、知能のあまりない魔物は、ラーク達が囮になって時間をかせいでいる間に、自分が死の暗黒魔法を唱えるだけで終わる。
その日も無事に任務を終え、得体の知れない魔物の住処から、早々と帰っていく者達の後、シャーレンは一人のんびり進んだ。
「草なんか、そんなに持って帰って何をするんだ」
自分には雑草にしか見えないそれを熱心に、しかもかなり楽しそうに眺めながら歩いているシャーレンに、歩調をあわせていたラークが聞いた。
「薬を調合するのさ」
勿論、媚薬。今まで使って減ったものも、これから新しく作るものも。
こんな人里離れた奥地には、珍しい植物があちこちにある。
早々と帰るなんて勿体無い。
街の魔法専門の店には売っているが、見習いの魔術師ではあるまいし高い金を出してそんな所で買う気にはならない。
「そっちの…卵…?は、何に使うんだ?」
シャーレンは植物だけではなく、塊になって産み付けられている爬虫類や虫の卵を、塊ごとではなく、一粒一粒を引き剥がして持って帰ろうとしていた。
「持って帰って、ちゃんと孵すさ」
一つ一つを小瓶に入れて、楽しそうに眺めながらの何気ないその返事からは、ラークには、シャーレンが何を思っているかは想像できなかった。
「そんなもの、どれも一匹だけ孵してどうするんだ?お前のする事は、やっぱよくわからないな」
日がだいぶ傾いているというのに、のんびり進むシャーレンに、ラークは欠伸をしながらついて行った。
「いい子にしていました?」
屋敷に帰ると、すぐにフィルシスを閉じ込めていた地下の一室に入った。
気絶しているフィルシスの、痙攣している華奢な体が目に入る。
白い肌は興奮に赤く染まり、細い腰や四肢はびくびくと震えて、黒いベルトや鎖が軋んで小さな音を立てていた。
荒い呼吸に激しく上下する胸は、乳房がぶるぶると揺れている。
その頂点で尖っている乳首の先を、ゆるく噛んで引っ張っる。
「ん…ッ!ふうぅ……!」
猿轡の端に涎があふれ出している口から、悲鳴が聞こえる。
「んん…ッ」
汗が伝って、震える股の間にも、漏れ出した愛液が溜まっていた。
「ここに、入れて欲しいですか?」
とんとんと、指で軽く、ひくついている花びらをつつく。
赤い瞳を潤ませているフィルシスに微笑みかけて聞いた。
「んんッ!ん……!」
今にも焦点を失いそうな瞳で、フィルシスが必死に頷く。
「ちゃんと頼むんですよ、分かりますね?」
球状の猿轡を取り外す。
「何を入れて欲しいかも、忘れずに言うのですよ」
「はあ……っ」
唾液が粘る糸をひき、口からは涎が大量に溢れ出した。
「ほら、どうして欲しい?」
フィルシスはそれでもしばらくためらって、憂いを帯びた整った顔でじっとシャーレンを見返しただけだった。
だが、何時間も快感の責め苦にあって、理性も羞恥もほとんど消えていた。
早く、この魔法を解いて欲しい。
女性器はもちろん、その快感に触発されて、射精したくてたまらないのに貞操帯に止められている男性器が痛くて、
ひくひくと反応し出している後孔も、硬く尖った乳首も、もどかしくて辛い。
「ん…ぅ……!」
微笑んで黙ったまま、もう一度、襞に触れて、つまんでいく指。
その動きだけを繰り返す指。
くちゅくちゅと、淫らな水音が鳴る。
少し触れられるだけなのに、焼いていくような疼きが広がる。
涙で歪んだ視界に、優しく微笑むシャーレンだけが映って、もう何も考えられなかった。
「はあ…ぁ……ッ」
やがてフィルシスは、閉ざしていた口を開いた。
「……まん…こ…に……っ精液……入れて……」
今まで生きてきて、一度も口にした事がない卑猥な言葉を言いながら、フィルシスは羞恥に泣きじゃくった。
それでもそれは、シャーレンが思っていた言葉が一つ抜けていたが、わざとその事を指摘しなかった。
「いい子だ」
すすり泣くフィルシスの震える唇にシャーレンは優しく口付けて、その中を舌で隅々まで愛撫した。

