初めての研究会
(16)
塔矢はオレを気遣うようにゆっくりと動き出した。
内臓を内側から擦られる感覚はなんとも言えない。
気持ちがいいのか悪いのかよくわからない。
塔矢のモノが次第に大きくなっていくのがわかる。
オレのお尻で感じてくれてるのだろうか?
動きもだんだん激しくなってきてオレを突き上げる。
「あっ…あっ…」
その律動に合わせて声が漏れる。
塔矢が例の場所を掠めた。
「あぁっ…」
ひときわ高い声が出てしまう。
塔矢がそこを執拗に攻めてくる。
「やっ…はぁん…あっ・・・」
そこを攻め立てられると、もう声を抑えることもできない。
甘ったるい声がオレの口から止め処なく漏れる。
背中を駆け抜ける痺れは間違いなく快感で、
下半身が溶けてしまいそうな感覚に陥る。
胸の辺りにあった塔矢の口が、突然オレの乳首を口に含んだ。
(17)
「あっ」
驚いたオレは思わず塔矢をぎゅっと締めつけた。
それでも塔矢は乳首を執拗に吸ってくる。
(男の乳首吸っておいしいのかな…?)
そう思って見ていると塔矢と目が合った。
塔矢はいやらしい目つきでオレを上目遣いで見上げながら
吸われて赤く立った乳首を舌で嘗め回すようにする。
その光景がものすごく卑猥に見えて、オレは真っ赤になって顔を逸らした。
もう片方の乳首も同じように吸われ、舐められる。
さっきの塔矢の視線が絡みついてくるみたいで
塔矢の舌の動きにびくびくと面白いほど体が反応してしまう。
「はぁっ…はぁっ…」
息も絶え絶えなオレに、更に追い討ちをかけるように
塔矢の手がオレの中心に伸びてきた。
「!」
敏感な所を立て続けに責められて、オレはあっという間に果ててしまった。
「はぁ…」
生まれて初めて感じる壮絶な快感にぐったりとして甘い痺れに浸っていると
まだ達していない塔矢が再びオレの中を擦り始めた。
(18)
内側は今まで以上に敏感になっていて、
塔矢が行き来するたびに激しい痺れが体中を走る。
触れ合う肌が熱くてたまらない。
「やっ…あっ…やめ…あぁっ…」
痛いほどの刺激に頭が真っ白になる。
本能的に塔矢の動きを止めるように入り口がぎゅっと締まる。
「うっ…」
うめいたかと思うと、塔矢が奥の奥まで突き上げるようにして動きを止めた。
生暖かいモノがお腹の中に広がっていくのを感じた。
(塔矢…)
それはじんわりと広がって体中が塔矢で満たされていくような気がした。
オレは幸せな気分で、そのまま意識を手放した。
目覚めるとオレは布団の中にいた。
とっさに状況が把握できないでぼーっとしていると
塔矢の声がした。
「目が覚めた?」
あれ…オレ、なんで…塔矢がいるんだ?
しばらくの空白の後、思い出した。
塔矢の顔と手、そして声…考えるだけでまた体が熱くなりそうだった。
あれは夢だろうか?
「塔矢…え…と、オレ…」
きっと首まで真っ赤になってるはずだ。
言い辛そうにしていると、塔矢がオレの耳元に顔を寄せ
「夢じゃないよ」
と囁いた。
(19)
「ね、進藤。これからも時々してもいいかな?」
何を?と聞くのは愚問だろうか。
さっきしたみたいな、…アレのことだよな、やっぱ。
「ボクはまだキミのことがもっともっと知りたい。これだけじゃ足りない」
オレの肩を抱き寄せるようにしながら塔矢が甘い声で言う。
コイツ、こんな声も出せるんだ。
今まで聞いたこともない塔矢の声音に耳を傾けながら思う。
見上げると、あのまっすぐな目がオレを見てる。
塔矢がオレのことを知りたいだって。
それだけで心がこそばゆくてあったかくなる気がした。
さっきのはちょっと恥ずかしくて嫌だったけどまぁいいか。
だってオレも塔矢に知って欲しい。
オレの心の真ん中を。
コイツだったらいつか話せる。
あの囲碁幽霊のことも。
「ん、…いいよ」
へへ、と笑いながら言うと、またぎゅっと抱きしめられた。
「これは二人だけの秘密の研究会だからね」
少し低い、甘い声で囁かれると、体がぶるりと震えた。
「うん…」
オレはその暖かい背中に腕を回した。
おわり