初めての研究会
(11)
「なぁ…なんで、こんな…ことすんの?」
まだ荒い息を吐きながら、塔矢に聞いた。
塔矢は穏やかな表情で
「んー、そうだね。キミを知りたいからなか?」
よくわからない。
こんなことでオレの何がわかるというのだろう?
「いろいろなことがわかるよ。
これだけでも、もう随分ボクの知らないキミを見ることができたよ」
確かに、そうなのかも。
オレも今まさに、今まで知らなかった塔矢を見てる。
「ボクはキミのことは何でも知りたいんだ。
言わば、今日はキミの研究会だね」
と言って塔矢はくすっと笑った。
そして、その手はまたオレの体を弄り始めた。
え、今ので終わりじゃなかったの?
まだ続きがあるのだろうか?
「ね、進藤。もっともっとキミが知りたい。
だからもっとキミの中に入りたい。いい?」
オレの心臓は勝手にドキドキし初めて、
その音が塔矢に聞こえないかと更にドキドキした。
「うん…いいよ。オレもオマエのこと、知りたい」
そう答えると、塔矢はまた綺麗な顔で笑った。
(12)
塔矢がまた深いキスをしてくる。
溢れる唾液がオレの喉を伝ってくのがわかる。
ふわふわと痺れるような感覚に浸っていると、
開かれた足の間に塔矢が股間をすり寄せてくる。
服の上からもわかる熱い昂りが触れた。
それを感じでオレの中でもまた熱い灯が点る。
膝裏のあたりを持ち上げられ、更に足を開かされる。
塔矢の手があらぬ処に触れてきた。
オレはびっくりして体を強張らせると、
「大丈夫、力を抜いて」
と言われた。
そうする内にも、塔矢の指が後の穴に入り込んでくる。
「やっ…」
信じられない違和感に体が震える。
「最初はちょっとキツいけど、すぐ慣れるから。少し我慢して…」
そうは言っても、そんな処に指なんか入れていいのだろうか?
入り口付近を押し開くように揉まれるのを、口をぎゅっと閉じて我慢した。
目じりに自然と涙が溜まる。
それを見て、塔矢が唇で涙を吸い取るようにキスをしてきた。
「もう少し我慢してね」
そう言うと、塔矢の指がオレの穴から離れた。
(13)
(もう終わったのかな…)
そう思ったのも束の間、何かぬるっと冷たい感触がお尻の穴に入ってきた。
「ひゃっ」
にゅるにゅるとした感触に思わず悲鳴のような声が漏れる。
「塗っておかないと、さすがに辛いだろうから。気持ち悪い?」
オレはこくこくと頷く。
なんだか情けないような気分になって再び目に涙が溜まる。
「ごめん。でもじきに良くなるよ…」
何かジェル状のものを塗りこめられているらしい。
その滑りの力を借りて、塔矢の指が更に奥へと入ってくる。
くいくいと内部で動き回る指先に、最初はあった違和感が
そのうち感じられなくなってきた。
代わりに何とも言えない、むず痒いような感覚がそこから広がってくる。
いつの間にか塔矢の指は2本に増えていた。
お尻の穴を拡げられるような動きに、
すでに裸にされているはずなのに、すべてをむき出しにされて
何もかも晒されているような気分になる。
「あ…」
心の隙間まですべて見られているようで、心が震えた。
あの日以来、ぽっかりと抜け落ちてしまったその隙間を、
塔矢でいっぱいに埋めてくれればいいのに。
そう思った。
(14)
塔矢の指は容赦なくオレの中で蠢いている。
「ひっ!」
突然の刺激に悲鳴じみた声を上げてしまった。
指がある処を掠めた瞬間、電撃が走ったみたいな衝撃が体を駆け抜けたのだ。
「へえ…」
塔矢は再びそこに触れた。
「な…やっ…あっあ、ああああーっ!」
くりくりと同じ箇所を撫でられると、
まるでそこから神経を鷲掴みされるようなものすごい感覚が体の芯を襲う。
「ここ、いいらしいね」
塔矢は執拗にそこを弄ってくる。
「やめ…うあ…う…」
強烈な刺激に体はぴくぴくと痙攣を起こし始め、口からは涎が垂れる。
中心はきつく立ち上がり、露を溢れさせている。
自分の体が言うことを聞かない。
どうしようもなくてオレはぼろぼろと泣き出した。
それに気がついたのかやっと塔矢はそこを弄るのを止めた。
「ごめん、進藤。ちょっとやり過ぎてしまったね」
そう言って指を引き抜くと、オレの足を抱え上げるようにしたまま顔を寄せ、
流れる涙を拭うようにキスをくれた。
(15)
「いい?入れるよ」
耳元で囁く塔矢の声は掠れてて色っぽい声だった。
「…ん」
くすぐったいような気がして思わず漏らした声を同意と受け取ったのか
塔矢はオレの足を更に割り開くと自身を滑り込ませてきた。
塔矢の先端がオレの中に入ってくる。
さっきぬるっとしたモノを塗ったせいか、意外に抵抗は少なかった。
でも痛い。
お尻の穴がこれでもかってくらい無理やりにこじ開けられてる感じだ。
「…んっ…」
塔矢の耐えるような呻き声が聞こえた。
オレははぁはぁと肩で息をしながら、じっと塔矢を感じていた。
ゆっくりゆっくり、塔矢は狭い中を侵入してくる。
痛さを感じつつ、同時に何かがオレの中を満たしてゆく。
塔矢がはぁっ、と息を吐いた。
全部入ったみたいだ。
内側で塔矢を感じる。
今、オレの中に塔矢がいる。
その事実はオレを幸せにした。
ずっとここにいてくれたらいいのに。
どこにも行かないで。
そう思ってオレは塔矢の背中に手をのばした。