初めての研究会

(6)
(オレってばなんつー夢見てんだ…)
あまりの恥ずかしさに両腕で頭を抱え、布団の上に突っ伏してへたれ込んだ。
(…溜まってんのかなぁ…。最近碁のことしか考えてなかったからな…)
深い溜息を吐いていたら、さっきから布団の上で悶えてるオレを不審に思ったのか、
塔矢が側に近寄って来た。
「どうかしたのか?進藤」
顔を上げると塔矢の整った顔が間近にあった。
「な…なんでもないっ。あの、えと、変な夢見てさ」
塔矢の顔を見ていられなくて、あたふたと目を逸らす。
「変な夢?」
そう、まさに変な夢だ。
塔矢にオレがキスされている夢。
ありえない。
(確かにコイツは綺麗な顔してるけどさ)
でも男だ。
いくら溜まっていたからといって塔矢相手にそんな夢を見るなんて。
自分の脳を問い詰めたい気分だ。
(あれ?でも…)
夢でキスされていたのは自分だった。
むしろ無理やり襲われていたような気がする…。
自分が塔矢を押し倒していたならまだわかる。
とりあえず身近な存在の塔矢を女と見立ててしまうほど溜まっていたのだろう。
(…じゃあオレって女みたいに押し倒されたいとか、無意識に思ってたわけ??)
うわー、それってただの変態じゃないか。
ぐるぐると己の思考の渦に呑まれていたオレは塔矢の動きに気付くのが遅れた。
「変な夢って、例えばこんな感じ?」

(7)
オレと塔矢の唇が重なる。
あっけに取られてぽかーんと開いしまった口に塔矢の唇がさらに深く重なる。
何度も角度を変えて口付けられていた。
「違った?こんな夢じゃなかった?」
まるで愛しいものを見るような顔で塔矢はにこりと笑った。
「え…わ…あ…、え?」
事態が飲み込めなくて、口からは意味のない音しか出てこない。
「それとも、こんなだった?」
また塔矢の顔が近づく。
これも夢なのだろうか?
塔矢の唇は深く深くオレの口を塞ぎ、
と同時に何かぬるっとしたものが口の中に入ってきた。
それはオレの舌に絡みつき、大胆に口内を侵してくる。
「――ん―ぅふっ…んーーーーっっ」
息苦しさに突然我に返った。
ちょっと待て。
これはベロチューというやつじゃないか!?
な、なんで塔矢がオレとベロチュー??
いや、そうじゃなくて、そうじゃなくて落ち着け。
とにかくこの状態から脱出しなくては。
思いっきり塔矢を突き放そうと両腕に力を込めた…つもりだった。

(8)
両手は力なく塔矢の胸元から下へ落ちる。
(あれ…?)
再び力を込めてみるが体が痺れたように動かない。
(ど…どうなってんだ?)
そうしている内にどんどん塔矢の侵入は深くなる。
舌を吸われ、ぴちゃぴちゃといやらしい音が室内に響く。
何度か抵抗しようとしたが、やはり体中力が入らない。
「ぁふ…」
変な声が口から漏れる。
塔矢の動きは優しく巧みで、次第に心地よささえ感じてきた。
だんだん頭の芯がぼうっとしてきて抵抗することも忘れた。
ちゅ、という音をたてて塔矢の唇が離れる。
「どう?こんな夢じゃなかった…?」
そう言った塔矢の顔はいままでに見たことがないほど優しかった。
その顔を見たとたん、オレの胸はじいん、と熱くなった。
塔矢の目がオレを見てる。
まるで大事な宝物を見るような目で。
そうだ。
オレはずっとこの視線が欲しかったんだ。
その目がオレだけを見てる。
嬉しい。
そう思ってしまったオレは、もう抵抗することができなかった。

(9)
「あっ…」
塔矢の手が体中を弄る。
着ていたはずの服はいつのまにかすっかり剥ぎ取られ、
生まれたままの姿を塔矢の前に晒していた。
塔矢の手が辿った跡が熱い。
体中がほてり、白かった肌はほんのり赤く染まっている。
顔も赤くなってるだろうか。
「進藤…」
塔矢が柔らかい声でオレの名前を呼ぶ。
呼ばれて塔矢の顔を見上げると、そこには先程の優しい眼差しがあった。

少し抱き上げられ、また口付けをされる。
手が腰の辺りを執拗に弄ってくる。
腰から背中へ。
さわさわと撫でられて腰から背骨に甘い痺れが生じる。
「はぁ…」
たまらなくなってため息を漏らす。
そうしたらまた塔矢が笑ったのがわかった。
(塔矢、今日はよく笑うな…)
ぼうっとする意識の中でそう思った。

(10)
手は前方へ回り、足の付け根からオレの中心へと至る。
「…!…」
初めてそんな所を他人に触られた衝撃に息が詰まる。
実を言うと自分でだってあまりそこを触ったことがないのだ。
だって、小学6年のあの時以来、オレは囲碁漬けだった。
同年代の友達が性に目覚める頃、
自分は囲碁幽霊と目の前のこの男のせいで『囲碁』に目覚めてしまった。
それに、側には常に佐為がいて、自慰どころではない。
そんなこんなでオレの性に対する知識は小学6年生止まりに等しかった。
一応自分が今から何をされようとしているかくらいは分かるが、
これから具体的に何が起こるのかはさっぱり分からない。
さっきから自分の体の変化についていくのがやっとだ。
でも不思議と恐怖はなかった。
塔矢に扱かれてオレはあっという間に果ててしまった。
「はぁっ…はぁっ…」
突き抜けるような快感にしばらく肩を震わせていたら
塔矢が優しく撫でるように肩を抱いてくれた。
「はぁ…」
その瞬間オレが感じていたのは、間違いなく幸福感だった。

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