ニップレス
(11)
「はぁっ、んっ」
息継ぎが上手くできなくて苦しい。
冴木さんはそんな下手くそなキスしかできないオレをそれでも好きなようにさせてくれている。
「んあっ!」
いきなり敏感なところを触られ思わず唇を離す。
冴木さんの手が爆発寸前の俺の下半身を握り込んでいる。
「やっ、だめ、あっ!あっ」
既に溢れていた先走りを全体に伸ばすように擦り付ける。
再度大きな手で握りこまれ強い力で扱きあげられた。
「あんっ、さえきさ…っ!」
ぐちゅぐちゅと濡れた音が恥ずかしくて耳を塞ぐ。冴木さんが笑った気配がした。
「進藤拗ねるなよ」
布団にくるまって出てこないオレに冴木さんが声をかけた。
あの後すぐに達してしまい、結局三回も冴木さんの手でされてしまった。
一回だけでも恥ずかしいのに…。冴木さんも途中から悪乗りしはじめて「若いから回復も早いな、打ち止めまでやってみるか」とか言うし。
オレはオモチャじゃないぞ!
…なんか仕返ししてやりたいな。
「しんどー?もうしないからさ、機嫌直してくれ…わっ」
いきなり布団から飛び出すと驚いた冴木さんがベッドに尻餅をついた。
その隙にズボンに手を突っ込んで冴木さんのそれを取り出す。よかった、まだ硬いまんまだ。
冴木さんは自身を握られたまんま固まってる。へへん、今度はオレの番だ!
「オレにも冴木さんの、触らせてよ。」
「しんど…」
「オレも冴木さんを三回いかせるからね!」
仕返し!と言って手のひらの中のモノを擦るとそれはビクビクと脈を打った。
オレのとは形も大きさも違うそれにドキドキした。
それを悟られないように手を動かす。
…
……
なんでいかないんだよ!
しばらく掌で擦り続けたそれは大きくなりこそすれ、精を吐き出しはしなかった。
いい加減手が疲れてきた。
「冴木さんのばかぁ!意地悪しないで早くいってよぉ!」
「…進藤…別に意地悪してないって…」
「じゃあなんでいかないの?」
「…ええとな、オレぐらいになると、それだけじゃちょっと刺激が足りないかな」
「じゃあどうしたらいいのさ」
手を離してそれを見つめる。もうここまでおっきくなってんならすぐじゃん。
「あのさ…」
「舐めてみてくれないか?」
「太股に挟んでみてくれないか?」