「逆転裁判2」と後期クイーン問題



もう半年近く前にやったゲームなのですが、「逆転裁判2」について今更ながら総括。


結論から言うと、1〜3章まではかなりイマイチ、4章のみ物凄く面白かった、というところでしょうか。
なぜ1〜3章が駄目なのかというと、実に単純な話で難易度が高すぎるんですよね。

前作のレビューでも言いましたが、「逆転裁判1」は事件の難易度を極端に切り落とすことで、「子供でも考えれば解ける謎」というゲームバランスを忠実に実現していました。
しかし「逆転裁判2」はこの辺のチューニングがユルユルです。難易度高すぎ。しかも、「難しいけれど必死に考えれば解ける謎」ではなく、「考えても解けない謎」が多すぎて非常にストレスがたまります。手がかりが少なすぎる、こっちが立てた仮説にゲーム側が全く反応してくれないなど、「謎解き以外の難易度」が鬼のように高く、ほとんどコマンド総当りゲームに成り下がっている感もあります。

なぜこのようなことになったのかというと、単純に前作の評価が高すぎたため、易しく解けるようなものだと批判を食らう、と考えたからなのでしょう。製作者側が取った行動は単純に難易度の目盛を上にあげることであり、その結果このようなストレスゲーが生まれてしまったのだと思います。


ただ、4楽章のみは無茶苦茶面白い出来です。何故かを説明しますが。残念ながら以下の文章はネタバレになります。未プレイの方はご遠慮ください。



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私は「逆転裁判1」をやり終えたときから、「被告を弁護する」というゲームシステムで、例えば本当は凶悪犯の被告を弁護しなければならなくなったらどうするのか、被告が物凄く悪い奴なのに善良な犯人を糾弾しなければならなくなったらどうするのか……などなど、視点を変えたら面白いものが出来るなあとかんがえていたのですが、第4章ではこれをやってるのですよね。しかもシナリオも面白い。

ちょっと話がずれますが、「善良な犯人を告発しなければならないのだったら、探偵とは一体何なんだ?」という問題がミステリの世界にはずっとありまして、これを後期クイーン問題と呼びます。「逆転裁判2」は、探偵と弁護士という立場の違いこそあえ、この問題に真っ向から取り組んでいるわけです。既に大絶賛され、名声が確立されたゲームでこのような冒険をしてくるというのは、ミステリマニアとしては嬉しい限り。

そう考えると、「逆転裁判」のシステムは、ゲーム史上初めて「プレーヤー=探偵」という図式を生み出したといっていいでしょう。それまで、探偵はゲームの中の登場人物の一人でしかなく、プレーヤーは選択肢を選び取り、探偵の物語を進めることしか許されていませんでした。
しかし、「逆転裁判」の裁判シーンはプレーヤーが探偵に同化し、一緒に推理をすることが出来る。それゆえ、「推理をすること」をメタな視点から物語として再構築できるわけです。

「逆転裁判」は2にして後期クイーン問題にまで踏み込んだわけですが、今後どのようになっていくのかは難しいですね。本家クイーンや法月のように、苦悩する探偵(弁護士)になるとも思えないし……。とりあえず第3作がどのような形で出てくるか楽しみであります。


2003年10月15日



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