「あ、も・・っ!イ・・ク・・・ッ!キーン!」
が。その一歩手前でキーンの指が引き抜かれ
吾郎のそれもキーンの大きな手から開放されてしまった。
吾郎は落胆の色を隠す事ができない。
「欲しいか?」
「・・・!」
ふふ・・と笑むキーン。そして。
「お前が素直に話すとは思えないから敢えて今聞く。
お前、まさか血行障害にかかってるんじゃないだろうな。」
「・・!!」
「以前、試合中に手を気にする仕草を指摘してからあやしいとは思っていた。
手を振ったり温めたり血行障害によくある症状だからな。」
「ハハ・・何の事だ?あの日はちょっと寒かっただけさ。血行障害!?
なんだ、その病気。それより。続き!ここまで来てお預けはないだろ?」
「欲しかったら素直に答えろ。
とぼけても無駄だ。今日のピッチングといい調整のしかたといい、バレバレなんだよ。」
「は?やれやれ。やっぱ投手を良く見てるキャッチャーはだませねえな。
そうさ、俺は左肩の血行障害だ。今はよそのドクターに診てもらって薬で症状は抑えてる。」
吾郎はこのままでは貰えないと判断したのだろうか
キーンのそれを咥えるべく体勢を変えるがキーンによって押さえつけられてしまった。
「何すんだよ!」
キーンからは只ならぬオーラが発せられていた。
このまま有耶無耶に済ます気はないらしい。
「で、でも心配はいらねーよ。痛みはねえし明日の試合が終われば手術する予定だ。
なあ、もういいだろ?セックスの最中にこんな野暮な話、やめようぜ!?」
「そうはいかんな。」
「!」
「故障を隠してチームを危険にさらす奴は俺は許せん!
優勝がかかってるような試合なら尚更プロのやる事じゃない。
自己満足も大概にしろ!
お前には投げさせん。
嫌なら俺から監督に言ってやる!!」
「・・・・・・。」
「これが欲しかったら明日にでも治療を開始しろ。」
キーンは自らの怒張で吾郎の頬をピタピタと触れた。
「ほら・・欲しいだろ?」
「卑怯だ・・・。それとこれとは別問題だろ?
なんだよ、お前が欲しかったら治療だのなんだの!関係ないじゃねーか!!
つーか、お前の方こそ俺に入れたくてウズウズしてんじゃねーの?」
「・・・・とんでもないじゃじゃ馬だな、それに淫乱だ、お前は。
日本でも我侭し放題だったんだろう。
だが、お前はプロだ!メジャーリーガーなんだ!
最高のパフォーマンスができない病人は治療に徹するのがプロの仕事だ。」
「・・・・・・。」
「治るまでコレはお預けだ。」
キーンは立ち上がり身なりを整え始めた。
「な、なんだよ!このS野郎!!」
「なんとでも言え。」
キーンはそのまま振り向きもせず吾郎の部屋を後にした。
「・・・・くっそ・・・!!」















end

サンデー19号(2009年の)を読んで突発的に書いてしまいました。
本当はベンチ裏でキーンが吾郎に詰め寄ります。
どうせならベッドで追求してほしかった・・と思って、そうしてしまいましたv。
セリフはほぼ、そのまんまにちょっとプラスした程度です。
続きはサンデー20号を読まないと書けません・・吾郎、どうするんでしょうね。

ここまで読んで下さりありがとうございました!
(2009.4.8)

 



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