中国大会決勝の末のサドンデス戦。

レイがライを見事下したその時、
カイが静かな笑みを浮かべた事に、気づいた者はいなかった。









その夜。



皆が既に寝静まった頃。
カイは一人、BBAの宿舎へと向かっていた。



「チームを組むのは俺自身のためだ。」
と言い放ち、
決して皆に馴染もうとはせず、試合にも簡単に出ようとしない。
そして時々こうやって行方を眩ませる。

一体何をしているのだろう。
















・・・この雑木林を抜けて行けば、早い。
カイは一人、暗闇の中その林へ分け入った。



雑草を踏みしめ進みながら
思い出すのは今日の決勝戦の事、次なるアメリカ大会の事。

まだ見ぬ強敵を思い、カイは自然・・・不敵な笑みを浮かべた。








暫く行った時、背後に並々ならぬ気配を感じた。
足音を消して・・・ピッタリとカイの後をつけてくる。

差し当たっての心当たりはなかったが、カイを狙う輩はゴマンといるだろう。


頃合を見計らって・・・・カイが跳んだ。

そして。






「・・・・ま・・待て!俺だ・・!」
聞き覚えのある声に、その顔をよく見ると。
今、当にカイに攻撃されんばかりの男・・・レイが引き攣り笑いを浮かべていた。

「・・・・貴様か・・・。」
カイは気が抜けたように呟き、レイを開放した。

・・・・と、その瞬間。


レイは華麗なまでの身のこなしで、瞬時にカイを押し倒し捩じ伏せた。
先程のレイの中途半端な尾行もノロマな動きも、全て芝居である。



形勢逆転。



「・・・・・・どういう・・・・つもりだ?」

不気味な笑みを浮かべるレイ。
「・・・どういうつもりだと思う?」

「・・・下らん・・・。遊んでいる暇などない。放せ。」
「イヤだといったら?」
「な・・・!」
「俺は女には優しいけど、男には容赦しないんだ。」

ニヤリと笑うその口元に、鋭い牙が覗く。
金色の瞳が妖しく輝き、瞳孔は既に細い。

レイが何を言おうとしているのか、カイにはさっぱり分からなかった。
が、普段とは全く異なる様子に危険を感じ始めていた。


レイはカイの両手を片手で頭上に縫いとめ、
必死に逃れようとするカイの様子を満足げに、薄笑いを浮かべながら見下ろしている。
レイの背後にはレイの瞳のように美しく輝く満月が見えた。


・・・・虎に見据えられた獲物のように動けない。


そのレイの瞳が近づいてきて・・・・・。


唇が重なった。





舌が・・・カイの口内を這い回る。



予想だにしなかった出来事に
「ん・・・・ふぁ・・・・・は・・・・放せ!!何をする!!」
「何をって・・・キス。分かるだろ?お前だって。」

そう、不気味に笑みを浮かべ有無をも言わさぬ雰囲気を纏わせる。

自由な方の手でマフラーを解き、そのまま首筋に舌を這わせ、
カイの黒いシャツをたくし上げ胸の飾りに触れた。

ゾクリ・・・。
電流が体中を駆け巡ったような感覚に、

「・・ん・・・・ぁ・・・!や・・・やめろ・・・!!」
「抵抗したって無駄だぜ?知ってるだろ?腕力なら俺のほうがずっと上だ。」

それでもカイは何とかしてレイから逃れようと試みるが、レイはびくとも動かなかった。
カイだとて運動能力は相当のものだったが、白虎族にはさすがに敵わない。

「無駄だって言ってるだろ?」

レイはたった一本の手でカイの二本の手を縫いとめながら楽しそうに笑い、胸の飾りをペロペロ舐め始めた。

「・・・・・・・・・ん・・・・・・っ・・・・・・・!!きっ・・・さま!!・・・どう・・いう・・つもり・・だ・・っ・・・・!」

それには答えず、
レイの手は片手でカイのベルトのバックルを外した。
そのまま下着の中に手を差し入れ、カイの中心に触れる。

「カイ・・・こんなになってるぜ?何だかんだ言っても感じてるじゃないか。」
「ぅ・・・・・・ん・・・・・・・・・っ・・・・・!!」

屈辱的な言葉にカイは表情を歪めた。






中国に来て、白虎族との一件でレイは不安定だった。
レイの強さはあんなものではない。
直接戦ったことはないが、カイにはよく分かっていた。
だから許せなかった。

厳しいことを言った。だが、間違ったことは言っていない。
それが、癇に障ったというのか?

こいつは・・・・・こんなにも下らんヤツだったのか・・・・・!!


分からない・・・。何故・・・だ・・・?






ぐちゅ・・・・ぐちゅ・・・・。

舌で胸の飾りを嬲り、一方の手はカイの両手を縫いとめ、空いたほうの手はカイの中心を嬲り・・・。
レイはかなり不安定な体勢だというのにカイは逃れることが出来ない。
なんという力だろう。

そして・・・・既にそれは力だけの問題ではなく・・・。
甘い痺れるような快楽がカイを襲い始めていた。

「ぁ・・・・・・ん・・・・・・やめ・・・・・はっ・・・・・・・ああ・・!!」

レイの手は巧みに動き、カイを追い詰める。

ぐちゅっ・・・ぐちゅっ・・・!!

「カイ・・・・お前・・・・凄く色っぽいな・・・・。」
「ふざっ・・・・ける・・な・・・・!!このっ・・外道!・・くっ・・・!・・あああ・・・!!!」







耐え切れず、遂に果てた。




レイは掌についたソレをペロリと舐め、

「・・・・うまいv。」
と・・・ニヤリと笑った。


ようやく拘束を解かれたカイは荒い息をしながらゆっくりと起き上がり
涙で朱に染まった目元をそのままにレイを鋭い眼光で睨みつけ、低く掠れた声で凄んで言った。

「・・・・答えろ。何故こんな事をする。」
「・・・・・・・カイ・・・・。その顔、最高にソソル。」
「ふざけるな!」
カイは拳を繰り出した。
「おっと・・・!」
レイはそれを難なく手の平で受け止めた。
そのままカイの拳を握りこんでレイはようやく答えた。

「・・・・好きだ。カイ・・・・。」
「ふざけるなと言っている!」
「ふざけてなんかないさ。
俺は好きでもないヤツを自分から抱こうとするほど、大人じゃない。
ま、言い寄ってきて「お願い・・・」って言われたら断れないけどな〜。」

「このロクデナシが・・・・・!!」

それを聞いてレイは口元だけで一瞬笑むと再びカイを押し倒した。
そして自らの前を寛げる。

「そうさ。俺はロクデナシだ。
だが、俺も・・・・強くなりたい。もっと・・・強く。」

自身をカイの蕾にあてがい・・。
「カイに随分キツイ事を言われたが、全て真実だ。応えたよ。」

「ま・・・まて・・・やめっ・・・!!」

ぐぐっ・・・・と、まだ慣らしてもいないソコに自身を圧しいれる。

「ぐっ・・・・・はぁ・・・・っ!」
イキナリの苦痛、あまりの質量に、思わず声が漏れる。

「お前の・・・・言葉が・・・頭から離れなかった。」
カイの様子になど構わず肉棒を打ち込む。

ぐちゅっ!ぐちゅっ・・・!!

「お前の事が・・・頭から・・・・離れなくなった・・・・。」

「はぁっ・・・・あ・・ああ・・・・・!!」

擦り上げ、かき回し・・力の限り・・・突いて・・・。
まるで想いの全てを打ち込むように。

「お前の・・・言葉のお陰で・・・俺は・・・・這い上がることが・・・・出来たんだ・・・・!」

カイの手が地面を這い
草を握り締め必死に快楽に耐えて。

「っく・・・は・・・・はぁっ・・・・!!」







「この辺・・・・かな?ココ。・・・・どうだ?イイだろ?」
何を思ったのか、少し動きを緩め、レイはある一点をゆっくり攻め始めた。

「ん・・・!やめ・・・・やぁっ・・!!」

どうやらソコがカイの内なるポイント。
より一層艶のある表情で鳴くカイに、

「カイ・・・・可愛い・・・・・。」

そして改めて容赦なく攻め立てる。

ぐちゃっ!ぐちゅっ!!

しっとりとした肉が吸い付くようにレイを包み込み、離すまいと咥えこみ・・・・。
カイが感じるほどに締め付けがキツくなり、レイを追い詰め・・。

「カイ・・・・好きだ・・・・カイ・・・・お前を・・・・俺のモノにしたい・・・・カイ・・・!!」

レイの・・・・心の叫び。







もう・・・意識が・・・・
理性が・・・・保てない・・・・
何も・・・かも・・・・とけ・・・る・・・・・・・レ・・・・イ・・・・。



無意識のうちに、カイの腕がレイの背へと伸びた。









そして

共に果てる・・・・・。





















「・・・これで、お前は俺のモノだ。」
むくりと起き上がりながらレイは呟いた。

「何・・・を・・・!こんな・・・事・・くらいで・・・・!!」
まだ息が調わないカイは、半身を起こしながら噛み付くように叫んだ。

「ふふ・・。今に分かるさ。お前は、オレを忘れられない。」

レイは立ち上がり身なりを整え、
そして改めて未だ座り込んだままのカイを見据え、宣言した。

「俺はお前が好きだ。そのうち心も俺に向けさせてみせる。ま、気長にいくさ。

・・・・・じゃあ、先行ってるぜ?」

事後の気遣いも何もあったものじゃない。
乱れた姿のままのカイを置き去りに
レイは一人、立ち去ってしまった。






ただ一人、こんな状態で残されたカイ。


悔しさが、惨めさがこみ上げる。

「・・・・・・・・!!くそっ・・・・!!!」

力の限り、地面に拳を叩き付けた。




そして息を整え身なりを整えると
何事もなかったようにBBAの宿舎へと向かう。


今後も・・・・
何事もなかったように・・・・。













時折
体の奥が疼くのを
必死に耐える・・・・・。






耐え切れなくなった頃を見計らって
レイは
カイを抱き、乱れさせた。




そしてまた、カイの様子を傍観する。


カイにとっては
地獄・・・・・・・・・・・・・・・・。







気長に待つさ・・・・。
カイの方から・・・・
俺のところにやってくるまで。









俺に・・・堕ちるまで・・・・・。










end



レイカイ、二作目です。
レイカイは「闇」が好き・・・って訳でもないのですが、題名が似てしまった・・・。
まるで尻取り・・・・(大汗) 

無自覚ですが、カイはレイに惹かれています。 
レイはカイが何を思っていようが構わず強硬手段にでます。
お互い想いあっているのに、事ここに至っても気づかない、気づけない。
そんな話のつもりなのですが・・・・。ど・・・どうでしょうか(恐る恐る)?

レイカイは中国で「レイが無理やり行動をおこし、いきなり体の関係から!」とずっと思っておりました。
なにはともあれ、形に出来て嬉しいですv。

そして実は、ハッピーエンド編の妄想も始めてしまい、止まらなくなっちゃったので書いてしまいました。
↓後半のみですが、興味がありましたらドウゾvv。

《ハッピーエンドも読む!》

それではここまで読んで下さり、ありがとうございました!

(2005.10.14)
裏駄文top









テレワークならECナビ Yahoo 楽天 LINEがデータ消費ゼロで月額500円〜!
無料ホームページ 無料のクレジットカード 海外格安航空券 海外旅行保険が無料! 海外ホテル