「俺・・・レイの髪、好き・・・。」

解いたレイの髪に触れながら、タカオは独り言のように呟いた。

横たわるレイの胸に抱かれ、胸の鼓動に耳を澄ます。
心からの安らぎを感じるこの時間が、タカオは好きだった。

「そうか?ありがとう。」

レイはニコッ・・・と笑う。

その顔も、昼間とはまるで別人のようだ。
髪一つで、こうも印象が違うものだろうか。
昼間の、結った髪のレイも勿論大好きなのだが
夜、髪を解いた時のレイは、なんというのか・・・野性味が溢れるようで、言いようのない程、魅力的なのだ。
鍛え抜かれた逞しい胸板、腕や足・・・どこもかしこも引き締まり、無駄がない。
そこへ流れるような黒髪と、月のように美しい金の瞳。
本当に・・・目のやり場に困るほど・・・綺麗で・・・・。
そんなレイを見ているだけで
どうしようかと思うくらいに心臓が激しく脈打ち
みるみるうちに頬が真っ赤に染まって
しどろもどろになってしまうタカオだったが
優しく抱かれると
ドキドキしながらも、とても安らいだ気持ちになる。


「切らねーの?」
と昔、聞いたことがある。

するとレイは困ったように笑って答えた。
「物心ついた時から、ずっと伸ばしてきたからな。今更切れないんだ。」

ライやガオウ、キキを見る限り
白虎族では髪を切らない、という習慣がある訳ではないように見える。

何か願掛けのようなものでもあるのだろうか。

・・・・・・。
もしかしたら
レイのお母さんがいつも梳いてくれ、結ってくれていたから、切れないとか・・・。

そういえばレイが幼かった頃の話を、タカオは聞いたことがなかった。

レイの両親はどうしているのだろうか。
・・・健在・・・なのだろうか・・・・・・。

タカオはレイの両親のことを聞いてみようかと思ったが、やめた。
なんとなく、聞いてはいけないような気がした。

正直を言うと、聞くのが怖くなったのだ。
もしも・・・余計な事を思い出させてしまったら・・・・。
レイを悲しませてしまったら、と思うと・・・・。

誰にでも、安易に触れてほしくない記憶というものがあるものだから。


でも。
もしかしたら、聞いたことがないだけで
ご両親は元気に白虎族の村で暮らしているのかもしれない。
レイが思い出しもしないだけで。
自由すぎるレイを、心配して憂いでいるのかも・・・・。

そこまで考えて、タカオは一人、苦笑した。

「どうした?」
レイはタカオが突然笑い出したので、不思議そうに尋ねた。
それにタカオは微笑んで答える。
「いや、なんでもない。」

それはタカオがいくら一人で考えても、わかる筈もない事だ。
いつか・・・・
レイの口から聞けたら・・・聞かせてもらえるだろうか・・・・・。




そしてタカオは代わりにこう言った。
「いつか・・・連れてってくれないか?俺を白虎族の村に。」
「え・・・。」
予想もしていなかったタカオの申し出に
レイは驚いて、思わず体を起こしてタカオを凝視した。

タカオはレイの反応に「マズイ事、言っちゃったかな?」と少々驚きつつ。
そんなレイを見上げる体勢となった訳だが
東洋の魅力の象徴である、艶やかな黒髪が顔に体に流れるように垂れていて
その奥に光る金色の瞳が息をのむほど美しくて。
タカオは、つい・・・またしても心臓が高鳴るのを感じてしまうのだった。

「あ、その・・・。やっぱ、部外者はダメが?」
動揺を悟られないようにタカオは慌てて言葉を続けたが、レイは。
「いや、そういう訳じゃ・・・。」

レイは少々困ってしまった。
白虎族の村は陸の孤島のようなところだ。
機密保持の為にも、そう易々と村の者以外を連れて行く事はできない。
それでも連れて行く場合、それは・・・・・・。


「辿り着くのが大変なくらいの奥地だぞ?」
レイは、はぐらかすように言ったが
「大丈夫!俺だって鍛えてんだぞ!?知ってるだろ?
それに・・・。俺、レイが育った場所を見てみたいんだ。」
「・・・・。」
「レイが育った家を見てみたい。村を見てみたい。レイが小さい頃から見てきた景色を・・・山や空を見てみたいんだ。」

見てみたい。
ずっとタカオは、そう思っていた。
タカオが知る世界とは全く異なるだろう、レイの世界を。
そこでレイは、何を考え、何を想い、何を夢見て・・・・・・・。

レイを見つめるタカオの蒼い瞳が、溢れる希望に揺れていた。

「タカオ・・・。」
「ダメ、か?」
「ダメ・・・じゃないさ。ただ・・・・。」
「ただ・・・、なんだ?」

迷いのないその顔に、心臓を鷲掴みにされたような気がして
突然、押さえようもない想いが胸に広がるのをレイは感じた。
そして突き上げる衝動のまま、タカオを組み敷いた。
サラサラと・・・レイの長い髪が、タカオの脇に流れて落ちる。



───連れて帰りたい・・・お前を・・・・。

強い渇望が、込み上げた。



「いつか・・・・。」

そして、レイはゆっくり言葉を継ごうとしたが
次なる言葉が、出てこない。
まるで喉に何かが詰まってしまったようだ。

腕の中には、緊張した面持ちでレイを見上げるタカオがいた。
タカオは、次に続くレイの言葉を待っている。

夢見たもの、願ったもの。
レイの想いの全てが、今、レイの腕の中にあった。
なのに。
世界で一番大切な人に、一番大事な想いを伝える事は、こんなにも恐ろしい。
ほんの少し唇を動かす、それだけの事ができなかった。
ただ、見つめるしか・・・・できなかった。



タカオを見下ろす、張り付いたように思いつめたレイの顔。
強い葛藤を感じているのか・・・かすかに揺れる、金の瞳。

固唾をのんでレイを見上げていたタカオだが、ふいに静かな顔をして言った。

「ゴメン、レイ。」
「・・・。」
「俺、レイを困らせちゃったみたいだ。」
「え・・・。」
「我儘言って、ゴメン。」

そう言って微笑むタカオに、胸がキュー・・・ッと締め付けられた。

───俺が困った顔をしたから・・・。
      これ以上、困らせまいと・・・・・・。


「タカオ・・・・!」
ガバッ・・・と
感情を抑えきれずに、レイはタカオを思い切り抱きしめてしまった。
「レ、レイ?」
「すまない・・・違うんだ、タカオ・・・。そうじゃないんだ・・・そうじゃなくて・・・・。」

きつく、きつく抱きしめられて。
タカオは心から後悔していた。
大好きなレイを、こんなにも困らせてしまった。

「レイ・・・・。」
しかし、レイの事情など知る由もないタカオは、なんと言えば良いのかすら分からない。

どうしたらいいのか────────。

言葉にできないのなら、行動で。
それは常にタカオのモットー。

タカオを抱きしめていたレイの、すぐ目の前にあった頬に唇を寄せた。
「・・・!」
次いで、耳元へ。
ちゅ・・・。
「タ、タカオ・・・!」
驚いた拍子に顔を少し上げたレイの頬を両手で包み込み
今度は唇へ、ちゅ・・・。

タカオからのキスなど、滅多にあるものではない。
ジーン・・・と感動してしまったレイだったが
金李ともあろう者が、されてばかりでいる筈がない。
触れていただけの唇に、舌を差し入れタカオの舌を追った。
そして、ゆっくりと絡め、摩り・・・・。
「ん・・・。」


タカオの腕は、いつの間にかレイの首に、背に回されて
強く強くレイに抱きついて
自らも舌を積極的に差し出して絡めて
いつの間にか、キスに酔いしれて・・・・。

レイの声が低く掠れる。
「すまない・・・また、抱きたくなってきた。悪いが止められそうにない。」
切羽詰まったレイの顔。
タカオが大好きな顔だ。
「ん・・・。俺も、もう一度、抱かれたい・・・・。」
「タカオ・・・・。」


レイの唇が下りていく。
ゆっくりと・・・頬から首筋へ・・・肩へ・・・胸へ・・・・・・・。

「・・っ・・・。」


タカオの手が、切なげにレイの長い髪に触れた。
既に硬くなっていたタカオの乳首を舌で転がし指で辿るレイの頭に
タカオはそのまま、しがみつくように抱きついて・・・・・。

いつの間にか、熱い・・・。
体が、熱い・・・レイが触れるその場所が・・・熱い・・・・・・。


そしてその手は、舌は、タカオのソコへとたどり着き。
ちゅ・・・と先端に口付けると
「あ・・っ!!」
タカオの反応が嬉しくて、レイはソレに盛大にしゃぶりついた。
「や・・あ・・・・っ!!」
咥えられると・・・あたたかくて、たまらなく気持ちよくて。
そんな所に絡みつくレイの舌、吸い上げながら全体を摩る唇。

たまらない・・・・。
さっき抱かれたばかりだというのに・・・・たまらない・・・・・。
込み上げる熱に、粟立つような痺れに、おかしくなりそうだ。

「レイ、もう・・・・!」
「どうした?」
しゃぶりながらレイが言うと、熱い息がソレにかかり、不自然に舌が触れ
そんな些細な刺激にすら感じてしまって。
「・・つ・・ッ、・・・も・・、イ・・・っちゃう、から・・・やめて・・・!」
「どうして?何度でもイけばいい。」
「だめ、・・・イき過ぎ・・・だから・・ッ・・・!」
「諦めろ。俺はタカオがイくところを、何度でも見たい。」
「・・・!」
レイは時々、強引だ。
でもそんな時は、自分をこんなにも求めてくれているのだと感じられて、嫌ではなかった。
嫌どころか、むしろ・・・・。

レイはタカオのソレを今まで以上にねっとりとしゃぶり、そして・・・・。







「レイ・・・レイ・・・・・!!」

レイのそれが激しく打ち込まれる。
大きくて硬いレイ自身が、タカオの中を摩りながら最奥の秘所を突き上げる。

とても単純な事なのに
こんなに気持ちよく、感じてしまうなんて。
こんなにレイが好きなのだと
抱かれるたびに、思い知らされるなんて。

好きだ・・・レイが・・・
神秘的な金色の瞳も、流れるような黒髪も・・・
何もかも、どうにもならないくらいに・・・好き・・・・・・。
傍に居たい・・・・ずっと一緒に居たい・・・・。
ずっと・・・レイに触れていたい・・・・レイの優しさに、触れていたい・・・・・。

だから・・・
レイが生まれた村にも行ってみたい、と思ったけど
困らせちまった。

ごめん・・・困らせるつもりはなかったんだ。
ごめん・・・レイ・・・・ごめん・・・・・・。

「レイ・・・・。ご・・めん・・・・・。」
「・・・!!」

打ち込まれながら
快楽に喘ぎながら
謝罪の言葉を口にする。

俺は・・・何をやってるんだ!
タカオに・・・こんな最中に・・・こんな思いをさせるなんて。

・・・・・。
いつかは通る道だ。
タカオとずっと共にいたいのであれば、いつか必ず通る道。

なのに俺は、それを誤魔化して
こんなさなかに・・・タカオにこんな想いをさせてまで
俺は・・・一体、何を守ろうとした?

なんて・・・情けない・・・・・。

「レイ・・?」

タカオに呼ばれてハッとした。
レイは気づけば動きを静止させていたのだ。

しまった・・・!
ソノ最中に、なんて想いをさせてしまったのだ、と嘆きながら
ソレを俺が止めてしまうなんて・・・・本末転倒じゃないか!
この俺が!
この俺が打ち込みを途中で止めるなんて・・・・有り得ないだろ・・・っ!!

と、先ほどまでのシリアスはどこへやら。
内心どうでもいい事に頭を抱えつつも。

レイは腕の中のタカオを見下ろした。
中にレイを収めたまま、不安そうにレイを見上げるタカオの姿。
きゅっと・・・胸が締め付けられる。
ソコも・・・締め付けられる。

愛おしい・・・・。
タカオが愛おしくて愛おしくてたまらない。

夢見たもの、願ったもの、レイの想いの全てが、レイの腕の中にあった。
腕の中にあるのに・・・・。

・・・・。
タカオ・・・だからだ。

タカオだから、こんなにも抱きたくなるし
抱いている最中であっても、タカオの心が傷ついていると思ったら・・・胸が痛む。
居ても立ってもいられなくなる。
それを途中で止めてしまう程に。

今まで・・・他の誰とも、こんな事など一度もなかった。
タカオだから・・・・・・。



「タカオ・・・。俺はタカオが好きだ。」

レイは唐突に呟いた。

「・・・?」

タカオは一体どうしたのかと、不思議そうにレイを見上げたが。

「この気持ちは変わらない。絶対に、変わらないと・・・自信を持って言える。」
「・・・・。」
「タカオ。お前もそうなのか?そう・・・思っても、いいか?」

タカオを見つめる真摯な金色の瞳。
それが、少し不安そうに揺れていた。
本当に・・・何故、そんな事を今さら聞くのだろう、とタカオは少し思ったが。

「いいに決まってるだろ?」

タカオは即答した。
タカオがレイの事を好きなのは、レイだって分りきっていることだ。
しかし、レイの様子にタカオは
今がもう一度、しっかりと本当の心を伝えなければならない時なのだと本能的に感じた。

「俺はレイが好きだ。俺の気持ちも変わらない。
ずっとずっとレイが好きだと、自信を持って言える。
ずっと・・・・レイの傍に居たい・・・・・・。」

タカオの手が、レイの頬に伸びた。
愛おしそうに、レイの頬を摩る。

「ずっと・・・・できる事なら・・・ずっと、そばに居たい・・・・・・。」
「タカオ・・・。俺もずっと・・・タカオといたい・・・・。」
「レイ・・・。」

タカオが小さく笑みを浮かべたのを合図に、レイはゆっくりと律動を開始した。

「・・・っ!」

ビクッ・・と、タカオの体に震えが走った。
ソコから濡れた音が小さく響く。
レイは今度は大きく腰を動かした。

「レ・・イッ、・・・あぁ・・・っ!!」


タカオの切なげな喘ぎ声が、レイの耳に甘く響く。
レイは知り尽くしたタカオの中のポイントを、思い切り摩り上げながら、突く。
熱く熟れたその場所が、レイをのみ込んでギュウギュウと締め付ける。
あまりの心地よさに、レイはその美麗な顔を歪めた。

たまらない・・・。
何もかもが、たまらない・・・・。
蕩けそう、だ・・・・。

タカオ・・・俺の、タカオ・・・・
本当に・・・そう思っても、いいのか?
もし、そうなら・・・俺は・・・・・・。

「・・・っく・・・!タカ・・・オ・・・・・・。」


溶け合ってしまいたい・・・・・お前と・・・・・・・・!!















夜語り 2→

裏ベイ部屋へ









Gポイントポイ活 Amazon Yahoo 楽天

無料ホームページ 楽天モバイル[UNLIMITが今なら1円] 海外格安航空券 海外旅行保険が無料!