lovely wounds


 僕がドライヤーを当てていたら、キースさんがタオルで乾かしてくれるというので、甘えることにした。
 キースさんの家のソファは上等で、すごくすわり心地がよくて、僕のお気に入りの場所だ。
 シャワーを借りたら、ランニングシャツとパンツだけのラフな格好でドライヤーをかけるのは、いつものこと。
 先にシャワーを浴びて、ベランダで涼んでたらしいキースさんも、Tシャツにパンツでおそろいだ。
 隣にキースさんが座ったらソファが少し沈んだ。
「ほら、ちゃんと風を髪に当てようか」
 キースさんは風を操るNEXTだけど、温風は出せないみたいで僕の髪を巻き上げるドライヤーが少し恨めしいらしい。
 別にキースさんに乾かしてもらうのでもいいのに、とはいつも思っているけれど、すこししょんぼりしたキースさんは彼の愛犬のようにかわいくて、それを見るためにわざと言わないようにしている。
 それに、キースさんにやさしく頭を乾かしてもらえるのが、凄くうれしいから。
 強めの温風である程度乾かせば、あとは自然乾燥だ。
 かちりとドライヤーのスイッチを切り、机の上に置いた。
「キースさん、ありがとうござっ!?」
 お礼を言おうと彼のほうへ向き直ろうと思ったら、がしっと肩をつかまれた、と思ったら首筋にやわらかくて温かいものが這った。
「ひゃっ」
 ぶわりと鳥肌がたった。
 いつもキースさんは突然だ。こんなふうにされるのは、僕にさわりたいと言う合図みたいなもので。
 どこかのねじがとんでしまうのか、僕に欲情したキースさんは少し乱暴になる。
 がぶり、肩を噛まれた。僕からは見えないけれど、きっと薄く歯型がついているだろう。
 そんな箇所が僕の身体にはたくさんある。もちろん、服を着てしまえば他人からは見えない位置ではあるが、前回付けられた跡が消えないうちに新しい跡が付くので、もうずっとキースさん以外の人の前では裸にはなれていない。
 新しくできた所有の証から、じわりと快感が広がる。
「こっちをむいて……イワン君」
 僕の返事を聞くこともなく、ぐいと彼のほうを向かされ、さらに膝の上に乗せられた。
 僕を見上げるキースさんの顔が、情欲に濡れていた。

「かわいいね、イワン君、とてもかわいいよ」
 ちゅ、ちゅと顔じゅうに落とされるキスがくすぐったい。
 髪を乾かすために頭にのせていたタオルはもう、床でぐしゃぐしゃになってしまっている。
 余所見をしていたら、唇にキスをされた。
 噛み付くような、獣の口づけ。そんな感じのキスだった。
 かぷと下唇を甘噛みされ、一瞬力が抜けた瞬間に舌が入ってきた。
 咥内をまさぐり、僕の舌と絡み合う。舌の裏をつつとなぞられれば、腰の辺りに甘い痺れが走った。
「んん……」
 強引に吸われるのも好きだ。
 僕の方からも、キースさんの口へ舌を差し込む。歯に当てて少しこするとたまらなくて、癖になってしまっている。
 だらしなく溢れる唾液は、いつもは僕が受け止めるのだけど、今日は彼へと流れ込む。
 ごくりと嚥下した喉の動きに、ぞくとまた鳥肌が立った。
 腰を支えていたキースさんの手が、ゆっくりとランニングシャツの中へ忍び込み、軽く撫でた。
「…ン……はぁっ」
 脇は、弱いのに。
 キスが、だんだんと下におりてくる。
 シャツの首もとをぐいとつかまれ、心臓の上辺りを強く吸われた。ちりりとした痛みと共に、赤い印がついた。
 キースさんとこういう行為をするようになってから、自分はマゾヒストの気があるのではないかと思い始めている。
 彼から受けるすべての痛みが快感に変わり、愛しさが募り、下半身へと直結する。
 それが僕の愛の形だったのではないかと、そう考えている。
 シャツの裾がたくし上げられ、ぐと胸の突起がつぶされる。
「うあ、あ…んっ」
 そっとなでられたと思ったら、今度は反対の乳首を噛まれた。
 女性と比べたら小さな、小さな突起がキースさんの歯でごりごりといじめられる。
 唾液を絡ませながらの愛撫に、千切れそうなくらいの痛みが伴って涙が出そうになる。
「んあ、いっ…た……痛、き、すさ…」
 あまりの痛みをキースさんへ訴えるとはたと動きが止まった。
「すまない、つい、君の声を聞いているといじめたくなって…良くなかったかな」
 キースさんはずるい。僕がこのしょんぼりした顔に弱いの知ってるでしょ…
 拒否するわけではないが、あまりに痛いとそっちに気がいってしまって快感を追えなくなる。
「いえ…もうすこし、加減してくれれば……あの、それと…」
 見ないでほしい気持ちと、気付いてほしい気持ちがせめぎあう。
「ここ、かい?」
「ひぁっ!」
 ピンポイントでパンツの上から鈴口を押された。カリカリとそこを掻かれて、それと一緒にさっきまでくわえられていた乳首も掻かれる。
 よほど強く噛まれていたのか、赤く染まりひどく敏感になっていた。そこに再び刺激が与えられ、じんじんと疼いた。
「やぁっ…ん、あぁ…はっ」
 じわりと溢れた先走りが、布地に染み込んだのがわかった。
 彼のものを盗み見れば、それもまた下着を押し上げテントを張っていた。
「イワン君、そろそろ私も限界なのだが……いいかい?」
 想いが通じたのか、コクリと頷いた。彼は待ってましたと云わんばかりに僕の下着を脱がせにかかる。
 少し腰を浮かせて、キースさんが脱がせやすいようにすると、いい子だと言って腰をするりと撫でてくれた。
 もう、それにすら欲情する。
 脱がされたパンツは無造作に床へ投げられた。


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