3、蒼褪めた女神




「んんっ……。はあ、あ、兄上、なぜこのような仕打ちをなさるのです?」

 キシリアがか弱い声を上げ、許しを請う瞳がギレンを見上げた。

それを気にもとめず、全裸のキシリアの体を、ギレンの手が弄った。

 ベッドの上で、キシリアを膝に乗せ、後ろからその豊満な体を抱きかかえる。乳房を鷲掴みにし、指で下腹をかき回す。

 自らは着衣一つ乱さず、力の関係を思い知らせるように、妹に赤裸々な姿を強いた。

「……嫌か?」

 わざと、耳元に口を近づけ囁く。

 敏感な個所に息を吹きかけられ、あう……とキシリアが小さくうめいた。

 ギレンから逃げるように身じろぎすると、ちゅく……といやらしい水音が耳に入る。

「兄妹でこのような事!」

 情けない自分の姿が本当は一番許せない。それを口に出せずに、代わりの言葉を吐き捨てるように言った。

「何を今更……。私にこのようにされて、喜んでいるのではないのか? キシリア?」

 キシリアをからかうように、ギレンがそう言った。ギレンはかつてどの女にした事もないほどに丁寧にキシリアの体を愛撫し、意地の悪い言葉で嬲ってはいたが、その指はどこまでも優しく、わざと与える以外には、キシリアに苦痛は一つも感じさせなかった。

「いいえ!」

 駄々っ子のように意地になって頭をふり、キシリアがそう叫んだ。

「なら、何故抵抗せぬ?」

耳の後ろを、べろりと舐めながら、ギレンがそう言った。ひっとキシリアの体がびくつく。

「抵抗なら、したではありませんか!」

「ふふふ、そうだな。お前を抵抗できぬよう追い込んだのは私であったな」

 キシリアが抗議するように言うと、そう返事を返して、首筋に噛み付いた。キシリアの体が痛みにびくっと痙攣する。鋭い歯がキシリアの肌を破り、かすかに血が滲む。

だが、抵抗できない。

キシリアの体中にギレンが付けた己が所有物の証が、白い体の上に舞った花びらのようだ。

「まあ、キシリアがそう言うのなら、今日は趣向を変えてみよう」

「兄上、何を……」

 面白がるように言った兄の言葉に、言い様のない不安をキシリアは感じた。このような時の兄は、キシリアの考えもつかぬような恐ろしい事をするのだ。

「マ・クベ、居るのだろう。入れ!」

 キシリアの不安は的中した。ギレンの言葉に、心臓が止まるかと思った。兄のついた悪趣味な嘘であって欲しいと、強く願った。

「……失礼いたします」

 だが、キシリアの願い空しく、低い声と共に目を伏せながら室内に入ってきたのは、紛れもなく、マ・クベだった。

「マ・クベ!? お前がどうしてここに!? 下がりなさい無礼者!!」

 だが、まだ虚勢を張る事はできた。生来のプライドの高さから、このような姿でも、とっさに高飛車な叱咤の言葉が口を出た。

キシリアの気の強さに、ギレンが苦笑した。こんな時でも、腰が砕けて、何も言えなくなるような女ではない。

「キシリア……、私が呼んだのだ」

「どういうことなのです兄上!」

 怒りに満ちた声が、キシリアの口から漏れた。

 痛めつけられ、弱り、飼いならされる寸前だったキシリアが、その猛々しい本性を取り戻したようだった。

「お前も焦らしてばかりではなく、たまには忠臣に褒美でも与えてやったらどうだ」

 キシリアの怒りをまともに相手にせず、ふざけた事をギレンは言った。馬鹿にされたと、キシリアの頬に朱が走る。

「カンは良いが愚かな男だ……。己を滅ぼすと判っていて私の所へ直談判に来たよ。キシリア、お前が自分の為に私に抱かれたと知ったときのその男の顔、見ものだったぞ!」

 ギレンが言い放ったその言葉に、立ち直りかけた反抗心が、一気に砕かれた。気が遠くなりかけるのを、辛うじて留めた。

 マ・クベは知ってしまったのだ。絶対に知られたくなかった、マ・クベを救うために取引をした、キシリアとギレンの関係を。

 ギレンに触れられるのを抵抗するように突っ張っていたキシリアの体から、力ががっくりと抜けた。

 口を半開きにし、絶望の表情ではあはあと息をするその姿は、壮絶なほど加虐をそそる色香に満ちており、ギレンの劣情を刺激した。

 この女にこんな顔をさせたのは、あの男か。

 そう思うと、驚くほど残酷な気持ちになれた。胸に渦巻くどす黒い感情が、ギレンを突き動かす。

「い、嫌! 嫌です兄上っ」

 人形のように動かなかったキシリアが、生気を取り戻したように悲鳴を上げる。ギレンがキシリアの左右の足を腕で抱え、大きく開かせたのだ。

遮るものも何もないまま、体の奥まで明るい光の下に晒される。痴態をマ・クベの前で晒す羞恥に、もはや恐怖さえ滲ませてがくがくと震えた。

「キシリア、この男がな、私に言ったのだ。私を憎むと。面白い男ではないか!」

 憎しみを感じさせる声で、ギレンがそう言って笑った。ギレンのほうも、マ・クベを憎んでいる。負の感情がぶつかり合い、お互い反響しあって、人を狂わせる。誰もが正気ではない。何もかもが狂っているとしか思えなかった。

「兄上、おやめください! 私なら兄上がどのような事を仰っても従います。だから、マ・クベを巻き込むのは止めてください!」

 プライドを捨て、手を兄の首に回して自分に引き寄せ、体をひねって兄の方を見ながらキシリアが言った。

 同じ仕草で、ギレンをねだるのだったら、どれほど良かっただろう?

 だが、キシリアの赤い唇は、別の男をかばっている。

「ならぬ」

 有無を言わせぬ声で、ギレンがキシリアの懇願を跳ねつけた。キシリアがマ・クベを庇えば庇うほど、ギレンの怒りが募るのにキシリアは気が付いていない。

「かまわん! マ・クベ、来るがいい」

 キシリアの体を抱き抱えながら、ギレンが傲慢にそう言った。

 キシリアは誰のものなのか知らしめるかのように、キシリアを抱く手に力をこめ、マ・クベの目を見ながら、しなやかな首筋に舌を這わせて、女の香を楽しんだ。

「は……」

 マ・クベが小さく返事を返し、足音を立てずに、二人のいるベッドの縁までやって来た。その顔は、無表情で、感情は何も伺えない。

「お前があれほど恋焦がれているキシリアの体だ、とくと見るがいい。感想は、どうだ?」

 感情を表さないマ・クベを苦々しく思いながら、ギレンが問いを発した。

「お美しいと、思います」

 ギレンの問いに、そう一言だけマ・クベは言った。後は口をつぐみ、無表情でキシリアを見ている。

「いや! 兄上、止めてください……っ! マ・クベ、私を見るな!!」

 必死に足を閉じようとしているキシリアの抵抗を相手にせず、ギレンは逆にぐいと前よりも大きく足を開かせた。

「先刻から充分可愛がってやったからな。そろそろだろう。マ・クベ、貴様はどう見る?」

 意地悪くギレンが言った。

この女のためなら、死んでもいいとまで想い、愛している女が、別の男によって痴態を晒されている。

それだけでも言葉にできぬほど苦しいはずなのに、マ・クベの無力さを思い知らせるかのように、ギレンはさらにキシリアを嬲った。

下腹に忍ばせた指を出し入れさせているのが見える。反応して溢れる蜜がくちゅくちゅと音を立て、キシリアの顔が怯えながら快楽に歪む。

「……キシリア様のお体は欲しがっていらっしゃるように見受けられます」

 淡々とマ・クベは応じた。科学者が実験結果を告げるように、事実だけを述べた。

 ギレンに抵抗するかのように、その顔に感情らしきものを一切浮かべない。

 貴方の嫌がらせなどには屈しない。マ・クベの態度がそう言っていた。

だが、そのマ・クベの冷たい態度に、情けなくてキシリアの目に涙が滲んできた。何故このようになってしまったのか、何度も自問自答するが、答えは見つからない。

「ならば、与えてやれ。お前はキシリアの忠実な部下なのだろう? 上官の意を探り、満足させてやるのもお前の仕事だぞ」

 ギレンの目が、残酷に光った。

 マ・クベが、ギレンの意外な言葉にかすかに身じろぎをする。

ギレンの本当の目的は、キシリアとマ・クベを壊す事だったのだ。

 何もないと言われて、そうかと納得するような馬鹿ではない。マ・クベとキシリアの間にある、生まれたばかりの気持ちに即座に気がつき、摘み取る機会をうかがっていたのだ。

 禁じれば、余計に燃え上がる。ならば、容認して管理してしまおう。

 このような異常な状態を経験してしまえば、もうまともな関係は築けまい。

お互いの顔を見れば、嫌でもこの事を思い出す。

それに耐え切れねば、駄目になるだけだ。

 普通の感情を持つものなら、自分の愛しい女が他の男に抱かれるなど、考えたくもあるまい。

 だが、ギレンは感情などないかのように冷静に計算し、一番自分に都合のよい方法を押し付けてきた。

「かしこまりました」

 ギレンの思惑を全て判っていながら、マ・クベはそう言った。

 そうするしかないのだ。



「ふむ、この胸はまるで熟れた果物のようだな。ついこの間まで私の後ろをついてくる子供だとばかり思っていたのに、いつの間にこのような体になったものか」

 後ろから抱いていたキシリアの体を、マ・クベに譲るようにベッドの上に寝かせた。それでも、全てをマ・クベに譲る気はないらしく、キシリアの乳房を持ち上げ、桜色の先端をくりくりとつまみながら、ギレンが独り言のようにそう言った。与えられる刺激に、桜色は見る見るうちに充血して赤くなり、固くなって男の愛撫に答える。

 う……とキシリアが小さくうめいたが、与えられる快楽に溺れる暇もなかった。

「……キシリア様、失礼いたします」

 キシリアの目を見ながら、マ・クベがそう言い、キシリアの足を開かせたのだ。

 いやいやと頭を振っても、マ・クベは、キシシリアの両足を抱え上げ、開かせた。

上半身をギレンに嬲られ、下半身をマ・クベに開かれた姿勢のまま、マ・クベが自らをキシリアの奥深くへ沈めようと、濡れた入り口へあてがう。

「いや、マ・クベ。お前まさか私にそのような事……、あ!」

 怯えた表情で、キシリアがそう言った。まだ覚悟を決められないキシリアが、マ・クベが入ってくる圧迫感に目を見開いた。信じられぬという思いが、その表情に浮かぶ。

 その表情を無視して、マ・クベが腰を動かした。

 戸惑ったまま、息を乱した。涙がじわりと浮かび上がり、戸惑いと羞恥、快感がない交ぜになってキシリアを支配した。

「いい表情だ、キシリア。やはり、限界だったようだな」

「はぁ、はぁ、何故、こんな……」

 快楽に喘ぎながら、泣きたいような、滅茶苦茶にされたいような、自分が自分でないような変な気持ちになる。

「キシリア様、そのようなお顔をなさいますな。どうしていいか判らなくなります」

 マ・クベが、困ったようにそう言った。強靭な精神力を誇るマ・クベさえも、この異常な事態に酔ってきたようだった。

やめて欲しいのか、このまま続けて欲しいのか、キシリアにも既に判らなかった。自分を守るために理性を凍らせてしまったら、異常な状態が神経を昂ぶらせ、さらに強い快楽をキシリアにもたらす。

「可愛いだろう? お転婆娘もこのような顔が出来るのだな」

 ギレンが、口元に笑みを浮かべながらそう言った。おかしな事に、ギレンの口調は妹を自慢する兄そのものだった。

 ギレンという男のかけた部分を垣間見て、マ・クベの背に一瞬冷たいものが走った。

 正確に現実を見極め、最善の手を打つ。それは、賛美されるべき事だろう。だが、ギレンのそれは、感情をあまりにも欠きすぎている。

 ギレンは、キシリアを自分の所有物としか見ていない。

そうマ・クベが思った。でなければ、こんな恐ろしい事を考え付くものか。自分の大切な女に、こんな辛い思いを強いる事ができるのは異常だ。

 その言葉のおかげで、理性を取り戻し、絶対にキシリア様を守らなければ。と思う。

 新たな使命に、マ・クベの心に、ほんの一筋、希望が見えた。

 キシリア様をこのままこの男の餌食にしてはいけない。その思いが、マ・クベに力を与えた。

 困ったような切ない表情で、何かを忘れるかのように目を閉じて喘ぐキシリアの顔を、身を切られるような思いで見た。理由はどうあれ、自分がキシリアに辛い思いをさせているのは確かなのだ。キシリアが少しでも辛い事を忘れる事ができるように、さらなる快楽を与えてやる。今自分ができるのは、これだけしかない。

 キシリアの目が、うっすらと開く。

「兄上、どうしてこんな酷い事を……」

 そう呟き、キシリアの瞳から、涙がいく筋も伝い落ちた。頬を伝い、喉を下り、白い胸元へたどり着く。

「……嫌か? 止めてやれ、マ・クベ」

 その涙を舌で掬い取り、ギレンがそう言った。

「はい……」

 マ・クベがしぶしぶといったようにギレンの言葉に従い、キシリアの中から己を引き抜く。

「残念そうだな」

 勢い衰えず、天を向いて屹立しているマ・クベを見て、ギレンがフンと鼻で笑う。

「ふ……、う……」

 ベッドの上で、嗚咽と共に肩を震わすキシリアをみて、ギレンが優しく髪を撫でた。上からキシリアの顔を覗き込む。

「泣くな。悪かった」

 あやすように肩を抱き、耳元で囁く。その声は優しくて、とてもギレンの口から発せられたとは思えぬほどだった。

「泣いてなどおりませぬ!」

 子供扱いされたとでも思ったのか、きっとキシリアがギレンを睨みつけた。

「ふふ、相変わらず気の強い事だ。どれ、今度はちゃんと私が可愛がってやろう」

 そう言うと、キシリアの体をぐいとうつ伏せにし、腰を抱きかかえて引き上げ、四つん這いの格好にさせた。そのまま有無を言わさず、後ろからキシリアの中へ挿れる。

「ああっ、あ、兄上……」

 なすがままにされながら、キシリアが切ない声を上げた。

先ほどまでマ・クベを受け入れていたキシリアの体は、すんなりとギレンの侵入を許し、すぐに快楽を感じ始める。

 ギレンの動きに、乳房が揺れ、髪を振り乱して身悶える。抵抗する事を諦め、快楽に溺れる事によって、全てを忘れようとしているキシリアの痛々しさに、マ・クベの心が痛んだ。

「マ・クベのものがまだ不満そうだぞ、キシリア。かわいそうに思うなら、自分ばかり楽しんでいないで、マ・クベにもしてやれ」

 甘やかな感情など、一片たりとも挟む事を許さぬ。どこまでも堕ちて汚れてしまうがいい。

 マ・クベの表情を見逃さず、ギレンがそう言った。

 ギレンの言葉に、キシリアが閉じていた目を開いた。震える手で、マ・クベに手を伸ばす。

「キシリア様、よろしいのですよ」

 キシリアにだけ聞こえるように、小さな声で短くマ・クベが言った。

「は……、あ、い、いいのだ。すまぬ、マ・クベ。お前が嫌なわけではない。ただ、んっ、少し驚いただけ……」

 ギレンに後ろを突かれ、息も絶え絶えになりながらキシリアがそう言った。

 マ・クベを安心させるように、かすかに微笑んでみせるキシリアの精一杯の感情が嬉しかった。

「判っております……」

 幾ら体を汚され、貶められようと、キシリア様の心まで汚す事はできない。

 キシリアの微笑でその事を知り、マ・クベが感動さえ覚えた。

 私の愛した女は強い女だ。こんな時でさえ、私に微笑んでくれた。

どれほどの事をされようと、自らの心を受け渡す様な事はしないだろう。と。

「ああ、お前にだけは、このような浅ましい姿、見られたくは、無かった」

 キシリアの美しい瞳に、ふと理性が戻り、悲しげに呟いた。その切ない小さな呟きに、マ・クベが手を伸ばし、キシリアの頬に触れる。

「……いいえ、貴女はとてもお美しい」

 そう言ったのはマ・クベの本心だった。魔人に自らの体を与え、その狂気を鎮めようとするキシリアの姿は、他人にはどれほど浅ましくとも、マ・クベにとっては神々しいまでに美しかった。

「マ・クベ、私を狂わせてくれ」

 キシリアがそう言い、また理性を消し去るように目を閉じた。

次に目を開けたときには、キシリアは白い手でマ・クベの根元を握り、大きく口を開けてくわえ込む。

「はい。……っつ」

 返事の後は、マ・クベも快楽にうめいた。キシリアの舌が絡みつき、マ・クベの脳髄を融かす。マ・クベのうめきを聞いて、キシリアがますますマ・クベのものを強く吸い上げた。強弱をつけて吸い上げられ、舌先で感じる部分をちろちろと這い回られる。マ・クベが爆発寸前まで追い上げられた所で、不意にマ・クベを嬲るキシリアの舌の動きが止まった。咥えていられなくて、ずるりとマ・クベが口から抜け落ちる。

 眉をひそめ、ぎゅっと目を閉じて荒く息をしている。ああ、ああ……と口から漏れる声がだんだんと大きくなり、激しく腰を振り始めた。

 キシリアがマ・クベを手で握り、たどたどしく扱きながらなんとか舌で先の部分を舐め上げるぎこちない仕草を繰り返す。一人だけで絶頂を迎えるのも、ギレンと二人で迎えるのも、嫌なのだ。

 キシリアを突くギレンの動きも速くなり、やがて甘く残酷な叫び声と共に、キシリアが身を反らせた。

 その瞬間、ギレンもキシリアの中で果て、マ・クベもキシリアの手と口で果てた。

 はぁはぁと荒く息をつきながら、キシリアが満足そうに笑った。汗だくになり、額には髪の毛がいく筋も張り付き、顔はマ・クベの白濁液で汚れている。後ろのギレンを引き抜かれ、ぶるっと体を震わせた。

 壮絶な笑みに、されるがままのようでいて、結局はキシリアの思惑通りの結末になったのだということにマ・クベが気がついた。

「ん……。お前も、狂え。何もかも忘れて私と共に。兄上と一緒に、私を、愛しておくれ……」

 目に狂気を宿らせて、彼の女神はそう言った。



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20031204 UP

キシリア様スレでアップされた某絵師さんのイラストに触発されて書いた文章を書き直したものです。






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