それは、散歩の誘うかのようにさらりと。
「・・・が上だから、・・・が動かないと駄目だよ」
脂汗で背中に張り付いた髪を姉の指が梳く。
「…ぅ、うご…んんっ」
「昼間、忍がしているのを見ただろ?」
すずかの部屋のテレビ画面の中で、愛しい恋人の体にまた
がり、髪を振り乱して腰を振っていたすずかの姉。
兄の言葉を聞くまでもなく、もう、少女には何を期待され
ているのか分かっていた。
(おとうさんを、きもちよく、して、あげない、と……)
風呂場で兄のものを洗ったように。
少し前に父のものを舌でなめたように。
今度は少女の胎内を使って。
(でき…る…の…かな……わた…し…)
貫かれたままじっとしている今でさえ、気を失いそうなほ
どの激痛が少女を揺さぶっている。泣き叫ばずにいられるの
は、僅かな達成感と見捨てられることへの恐怖のため。
それは歪められたものではあったが、まだ不屈の心は少女
に残っていた。
「お母さんと美由希につかまって、腰を上げ下げすればいい
のよ」
左右から少女を支える母と姉。少女は二人の太ももに手を
つき、息を止めた。
「んんっ……いっ、あがぁぁぁっ!」
固く張り出した父のもののかさが、少女の胎内にできた裂
傷をえぐる。
ほんの少しだけ腰を浮かせただけであったが、少女が悲鳴
をこらえられる限界を超えるのは容易であった。
「ああっ、いぃっ、いたっ、いっ、つっ!」
あまりの痛みですぐに手をゆるめるが、少女の自重で再び
父のものは少女の奥へ突き刺さる。それもまた傷口をえぐる
ことになり、少女に新たな血と涙を滲まさせた。
「あっ、あぐっ、っぅ、うぅっ」
激しい痛みを何とかこらえようと、父の胸に頭をもたせて
短い呼吸を繰り返す。跳ね上がった鼓動にあわせ、激痛は下
腹から四肢を駆け回り、少女の意識を赤く染めた。
「そう、いいぞ、今の感じだ。もう少し大きく動いて、父さ
んを喜ばせてくれ」
仕事帰りの父の肩を叩いてあげた時のように、父の手が少
女の頭を撫でる。少女の大好きな、大きくて無骨な傷だらけ
の父の手。その温もりが少女を呼び覚ました。
(…もう…すこし……)
肩叩きとは比較にならない苛酷な要求。それでも、少女は
脇を支える母や姉の腕を頼りに体を起こす。
少女の脳裏に映るのは、全身に包帯を巻かれて苦しげにう
めく父の姿。少女に寂しい思いをさせている原因が何なのか。
父の怪我のためとは家族の誰も決して口にしなかったが、痛
々しい父の姿は物心付いたばかりの少女に幼いなりの決意を
させるだけの衝撃があった。
(…これ…くらい……)
父が退院した日の家族パーティー。それは、家族が皆そろっ
た楽しい記憶で一番古いもの。奇跡的な可能性をつかんで父
が生還したことは、兄の稽古の傷がかすり傷に見えるほどの
身体が示している。
それは比べるものではないが、父への思いが乗り越えるべ
きハードルとして少女の心に重なった。
「っ…ぅっ…ん……」
また父の胸に顔をうずめ、今度はぶら下がるように父の首
へ両手をからませる。これからすることを思うと指が震える
が、少女は固く指を握り締めて無理やり押し殺した。
「がっ、あぁぁぁっ!」
膝を立て、腕を曲げ、少女は無理やり父のものを引き抜く。
かさにかき出されて中にたまっていた血が流れ落ち、黒々と
した父の陰毛を赤く染めた。
「あぐっ、いっ、っぅ、んんっ」
きつく突っ張った少女の柔襞をめくりつつ父のものが姿を
現す。赤く濡れたそれは少女の感触に喜ぶように浮き出た青
筋をひくつかせる。
「ぐぅぅっ、ん、んんっ、んぁっ!」
腰を落とす。自重ではなく、力を込めて父のものを胎内へ
押し込む。
中にできた裂傷の分、最初よりもほんの少しだけ入りやす
くなり、新たにできた裂傷の分、最初よりも何倍も激しい痛
みが少女に突き刺さる。
「っ、ぅっ…ぁ…ぐっ、ぅぅ」
どれほど意気込んでも、無茶をすれば反動が出る。あまり
の激痛で全身が痺れ、力の抜けた少女の体は後ろにいる兄の
胸に崩れ落ちた。
「おっと、父さんのが凄くて力が入らなくなったのか」
「ちょっと一休みした方がいいかしら」
「でも中途半端じゃ・・・も気持ち良くなれなくて可哀想だ
よ」
放心状態の少女を真ん中にして家族の会話が弾む。それが
家族としてちゃんと受け入れられた証拠のように思え、安心
した少女はまぶたを閉じて暗闇の中へ意識を投じた。
(……もう……だい…じょ…う……ぶ……)
「ひぎぃっ!」
灼熱した金棒で胎内をかき回されたような激しい痛みが、
少女を安寧の闇から苦界へと引き戻す。
「動けなくても大丈夫だぞ。みんなで・・・を気持ち良くし
てあげるからな」
父の、母の、兄の、姉の、四対八本の腕が、腰を、足を、
尻を、脇をつかみ、少女の身体を揺さぶる。
「がっ、いっ、ぎっ、いぃっ!」
少女が自力でした時とは正反対の、性急な動きを強いる家
族の手。激しい動作は胎内を傷つけるだけでなく、幼い肉弁
を巻き込んで新たな痛みを引き起こす。
「いたっ、ひぃっ、ぎっ、ぐぅっ!」
強制された往復運動の衝撃は胃まで響き、一瞬嘔吐しかけ
て口の中に苦みがひろがる。
「どう、・・・、気持ちいい?」
口の端から溢れた唾液を姉の唇がすすりとる。
「お母さんの娘だもの、気持ちいいよね」
とめどなく流れ落ちる涙を母の舌がなめとる。
「いっ、いた、いっ、ぉか、かっ、さっ、んんっ!」
母の期待に答えたい思いと、少女に降り注ぐ現実の波。板
挟みになった心は、振り回され、引き裂かれ、叩き落とされ、
朱に染まった悲鳴をあげる。
(…だ…め……い…た…い……の……)
どうして気持ち良くなれないのか。少女の姉はすぐに気持
ち良くなれたというのに、なぜ少女は駄目なのか。やはり、
少女が本物ではないからか。
強い家族への思いゆえに、少女は自分自身に原因を求めて
責めてしまう。
「いぃっ、だ、たっ、ああっ!」
外からは家族の手により身体が引き裂かれ、中では心の負
い目が少女を蝕んでいく。少女は耐えることも逃げることも
できず、嵐の海に投げ込まれた木の葉のように翻弄されるし
かなかった。
「あぐぅ、つぅっ、いいっ!」
擦り切れていく少女の心。赤い涙を流す少女の身体。強い
る家族の笑顔だけは蕩けそうなほどに優しく。
そして宴は続く。
「そうだ、・・・は後ろの方がいいんじゃないのか」
「そうそう、・・・のお尻は感度抜群だよ」
姉の指がすぼまりから頭を出している数珠をなでる。少女
を喜ばすはずの細やかな振動も、父のものに圧迫された胎内
には苦痛にしかならない。
「ひぎぃぃっ!」
一つずつ珠が引っ張り出される。力が入らない体からは楽
に吐き出されるが、その凹凸は少女の傷を刺激し、収縮して
父のものを締め付ける。
「んっ、・・・の中はきつくてとても気持ちいいよ」
「あっ…うぅ……っ」
この期に及んでも、少女を褒める父の言葉は心に染み込ん
で温もりとなる。ほとんど焼け石に水ではあったが、それで
も蜘蛛の糸のように少女の正気をつなぎ止めていた。
「恭也、ちゃんと・・・を気持ち良くしてあげるのよ」
「あぁ、わかってる」
長い間異物を挿入していたせいでぽっかりと口を開けた少
女のすぼまりに、熱く固いものがあてがわれる。それは自然
な生理作用だったが、すぼまりは兄のものを飲み込むように
収縮した。
(…だ…め……はぃ…ら…な…ぃ……)
数珠で馴らされていた分、受け入れるのは後ろのすぼまり
の方が楽であるかもしれない。だが兄のものは数珠よりも太
く、既に少女の身体は父のもので一杯であった。
「だぁっ、やっ、ぃっ、いたっ、あぁぁっ!」
後ろのすぼまりに兄のものが侵入する。前と比べてある程
度まではすんなりと入るが、やはり一番太い部分はきつく、
兄のものを押し返そうと締め付ける。しかし、既に父のもの
に貫かれている少女の身体にはそれ以外に抗うすべはない。
「ひっ、いっ、たっ、んんっ!」
本来男を受け入れるところではないすぼまりは、前と同じ
ようにその大きさに耐えられず、裂けて赤い血が滲む。数珠
と異なり常に太いままの兄のものは、数倍以上の圧迫感と異
物感で少女を突き上げる。
(…い…た……い…た…ぃ…ょ……)
父と兄のものが少女を蹂躙する。息つく暇を与えぬくらい
交互に、またはタイミングを合わせて同時に。愛液の代わり
に破瓜の血を潤滑液とし、母や忍へと同じくらいの強さと早
さで少女を貫く。
「…ぁ…ぐっ…んっ…ぃっ…ぅ…ぅぅっ」
もう悲鳴を堪えるどころか、呻く力さえ血肉と共に削り取
られ。激痛ともう一つの感覚だけが少女を支配する。
「んっ…ぅ…っ…ひっ…ぃっ…ん…あぁっ」
幼芽を弄る母の指が、蕾を嘗める姉の舌が、痛みで麻痺し
た体に快楽の針を突き立てる。少女の意識は激痛で闇に押し
流され、鋭い快感で引き戻され、また痛みで押し倒され。も
う、少女にとってはそれも苦痛でしかなかった。
「…ぃ…っ…ぁ…ぁっ…ん…ぃっ…っ」
ひたすら繰り返される家族愛の行為も、少女の意識が完全
に沈黙する前に一時の終わりを迎える。
「・・・、父さんはもうイッちゃいそうだ」
「ぐっ。お、俺もだよ、父さん」
少女を貫く二人のものは、さらに早く、強く、激しく、幼
い身体を穿ち、削り、引き裂き、そして、突き上げて。
「あ、ぁっ、ぁ、あぁぁっ!」
二人のものから噴射された大量の白濁液が胎内と肛内を満
たし、熱い粘液は少女の中を焼き尽くす。それは狭い少女の
中には入り切らず、二人のものを押し出す勢いで柔襞を無理
矢理ひろげて外にあふれ出した。
「…ぁぁっ……ぁぁ……ぁっ……っ」
ぐったりと倒れ込む少女を母が抱きとめると、父と兄は少
女から己のものを抜き出す。二人のものは心持ち小さくなっ
たものの、それでも十分すぎるほどの大きさと固さを保ち、
止めとばかりに少女の傷口をひろげた。
「ぐっ…ぅっ……ぅぅ…」
少女の股間は二つの大きな穴があいて無惨な姿をさらし、
混じり合って朱色に染まった白濁液がどろりとこぼれる。
「あぁ、もったいない」
姉が少女の穴に顔を寄せ、こぼれたものを舌でなめとる。
さらに中に残ったものを舌でかき出し、一滴も残すまいと音
を立ててすすった。
「頑張ったね、・・・。その分、気持ち良かったでしょ」
赤子をあやすように少女を抱く母の柔らかな胸。指は乱れ
た髪を優しく梳き、顔に浮かんだ涙や汗の粒を丁寧に舌で吸
い取っていく。
(…お…わ…っ……た…の……?)
抜き取られたとは言え、激しい痛みはまだまだ少女の下腹
でとぐろを巻いている。普通なら寝るのに支障を来すような
激痛だが、とうに限界を超えている少女の意識が眠りの中に
沈むのは容易であった。
(…ょ…か……っ………た…………)
悲鳴をかみ殺し続け、泣き叫び疲れて強ばった少女の顔。
荒い息を吐く半開きの口がほんの少しだけ歪む。凝視しても
見落としそうなほどであるが、それは少女が精一杯できる、
痛々しい傷だらけの笑みだった。
「……んっ」
色々と混じった錆び付いた苦みが口の中にひろがり、少女
の逃げ道をふさいだ。
「頑張ったご褒美だよ、ちゃんと精をつけないとね」
わずかに残った気力を振り絞ってまぶたをこじ開けると、
目の前には姉と母の顔。姉と少女の間には、朱色の糸が引い
ている。
「そうよ、家族の夜はまだまだ長いんだから」
少女の口を母がふさぎ、舌で咥内をかき混ぜる。苦くて、
甘くて、不思議な味。父と兄の精液と、母と姉の唾液と、少
女の破瓜の血が混じった、家族の味。
「今度は恭也が前に入れてあげなさい」
少女の腰を兄が持ち上げ、まだ開いたままの膣口に朱に染
まったものが宛てがわれる。
(…か…ぞ…く……の……)
少女の心の穴を、血と精液が埋めていく。
「がっ、あぁっ!」
夜はまだ始まったばかりだった。