私は動けなかった。目の前でフェイトが串刺しになるのを見ているだけしかできなかった。
なのはたちが駆けつけてくる。それを私はぼうっと見ていた。
「フェイトちゃん、大丈夫?」なのはがフェイトの肩を抱えている。
「大丈夫、ちょっと腕にかすっただけだから」…刺さってない?
回り込んでみてみたら、右腕に薄く一本の赤い線が入っていた。
刀は魔法陣を通っていたけど、手が魔法陣を通り抜けていなかった。
それが私の見た場所からは刺がフェイトにさっているように見えた。
私はそれに安堵し、力が抜けてしまった。
魔法効果が切れて上空から落ちそうになるも、すずかが支えてくれた。
「…それじゃあ、そろそろ本気出すよ」なのはの目に力がこもる。
いつものなのはとは目つきが全然違う。私はなのはの鬼気迫る感じに体が震えた。
"Wide area Protection"なのはが結界をはって作戦を立てる。内容はこう。
まず、私とすずかがおとりになってあの二体の影をそれぞれおびき寄せる。
二人はノエルを牽制しながら影を封印するチャンスをうかがう。
そして封印の段になった時、ユーノがノエルを魔法で縛る。
二匹の封印が終わればノエルさんに付いたものを封印する。という手はずになった。
<<ユーノ君、それでいいよね?>>
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私たちはそれぞれに散った。
<<がんばろうね、アリサちゃん>>私は、もちろんよと返し、影の元へ向かった。