私の知人、ユーノ・スクライアは著名人らしい。
無限書庫司書長、時空管理局執務補佐官、参謀付き情報管制官、事務処理特務官、特別保管庫監視責任者etc・・・
どう考えても40歳以上の熟練した人物にしかできないような仕事を兼任。
それでいて、まだ16歳。
・・・世界って、不公平だと思う。
私は、まだ学生をやっているというのに。
初めてユーノに会ったのは・・・いや、あれは拾った、って言うのかもしれない。
9歳の時だった。
それからフェイトに会って、はやてに会って・・・
私の世界は色を一変させた。現実の常識さえ、私の中から吹き飛んだ。
で。
「はぁ・・・」
「アリサ、悩み事?」
「主にアンタがあたしの隣にいる事が悩みよ、エロフェレット」
「・・・だから僕はフェレットじゃないし、あの時は不可抗力だったって何度言わせるのさ・・・」
「何度でも言ってなさいよ。一生言い続けてあげるから」
だというのに。
コイツはなんでこんなに情けないんだろう。
顔は男らしさからは銀河系の反対側くらいにいるし、髪はクラスメイトの女子より長くて綺麗で、声も可愛くて、
何より、家事洗濯料理勉強人間関係(恋愛除く)パーフェクトだというのに、主体性が無さ過ぎる。
超がつくお人よしのバカ。いつか借金の債務か何かのせいで海に沈められるんじゃなかろうか。
・・・何で、なのは達はこんなのが好きなんだか理解できない。
利用するだけなら、コイツ以上の人物はいないんだろうけど、『そういうの』として見る事は難しい。
あえて言わせてもらうと、私はコイツが怖い。
裏表が無くて、常に周囲の人間の為に動く。・・・そんな人間、フツーじゃない。
こんな奴がいるなんて・・・イライラする。
だというのに。
「こうなったの、アンタのせいだからね!!」
「何でそうなるのさ?」
「うっさいわね!!アンタのそばでよく事件起きてるの私知ってるんだから!!今回もそうなんでしょ!?」
「まぁ、確かによく巻き込まれてるけど・・・」
「さっさと解決しなさいよ!!」
「無茶言わないでよアリサ・・・」
・・・私は、コイツと一緒に迷宮の中にいる。
いや、正確に言うと。
・・・・・・・・・完全に、迷った。