あんまりにも非常識なこの状況も、現実だからきちんとした理由がある。
・・・夢だったら、どんなに良かったか。
高校の帰り、なのはの家に寄ったらコイツがいて、この状況の原因を持って待っていた。
・・・思い出したくもない。
『光の迷宮を封じ込めた』らしいクリスタルのピラミッドみたいなのを持ってきていて・・・なのはがそれに触って。
私が渦に巻き込まれて、コイツが私を助けようとして手を伸ばして。
・・・ギャグ漫画じゃあるまいし。
でも、現実だ。
「落ち着いた?」
「アンタ、何で落ちついてるのよ」
「いや、慣れてるし」
はぁ!?
「いや、こういうのも久しぶりだし、ちょっとドキドキしてるから落ちついてる、って言うのも変かな?」
「・・・もういいわよ・・・」
すずか以上のマイペースっぷりにため息が出る。頼もしいといえばそうかもしれないけど・・・。
「出口探さないと私達飢え死によ。早く行きましょ!」
「あ、待ってよアリサ!!」
「私じめじめした所大っ嫌い!!」
「待ってよアリサ、どこ行くのか分かってるの!?」
・・・あ。
「やっぱり・・・」
「仕方ないでしょ!!私魔法なんて知らないんだから!!」
「落ち着いてってば。ちゃんと説明するからさ」
そう言うと、ユーノは何の遠慮も無く床に腰を下ろした。
「汚いわよ、ココ」
「?」
不思議そうに私を見つめ返してくる。
「よく平気よね、アンタ」
「平気も何も、立って話し続けると疲れるじゃないか」
「そういう問題じゃないわよ・・・」
「じゃあ立ったままで聞く?」
「・・・何か敷くものないわけ?」
「座る所が欲しかったの?」
あああああああああああああああああああああああああもおおおおおおおおっ!!!!!
コイツ全然ダメ!!!!
普通気付くでしょ!?
「はい。どうぞ」
「・・・ありがと」
用意された魔法か何かでできたクッションに私は腰をおろした。
辺りは薄暗くて、ジメジメしてる。
なのは達もここの中にいるのよね。
大丈夫だと良いけど・・・。