魔導師達が、光の中に消えてから数十秒後。
代わってなのは達が、ブリッジに降り立った。
「また、逃げられちゃったみたいだね…」
「他の局員の皆さんは?」
「…確認した。全員、ブリーフィングルームに閉じ込められていたらしい」
ブリッジの扉が開き、入ってきたクロノがそう言った。
「アースラへ…状況終了。艦長以下、乗組員全員の無事を確認。怪我人もなしだ。
魔導師は逃走した模様。……ご苦労様、エイミィ。ありがとう」
『うん…どーいたしまして』
モニター越しに笑顔を交わす二人。それを見て、なのは達も微笑んだ。
「相手の転位先、トレースできるか?」
『それなんだけど、必要ないみたい…今さっき、これが届いた』
エイミィが、モニターにメールを表示した。
“時空管理局へ。12時間以内に、下記の要求に応ぜよ。
内容は裁判所を含む管理局システム全体の即時解体、及び情報の完全破棄。
応じられない場合、ある次元世界への無差別攻撃を行う。”
「…ふざけたヤローだ」 アルフが舌打ちする。
『それが一通目。で、これが多分、私達だけに送られてきたやつ』
“P.S. クロノ・ハラオウン以下、艦船アースラの魔導師達へ。
1時間後、ミッドチルダのこのポイントで待つ。私を止めてみせろ”
『どーゆーつもりか知らないケド、時間的に増援待つのはムリだね。どーする、クロノ君?』
「望むところさ。今度こそ、決着をつけてやる。行こう、みんな」
指揮官の声が、ブリッジに響いた。
(END)