高設定のイベント日。パチスロ店の朝は戦場だ。
その苛烈な争いをたばこをふかしながら新聞を読み、静かに待つ少女がいた。
「開店まであと10分。今日は何狙いですか、なのはさん?」
「そうだな。北斗も悪くないが、矢張り、最近話題のアレにしようと思う」
たばこを握り潰し地面に投げ捨てる。燃え滾る殺気が只事では無いとヘタレのユーノも気付いた。
それと同時に高級外車が列の横に止まる。
「・・・来たか」
「え、何が来たんですか?」
「強敵(とも)だ!」
外車のドアが勢いよく開かれ、中から金髪の少女が現れる。
「ご苦労。下がっていいよ」
列の先頭のゴツイ男が少女に道を譲る。
「フェイトちゃん!おはよう!!」
さっきまでの殺意はどこへやら、ほのぼのと挨拶をする。
ゴツイ男の後ろにいたなのはは自然とフェイトと隣りになる。
「ああ。おはようなのは、いい天気だね」
(なんだ。僕の気のせいか。)
そう思っていたのもつかの間。
「だねー。・・・で?今日はどんな無様な負けを見せてくれるのかな」
(えー!またしても殺気!!)
「あの時は流れに乗れなかっただけ。今日は君が奔流に落ちてもらおうか」