Kの呟き 昔語り

19 性愛





「ああっ……。ちょうだい……。お願い……」
幸実は俺にしがみついた。
「ああ、もうだめ……」
相当に感じているらしい幸実を見下ろし、俺は彼女の唇を
奪った。
舌先を絡ませながら、腰と腰を擦り合わせる。
「あんっ……!」
彼女が身体を震わせた。
俺のものを焦らすようにあそこに当てて、また逃げる。
まだ入れてはやらない。
このまま欲しがらせてやる。
「……欲しいか?」
「……ほし……い……」
欲情に潤み、恍惚とした瞳。
汗の滲む頬に、唇に乱れた髪が幾筋も絡まり、それも凄絶な色気を
感じさせた。

そんな彼女から少し身体を浮かせ、秘所に入れている指を
ゆっくりと動かした。
膣内から入ってすぐの、少しくぼんでいる部分……Gスポット
だろう箇所に当てる。
ざらついた感触をしているそこを擦り、乳首をつまんで指でこすり
ながら囁いた。
「これもいいだろう?」
幸実のそこが、また俺の指をきゅっと締め付けてくる。
「い……い……」
幸実は頬を赤くして、目に薄く涙を浮かべながら喘いだ。
泣くほどいいのか。
「そんなに俺がいいのか?」
俺は尖った粒へと指をすべらせた。
そこと、潤みきっている秘所へと交互に愛撫を加える。

「あ……っ!……ああんっ……はぁん……」
幸実の甘いすすり泣きが洩れる。
色白の肌のあらゆる箇所が桃色に染まり、汗が浮き出る。
首を左右に振りたくり、膝から下に力が入って小刻みに震える。
「ああ、いいっ……。だめ……だめ、あああん……」
声が興奮のためにかすれている。
「あああっ……!ああだめ、ああ、イクっ……ああ、イクうっ!
ああ………………」
扇情的な泣き声をあげながら、幸実は達していった。
指に温かい粘液がからみつく。
それを幸実の頬に軽くなすりつけ、まだ激しく喘ぐ唇にも
差し入れた。
艶めかしい半開きの唇をなぞり、桃色の濡れた舌先をこすり
愛液を舐めさせる。
快楽の余韻から覚めない彼女は、俺のなすがままだった。
幸実の悩ましく悶え狂う姿に、俺はもう我慢の限界に来ていた。

今までなら幸実を休ませてやるところだが、俺にはもうそんな
つもりもなかった。
イった直後の彼女の中へ強引に押し入る。
これでも充分に感じるはずだ。
「ああっ!!」
幸実は短く叫ぶと、大きく身体をのたうたせた。
濡れきっているそこが滑らかに俺を迎え入れ、そのくせ四方から
挟み込むように、強く圧搾される。
引き絞られるような強烈な快感がこみあげ、俺は歯の隙間から
呻き声を洩らした。
奥まで突き、そして引き戻す時にも圧倒的な射精感が襲う。
もう長くは保たない。
このまま、思いっきりぶちまけてやる……
「……くぅっ……。ああ、凄い。凄いよ、幸実……」
俺は感じたままに口走った。
「いい……!ああ、いいの、貴征さん……。ああ、すごい、奥まで
……ああ、あなた凄い……」
うわごとのような幸実の言葉がさらなる快楽を増幅させる。

「ああ〜〜っ……!ああ、もう……」
息も絶え絶えに、幸実が声をあげる。
内部の締め付けがいっそうきつくなる。
搾りとられるような快楽に、俺ももう耐えきれない。
「ああっ……イクぞ……幸実!ああ……」
「はああっ……!あ、あ、あああっ……!」
俺の声に、幸実の甲高い悲鳴が重なる。
激しい脈動とともに幸実の尻の肉を掴み、たっぷりと注ぎ込む。
もう四度目だというのに、射精の快感はひどく長く続いた。
また達した幸実の不規則な蠕動が、俺の精液を一滴残らず
搾り取っていくようだった。
腰が痺れたようになり、そして激しい興奮とその果ての凄まじい
快楽が身体のすみずみまで広がっていった。




重なりあったまま、しばらくその場を動けなかった。
酸素を貪る呼吸音だけが部屋に響く。
汗まみれになった全身を横たえていると、エアコンの心地いい
風が熱い肌を冷やしていく。
身体が重くてたまらない。
極度の性的興奮と疲労で、身体に鉛を詰められたようだった。
手足を動かすことも、口をきくことさえもわずらわしい。
もっとこの快感の余波に浸っていたかった。
少しずつ熱気が冷めていき、汗が引きはじめていく頃になると
やっとの思いでだるい身体を起こす。
幸実の内部から俺を引き抜く。
いやらしい音がして、白濁の粘液がひと筋彼女の腿に垂れる。
卑猥な眺めが、放出を終えたばかりでまだ固く火照ったものを
疼かせた。
膣内射精の後。
女を征服したしるし。
その淫らな現象を見ていると、虚脱しようとしたものに再び力を
送り込まれる。
内腿に伝う白い粘液の糸に沿い、ゆっくりと抜き去ったばかりの
ものを押しつける。
「あ…………」
幸実は眠りから覚めたようだ。

「よかったよ……幸実」
俺は彼女の耳元にキスしてやりながら囁いた。
「……凄かった。気持ちよかったよ……」
首筋を、肩口から耳にかけて舐め上げる。
「ああ……」
幸実は顔を振って悶えた。
「でもな……」
俺は声をひそめる。
「まだ……感じてるんだ。ほら……」
俺は腿からあそこまで、ゆっくりと嬲るように擦りつけた。
幸実の吐息も、また少しずつ弾んでいく。
「ほら……。……まだ…………」
俺は優しく耳の中に舌を入れると、両の乳房を揉みしだいた。
はっきりと俺のものが蘇るのを感じた。

「幸実が、あんまり色っぽいからだよ」
直接に股間をまさぐると、湿った音が響いた。
乳首を丹念に舐めながら、片側は指ではさみ、つまむ。
何分もそうやって愛撫し、そして愛液と精液でぬめった場所を
勃起でつつき、こすり続けた。
「あ……ああ……ん…………」
幸実はまた顔を紅潮させながら、感じている声をあげた。
俺は愛撫の最中、あることを思いついて彼女の腰の下に手を
まわした。


軽く幸実をひっくり返し、ベッドの上にうつぶせにさせる。
四つん這いにさせ、「腰を上げろよ」と命じた。
バック……いわゆる獣の体位だ。
「ああ…………」
幸実は俺の要求に素直に応じた。
ベッドのシーツに顔を伏せている。
恥ずかしいのか。
俺自身、こんな刺激的なポーズだとは思わなかった。
さっき、彼女へ注ぎ込んだ液がゆっくりと流れ落ちてくる。
漆黒の翳りの中からピンク色の襞を通り、白い肌に、もっと白い
濁った粘液。
その色合いの対比が鮮やかすぎた。
秘所からこぼれ落ちてゆくその現象は、猥褻の極みだった。
「溢れてくるよ…………」
俺は興奮で声がかすれた。
「幸実のあそこから……俺の精液が。こぼれてくる……」
ゆっくりとそう言うと、幸実は「いや……」と言ってシーツに埋めた
顔を左右に振った。
それでも、腰は高く持ち上げたままだ。

「いやらしいなぁ…………」
俺はそんな眺めに強烈にそそられながら感慨をこめて言った。
滑らかな尻を撫で回し、きめ細かい手触りを堪能しながら軽く
唇をつける。
「あ……」
ピクン、と腰が跳ねた。
「ああ…………」
幸実は両手で顔を覆いながら、くぐもった声をあげる。
俺は後ろから彼女の腰を抱え、膨隆しているものをはざまに当てた。
「入れていいか」
幸実はうなずいた。
「また、出すよ……幸実の中に。溢れてくるくらいに……」
粘った音を立てながら、俺はゆっくりと侵入させた。

ここはもう前戯の必要もない。
拭くこともしないまま、注ぎ込んだ液の残りが、滑らかに膣内を
満たしていた。
ぬめり、滑る感触が俺の性感を刺激している。
しかも初めてとらせた体位、あまりにも淫らなポーズが
視覚的に俺の欲情を直撃した。
膣内射精のその後、こうさせて見たいという思いつきで
バックスタイルを強要させたくなった。
想像以上に淫靡な幸実の痴態に、いやおうなく高ぶっていく。
まるでアダルトビデオの女優がとるような、猥褻で挑発的な
男を誘うための肢体だ。
見ているだけで欲情をそそるのに、ただでさえ素晴らしい
幸実の秘所が、そんな体位でいるためにもっと狭まっている。
ひと突きするたびに、俺のリズムにつれて幸実の身体が前へ
のめり、揺れる。
顔こそ見えないものの、うわずった声と濡れてからみつくそこが
彼女の快感を教えてくれる。
俺はうつぶせの幸実の乳房を掴んだ。
背後から犯している、凌辱している気分になれる。
レイプまがいのような行為と目前の淫猥な女体に、俺は今までに
ないどこか暗い愉悦を覚えはじめていた。

「ああん……。ああ……。はぁんっ……」
甘い声をあげながら、俺の突きに合わせて身体をくねらせる。
そんな幸実に野蛮なほどの欲望を感じた。
激しくしてやるのに、これほど相応しい体位はない。
猛烈な支配欲と征服欲の衝動が突き上げてくる。
もっと悶えさせてやる。
もっともっといやらしく……
「気持ちいいのか……」
俺は言葉で嬲ることにした。
俺自身の科白で高ぶってしまう確率も大だが、まだ射精には
間があった。
「……いい……。きもち、いい…………」
幸実はゆっくりと腰を揺すりながら答えた。
「さっきまでと、このバックと、どっちが感じる?」
俺は奥までぐっと突き上げ、そして引き抜く直前で止めた。
そうすることで射精感に襲われる。
幸実の吐息がせわしなくなった。
今の方がいいと言わせるつもりでいた。
「言えよ。どっちがいいんだ」
俺は動きを止めてせかした。

「ああ……止めちゃ、いや……。動いて……ねえ……」
俺に突き込まれる部分と同様、とろけそうな声が彼女から
洩れた。
「今よ……今……。……これがいいの……」
「バックでいるのがいいのか」
「そう……そうよ……。ああ……、いいの……」
「……後ろからだと、犯されてるみたいな感じじゃないか?」
「ああんっ…………」
俺の言葉に反応して、幸実の内部の締め付けが強まった。
やっぱり幸実にはマゾの気があると俺は思った。
そして俺自身にも、今までは自己嫌悪の元でしかなかった
サディスティックな性向があることを思い知らされた。
「幸実の中、すごい締め付けてくるぞ。俺の精液と、おまえの
愛液で、もうぐしょ濡れだ……」
俺は幸実の耳に顔を近づけて言った。
年上の女をおまえと言い呼び捨てにし、セックスの快楽で
支配し、屈従を強いる歓びに酔う。
ゾクゾクと体毛が逆立つほどの、責めの快楽だった。
もともと幸実に感じていた情愛と、そして性愛の奏でる協演が
凄まじいほどの興奮を呼んでいた。
背筋から足腰にかけて、電流が弾けるような鋭い快感が
突き抜ける。
眼前の美しく淫らな光景に魅入られながら、ひたすらに
燃え上がっていく。


「ああ……すごい!ああ……。もう、だめ……」
幸実は身震いさせながら、腕立てをするように身体を
突っ張らせた。
埋めているものを強くしごき抜かれる。
「く……っ!」
そのきついほどの締めに合わせ、俺も欲望を解放させる。
自然と息が荒くなっていく。
幸実のまろやかなヒップラインを押さえつけ、たっぷりと
中に送り込む。
ひくつき、吸いつくのを通り越して精液を搾りとられるような
感覚だった。
俺が彼女をひれ伏させ、支配していたはずなのに、何故か
幸実の方が実質は主導権を握っているように思えた。


退廃的で鮮烈なエロティシズムが、俺と幸実の性の嗜好を
決定づけたような気がした。
こうなりたかったのか。
こうしてやりたかったのか。


肉親としての親愛を持って彼女を慕ってはいた。
それに加えて、いつしか女性としての深い慈しみを彼女に感じ
求めていくようになった。
幸実が俺を男として見てくれていたのを知り、俺はもう自分の
気持ちを偽っていることはできなくなった。
自分の中の淀んだ思いを、熱く燃えさかる真の欲求を
彼女にぶつけた。
幸実は豊かな愛情で俺を迎え入れ、そして満たしてくれた。
いつか傷ついてもいい。
今だけは、どうにもならない想いを確かめたかった。


激しい情交の後、決まって襲い来るけだるい時間。
俺は幸実を抱きしめながら、泥のような眠りに引き込まれて
いった……




20 集中


18 愛欲


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