Kの呟き 昔語り

18 愛欲




貫き、注ぎ込んだあとで一旦欲望は鎮まるかと思えた。
だが彼女の中で、温かな感触と至福の余韻を味わっていると
固いままのものが、また刺激を欲しがって蠢く。
幸実の胸元に突っ伏したままでいるのに気づき、彼女が俺の
重みで潰されてしまわないようにと上体を浮かす。
息が落ち着いてきた彼女の唇を求める。
そのまま唇を重ねながら彼女を抱きしめ、再びゆっくりと幸実の
内部を貪りはじめた。

俺の動きにかぶさるように、幸実の間欠的な喘ぎが響く。
かなり高く裏返った、泣いているようにも聞こえる声。
突きを加えるたびにそんな声をあげ続ける。
叫びながらも、声とともに俺を包み込んで離さない部分が締め付けてくる。
乳首を指でつまんだり、唇で弄ぶと痛いほど締まる。
「…………!」
快感とともに、きつく絞られるような痛みが走った。思わず唇を
噛みしめる。
幸実は呼吸を激しく乱し、目を閉じて身体に汗を浮かせている。
もう絶頂が近い時の反応と見て、俺は確認しようと声をかける。
「……いいか?」
俺の問いかけに、幸実は薄目を開いて答えた。
「……いい……。すご……い。もう……もう、だめ…………」
うわごとに近いような言葉とともに、幸実は身を反らし、身体を硬直
させた。

彼女の中に没入させているものが、根元から先端にかけて圧搾され
溜め込んでいる欲望の液を搾り取られそうだった。
……なんて身体だ……
俺は心の中で呟きながら、圧倒的な快楽の渦に身を任せた。
暫く抱かない間に、幸実の身体のもたらす底知れない快感は
いや増していた。
こんな女……だったのか。
本当に……溺れてしまいそうだ。
何故こんな……
こんな形で…………。

ほろ苦い感情とともに、押しとどめられない衝動を思いきりぶつける。



息が整うまでの間、また抱き合っていた。
幸実に身体ごと包み込まれ、熱い肌を重ね合う。
離れるのが惜しい気もするが、このままでいられる訳もない。
幸実の頬に軽くキスをして、俺は温かい部分から抜け出た。
「……幸実」
彼女は目を閉じたままでいる。
続けざまの行為で疲れてしまったのか。
それも無理もない。
俺は汗ばんだ身体をシャワー室に運んだ。



ひととおり身体を拭うと、入れ違いにシャワーを浴びようとしたのか
寝室の戸口で幸実と出くわす。
はにかんだように笑う彼女が可愛らしかった。
俺を大人びていると言う彼女も、時折少女のように幼い愛らしさを
感じさせる。
あの時の乱れに乱れる姿と、その素顔の落差も魅力的だった。
どちらの彼女にも惹かれ、そしてもっともっと深く知りたいと願った。
身体と身体、それだけでなく心も結びついているのだと信じたい。
少なくとも彼女は今、俺を欲してくれている。
そして俺は彼女を必要としている。
彼女の心を支え、また互いの身体と精神の渇望を満たせるのだと
思っていた。


 
三度続けて抱いて、さすがにひと息つきたくなった。
それほど疲れている自覚はなかったが、幾度も緊張と解放が
交互に訪れ、快楽の余韻が身体から去っていくにつれて、全身が
心地よい疲労感で重く鈍くなっていく。
ベッドに横たわり幸実を待っているうちに、いつのまにか眠りの中に
ひきこまれていく…………


夢を見ているようだった。
日だまりにいるような、なんともいえない暖かさの中に包み込まれている。
身体に突然、鋭い快感が走る。
下腹部のあたりに性的な刺激が与えられ、俺は正直に反応した。
そっと触れられると思えばすぐに離れ、また別の場所にそれが移る。
瞼が……そして、身体が鉛のように重い。
今俺はどこにいて、なにをしているのかわからない。
いや、自分がなにを求めているのかわかっているのだ。
それなのに…………


やっとの思いで薄目を開けると、そこは見慣れぬ風景が広がっていた。
隣に幸実の身体のぬくもりを感じる。
「目が覚めた?」
幸実は微笑んで軽く唇を合わせてきた。
「ずいぶん深く寝入ってたみたいね。疲れてるのね」
彼女は子供をあやすように、俺の頭を撫でる仕草をする。
「……ああ。寝ちまってたのか……」
俺は伸びをして身を起こすと、自分の身体になにか違和感を覚えた。
その正体はすぐにわかる。
……やってくれた。
俺は口の中でそう呟いた。
幸実が残したに違いない赤痣が、今度は腹部から内腿にかけて
幾つもついていたからだ。
「幸実……」
俺の困ったような呆れたような素振りを見て、彼女は密かに笑っていた。
「この前のお返し」
頬杖をついて、さも愉快そうに俺の様子を窺っている。
「この前道場で着替えの時見られちまって、からかわれたんだぜ」
俺は憮然とした表情を作ろうとしたが、どうしても苦笑が浮かんで
きてしまう。
「今度はどうなるかしら。……そんなところも見られるの?」
俺が幸実にしるしをつけたあたり、内腿のきわどい部分にそれは
いくつも散っていた。
誘うような眼差しと言葉に刺激を受け、それに乗ってやる。

俺はベッドに半身を起こしている幸実におおいかぶさり、彼女の
身体を倒した。
キスで唇を塞ぐ。
愛らしい顔がたちまち女の表情に変わっていく。
目を閉じていても、彼女が官能で満たされてゆく変化が見てとれた。
舌を奥にまで差し込み、ゆっくりと絡めながら指で乳首をつまむ。
閉じていた腿に手を差し入れ、女の部分をさぐる。
そこはもう充分すぎるほど潤っていた。
濡れている部分からクリトリスを撫であげる動作を繰り返す。
唇の隙間から、幸実の高い喘ぎが漏れていく。
俺は彼女の声が聴きたくなって唇を離す。
右手の指を秘所の入り口に浅く忍ばせると、幸実は大きく溜息をついた。
同時に左手の指先で乳首の先を幾度も嬲ると、艶めかしく身体をくねらせ
喘ぎ乱れる。
俺の指を包む部分が不規則に蠢き、蜜を垂らす。
長く愛撫をしている訳でもないのに、この感じようはどうだ。
何度抱いても幸実の反応が鈍ることはない。
敏感な性質なのだろうか、俺の未熟な愛撫にもよく応えてくれる。
そうだ、もっと感じさせてやりたい。
さらに幸実の欲望をかきたてられるように、俺は忘れかけていた
技巧を使う。


俺は幸実の白い喉首に唇を寄せながら囁いた。
「……すごい濡れ方だな」
言った途端、彼女の頬と耳に朱が走る。
「こぼれてきてる。……溢れてる」
吐息を耳に吹き込むように言うと、幸実はいっそう潤いを増した。
「いやぁ……。あ……っ……」
恍惚とした表情を浮かべながら、ときおり身体のあちこちを
蠢かせている。
何故感じているくせに、口ではいやと言うのだろう。
恥じらっているのだろうか。
興奮と愉悦が、彼女の色白の顔も首筋から胸元のあたりも
桜色に染める。
汗の玉が肌に浮かぶ。それも妙に色っぽかった。
「すごいよ……ほら。……ほら、こんなに……」
敏感なクリトリスから濡れているはざまを指で嬲ると、淫らな
粘った音がした。
柔らかな乳房の感触を楽しみながらそこに吸いつく。
「ああ……。ああ、あん……」
甘い声音が俺を誘う。
聞いているだけで激しく欲望をそそられる。
快楽で溶け崩れている部分を弄ると、彼女は極度の興奮のためか
呼吸を浅くしている。

もっともっと夢中にさせてやる。
快楽の虜になればいい。
俺なしでいられなくなるほど。

幸実の膣口に浅く指を入れてやると、彼女は大きく身を反らして
達していった。
指先へのひくつくような締め付けが終わると、幸実はぐったりと
脱力してしまったようだ。
深い息を何度もついて、室内に静寂が戻る頃に俺は彼女の
顔の前に膝立ちになった。
まだまだ欲望が尽き果てない硬直を、幸実に見せつけるように。
「ほら……」
幸実の顎に手をかけ、上向かせる。
次に俺が何を求めているのか、わからせてやる。
「しゃぶれよ」
半開きになっている艶めかしい唇に、それを近づける。
少しだけためらったあと、幸実は目を閉じて先端を口に含んだ。
緩急をつけてくねる舌先が、絶妙な快感を味わわせてくれる。
「ああ…………」
俺はたまらなくなって呻いた。
彼女の悶える姿を見ていたぶんだけ、俺には余裕がない。
うまそうなものを喜んで食べるように、幸実は俺のものを
愛おしげに奉仕してくれる。
射精させる目的というよりも、俺を楽しませようとしているような
ゆったりと焦らす舌遣いだった。
俺の望みを心得ている。

俺は幸実にフェラチオをやめさせると、仰向けに寝かせた。
「欲しいか?」
脚を開かせ、その間に俺のものを擦りつける。
「あ…………」
閉じてしまおうとする太腿に手を入れ、強引に開かせる。
幸実のそこにあてがいながら、ゆっくりと腰を動かせた。
「はぁん……。ああっ……」
セクシーな表情と声は、男を誘惑する淫らな女そのものだった。
下から俺の首に腕を巻きつけてくる。
その肘の内側から脇まで、軽く唇をつけてなぞるようにすると
彼女はひきつったような喘ぎを洩らした。
こんなところも感じるのか。
俺はふと思いついてしてみた戯れに、意外な効果があった
ことを知る。
両腕を俺の首から外させ、万歳をさせるように腕を押さえつけると
無防備な脇の下を舐めた。
それと同時に乳首への刺激も忘れない。
「あっ……!あ……。ああ、そこ……だ、め……」
明らかに幸実の反応が変わった。
 
声のトーンがうわずり、俺の唇から逃れようとして腕をもじつかせる。
恥ずかしいのだろうか。
「あ、あ……そんなとこ……。ああ……」
俺は感じているくせに抗おうとする幸実にそそられ、抵抗を
封じようとして腕と腰に力を入れた。
「気持ちいいんだろ?」
内腿と秘所にこすりつけながら訊いた。
「感じるんだろう?ほら……溢れてくるよ」
幸実は真っ赤にした顔を俺から逸らす。
俺の方こそが感じてきてしまう。
嫌がるくせに、恥ずかしいくせに身体はどうしようもなく感じている。
そんな疑似レイプじみた抱き方をしていると意識して、また淫欲が
湧き出てくることを抑えられない。
「欲しいんだろ?」
俺は乳房と乳首を弄りながら、また彼女の股間をつついた。
幸実はゆっくりとうなずいた。
「ちゃんと言えよ。欲しいってさ」
俺は囁きながら、指をごく浅く挿入させた。


19 性愛



17 熱帯夜 





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