四、

 豪雨と雷鳴のなかでぼんやりと考えながらも、足は陸遜の堂室へと迷わず進む。扉の前に立ち、声を掛ける。
「陸さま、いらっしゃいましょうか。、召されてまいりました」
「どうぞ、入ってください。遅れてはいませんよ、謝らないでくださいね」
 くすくすと微笑をこぼしながら陸遜が扉を開けてを導く。堂の窓は開けられているらしく、どん、と近くに落ちたらしい電撃には驚いて息を止めた。そ、と肩に掛かる両手は陸遜のもの、固まってしまったに一言謝って、椅子へと座らせた。
 卓子を挟んで向かいではなく、ほぼ隣に椅子を持ってきて座る陸遜。が怯えないように、と言いはするが、益々激しくなる雷雨を楽しんでいるようでもあった。
「大丈夫、ここには落ちません。――に、見せたくて」
 陸遜の言葉に、は眉根を寄せる。彼女の視界は何も写さないと知っているのに何を言うのか。それを読み解いてか、陸遜はまたくすりと笑った。
「何をおっしゃられます、陸さま。わたくしは一切の光を失のうておりまする。昼は陽光、今は雷の閃光がいかに眩しかろうと、わたくしの瞼の裏には闇黒のみ。……どうして見る事ができましょう」
 陸遜から顔を逸らし、大きな音をさせている窓から雨が入るのを防ごうと、は腰を上げる。だが、それは陸遜の手によって押さえられた。
「いいから、話を聞いてください。貴方に伝えたい事が多くあるのです」
 掴んだの手を、陸遜は両手で包む。
「私の手はにはどう、見えますか?」
 見える、と敢えて口にした陸遜。伏せた瞼をきつく瞑ると、は掌中の両手に集中して、ゆっくりと触っていく。
「――武人の手でいらっしゃいます。双剣を巧く扱われるのでしょうが、やはり右手がより使われておりまする。胼胝のでき方が違うてござります。それに、書をしっかりと学ぶ者の、手でもいらっしゃいます。呉軍軍師にして将軍の陸伯言さまが手に、……見えまする」
 陸遜に答えるように見える、と応じたに彼はふと微笑んで掴んだ両手を自らの頬へと導いた。
「見えるでしょう? が見ようとしなかったのです。視力が無くても、見る事はできるのです。私の頬、額、眉、瞼、鼻、唇、顎。触れば見えるはずです、私の顔が」
 導かれるまま、するするとの両手は陸遜の顔を辿っていく。そして、暗黒でしかなかったの視界に、何かが形を成していく。陸遜は更に二人分の手を頭を抱えるようにして触らせた。
「私の髪、短いでしょう。色は黒ではないのですよ。鳶の羽のような、橡で染めたかのような薄い色をしています。梳ってもすぐに外にはねてしまう。瞳はそれよりも濃い色、老松の樹皮が色に近い。肌は男にしては白いとよくからかわれますが」
 唖然と、雨音に消えてしまうほどの声では声を震わせた。
「陸さまの、お顔が、見えまする……」
 確かに今、の視界には陸遜が形容したままの、触らせたままの容貌が姿を見せていた。
 幼い日、視力を失う前に見た全ての色がどうと流れ込んで、陸遜を鮮やかに彩っていく。の伏せられた瞼の裏に見えているのは、現実に存在する陸遜とほぼ同じ容姿を形作った。背も、官舎ではあまり着ていない帽子のある戦闘衣裳も、いつか触れたとおりに現れる。呉赤を身にまとい、双剣を手に立つ姿。

 は盲目となってから初めて、人を、「見」た。


 声から、小さな所為から「見える」、柔らかく落ち着いた微笑を作りの良い顔に、陸遜がの両手を包んだまま自らの膝へと落ち着かせた。
「私はの目。ああ、今は赤の衣裳を着ていないのが悔やまれる。――さあ、次はの姿を」
「わたくしを?」
 知らずの頬を流れ落ちる涙。閉じられたその瞳から滴り落ちる歓喜に陸遜は瞬いて、顔を開け放たれたままだった窓へと向けた。ばりり、と大気が震え、白い光が夜天を走るのと同時に陸遜が、あ、と声を上げた。
「飛電が地を伝い天へと駆け昇って、」
 言い終わる前にひときわ大きな雷鼓が落ちた。しばしの静寂。そっとの手を放した陸遜が、窓を閉めた。


「陸さま、わたくしにも、……見えました」
「今のが、ですか?」
「ええ。光が、見えたのでございます。陸さまのお姿を見てから、私の無くしたはずの色が、陸さまの目を通して見えまする」
 ぽろぽろと、の眦から止まらぬ涙。柔らかな絹の手巾でそれを拭いながら、陸遜は静かに語りかける。ふしぎと、大きかったはずの雷雨の音がほとんど聞こえない。代わりに薄暗い堂内で、細い灯火が生きているかのように揺れている。
「私は貴方の目になりたかった。けれど、は盲目でも充分に生きていて、光や色などの多彩を必要としていませんでした。私にできることといえば視界に入る全てのものを声で伝えるだけ。はそれよりも匂いや音、肌でしっかりと理解してしまう。……どうにかして、の失ったものの力になりたかったんです」
 締め切った窓に視線を遣りながら言う陸遜に、はふと疑問を抱く。
「なぜ、わたくしの目に? わたくしの視界が闇に閉ざされてからそれを求めようとはいたしませんでした。陸さまのおっしゃるとおりに、このままで生きることができるからでございます。――よく外へ連れ出していただきましたのも、官舎を制限なく使わせていただきましたのも、わたくしが為でしたのでしょうか」
「それ以外の理由がありますか? 私は貴方に欠けていたものを補ってもらいました。その些細な礼に、の目になろうと決めたのですよ」
「陸さまに、欠けたものが? それをわたくしが補ったのですか?」
 瞳は瞼の下に隠したまま、は陸遜に顔を向けた。それに応じるように陸遜が苦笑してを見る。
 には、陸遜の表情が今や手に取るように判る。困ったような、恥じるような、なんとも形容できない顔で笑っていた。
は生きる為の業と、その身に染み込んだ歴史、俗話、古歌、詩、書物の諳誦を求められれば易々とうたう。それが、私にはできません。技術ではなく、心神の問題なのです。……私は、のように求められるままに自らの能力を差し出したくはない。私が提供したものに過不足ないものを求めている。等価値のものでなければ意味がない、というのは政務に、軍務に明け暮れているせいなのでしょうね。――だから、は私に無尽の情を与えてくれる、私にとって居なくてはならない人なのですよ」
 陸遜はひどくゆっくりと、一言一句を噛み締めるように語った。本心から来ると思わせる語り。は驚きに眉を寄せ、口許を袖で隠して言う。
「そのようなこと、ございません! わたくしはただ生き延びるだけに……!」
「それが、慈愛。私に欠けたものです」


 は絶句した。
 陸遜に欠けているのは慈愛、に欠けているのは視力だというものの、盲目は一見して判るのだが、どちらもそれを明示にしたことはなかった。は色彩を求めていたのだろうか。陸遜は無尽の情を矇瞽の芸に見出して招いたのだろうか。
 陸遜は何も言わず、が話すのを待っていた。ようやく出た声は、震えていた。
「――わたくしは、考えた事もございませぬ」
「それはそうでしょう。生きるために食事を取る。それについて考えた事はありますか? が己の生きる業について考えないのも同じ事。私には『無尽の情』として感じられたそれを、貴方は『生きるための業』としか考えていなかった、という事です」
 言い聞かせるように声を発する陸遜はとても真摯な眼差しをに向けており、空言などではないと付け足した。
「陸さまがおっしゃった欠如が事、わたくしは初めて知りました。けれども、それは矇瞽でしたら誰でも有しております。何故、わたくしなのでございましょう」
「昼に言ったではありませんか。『これまでのどの者よりもすばらしい、私の優秀な瞽女』、と」
「それだけで?」
「ええ、もちろん。、貴方は決して瞼を開きませんね、まるで何も映さない瞳を拒絶しているかのように。――瞼を上げた所で広がるのは闇黒、それを怖れているのではないのですか?」
 陸遜の言は当たっていた。
 独りの時にしか瞼を上げないのも、濁った双眸を人に見せたくないだけではなく、何も映らない事を未だに認められずにいるから、でもあったのかもしれない。く、とは唇を噛みながらも、どうしようもできず肯いた。
 盲目となって長いにもかかわらず、ごくまれに夢では色も形も見ることがあった。その度には睡眠から浮上するなり固く瞼を閉じるのだ。僅かでも期待をしてしまわないように、と。
「……私の予測は当たっていましたか。嘲るつもりはありません、そのような顔をしないでください」
 哀情を浮かべた陸遜が同様の声で伝え、断りを入れてからの頭に触れた。の湿気を帯びた髪を幾度か撫でる。
の髪は黒くて美しい。この二年ですっかり艶を取り戻して、宮廷に召される妓女にも劣りません。日に焼けて痛んでいた肌も、今では薄く刷くだけで白面に紅粧が映える。今もかつても、貴方は充分に美しい」
 そして、が寄せた眉間に陸遜の指が添えられて優しくそれを解し、ぎゅっと結んだ下唇も力を抜かせるようになぞって、指を離した。
「初めて貴方が呼ばれた宴席では、指先まで絹の衣裳に包み、顔を覆うように頭から紗を被っていた。主人がそうさせよと命じたのでしょうが、つまりは旅客の謡詠芸で生きているを否定したのです」
 いいえ、ときっぱり言うと、は弱さを隠した強い表情を陸遜に向けた。
「召される時には、わたくしから願い出ておりまする。わたくしは自らの容姿をよく判っております」

 言うと、陸遜が触れた髪を、肌を、両手で隠すようにした。ぱっと離した両の掌の裏から現れたのは、――白く濁り別々の所へ向く双眸を開いた、。ひくり、と陸遜の肩が僅かに揺れたのを感じ取り、ふふ、とは吐息だけで笑う。
「崩れ落ちもせず、溶け出しもせず、眼窩に嵌っておりますこの瞳。見ずとも判ります、醜いのでございましょう。瞼を開ければわたくしは人ではないとされまする。それがどうして美しいと言えましょうか。……そうして、開いたところで何も映しはいたしませぬ」
 静かに瞼を下ろしたに、陸遜がけれど、と切り出す。
は見えた、と言いましたね。私の姿を、雷光を。貴方の目が何も映さないのであれば、私が貴方の目なのです。その眼睛は確かに人に恐怖を抱かせますが、今のはそれなくして存在しなかったと考えれば、美しくないはずがないでしょう? それに、よい景観は肌や匂いで感じるだけでなく、見て楽しむものですから」
 陸遜が閑暇の多くにを伴っていた事は家人や護衛の話からも認められることだった。多言に窮する事もなく、陸遜は彼の視界に映る森羅万象を伝えようとにあれこれと語り続けていた。見る事のできる全てを、視覚情報から言語情報へと変えてなお、全盲の者に伝えるにはかなりの隠忍を要しただろう。中途で盲人となったにしても色彩は今まで求めても得られぬもの、と陸遜の口から語られる外界を「見」ようとはしていなかった。己の嗅覚、触覚、事物を察する不可解な力、それらで「感」じてきたのだ。
 堂の何箇所かに灯された燭火はゆらりゆらりと陰影を作り、二人の事も、外の豪雨も意に介さないようだった。
 不気味なほどに静かな堂内、が俯いて微かな溜息をこぼした。
「わたくしを美しいとおっしゃるは、陸さまだけでございまする。そう言いながらお手も付けませぬは、わたくしがどれほど優秀であったとしても矇瞽であるからにござりましょう? 陸家の名は孫呉が統べる以前の呉での有力豪族であったとお聞きいたしております。――本題は、何でございますか、陸さま」
 睫が上向き、唇は両端が持ち上げられた、の柔らかな笑顔。ふふ、といつものように笑うと、悲しみとも喜びともつかない声で続けた。瞼の裏の瞳がまっすぐに陸遜を見据え、一段と柔らかく笑んだ。
「わたくしの欠けた目となっていただきました事、光栄に思いまする。陸さまの欠けた心髄を補わせていただきました事も、何より嬉しゅう思うております。……ですが、伝えたい事がありますのでしょう。陸さまがわたくしを美しいとおっしゃってくださるよりも、重要な事項ではないのでしょうか」
 陸遜が、驚きに目を見開いて数度瞬いた。静かに笑みをたたえたは何も言わずに待っている。感じるだけでなく、見る事もできるようになったの目には、陸遜の表情も手に取るように判る。
 ぼう、と灯火がひとつ油を失って燃え尽き、陸遜の顔に陰影を濃くした。まるで、事の重大さを示すようだ、と二人は同時に思っていた。


 細い長息を残して、陸遜はきりりとした官人の顔になる。官舎ではほとんど見せることのないその表情に、も笑みを引いて頷き、先を促した。
「官舎から、邸宅へ移るようにとの話をいただいているのです。――私は陸家の家督。いずれ妻を迎え、家を再興しなければなりません。それは私に家督が渡った時から決められていた事、悔いはしません。一度孫家に潰されたも同然の陸家。私だけの力を以って陸家の名を孫呉の智将、陸伯言が事と知らしめるだけに拘泥し、妻となる人も生まれた子も省みずにいたでしょう」
「それは、なりませぬ」
 人としての情が感じられない陸遜の言に、は厳しくも易々と否定した。苦笑する陸遜は、の反応が判っているからこそ、敢えて情のないような言い方をしたのかもしれなかった。
 、とすぐに陸遜の声の色が変わる。
「……幼い私はそうあるべきだと頑愚にも思っていたのです。ですが、貴方と出会ってから、惜しみない慈愛を知りました。貴方がいなければ人を愛する情を知らないままに生きていたのでしょうね。のうたが、私を成熟させてくれました」
 日中、池畔で遊んだ時には十七の年少であったと感じられたものなのに、今、切々と語る陸遜はくすりと笑い幸せそうに目を細め、年齢よりも幾分か年長に見えていた。
 ほう、と感嘆しては微笑む。
「それを呉主さまがお認めになられて、私邸を賜ったのでござりましょう? わたくしの生きる業が陸さまを導く事になろうとは、夢にも思いませぬ倖でございました。しからば、妻となられる女人はお決まりなのですか?」
 いいえ、弱輩の私にはまだ先ですよ、功績を上げなければ、と苦笑しつつも、僅かに陸遜の顔に陰が差した。が訊ねる前に、その答はあっさりと述べられた。
「きっと娶る人も私には決められません。けれど、が尽きる事の無い情を与えてくれたように、私もその人に慈愛を与えたい。私のように、その人もいつか理解してくれるかもしれません。子ができれば、さらに情は深まるのでしょうね」
 はしっかりと肯いた。親に売られた子として、盲目の芸妓として育ったには、陸遜の思い描く前途が酷く眩しく、傍で「見」ていたい、と思うと同時に、その場では陸遜がの目となる事はないであろうと想像がついてしまい
、――ああ、と嘆息する。
 はいつの間にか、我が境遇も忘れて陸遜に思いを寄せていたのだ。

 悲しみを心底に沈め、それを覆い隠すようには笑みを深めて口を開いた。
「ええ、必ずや。どうぞ妻子を慈しみくださいましね。決して、わたくしのような賤業と関わりを持たずにお過ごしになられませ。――それでは、陸さまが邸宅へお移りになられる時にわたくしは再び旅客となりましょう。長きに亙りお呼びいただきました事、感謝申し上げます。今は簡略でありますが、正式な礼に則った別離の席では最後となりましょう詩吟も謡詠も、最上のものを贈らせていただきまする」
 ほとり、と暖かな水滴が塞いでいるはずの目から流れ落ちた。なぜ、とは考えない、考えてはならない。はそっと袖口で頬を伝った痕を拭うが、次々と溢れて止まらない。
「申し訳ございませぬ、少々感泣してしまいまして。すぐに収まります」
 ふふ、と涙の間に弱々しく微笑んだ。陸遜が困惑すると判っていながらなんという失態を見せているのか、と己を叱斥したい、と恥じ入るばかりだった。だが、掛けられたのは優しい声と、見えたのは穏やかな笑顔だった。
、悪いのですがそれは聞けません。陸伯言の名がなければ、私も民の一人であったなら、と。――ですが人の生も夢、でしょう?」
 昨晩の夜話が、そういう話であった。夢中にその夢について考える話、『荘子』の一節だった。
 陸遜が立ち上がり、堂内に灯してある燭影を消していく。最後の一つを消した途端、屋外の電閃と雷鼓が意思を持ったように輝き、轟いた。
に出会えて本当によかった」
 静かな陸遜の声は、の背後から聞こえた。振り向いて見る事ができずに、は声だけを聞く。
「私が初めて愛惜の情を抱いたのはです。けれど、私がいくらを思っても、貴方が同じように思っていても、認められる事はありません。それが世の条理です。……はかない夢のようにはいかないものですね」
「陸さま、わたくしはそのおことばだけで充分でございます。――別離の辞は、賦にいたしましょう。わたくしの、思いを謡うてみせまする」
 二年もの間、初めこそ困惑したものの慣れてしまえば、はこれ以上ないほどに安寧の時を送る事ができていた。自作の賦は謡った事がない。だからこそ別宴で、と考えたのだが、陸遜は何も言わずに、くすくすと笑うだけだった。惜別が全く感じられない声音。
 また、豪雨が激しくなった。


 かたん、と陸遜がの隣に引いた椅子に腰を下ろす。闇黒で緩やかに開いたの瞳に、楽しそうな陸遜の顔がはっきりと見えるようだった。陸遜の口からこぼれたのは、暖かな声と、信じがたい通告だった。
「今の貴方は陸伯言附きの妓女です。これからは陸家附きとし、私邸に共に移ってもらいます。……鶴は子を守って夜も寝ずに鳴くのだと聞きました。それは深い愛情のたとえだと。ならば、は夜鶴。陸伯言が興す家の為にうたってください。私の、我が一族の優秀な瞽女よ、――貴方の生きる業を、私にとっての無尽の情を、どうかこれからも」
 深く篤い情意から、陸遜はを抱きしめた。
「――陸さまさえよろしいのでしたら、わたくしは自らの業を差し出すことを惜しみませぬ。夜鶴となりてうたいましょう、伯言さまと陸家の為に」
 ぱちり、と瞼を閉じて、陸遜にされるがまま抱きすくめられたが、ゆっくりと長歌をうたい始める。


 雛を守って巣篭もりをし夜に鳴く、鶴のうた。誰に教えられたわけでもない、の心が作った詩歌を。


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2008/09/15, 2009/12/29
よしわたり


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