二日目 2009/10/15(木)

6時前にぱっちり目が覚める。風呂に入れということか、よろしい。
朝からしっかり温泉につかって、ご飯もおかわり。天気も良くて出だしは好調!
秋を感じるホテル花月園の庭。


始発の海賊船に乗ります。前日の船で修学旅行生が多かったので、特別船室の往復券を買う。
これは正解だった。一般船室がデッキから船室から生徒であふれかえっているのに対して、特別船室はがらがら。引率の先生方がいるくらい。デッキも一般船室とは別。
デッキで写真を撮って客室へ下りようとしたらスカートがめくれそうになった……しにたい……。小さな歓声が聞こえて余計いたたまれなかった……。


海賊船とは別の遊覧船とすれ違う。双胴船だって! 珍しい。わかりにくいけど……。


昨日は遅かったからわからなかったけど、水辺は紅葉がきれい。


箱根関所へ。江戸に近くて規模も大きく、特に出女を厳しく取り調べていたのだとか。
資料に基づいて完全復元されている。京口御門は江戸側にある京都向きの門。江戸口御門は京側にあって江戸に向いている。ちょっとややこしい。
湖側に大番所、山側に足軽番所、えっちらおっちら登った丘に遠見番所。休息所も併設されていて、役人はここで任期の間寝泊まりして過ごしたらしい。



その後はすぐ近くの資料館へ。しかし、次から次に見学に来る修学旅行生に辟易。お姉さんに静かに勉強させてくれ……。
関所とは何か、江戸時代の旅はどういったものだったか、関所破りとは、東海道について、宿場町の本陣とは、参勤交代の大名行列について、と箱根関所を軸に結構幅広い解説が狭い資料館いっぱいにあって、興味深く見たり読んだりしました。
女旅人の取調べをする人見女の蝋人形があって、それがまたおそろしいのなんの。江戸から出る女は町人でも、ほくろの数からあざの形、髪の毛の切り方などなど、事細かにチェックされたそうです。旅に出る前に手形を作るのも一苦労、関所ごとに嫌になるほど取調べられて、ささいなことで通行不可にされた、というのもあったらしい。それに対して賄賂だったり山越えだったり、頭をひねって関所を越える方法を考え付くのもすごい。関所破りは重罪です。
海賊船で一緒だった先生(他の先生によるとどうやら校長?)が刑罰についての説明パネルの辺りで若い先生に、「昔はここに生首が置いてあったのに! なくなってる!」と嬉々として報告していました。先生……。

恩賜箱根公園でちょっと休憩。公園を一周できる湖畔の道は静かで眺めもいい。
充電器を忘れていったため、デジカメの電池残量が瀕死に。ピントを合わせているそばから電源が落ちる……。


ここでもやっぱり杉並木。


展望公園からの見晴らしは絶景。雲が少なければ富士山が見えたかも?
離宮時代の建物は関東大震災などで失われてしまったが、それをもとにした洋館が建っていて二階は休憩所になっている。レトロな電話があったり、飴色の大きなテーブルがあったり、ステンドグラスがはめ込まれていたり。
二階の窓辺でお抹茶とまんじゅうを頂きながらぼんやり芦ノ湖を眺める幸せ。
ここで残念ながらデジカメ終了のお知らせ。観光地に……電器屋さんはない……。


再び海賊船に乗って桃源台へ、そこからバスで仙石高原まで直行。
見事なまでに一面のススキ! 人の背丈より高いススキに挟まれた小道を歩いて登ります。途中で何ヶ所かススキの中に分け入れるところがあって、楽しそうに突っ込んでいく人たちも。
驚いたのは老いも若きもデジタル一眼を持っていたこと。おばちゃんが三脚抱えていたり、若い女の子がじっとレンズをのぞきこんでシャッターチャンスを待っていたり。デジカメのおかげで腕が多少なくてもそこそこきれいに撮れるようになって、そうするともっときれいに撮りたいと思うようになる。性能のいい一眼レフが手の届かない値段じゃなくなってるのも大きいんじゃないかな。
カメラはもうおっさんの趣味じゃないんだなあとしみじみ。



歩いて向こうへ抜けられるのかと思ったら、行き止まり。渋々引き返してまたバスに乗ります。時刻は13時半。財布の中身は千円。いろんな意味で危険な状態。
車内で地図を見ながら郵便局を探すと、宮ノ下に発見。強羅まで行くのを諦めて宮ノ下で下車。雑貨屋さんの中にある簡易郵便局はレトロな雰囲気満点でした。もちろんATMなどありません。
ロープウェイとケーブルカーはすごく時間がかかるようなので、強羅・大涌谷は次回にとっておくことにして箱根登山鉄道で下山することに。ここで宮ノ下を見て回らなかったことを後悔する……。

日本で唯一の本格登山鉄道。急勾配のところでは先頭と最後尾でかなりの高低差になったり、スイッチバックで運転手と車掌が入れ替わったり、くねくねした線路が多いため車両が短かったり、車輪と線路に負担をかけないよう水を撒きながら走っていたり。平地を走る電車とはずいぶん違っていて面白い。
木立を抜けてトンネルや橋を通るのがわくわくして、ずっと外を眺めていました。


15時半前、箱根湯本に到着。お昼を食べていなかったので駅ナカのパン屋で登山電車がホームに出入りするのを見ながらもぐもぐ。
それからお土産を何にするかな、とガイドブックをめくる。これいいな! と思ったら宮ノ下……だと……。これも、これも、と軽く絶望。有名な富士屋ホテルも宮ノ下でしょんぼり。見に行きたかった!
気を取り直して、商店街をふらふら。16:47のロマンスカーに間に合わせて一時間ほどの買い物。ばっちりお土産を両手に提げて電車に乗り込みました。早川沿いをしばらく走って離れていく湯本の町に切なくなりつつ、自分用に買った干し梅干を開ける。
居眠りしたりモンハンしたり、あっという間に新宿駅着。
一泊二日の箱根旅行は無事終了! おつかれさま!

次に行く時は、初夏の新緑が美しい中で二泊三日くらい余裕をもって美術館や公園を散策して温泉をはしごして、ゆっくり過ごしてみたい。裏街道の方は全然見れてないし、富士山も見えなかったし、これぞ箱根! というような旅館にも泊まれてないし。見所がありすぎて何回も通わないと全部は味わいつくせないようです。奥が深い……。


グーグルアースにルートを書き込んでみた。余計分かりにくくなってしまった……。





おまけ
関所資料館で貼ってあったのを見て思わず買ってしまった。江戸(嘉永)時代大名紋章及城郭図。
なんと各藩の嘉永期の当主と石高はもちろんのこと、古建造物現存の城(21城)と古天守閣現存の城(12城)に加えて旧国名と国境、五街道と宿場町も載っているという親切設計。お城めぐりをする際にいかが?


宮ノ下駅で購入。箱根登山鉄道の旅。
わかりやすいようでわかりにくい……。ただ、見所がびっしりと書いてあるので、登山鉄道に乗るなら持っていて損はないかも。きっと各駅下車したくなる。


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2009/10/20
天王屋よしわたり



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