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プレアデスからこのエメ祭の話を聞いた後も、何日かレグルスと共に過ごしたスピカであったが・・・・エメ祭のことには何も触れないことにした。レグルスもそのことに関しては全く何も言ってこなかった。

レグルスに対するちょっとした恨みをスピカは抱いてしまっていたのだが・・・・例え偽善の愛だとしても、こうしてレグルスの傍にいることが嬉しかったし、心が安らいだ。このまま自分を遠ざけられるのは嫌だったから・・・・それなら今の内に思いっきり甘えておこうとスピカは思ったのだ。そしてエメ祭の時に本命の人と幸せになってくれればそれで良い。

スピカは心からレグルスの幸せを祈っていたのだが・・・・エメ祭が後1日とせまったその日も、2人はその愛を交わった。

「う・・ん・・・!ああぁっ!レ、レグルス、さぁ・・ん・・・!!」
「スピカ・・・・!スピカ・・気持ち良いかい?」
「ん・・はい・・・!ああぁぁっ!!も、もっと・・して下さい・・レグルス、さぁん・・・!」
「あぁ・・ほら、いくらでもしてあげるよ・・・・」

そうして2人は唇を重ねた。レグルスの腰の動きは更に速まって・・スピカの中は確実に快楽で満たされていった。

「ああぁぁっ!!ああぁぁぁっ!!ああぁ・・はぁ・・ああぁん!!」
「スピカ・・・・!おまえの中は、本当に最高だね・・・・!フフッ。もう少しで・・イッてしまいそうだよ・・・・」
「あ・・っ・・・レグルス、さぁん・・・!!わ、私、も・・イッちゃいそう・・・・!!」
「そうか・・・・フフッ。今日もまた、一緒にイけるね・・・・!」

とレグルスは言って、最高潮に腰の動きを速めた。スピカはレグルスのそれをまともに感じて・・・快楽が一気に弾け飛んだ。

「ああぁぁっ!!ああぁぁ・・っ・・・!!イ、イっちゃう・・・・!!ああぁぁっ!!」
「!・・スピ、カ・・・・!!」

レグルスはスピカの中からそれを抜いて、スピカのお腹のあたりにその白い液を放出した。

レグルスから一気に解放されたスピカはボーッとしながらも、レグルスの放出した液を指ですくい取って少し舐めたりしたが・・最終的には全て拭き取った。

情事を終えた2人は、ピッタリくっついてベッドに横になった。お互いに抱き合いながら、レグルスはスピカを見つめて口を開いた。

「・・・スピカ。愛しているよ・・・・」
「・・レグルス、さん・・・・・」

スピカはレグルスとキスを交わした。レグルスがスピカの口腔に舌を入れてきたのだが・・・・レグルスとの交じらいを終えた今、急にスピカは明日のことを思い出してしまっていた。そう、エメ祭のことである。

エメ祭のことを思い出すと、自然とスピカはプレアデスとの会話を思い出していた。レグルスは自分以外に過ごす人がいる筈なのだ・・・・それなのにこうして自分と一緒にいてくれて、キスをしてくれている・・・・・スピカはそれまでレグルスと絡めていた舌を、急に自分から離してしまった。

そしてそれはレグルスを驚かせた。最愛の恋人であるスピカが自分のキスを否定するなんてあり得ないことだった。なぜスピカはこんなことをしたのだろうか?
レグルスはすぐにスピカから顔を離して、スピカを見つめた。

「スピカ?どうしたんだい?舌を離して・・・・」
「えっ・・・・?あっ、その!!えっと、ですね!・・ボーッとしちゃったんです・・・・」
「えっ?」
「あ、その。レグルスさんが、とても素敵で・・・・はい。ボーッとしちゃって、すみません・・・」
「・・それなら、今度はちゃんとしてくれるね?」
「あ・・えっと・・・・・」

スピカはつい俯いてしまった。レグルスの顔をまともに見ることが出来なかった。
レグルスはそんなスピカを見て、複雑な思いを隠しきれなかった。急にスピカの態度がよそよそしくなってからである。

「・・スピカ・・・・私を見てくれないのかい?」

レグルスは複雑な思いを抱えたまま、スピカの顎に手をかけてその顔を持ち上げた。スピカはレグルスと目が合うと顔を赤く染めてしまい、目線だけ下にしてしまった。

「あ、その・・見てます、よ・・・・?」
「嘘だろう?おまえは今、本当に私を見ているかな?」

明らかにスピカはレグルスなど見ておらず、下を見ていた。スピカは一瞬だけレグルスと目を合わせたが、またすぐにその視線を下にしてしまった。

「・・今、見ました・・・・」
「ハァ〜ッ。1秒も見ていないよ?」

レグルスはため息まじりにスピカにそう言った。分かっている、確かにレグルスの言う通りだった。だが・・・・これ以上レグルスと顔を合わせていることが、スピカにはつらかった。

「す、すみません。その、疲れてしまって・・・・」
「えぇっ?まだ、今日は1回しかしていないよ?」
「あ!その。きっと、お月様が近いのかもしれません・・・・」
「・・この間、終わったばかりじゃなかったかな?」
「!えっと。その、今日はもう休んでもいいですか・・・・?」
「・・・スピカ・・・・どうしたんだい?・・私のことを、避けているのかい?」

レグルスは更に複雑な表情をしてスピカにそう言った。レグルスの心の中は、スピカのこの妙なよそよそしい態度を見ていることで今にも張り裂けそうだった。

いつものスピカなら、恥ずかしそうにしながらも自分に甘えてきて、極上の可愛い笑顔を浮かべてくれる。それが今日はどうだろうか?スピカを抱いたまでは良かった。だがこうして事が終わると・・・それまでのことがまるで嘘のように思えて仕方なかった。

「そ、そんな・・・!違います!その・・今日は本当に、疲れてしまったんです・・・・すみません。お休みなさいませ、レグルスさん・・・・」

スピカはそうして、レグルスに背を向けて横になった。レグルスはそんなスピカの様子を見て、心を痛めるばかりだった。

「スピカ・・・・本当に、疲れてしまったのかい?・・私を、避けているんじゃないのかい?」
「そんな・・そんな、ことはしませんよ・・・・レグルスさんのこと・・・私、大好きですよ・・・・?」
「・・そういうことは、私の方を向いて言ってもらわないと、実感が湧かないんだけどね〜・・・・」
「えっと・・レグルスさん。私のこと、寝させて下さい・・・・」
「スピカ・・・・!」
「えっ・・・?・・!!・・・・」

もうレグルスは我慢出来なかった。明らかにスピカの様子がおかしい。スピカに嫌われることだけはしたくなかった・・・・レグルスはスピカを無理矢理こちらに向かせて、半ば強引にスピカの唇を自分のそれで塞いだ。

普段のレグルスならあり得ないことだった。強い力でスピカは押さえ込まれてしまい、逃げたくてもレグルスの力が強くてそんなことが出来ずに、舌を絡め取られてしまった。

息も出来ないほど激しく強いキスだった。レグルスはその後すぐにスピカから顔を離したのだが・・・・スピカの息遣いは一気に荒くなった。

「!あ・・はぁ、はぁ・・はぁ・・・レ、レグルス、さん・・・・?」
「・・スピカ。どうしたんだい?突然、私を避けるようにして・・・・もしかして、さっき中に挿れた時・・痛くさせてしまったかな?」
「そ、そんな。違います・・・・」
「それなら、どうして・・・・!どうしていつも通り、私に甘えてくれないんだい?いつものおまえなら、私のキスをせがんでくれるだろう?」
「レ、レグルスさん・・・・・そ、その!!き、気乗りしない日も、あるんです・・・・」
「・・・スピカ・・・・・」

レグルスはひどく切ない表情をしてスピカを見つめた。レグルスにそんな顔をされるとスピカも切なくなってしまうから・・・・スピカは目線をレグルスから逸らした。

「すみません。あの・・・・今日はもう、寝てもいいですか・・・?」
「・・・・分かったよ。おまえがそこまで言うなら、仕方ないね・・・・ねぇ、でもスピカ。一言だけ、言わせてくれるかな?」
「?は、はい・・・・」

レグルスはスピカを改めて抱き締めた。レグルスの優しさと暖かさが一気にスピカの中に流れ込んできて・・・スピカの鼓動がドクンと跳ね上がった。

「・・・私は、おまえに嫌われることが、何よりもつらいんだよ・・・・」
「!レグルス、さん・・・・」

スピカは驚いてしまって反射的にレグルスのことを見つめてしまった。レグルスもまたスピカを見つめて、その頬に手を置いた。

「私は何か、おまえに悪いことをしてしまっていたのかな?そうだとしたら、気付かなくてごめんね。スピカ・・・・」
「あ。いえ、そんな・・・・私こそ、すみません。レグルスさん・・・・」

別にレグルスに謝って欲しい訳ではなかったのだが・・・・それまで乾ききっていたスピカの心の中が少しだけレグルスの愛で潤ったのは確かである。

「スピカ・・・・フフッ。いつものおまえに戻ってくれたのなら、私はそれでいいよ。」
「・・レグルスさん・・・・はい。あの、ですけど、今日は寝てもいいですか?」
「あぁ・・・・名残惜しいけど、お休み。スピカ・・・夢の中で、また会おうね・・・・」
「レグルスさん・・・・は、はい。お休みなさいませ・・・・」

何となく仲直りした感じではあったが、まだお互いに複雑な気持ちを抱えたままだった。しかし2人はそれ以上何も喋ることなく、肌を重ねることもなく、この日は眠りについたのだった・・・・・・・・・・・・・


  

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