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「あの、レグルスさん。」

「ん?どうしたのかな?」
「えっと、ですね・・・その。レグルスさんの・・こ、好みのタイプって、あの・・・どんな感じの方なんですか?」

な、何とか言えました・・・!体も顔も熱すぎてどうしましょう。手だけが冷たくなって、レグルスさんの暖かさを感じています。

「フフッ・・どうしたんだい?そんなことを聞くなんて・・・私のことを意識してるんじゃないかって、自惚れてしまうよ?」

レグルスさんは、常に余裕ですよね。私はここまで言い出すのにまごついて時間がかかっていたのに、レグルスさんはご表情を全く変えずにそう仰っています。
やっぱり、レグルスさんの「特別」になるのって絶対難しいですよね。人気No.1さんですし、アトラスさんより女の人の理想高そうですよね・・・・

「あっ、えぇ〜っと。その、それは・・・」
「フフッ、答えにくいか・・・・私はね、スピカ。女性なら誰でも好きだよ・・・こだわりはないね。」
「!そうなんですか?」
「・・女性を選り好みしていたら、ホストなんて出来ないよ。」

あっ、なるほど。確かにそれはその通りかもしれませんね・・・・さすがレグルスさんです。

「そうなんですか。あの、もしかしたらレグルスさんって・・・」
「うん?」
「女の方から告白されたら、誰でもOKだったりしちゃいます?」

私が気になってそう尋ねてみたら、レグルスさんは笑顔を浮かべられました。

「あぁ、そういうことになるね。女性から告白してくれるんだから、それに応えない訳にはいかないさ。」

あっさり肯定されてしまいました!な、何かそれって、嬉しいですけど悲しいですよね・・・・何だか私、このままレグルスさんを好きでいて幸せになれるかどうか不安になってしまいました・・・・
でも、今こうしてご一緒してお話しているのは何より楽しいですし、レグルスさんと手をつないで歩いていることはとても幸せです。明らかに私はレグルスさんに恋をしてるって思いますけど・・・きっとレグルスさんにとっては、私のそんな感情なんてどうでもいいのかもしれませんね・・・・

「・・そうなんですか・・・」
「・・・スピカ。私たちのようなホストはね、お客からの告白は、よほど何かの事情がない限り断れないんだよ。」
「えっ?」

驚いてレグルスさんを見ると、レグルスさんは苦笑されてました。

「私を指名してくれるお客を失えば店の問題にもなるから、結局肯定するしかなくてね・・・・後はフラれるのを待つだけかな。」
「あ・・は、はぁ・・・」
「こっちから誰かを選んでっていうのは出来ないね。私情はお客に出してはいけないから・・・・」

レグルスさん・・・普段はこんな寂しそうな表情をされないだけに、心が痛いです。
先ほどはレグルスさんのことで少し不安になってしまいましたけれど、今はその不安が消えました。レグルスさんのみならず、ホストの方はお客さんの言うことに対しては何でも肯定しなきゃならないんですね・・・・

「・・大変ですね。ご自分の感情を出せないなんて・・・・」
「おまえがそれを分かってくれるだけで、私としては助かるよ。おまえには、私がただの軽率な男だと誤解されたくなかったからね。」
「レグルスさん・・・・」
「あぁ、喋っている間に目的地に到着したよ。スピカ、あのベンチに座ろうか。」
「あっ、はい。」

今まで上りの坂道をレグルスさんとスローペースで歩いていたんですけど、気が付いて周りを見てみれば、何やらとても高い所に来たようです。下に見える景色がとっても奇麗で、東屋っぽいベンチに私とレグルスさんは並んで座りました。

「わぁ〜。景色が奇麗ですね!それから、お星様があんなに・・・・!」
「あぁ・・この景色をおまえに見せたくてね。街の明かりも奇麗だけど、ここから見える星空は特に奇麗だと思わないかい?」
「はい!こんなに沢山のお星様を見るのは、とても久しぶりです。」
「へぇ〜。ということは、この奇麗な星空を眺めていたことがあったのかな?」

星空に夢中になっていた私は、レグルスさんの方を見ずに、宝石が沢山こぼれ落ちたような光り輝く星空を見ながら返事をしました。

「はい。ここと同じ街ですけど、北に行くと田園が広がってますよね?そっちの方に私の叔父と叔母の家があって、高校までそこに住んでたんです。あっちは本当に夜空が奇麗で、時々お星様を見ていたりしてました。」
「へぇ〜、北の方か・・・確かに田園が広がってて、のどかな田舎って感じだよね?」
「はい。あの、レグルスさんは・・・・」
「私はずっとここにいたからね〜。北の方は電車で通り過ぎる位かな?後はもう、完全に別の街になってしまうからね。」
「そうですね・・・それにしても、本当に奇麗です。あっ!今の!」

私はつい興奮して大声を出してしまったんですけど、レグルスさんはいつも通りの口調でお話して下さいました。

「あぁ、流れ星だよ。ここは特に流れ星がよく見える所でね・・・・この流れ星と夜景を、おまえに見せたかったんだよ。」
「レグルスさん・・・・ありがとうございます!嬉しいです・・・・!」

私が感動してそう言うと、その感動がレグルスさんにも伝わったようで、笑顔を見せて下さいました。

「おまえに喜んでもらえて何よりだよ。それで、おまえはどんな願い事をするのかな?」
「えっ?えっと、そうですね〜・・・・仕事でこれ以上迷惑をかけないように・・でしょうか?」

急に言われても思いつかなくて、つい首を傾げてそう言ったらレグルスさんに笑われてしまいました!

「アハハハッ。おまえらしいと言えばそうだけど、もっと色々あるんじゃないかい?」
「えっ・・・?」
「例えば、好きな男との恋が叶うように・・とかね。」
「あっ・・・・!」

レグルスさんにそう言われて、私の中で一気にレグルスさんの存在が大きくなりました!自然とレグルスさんを見つめたら、レグルスさんも私のことを見つめて下さいました。

「おまえの好きな男は誰なのかな?アトラスではないようだけど・・・・」
「は、はい・・・・あの、レグルスさんには秘密なんです。」
「ふ〜ん。そう言われると、気になってしまうね・・・・フフッ。私のことを好きにさせてしまおうかな?」
「ええぇぇっ!?」

何となくレグルスさんの余裕ぶりを崩してみたくてそう言ったら、レグルスさんに叶うことは全くありませんでした。しかもレグルスさんってばとても色っぽい微笑を浮かべてそんなことを仰るので、私はますますレグルスさんに惹かれてしまいました。

「アハハハッ。そんなに驚かないで・・・・秘密のある女性は魅力的だからね、つい私の方に振り向かせたくなってしまうんだよ。」
「あ・・は、はぁ・・・・あの、レグルスさんに振り向かない女の方っていらっしゃるんですか?」

ウゥッ。今私、とっても顔が熱いです。レグルスさんの色っぽくてカッコ良い笑顔をこんな間近で独り占めしてしまってるからでしょうか・・・・?
私がそう言うと、レグルスさんは少し驚かれたんですけど、すぐにまた笑顔を見せられました。

「おまえは面白い質問をするね・・・もちろんいるさ。アトラスにしろミザールにしろ、濃いファンが多いからね。」
「あ、なるほど・・・・」

私がそう返事をすると、レグルスさんはそれまで見せられていた笑顔が嘘のように、急に神妙な面持ちになって淡々とお話されました。

「・・・スピカ。私はね、おまえが心配なんだよ・・・・その内、またアトラスに襲われるんじゃないかって気がしてね・・・・」
「えぇっ!?そそっ、そんな!もうそんなことはないって、信じたいんですが・・・・」
「私もそう思いたいんだけど・・・・だからかな?神頼みや願い事をするのって好きではないんだけど、おまえと一緒にここに来て願いたかった・・・・もう、おまえが他の男のものにならないようにってね・・・・」
「レグルスさん・・・・!」

私が驚いてレグルスさんを見ると、レグルスさんは私と目が合うと微笑んで下さいました。
どうしてでしょうか。レグルスさんの誰よりもカッコ良くて魅力的な微笑は、見ているだけで幸せになれるんです・・・・

「だから、一緒に願おう。スピカ・・・・その内、大きな流れ星が無数に見える筈なんだよ。とても奇麗で願い事なんて忘れてしまいそうになるんだけど・・・・」
「そうなんですか・・・・あっ、今も流れ星が流れましたね!しかも一気に5つも!」

私がつい興奮してそう言うと、レグルスさんは苦笑して前髪をかき上げながら仰いました。

「フフッ・・やっぱりこの神秘的な流れ星を見ていると、とても願い事なんて出来ないか。でも、今はこうして一緒にいようね?スピカ。」
「はい、レグルスさん!」

そうして私とレグルスさんは、その後他愛ないお話をしながら、沢山の流れ星を一緒に見ました。あまりに奇麗な大きい流れ星をこんなに沢山見たのは初めてで、興奮してしまってそれこそ願い事なんて出来なかったんですけど・・・・こうしてレグルスさんと一緒にいるだけで、私の願いは叶ったようなものなんです。なので、私は本当に幸せでした・・・・
また一緒にレグルスさんと流れ星を見たいです。その時は、ちゃんとお願い事も考えておいた方がいいですよね!やっぱり、レグルスさんとの恋が実るようにお願いするべきなんでしょうか?でも考え出すときりがなくて、私はその内お願い事をちゃんとまとめようと思いながら、レグルスさんと楽しく過ごしました・・・・・


  

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