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そうしてレグルスさんと手をつないで、夜の街を歩きました。キャ〜ッ!こんな素敵なレグルスさんと手をつないで歩ける私は、本当に幸せです。すれ違う色んな方たちの視線も、自然とレグルスさんと私に向けられているような・・・・やはりレグルスさんが普通の方とは違う独特の色っぽい雰囲気を身にまとっておられますから、皆さん注目しちゃうんでしょうね〜。同時に私も見られてるのだと思うと、本当にドキドキしてしまいます・・・・

も、もしかして、私とレグルスさん・・カップル、とか思われてたりするんでしょうか?キャ〜ッ、どうしましょうか。少しでもレグルスさんと釣り合ってれば良いのですが、やっぱり恥ずかしいです・・・・私は見られているのが怖くて俯いてしまったのですけど、その時レグルスさんが声をかけて下さいました。

「どうしたんだい?スピカ。地面より、私を見ている方が良いと思わないかな?」
「えっ!?あの〜、レグルスさん!?」
「そう、いいね。そうしてずっと、私を見つめて欲しいよ。」
「あ、えっと。はい・・・・」

レグルスさんにそう言われて、否定なんて出来ません。確かに、地面よりレグルスさんを見ている方が良いですよね!とってもドキドキしますけど。
そのままレグルスさんと私は見つめ合っていたんですけど・・・4、5歩歩いた後に、レグルスさんが私から視線を外されました。

「・・・ねぇ、スピカ。私は、ちゃんとおまえの役に立てているかな?」
「えっ?」
「アトラスと1日を過ごしたんだろう?楽しかったのかな?」
「!!・・・・」

私は、すぐにレグルスさんのその問いに答えることが出来ませんでした。アトラスさんと過ごしたことに私自身腑に落ちない点があったのも確かでしたし、何よりレグルスさんの表情が、どこか憂いを帯びられているような気がして・・・・

「フフッ・・さすがに、答えにくいかな。彼のことだから、始めはそんな素振りがなかったんじゃないかな?違うかい?」
「・・はい。その、最初はデートのお誘いだと思ってたので、嬉しくて・・・アトラスさんと一杯色んなお話をして、色々買っていただいたりして、本当に楽しい時間だと思っていたんですけど・・・・私がいけなかったんでしょうか?」

アトラスさんと一夜を迎えた後の、あの寂しさを私は思い出してしまいました。やっぱり私がもっと抵抗していれば、あんなことにはならなかったんでしょうか?
私は、それまで抑えていた不安を一気にレグルスさんにぶつけてしまいました。寂しくて、悲しくて・・・アトラスさんにそれほどひどいことはされませんでしたけれど、アトラスさんと関係をもってしまったのは事実なんですよね・・・

「いや、おまえは何も悪くないさ・・・ごめんね、嫌なことを思い出させてしまったね。」
「いっ、いえ!あの、大丈夫です。大丈夫、ですから・・・・」

そうですよ、私は大丈夫です。だから、レグルスさんに笑ってそう言ってる筈なのに・・・どうしてですか?目からこぼれ落ちる涙を止められないのは・・・・

「スピカ・・・・!ごめんね。泣かせるつもりじゃなかったんだけど・・・」
「いえ・・・その、すみません・・・!」

必死に涙を止めなきゃって思っても、私の意に反して涙が止まってくれることはありませんでした。ウゥッ、このままじゃあレグルスさんにご迷惑をおかけしてしまうだけなのに・・・早く、早く泣き止まなきゃ。レグルスさんがいらっしゃるんですから・・・・

「スピカ・・・いいんだよ、無理にその涙を止めなくても。おまえは何も悪くないんだから・・・悪いのは、おまえに手を出したアトラスだよ。それだけは、間違えないようにね。」

レグルスさんは私の手からご自分の手を離されたんですけど、気が付けばレグルスさんの手は、今度は私の腰と頭にありました。レグルスさんは手だけではなく、何もかもが温かいんですね・・・・!私はレグルスさんの温かさに甘えて、胸の中でひたすら涙をこぼすことしか出来ませんでした。

「ウッ・・ウゥッ。レグルス、さん・・・!」
「スピカ・・・どうやら私が思っていた以上に、つらい思いをしたようだね・・・・プレアに言われたこととは言え、こうしておまえの傍にいれて良かったと素直に思えるよ。」
「!・・レグルス、さん・・・・!」

私が泣きながらレグルスさんを見ると、レグルスさんは私の頭を優しくなでながら、温かい眼差しで私を見てくれてました。「Shooting Star」に行く前に先輩が言っていたように、レグルスさんは私のこと、理解して下さるんですね・・・・!
今は先輩に感謝しています。レグルスさんとこうしていることが出来て本当に良かった・・・・!そう思うとまた別の感動がこみ上げてきて、私は涙をこぼさずにはいられませんでした。

「・・スピカ。不安だっただろう?私が少しでも、その不安や苦しみを取り除けていれば良いんだけど・・・・」
「だい、じょうぶです・・・!レグルスさんと、こうして、ご一緒している、だけで・・私は・・・・!」

ダメです、涙で言葉がどうしても途切れ途切れになっちゃいます・・・!私の言いたいこと、ちゃんとレグルスさんに伝わってるでしょうか?そのことを疑問に思っても、結局私は泣くことしか出来なくて、どうしようもないです・・・・
でも、レグルスさんはそんな私を強く抱き締めて下さいました。レグルスさんの温もりが先ほどより強くなって、どこか安心している自分がいることを感じました。

「・・スピカ。私で良ければ、何でも言ってね?おまえの力になると約束するよ。1人で全て抱え込んじゃ駄目だよ?いいね?」
「レグルスさん・・・!はい、レグルスさん・・・・!」

私が泣きながら返事をすると、レグルスさんは私の頭を優しく撫でて笑顔を見せて下さいました。

「いい返事だね、スピカ。」
「・・レグルスさん・・・・」

わ、私とレグルスさん、見つめ合ってます・・・・!レグルスさんの眼差しがとても温かくて、優しくて、誰よりも素敵で・・・・しかもこんなに距離が近いと、思わず期待してしまいそうです・・・・
胸がドキドキとすごい勢いで鳴ってえます。レグルスさんに聞こえていないでしょうか?一旦レグルスさんから目を反らしてから、私はもう1度レグルスさんを見つめました。レグルスさんは私と目が合うと、笑顔を見せてくれました。

「・・スピカ。そんな風に見つめられたら、我慢出来なくなるよ・・・・」
「えっ?」

私が聞こうとすると、レグルスさんはウインクしてみせました。あまりに格好良く決まっているレグルスさんに、私はただドキドキするばかりです。

「フフッ・・そろそろ行こうか。目的地までもう少し歩くんだよ・・・涙は、もう大丈夫だね?」
「あっ・・は、はい。」

反射的に返事をしたものの、まだ私の目尻に涙があったようで、レグルスさんが指で軽く拭き取って下さいました。
それからレグルスさんは笑顔を浮かべられて、私の手をとってゆっくり歩き出されました。泣いた私の体力を考えて下さってるのか、先ほどよりスローペースに歩いて下さってます。
そんなレグルスさんの些細な優しさが嬉しくて、私は声には出さずに軽くお辞儀だけしました。そしたらレグルスさんはそれに気付いて下さったのか、少しだけつないでいる手を強く握って下さったんです!私が驚いてレグルスさんを見ると、レグルスさんは余裕のウインクをされました。
キャーーッ!本当にレグルスさんって、どうしてウインクがこんなに似合う方なんでしょう。レグルスさんのカッコ良さと優しさに、私はドキドキするばかりです。

「ここから坂道なんだよ。しっかり私の手を握っていてね?」
「はい、分かりました。レグルスさん。」

レグルスさんの仰る通り、少し急な上りの坂道が見えています。ここを上って行くんですね・・・その先に一体何があるんでしょうか?私はドキドキしながら、少しだけレグルスさんの手を強く握らせてもらいました。
レグルスさんの手はとても温かくて、大きくて、それでいて優しいんです。今までお付き合いしてきた方と手をつないで歩いたりしましたけれど、こんなにドキドキしたことはないです。私、レグルスさんに対しては本当の恋をしているんだと思います。
もちろん、今までの方々が偽の恋という訳ではないんですけれど・・・今私の人生の中で、一番熱い恋がレグルスさんなんじゃないかと思うんです。
ウゥッ・・でもレグルスさんにとっては、所詮私はただのお客に過ぎないんですよね。一体レグルスさんって、どんな方が好みのタイプなんでしょうか?うぅ〜ん・・・こういうのって、聞いてみても良いんでしょうか?
最初は聞くのをためらっていたんですけど、考えれば考えるほど気になってしまって・・・私は心を決めて、レグルスさんに尋ねてみることにしました。


  

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