33 「フフッ、プレアはすっかりミザールと盛り上がってしまっているね。プレア、ちょっといいかな?」 せ、先輩、完全に出来上がっちゃってますか!?いつもより顔が赤くて、お声も少し高い感じで・・・私は先輩の言われたことに驚いてしまいました。 「あたし、あなたに言ったじゃな~い!!今日はレグルスと一緒にいてもらいなさいって!言ったの!?スピカ。ねぇっ!!」 キャーッ、先輩が怖いです~!!こ、これは従わないと何て言われるものやら・・・・ 「え、えっと!こ、これから・・・・」 レグルスさんはプレアデス先輩に微笑みかけただけでした。それから、私は慌ててプレアデス先輩に謝りました。 「・・すみません、先輩・・・・」 アハハハハ。先輩、本当に出来上がっちゃってます・・・・そういえば、先輩はお酒の追加注文を沢山されて、ミザールさんもご一緒に飲んでましたよね? 「・・スピカ。あんな女にだけはなるんじゃないぜ?最も、おまえは酒が飲めないようだから心配してないがな。」 私にそう言って下さったのはアトラスさんでした。私が驚いてアトラスさんを見ると、アトラスさんはかけている色素の薄いサングラスを軽く持ち上げられました。レグルスさんはと言うと、アトラスさんの方を見て苦笑なさってます。 「フフッ・・思わぬ所でおまえの本音を聞いてしまったね。おまえはあんな女ばかり相手にしていたから、得意だと思っていたよ。」 ハッ!!レグルスさんに言われて、私は恐る恐るレグルスさんを見つめました。レグルスさんは楽しそうに微笑んでらっしゃいます。 「え、えぇ~っと・・・その。何って言えば良いのでしょうか?」 レグルスさんがそう仰ると、アトラスさんもワイルドな微笑を見せました。 「レグルスは俺とは違って、おまえがはっきり言わない限り一緒にいることはしないぜ?だから、おまえの口からちゃんと言うんだな。」 ・・先輩に脅されてのこととは言え、レグルスさんとご一緒していたい気持ちは本当です。なので、私は心を決めてレグルスさんに言いました。 「えっと・・・あの。お店が終わってから、お付き合いしていただけますか?」 わぁっ。レグルスさん、今の状態のプレアデス先輩に何も恐れを抱かずに普通にお声をかけてらっしゃいますね・・・・やっぱりホストさんってすごいなぁ、と思う瞬間です。 「フフッ・・ようやくおまえとこうして一緒にいれるね、スピカ。」 レグルスさん・・・確かに顔色や今日1日の行動は、見ている限りそれまでと変わりなかったですけど・・・・やっぱり、ちょっと心配です・・・・ 「はい・・・あの、ですけどレグルスさんは、すぐお休みになりたいですよね?」 ウッ・・あれから色々考えてはみたのですけど、深夜に出歩くことなんてなかったものですから、全然思いつかなかったんですよね~・・・・私は申し訳なくて、レグルスさんに謝りました。 「あの、すみません!私がお誘いしたのに、この時間に開いている場所とか全然知らなくて・・・・」 そう仰ってから、レグルスさんは口元に手を置いて考えてらっしゃるようです。キャ~、こんな私を連れて行って下さるなんて・・・レグルスさんとならば、私どこでも着いて行っちゃいますよ~。 「フフッ・・どうしたんだい?スピカ。じっと私を見つめて、誘っているのかな?」 レグルスさんはそう仰ってますけど、表情にはいつもの余裕さがあります。レグルスさんって、本当にどんなことがあっても余裕で冷静そうですよね~。そんな所が素敵で格好良いなぁ、なんて思っちゃいます。 「レ、レグルスさん!そんな。私の方こそ、レグルスさんに・・・・!」 思わず口が滑ってしまいました!私が自然と手を口にあてると、レグルスさんは余裕の微笑を浮かべられました。 「私が、何かな?スピカ。」 レグルスさんにとても色気が漂っていて、このままレグルスさんを見つめていたら、心臓のドキドキがレグルスさんに聞こえてしまいそうです。なので私は話題を変えてみました。 「ん?あぁ、そうだね。坂道を歩くけど、大丈夫かな?」 レグルスさんはそう仰ると、優しく私の手をとって下さったんです!驚いてレグルスさんを見たら、レグルスさんはウインクなさいました。 「あぁ・・手が冷たいね、スピカ。私の温かさで、おまえを満たせると良いんだけど。」 キャ~ッ。レグルスさんにはこの私の照れた顔、よく見えてらっしゃるんですね~。は、恥ずかしいです・・・・恥ずかしくて、ますます顔にばかり熱がいくのを自分でも感じてしまいます・・・・ 「は、はい、レグルスさん・・・・」 |
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