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こうして、最初は波乱でしたけどその後はとても楽しく過ごしました!気が付けば夜中の1時半ですよ〜!アトラスさんとレグルスさんとのお話が一段落付いてプレアデス先輩の方を見てみたんですけど・・・ウゥッ。先輩、ミザールさんとかなり盛り上がってらっしゃってますね〜。ミザールさんも気付かれないようですし、どうしましょうか・・・・と思っていたら、レグルスさんが優しく笑って私に言いました。

「フフッ、プレアはすっかりミザールと盛り上がってしまっているね。プレア、ちょっといいかな?」
「えっ?何よ〜、レグルス!!って、あっ!スピカ!!あなた、レグルスにちゃんとアフターの約束取り付けたの!?」
「えぇっ!?」

せ、先輩、完全に出来上がっちゃってますか!?いつもより顔が赤くて、お声も少し高い感じで・・・私は先輩の言われたことに驚いてしまいました。

「あたし、あなたに言ったじゃな〜い!!今日はレグルスと一緒にいてもらいなさいって!言ったの!?スピカ。ねぇっ!!」

キャーッ、先輩が怖いです〜!!こ、これは従わないと何て言われるものやら・・・・

「え、えっと!こ、これから・・・・」
「これから〜!?あなたってホントに謙虚すぎるのよ!!レグルス、あなたも大変ね〜。この子ってば真面目すぎちゃってどうしようもないわ〜。」

レグルスさんはプレアデス先輩に微笑みかけただけでした。それから、私は慌ててプレアデス先輩に謝りました。

「・・すみません、先輩・・・・」
「ウフフフ〜、分かってるならイイけど。あっ、それよりミザール〜!!この間のことなんだけど〜!!」

アハハハハ。先輩、本当に出来上がっちゃってます・・・・そういえば、先輩はお酒の追加注文を沢山されて、ミザールさんもご一緒に飲んでましたよね?

「・・スピカ。あんな女にだけはなるんじゃないぜ?最も、おまえは酒が飲めないようだから心配してないがな。」

私にそう言って下さったのはアトラスさんでした。私が驚いてアトラスさんを見ると、アトラスさんはかけている色素の薄いサングラスを軽く持ち上げられました。レグルスさんはと言うと、アトラスさんの方を見て苦笑なさってます。

「フフッ・・思わぬ所でおまえの本音を聞いてしまったね。おまえはあんな女ばかり相手にしていたから、得意だと思っていたよ。」
「そりゃあ、そうなんだが・・俺は女としての見てくれの話をしてるんだ。」
「あぁ、なるほどね・・・・それより。そんなプレアの言ったことでも、気になることがあったね〜。そしてスピカ、おまえはそれに答えていたよね?」

ハッ!!レグルスさんに言われて、私は恐る恐るレグルスさんを見つめました。レグルスさんは楽しそうに微笑んでらっしゃいます。

「え、えぇ〜っと・・・その。何って言えば良いのでしょうか?」
「フフッ、何でもいいよ。「これからデートしてくれないか」とか「アフターに付き合ってもらっていいか」とか・・・」

レグルスさんがそう仰ると、アトラスさんもワイルドな微笑を見せました。

「レグルスは俺とは違って、おまえがはっきり言わない限り一緒にいることはしないぜ?だから、おまえの口からちゃんと言うんだな。」

・・先輩に脅されてのこととは言え、レグルスさんとご一緒していたい気持ちは本当です。なので、私は心を決めてレグルスさんに言いました。

「えっと・・・あの。お店が終わってから、お付き合いしていただけますか?」
「フフッ・・ありがとう、スピカ。もちろん私はOKだよ・・・行き先は、これから考えるのかな?」
「あ!はい。あの、すみません・・・・」
「謝らないで。今日はおまえと一緒にいれるんだから、楽しまないとね。それじゃ、これ以上邪魔されたくないし、今日はこの辺でお開きにしようか。プレア、ちょっといいかな?」

わぁっ。レグルスさん、今の状態のプレアデス先輩に何も恐れを抱かずに普通にお声をかけてらっしゃいますね・・・・やっぱりホストさんってすごいなぁ、と思う瞬間です。
それからレグルスさんが先輩を上手く説得して下さって、私たちは帰ることになりました。すぐに先輩からレグルスさんとのアフターを確認されてしまってビクビクしてしまった私だったんですけど、ちゃんとレグルスさんとお約束したのは事実ですし、何とか返事をしました。
そしてお会計は今日はミザールさんがして下さいました!相変わらず私はお食事代だけなので安いんですが・・・プレアデス先輩がお会計している間に、レグルスさんとアトラスさんにチップを差し上げました。今日は5万ゴールドずつなので安すぎるかな、と思ったのですけど・・・お2人とも喜んで下さったので良かったです。
お会計を終えてからは、ミザールさんとアトラスさんが私と先輩とレグルスさんを見送る形になりました。これからレグルスさん目当てのお客さんもいらっしゃるのに、良いんでしょうか?と聞いてみた所、アフターをそのお客さんと取り付けたらその時点で、その日の営業はそのお客さんのみに絞られるんだそうです。
それからいつもより酔ってらっしゃる先輩を、私とレグルスさんでタクシーに乗るまで見送らせていただきました。これは、レグルスさんが提案したことなんですけど・・・・その間、先輩がレグルスさんの腕に抱き着いてて羨ましかったです・・・・
ですけど今は、外でレグルスさんと2人きりになったんですね!いつになくドキドキしてしまいます。

「フフッ・・ようやくおまえとこうして一緒にいれるね、スピカ。」
「あ、はい!あの、ですけどレグルスさん。ご体調は大丈夫ですか?」
「大丈夫、気にしないで。今日は酒を飲んでいないから、ほぼ万全の状態だよ。」

レグルスさん・・・確かに顔色や今日1日の行動は、見ている限りそれまでと変わりなかったですけど・・・・やっぱり、ちょっと心配です・・・・

「はい・・・あの、ですけどレグルスさんは、すぐお休みになりたいですよね?」
「いや、そんなことはないよ。おまえと一緒にいれるなら、どこへでも行くさ。行き先は決めてもらえたかな?」

ウッ・・あれから色々考えてはみたのですけど、深夜に出歩くことなんてなかったものですから、全然思いつかなかったんですよね〜・・・・私は申し訳なくて、レグルスさんに謝りました。

「あの、すみません!私がお誘いしたのに、この時間に開いている場所とか全然知らなくて・・・・」
「あぁ、いいんだよ。何せプレアに脅されてのことだし、おまえは夜遊びしなさそうだから無理もないさ。そうだね・・・おまえを連れて行きたい場所はいくつかあるんだけど。どこがいいかな・・・・」

そう仰ってから、レグルスさんは口元に手を置いて考えてらっしゃるようです。キャ〜、こんな私を連れて行って下さるなんて・・・レグルスさんとならば、私どこでも着いて行っちゃいますよ〜。
レグルスさんが考えてらっしゃる間、ドキドキしながらレグルスさんの顔を見つめました。レグルスさんも背が高い方なので、首や目が自然と上を向いてしまいます。

「フフッ・・どうしたんだい?スピカ。じっと私を見つめて、誘っているのかな?」
「えぇっ!?いっ、いえ!誘うだなんて、そんな!」
「アハハハハッ。おまえにその気がなくても、私はすっかり魅せられてしまったよ。」

レグルスさんはそう仰ってますけど、表情にはいつもの余裕さがあります。レグルスさんって、本当にどんなことがあっても余裕で冷静そうですよね〜。そんな所が素敵で格好良いなぁ、なんて思っちゃいます。

「レ、レグルスさん!そんな。私の方こそ、レグルスさんに・・・・!」

思わず口が滑ってしまいました!私が自然と手を口にあてると、レグルスさんは余裕の微笑を浮かべられました。

「私が、何かな?スピカ。」
「えぇっ!?えっと、あの・・そっ、それより!行き先は決まりましたか?」

レグルスさんにとても色気が漂っていて、このままレグルスさんを見つめていたら、心臓のドキドキがレグルスさんに聞こえてしまいそうです。なので私は話題を変えてみました。

「ん?あぁ、そうだね。坂道を歩くけど、大丈夫かな?」
「あ、はい。大丈夫です!」
「ありがとう。それじゃあ、ちょっと失礼するね。」

レグルスさんはそう仰ると、優しく私の手をとって下さったんです!驚いてレグルスさんを見たら、レグルスさんはウインクなさいました。
キャ〜ッ!どうしてこんなにレグルスさんは色っぽくて素敵な方なんでしょうか。レグルスさんはキザっぽいことをされても普通に似合ってしまうので、ドキドキしっぱなしです〜。

「あぁ・・手が冷たいね、スピカ。私の温かさで、おまえを満たせると良いんだけど。」
「あっ、すみません!その、おかしいですよね。私、手だけが冷たくて・・・」
「フフッ・・大半の熱は、おまえの可愛い顔の方にいってしまうのかな?こうしてネオンの光に照らされたおまえを見ていても、顔が赤いことがよく分かるよ。」

キャ〜ッ。レグルスさんにはこの私の照れた顔、よく見えてらっしゃるんですね〜。は、恥ずかしいです・・・・恥ずかしくて、ますます顔にばかり熱がいくのを自分でも感じてしまいます・・・・

「は、はい、レグルスさん・・・・」
「更に顔が赤くなったね・・・可愛いよ。大丈夫、手はちゃんと私が温めてあげるからね。じゃ、行こうか。」
「はい・・・・」


  

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