シマウマ

<作>坂田靖子
白泉社

 シマシマ、ウマウマ

おそらく『エレファントマン・ライフ』のあとに出たと思われる作品集。4ページほどのショートショート的な話が多く収録されている。全体的には一般的な坂田靖子の短編集とでもいう位置付けになるんだろうが、個人的にはいろいろ面白い作品があった。標題作の「シマウマ」は初期の高野文子を彷彿とさせるものがある。ジャングルにシマウマという設定自体が変だが、そのシマウマ自身の表現に驚かされた。シマウマの本来白である部分を透明に描いているのである。いや、厳密に言うと白(というか何も書いてない白地)なんだけれども、輪郭が描かれていないのでそう見える。保護色というものを視覚的に表しているともとれるが、デザインとしてシュールである。空間の中で完全に浮いている。デフォルメの極地(局地?)ともいえるかもしれない。こういうのを見ると、漫画を読んでるんだなあという感じがする。

「ダノヴィッチ街」は、『アジア変幻記』に収録されていた「桃の村」の原型か。『闇月王』に所収されているテンプテーション・シリーズの続編、「シャオピン家の伝統」も載っている。掲載されているものの中では、これが一番長い。このドタバタぶりは彼女の十八番だが、そのなかでもシャオピンと若社長のコンビがうまくいっていて、バランスのよい作品だ。

あと、最後に坂田靖子がはじめてパソコンに触れたときの話が載っている。彼女は初期98時代からのユーザーなのであった。うーん、新し物好きなのでしょうかね。結構高い買い物だったと思うのだけど。

あまり知られていない作品集のようで文庫化もされていないみたいだが、いくつかいい作品が収められている。坂田靖子が好きならば、買って損はないかも。
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