ピアノとタイピング「ピアノがうまいと打つのも速いの?」 こんな声を聞くことがある。確かに、この世でこれほど細かい指の動きが要求されるのは、ピアノとタイピングのみ。両者には何か関係があっても良いはず…。 実は著者は、小1〜5の5年間、ピアノを経験している。大してうまくない。ちょっと指の動きが複雑になってくると普通に無理、という程度のレベルである。それがタイピングのスキルに影響しているのか、と訊かれると…正直よく分からない。 ピアノとタイピングでは決定的に違う点がある。ピアノはキーを押すだけでなく、その押す強さ、タイミングまで気を配らなければならない。それに比べてタイピングはというと、とにかく速ければ良い!! そんな強さタイミングなど関係ないのである。まああまり強すぎるとキーボードが壊れるかもしれないが。 こう書いてしまうと、ピアノよりタイピングの方が楽に見えるかもしれない。ピアニストにとって速い動きなんてショパンの「小犬のワルツ」とかやってて余裕。タイピングなんか楽勝♪……? 甘い。ピアニストはパソコンのキー配置を見て唖然とするのである。キーの面積が小さいものだから、ピンポイントで合わせなければいけない。ピアノではない縦の動きも要求される……。 もちろん、タイピングがうまい人がピアノすぐできるなんていうのも、到底無理な話。パソコンのキーよりピアノのキーの方がはるかに押すときに力がいる。ピアノはいくつかのキーを同時に押すことも要求される。 結局、片方がうまいからもう片方もできるなんて、そんなムシの良い話はないのである。ただ両者とも、指を使うという作業ではあるので、まあ練習するとしたら慣れの問題かも。上達が早いとか、何らかの得はあるのかもしれない。 ちなみにピアニストの指の最高速は、タイピストのそれよりも速い、と思われる。
(2003.8.7)
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