「んっ・・・・・・・・ぁ・・・・ああっ・・」
「すげ・・・・っ・・・イイ」
 埋没されたゾロの一部は、サンジのひときわ深い場所を抉り取っていた。埃っぽい倉庫の床には半ばぼろになったシャツが白く捨て置かれ、上着も刀も点々と転がっている。
「あっ・・・あっ・・ソ、コ・・・・っ」
 的確に突き上げるゾロの追い上げに、悲鳴が上がりそうになり、なけなしの理性でもって両手が口をしっかりと塞ぐ。長い脚は、それでも固くゾロの腰に巻きつき、離れようとはしなかった。
「手ぇ放して、こっちに掴まっとけ」
「だ・・・めだ・・声、出ちまうッ」
「俺が貰う。こっち向け」
「てめ・・・・あああっ・・・んんんぐっ・・・」
 強引に両手は引き剥がされ、文句を言うより先に床に寝そべっていた体はゾロの膝に乗せ上げられた。ずっ・・・・・と体内を進む音がする。
 白い体が大きく跳ね、サンジの喉が震える。あまりにも強い瞬間の快感がペニスの先端まで行き届いた。反射的にイきそうになり、分厚い肩に縋ったサンジの低い叫びは、即座にゾロの口に吸い込まれた。
 ぐちゅぐちゅと卑猥な水音が派手に上がり、合わさった口元の隙間から飲み込みきれない声がかすかに漏れ出していた。それでも、ゾロとキスをしながら繋がっているのは最高だった。
 敏感な粘膜が擦り上げられ、ガンガン揺さぶられる。
 気持ちよさがデカイ熱塊になって、腹の底から頭のてっぺんまで貫き通していく。
「んっぁぁっ・・・・・・!!!」
 腰の奥から全身に広がる快感が、出口を探して荒れ狂っている。目の前がちかちかした。ゾロの鼻息が荒くなり、掴まっている肩も背中も、サンジの身体も汗で滑ってぬるついた。駆け上がる絶頂は凄まじかった。ぎゅっと手足の全部でもってゾロを掻き抱き、声にもなれず仰け反った刹那、互いの腹の間で刺激され続けたペニスが大量の熱を吐き出した。
「あ・・・・あ・・・・・・・」
「サンジ・・・っ」
 バカみたいに単音だけしか出なくなったサンジの背が引き戻される。強い射精感にどっぷり感覚が浸され、喘ぎばかりがこぼれる唇が乱暴に塞がれた。ぎちぎちまで硬くしたゾロが一際激しく腰を突き出し、びくつく腸壁が擦られまた射精させられる。
 悲鳴をあげたいのに声は封じられ、あまりに過ぎる快楽に身体が苦しいのに、まだ欲しい。
 頭がどうにかなっていきそうだ。官能で重くなった意識が、体内の深みでゾロがサンジの中に出しているのを感じ、蜜のように蕩けていく。
 なんだかコレっていいよな。
 また始まる官能に感覚を委ねて、サンジはゾロの舌をそっと噛んだ。


■■■■

 サンジはまったく知らなかった。
 無愛想で、えらそうで、俺様のゾロであるが。実は物凄くゾロは甘える気質の持ち主だった。たしかに、セックスの最中やら前後はやたらとサンジを舐めたり、執拗に触れていたり。挙句は抱きしめて離さなかったりしていたが、まさか思いっきりに懐かれるとは予測もしてなかった。
 少しくらいは甘えられるのもいいかなとか。間抜けなとこも可愛いじゃねえかとか。
 存外に面倒見がいいサンジは、重く甘い痺れが残る身体にニヤつきながら、非常にぬるい思考に浸っていたりした。
 タバコの煙まで、セックスの翌日だけは『Z』のマークになりそうな勢いだった。
 しかし、余裕ぶちかましている場合じゃなかった。

 懐く相手をようやく見つけたゾロは、さすがに人前だけは避けてくれたが昼だろうが、買出しの最中だろうが、料理中だろうが。とにかくサンジと二人きりになると、べったり抱きつきキスしてくる。まるで恋人同士みたいじゃねえかなんて突っ込みを入れる余裕もなかった。
 道を歩いていたらいきなり脇道から腕を引かれ、気づけばゾロにキスされてる。
 倉庫で食料のチェックをしていたら、後ろからやってきて腰を抱かれズボンを下ろされる。
 料理中でも気分が乗ったら、突如としてケモノになる。
 サンジもまた、どれもこれも相手ができてしまうのだから恐ろしい。
 この一ヶ月の間に通算100回はシタ。
 毎晩3回強の計算だ。
 ゾロとセックスするのは問題ない。身体だって支障はきたさない。
 しかし・・・・だ。

 サンジは背後から妖しいブツを擦り付ける男の顔に、がっちりアイアンクロウをかけた。
「んががががががががぁぁぁぁぁっ!!!」
 料理人の握力は、大剣豪の握力に勝るとも劣らない。
 鉄額のゾロであっても痛いものは痛いのだ。サンジの力強い指先が顔面に食い込むのは、あまり楽しい体験じゃあない。ただ、痛い。いや強烈な激痛だ。
「痛ぇじゃねえか!!!」
 だからきっちり本気で怒鳴った。青筋立てて、がなる割りにサンジの側から離れようとしない。
 完全に中毒だ。サンジ中毒か。髪の毛が渦巻きのアフロになるのかもしれない。
「てめえな!!いい加減に覚えろ!!」
 対するサンジも負けちゃあいない。
 くわっと牙剥いて至近距離から吼えている。そのわりに、ゾロの手が腰にあるのは許容範囲らしい。よく分からない男だ。
 くるりと振り向き、レードルでゾロの広いデコをとりあえず殴る。がこっといい音がした。
「俺が仕事中はおとなしく待つ!てめえが邪魔した分だけ、時間はかかるんだ!わかったか」
 びしぃっ!!!
 レードルが示したテーブルの席は、サンジがいつも座る、シンクにもっとも近い場所だった。
 酒とつまみ。密かな甘党ゾロのために拵えた、フルーツタルトまでもが一緒にある。
「てめぇはアレを食って、おとなしく俺の仕事が終わるのを待ってろ!」 
「なかなか終わらねえじゃねえか」
「てめぇが邪魔するからだろーが!」
 しつけても、餌で釣っておいても。
 ゾロは懲りずにサンジの邪魔をしにやってくる。
 サンジの剣幕に圧されて、すごすご立ち去るゾロの背中はしおらしい。料理人が普段使っている席に戻るゾロの後姿に、驚くほどに柔らかな笑みが注がれている。

 まったく。
 アホでどうしようもないバカで・・・・・。可愛らしすぎるヤツだぜ!

 ゾロとちゃんと抱き合って、キスを何度も交わしたい。
 覚えのある不満が感覚の端に食い込んでくる。だが、その不満すら今では楽しみへ繋がるアイテムだ。あまりにも欲求不満になりすぎたら、サンジからゾロに触れればいい。
 手元の食材へ意識を戻したサンジの口元は、先刻の優しい笑いを留めている。
 そして、赤くなっている額を撫でる剣豪の唇にも、暖かな波動が漂っていた。
 


END
                                                 

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